土地活用のアイディア17選！面白い方法・低コストでできる方法も解説

土地活用には、昔からよく選ばれている一般的な方法があります。ただし、基本的な土地活用でもアイデアを盛り込むことで、独自性のある運用が可能です。ここでは、4つの土地活用方法について、アイデアを交えて紹介します。
 

マンションやアパートの賃貸経営は、建物を建てて入居者を募集し、家賃収入を得る方法です。賃貸物件の需要がある都市部では、非常に有効な土地活用の手段となります。大きなマンションを建てて部屋数を増やすことで、毎月の家賃収入を増やせる可能性がありますが、需要が十分でない場合、満室にならず赤字経営になるリスクもあります。

マンション・アパート経営では、需要に合わせて部屋数を調節することが重要です。もし土地が余る場合は、月極駐車場の経営も一つのアイディアです。入居者だけでなく一般の人も契約できるようにすれば、近隣の駐車場が不足している地域では、アパートに住んでいる人からも利用してもらえる可能性があります。
 

戸建て住宅の賃貸経営はさまざまなアイディアを盛り込める土地活用です。自分が将来的に住みたい住宅を建てて、住み始めるまでは定期借家契約をして家賃収入を得る方法があります。広い土地がある場合には、賃貸併用住宅経営を建てて1階を賃貸物件にして2階に住むというアイディアもあります。

戸建て住宅経営では庭などの外構のメンテナンスが負担になる場合があります。庭にせずに舗装すれば草木の手入れや雑草対策といったメンテナンスが不要です。広くスペースを確保できるなら、駐車場や貸し農園などの他の土地活用に使うアイディアもあります。
 

貸事務所や貸店舗の経営は事業用に利用できる建物を事業者に貸して賃料を得る方法です。スケルトンの状態で貸せるので建築費用を抑えやすく、長期的な契約ができる可能性があるのがメリットです。

貸事務所も貸店舗も都会の駅近のような好立地で収益を上げやすい土地活用です。貸事務所と貸店舗を組み合わせて2階を貸事務所、1階を貸店舗にするアイディアがあります。1階にコンビニや飲食店が入ると、2階の事務所の人が便利なので利用するでしょう。事務所、店舗のそれぞれを借りる事業者にとってメリットを生み出せるアイディアです。
 

医療・福祉施設経営はクリニックや高齢者施設などとして使用できる建物を建築し、医療法人や医師、社会福祉法人などと契約して賃貸経営をする方法です。地域の社会福祉に貢献できる施設になるので、契約できれば長期的に運用できます。

医療・福祉施設経営では医療・介護モールにするというアイディアもあります。広い土地があるときや、大きなビルを建てられるときに有効な方法です。高齢者になると介護サービスだけでなく、医療サービスも必要になる場合があります。介護施設で必要な医療をモール内のクリニックで対応する仕組みも整えれば利用者にとって快適な施設になります。
 

土地活用にかかる費用を抑えられるアイディアが欲しいという場合もあります。ここでは費用をあまりかけずにできる土地活用のアイディアを紹介します。
 

月極駐車場経営は、土地を駐車スペースとして主に月単位の契約を行い、賃料収入を得る方法です。駐車場のない住宅、オフィス、店舗などが集まっている地域では、長期的に契約を継続でき、安定した収入を期待できます。賃貸契約に基づいて毎月一定の金額の賃料を徴収できるためです。

月極駐車場は、更地に砂利やアスファルトを敷く程度で、小資金かつ短期間で経営を始められます。車一台分の広さがあれば、狭小地でも月極駐車場として経営できるのもメリットです。また、月極駐車場は利用者の契約がすべてなくなった場合、整地して更地に戻しやすいのも特徴です。数ヶ月から数年単位の土地活用にも向いています。
 

コインパーキング経営は土地に駐車スペースを用意して利用者に時間貸しをして利用料金を得る方法です。商業施設、福祉施設などの周辺や観光スポットの近く、駅の周辺などで需要があります。コインパーキングは稼働率が高いほど収入が増えるため、毎月の収入額は需要と共有の関係によって変動するのが特徴です。イベントで多くの車が集まると常に満車になって大きな利益になる可能性もあります。

コインパーキングは土地を舗装してロック板やゲート、精算機などを設置して経営します。コインパーキング業者に依頼すれば一括借り上げで経営することも可能で、初期費用や工事手配、撤退時の撤去作業や整地作業も任せされます。一括借り上げではコインパーキングの稼働率にかかわらずに一定の賃料を受け取れるため、安定した収入を得られる方法です。
 

駐輪場経営は、月極やコインパーキングとして自転車の利用者から賃料や利用料金を得る方法です。狭い土地に数台分の駐輪スペースを確保することも、数階建ての駐輪場を建設することも可能です。駅前の好立地では駐輪場の需要が高いため、人口が多く、自転車が通勤や通学に頻繁に使われている地域では安定した収益が期待できます。月極駐輪場は土地があればすぐに始められますが、コインパーキングにする場合には自転車のロックや精算機などの設置が必要です。

自動販売機設置は、自動販売機の運営をしている業者に相談し、土地の一角に自動販売機を設置して利益の一部を還元してもらう方法です。商品の補充や周辺の清掃などの管理は業者に委託できます。自動販売機の電気代はかかりますが、他に特に費用がかからない土地活用方法です。

自動販売機は設置も撤去も簡単で、狭い場所にも設置してデッドスペースを有効活用できるメリットがあります。ただし、売れる場所でないと利益にならないため、マンションの入口や駐車場の精算機の近くなど、置き場所を考えて設置することが重要です。
 

貸し看板は、土地に看板を設置して広告を載せるサービスを提供する方法です。幹線道路沿いや駅前などの目立つ場所にある土地なら、広告主が見つかる可能性があります。狭くて他に使い道がないけれど立地が良い土地に適しているアイディアです。

看板を立てて広告を募集することもできますが、看板ごと広告主に用意してもらって土地を貸すことも可能です。貸し看板は期間を決めて契約できるため、短期間の土地活用にも適しています。
 

資材置き場は、開発が進む地方の土地を有効活用するための優れたアイディアです。土木工事や建築工事に必要な資材や廃材を一時的に保管する場所として土地を貸し出し、賃料収入を得ることができます。継続的な土地開発が計画されている地域では、開発事業を担当する土木業者や建設業者と長期的な契約を結ぶことができる可能性があります。

資材置き場は、更地の土地をそのまま貸し出せるため、初期費用がほとんどかかりません。また、返却時には資材が撤去されているため、手間もかかりません。賃料は高くないものの、他の方法では活用が難しい土地でも収益化できる可能性がある方法です。

貸し農園は、市民農園などとして家庭菜園を楽しみたい人々に農地を貸し出し、賃料を得る方法です。農地を活用する際に地目変更登記をせずに行えるアイディアです。ただし、農地の運用については農林水産省による制限を受ける場合があるため、事前に当局に確認してから始めることが重要です。

貸し農園の運営業者と契約し、借り手の斡旋や土地の管理を委託することも可能です。また、自宅の近くの土地を貸し農園にする場合、日常的な手入れを提供するサービスをビジネスとして展開することも考えられます。これにより、週末にしか田畑の手入れができない人々にも利用してもらえる可能性が広がります。


参照：市民農園の開設方法：農林水産省

土地活用をするときには面白いことをしたい人もいるでしょう。ここではあまり一般的ではないけれど成功のチャンスもある面白いアイディアを紹介します。
 

ウィークリーマンションは1週間～数ヶ月程度の契約期間で賃貸契約をして賃料を受け取るマンション経営方法です。出張で長く滞在するときによく用いられているマンションで、各地の都市部の主要駅周辺では高い需要があります。賃貸マンションとは違って長期契約ではない代わりに、日単価で考えると収益性が高いのがウィークリーマンションのメリットです。

ウィークリーマンションでは家具や家電を用意し、賃料に水道光熱費やインターネット料金も含むのが一般的です。ライフスタイルやワークスタイルの多様化によって、賃貸マンションの代わりに利用したり、リモートワークをする場所として使用したりする需要も高まっています。ニーズをつかめれば大きな収益を上げられる可能性があるアイディアです。

ホテル経営は、観光地やビジネスの中心地にある土地の活用に適しています。ホテルや旅館を建てて経営する方法です。地域のニーズに合わせてビジネスホテルや旅館などの経営形態を決めることで、繁忙期を中心に大きな利益を上げる可能性があります。

ただし、ホテルは旅館業法による規制を受けるため、営業許可を取得して開業する必要があります。そのため、ホテル経営を始める際の手続きは大変です。しかし、大手ホテルチェーンのフランチャイズを利用するというアイディアもあります。フランチャイズを利用すれば、ホテルチェーンからの支援を受けてホテルの設計や行政手続きを進めることができます。また、経営開始時には契約先のブランドネームを使用して集客できるため、初期から利用者が集まりやすいというメリットもあります。

参照：旅館業法の概要等について｜厚生労働省

コワーキングスペース経営は仕事をするための共有スペースをレンタルするサービスです。リモートワークをするときや、フリーランサーが仕事をするときによく利用されています。内装も整えたオフィスビルを建設してコワーキングスペースにすることもできますが、一軒家をコワーキングスペースとして運用するといったアイディアもあります。

コワーキングスペースは都会の大きな駅の周辺で需要が高いのが特徴です。ただ、地方で降るリモートワークをする人がコワーキングスペースを探すケースもあります。地方でも規模によっては収益を上げられる可能性があります。
 

シェアハウスは、複数の人が住宅を共用して生活するスタイルの賃貸住宅です。欧米では、高い住宅賃料を複数人で分担して安くする目的や、ソーシャルコミュニケーションの場を提供する目的で、学生や若いビジネスパーソンに利用されています。日本では、テーマを定めて興味のある人の入居を募ったり、入居者同士の交流イベントを実施したりするなど、さまざまなアイディアを盛り込んだシェアハウスが経営されています。

シェアハウスにはオーナー自身が住むことも可能です。自分の好きな趣味をテーマにして、同じ趣味を持つ人と一緒に暮らせるシェアハウスにするというアイディアも考えられます。
 

トレーラーハウス経営は、牽引して運べる移動式の住宅を土地に設置し、賃貸経営を行う方法です。住宅、事務所、店舗などとして貸し出し、賃料収入を得ることができます。トレーラーハウスは建物ではないため、不動産のように固定資産税や都市計画税がかからないのが特徴です。

トレーラーハウスは専門業者に依頼して運搬と設置を行うことができるため、けん引免許を持っていなくても利用可能です。ただし、ニーズが限られており、一戸建てに比べて不安定で狭いため、賃料を上げにくいというデメリットがあります。しかし、初期費用を抑えられるため、比較的始めやすい土地活用方法です。
 

キャンプ場経営は、自然の中にある土地を活用する方法です。地方の開発が進んでいない地域の広場や都市部にある森林などの立地を生かせます。テントやキャンピングカーなどを楽しめるスペースを提供し、利用料を受け取るのが一般的な方法です。バーベキュー設備やキャンプの消耗品・備品などを用意してレンタルしたり、バーベキューの食材手配を受け付けたりすることで、収益性の高いビジネスにすることができます。

キャンプ場経営は、利用者間のトラブルやゴミの不法投棄の対応が大変な場合がありますが、自分もキャンプ場で楽しむことが可能です。キャンプ好きの人にとっては、土地を共有し他の人との輪を広げながら収益を得ることができる土地活用のアイディアです。
 

土地活用にはオーセンティックなアイディアから面白いアイディアまで選択肢が多数あります。土地活用で成功するには選び方が重要です。具体的な方法を選ぶときに重要なポイントを紹介します。
 

土地活用の目的を明確にし、実現したいことを具体的に考えることが重要です。以下のような目的が考えられます。
　

• 10年後までに1,000万円の資産を作りたい
• 手間をかけずに土地を有効活用して生活費の足しにしたい
• 5年後に家を建てるまで運用してマイホームの資金を増やしたい

土地の状況によって選べる土地活用方法が違います。建築基準法や都市計画法などの法令によって規制を受けている場合には、その枠内でアイディアを出しましょう。用途地域によって住宅、商業施設、サービス施設などの設置条件が決まっている地域もあります。また、日照権を確保するための条例が定められている場合もあります。法令による規制があると建物を建てて土地活用をするときには選択肢が狭くなる場合が多いので注意が必要です。

参照
用途地域｜国土交通省
日影規制の概要（建築基準法第56条の2）｜国土交通省


 

面白いアイディアを採用して土地活用を始めても、収益が出なくて断念する場合があります。立地に合う方法を選んで収益を出すことを重視するのが成功のコツです。例えば、以下のように立地を考慮した土地活用方法が考えられます。
　

• 都会の駅前の一等地にオフィスビルを建てて経営する
• 地方のオフィスや大学が集まる地域でワンルームマンション経営をする
• 駐車場が少ない商店街でコインパーキング経営をする

立地と合わせてユーザーニーズを調査すると土地活用の成功率が上がります。例えば、以下のようにアイディアごとに調査を進めるとニーズがわかり、収益性がある土地活用ができるかを考えられます。
　

• 月極駐車場：駐車場がないマンションやオフィスがあるか
• コワーキングスペース：フリーランスの人やテレワークの人がいるか
• マンション：物件が不足しているか、主なユーザー層は誰か

アイディアは自由に組み合わせられます。面白いアイディアが見つかったときにも1つにこだわらずに他の可能性も考えて比較し、合理的な組み合わせを見出すことが成功のポイントです。例えば、以下のような組み合わせ方のアイディアがあります。
　

• 貸店舗の駐車場をコインパーキングにして同時に経営する
• 月極駐車場のデッドスペースに自動販売機を設置する
• マンションの一部は賃貸、残りはウィークリーマンションにする

土地活用は自由なアイディアで実施できます。ここで紹介したのはほんの一例なので、オリジナルのアイディアで土地活用にチャレンジするのもおすすめです。

迷ったときには駐車場経営から検討を始めましょう。駐車場は街中の土地なら広さを問わずに少額投資で始められるからです。実際に経営をしてみると、地域の需要も見えてきます。土地活用が初めての人におすすめの方法です。

駐車場経営は1台分の車室のスペースがあれば始められるので、他の方法と組み合わせるアイディアも出しやすいのがメリットです。月極駐車場とコインパーキングを上手に組み込むと、さらに収益性のある土地活用を実現できるでしょう。

土地活用のアイディアはできるだけ広く捉えて比較検討し、目的に合う方法を選ぶことが成功のコツです。アイディアは自由なので、一般的な方法にこだわらずに考えましょう。他社との差別化をしてニーズに合うサービスを提供すれば大きな収益を得られる可能性もあります。

駐車場経営は他の方法とも組み合わせやすく、初期費用をあまりかけずに始められる方法です。コインパーキングや月極駐車場の経営を経験すると新しいアイディアが生まれてくることもあります。土地活用の方法で迷ったときには駐車場経営から始めて、今後の運用のアイディアを生みだしていきましょう。
 

※本記事は可能な限り正確な情報を元に制作しておりますが、その内容の正確性や安全性を保証するものではありません。引用元・参照元によっては削除される可能性があることを予めご了承ください。また、実際の土地活用についてや、税金・相続等に関しては専門家にご相談されることをおすすめいたします。