2025年03月27日公開
2025年03月27日更新
土地の税金はいくらかかるの?種類や計算方法などをわかりやすく解説
土地を所有すると、毎年支払う固定資産税をはじめ、購入・売却・相続の際にもさまざまな税金がかかります。税金の種類や計算方法を正しく理解しておくことで、思わぬ負担を避けたり、節税対策を活用したりすることができます。 本記事では、土地にかかる税金の種類や計算方法、節税のポイントをわかりやすく解説します。

土地にかかる税金の種類と特徴
土地を所有・取得・売却・相続する際には、さまざまな税金が発生します。各税金の仕組みや特徴を理解しておくことで、余計な負担を避けたり、適切な節税対策を講じたりすることが可能です。
まずは、土地にかかる代表的な6つの税金の種類と特徴を確認していきましょう。
固定資産税:所有者が毎年支払う税金
固定資産税は、土地や建物などの不動産を所有している人が毎年支払う税金のことです。
課税対象となるのは、その年の1月1日時点で土地を所有している人で市区町村が課税を行います。固定資産評価額をもとに算出されるため、土地の価格や評価額の変動に応じて税額が変わることがあります。
参照:固定資産税・都市計画税(土地・家屋)|不動産と税金|東京都主税局
都市計画税:市街化区域の土地にかかる税金
都市計画税は、市街化区域に指定されている土地や建物に対して課される税金のことです。
固定資産税と同じく、1月1日時点の所有者が納税義務を負います。この税金は、都市整備のための財源として活用されるもので、市街化区域内の不動産に対してのみ課税されます。
市街化区域とは、都市計画法にもとづいて開発が進められる区域のことで、住宅や商業施設の建設が促進される地域のことです。そのため、市街化区域外の土地には、都市計画税はかかりません。
住宅用地に関しては、固定資産税と同様に軽減措置が適用されるため、負担を抑えることができます。
参照:固定資産税・都市計画税(土地・家屋)|不動産と税金|東京都主税局
不動産取得税:土地を取得した際にかかる税金
不動産取得税は、土地や建物を取得したときに一度だけ課される税金のことです。
土地の購入だけではなく、贈与や交換、建築による取得も対象となります。贈与で土地を取得した場合は、不動産取得税に加えて贈与税がかかるため、負担が大きくなる場合もあります。
相続による土地の取得に関しては、不動産取得税の課税対象外となるため、贈与よりも相続を選択した方が税負担を抑えられるケースが多いです。また、住宅用地の取得には軽減措置があり、一定の要件を満たせば税額が軽減される制度も設けられています。
参照:不動産取得税|不動産と税金|東京都主税局
相続税・贈与税:土地を受け継ぐ際に発生する税金
土地を相続または贈与によって取得する場合、相続税や贈与税が発生します。
相続税は、被相続人(故人)の財産を相続人が受け継ぐ際にかかる税金であり、基礎控除額を超える部分に対して課税されます。相続財産の評価方法には一定のルールがあり、土地については、路線価方式や倍率方式で評価額が算出されます。
一方、贈与税は生前に土地を譲り受ける場合にかかる税金で、年間110万円を超える贈与に対して課税されます。相続税と比較して税率が高いため、計画的な生前贈与や相続時精算課税制度の活用を検討することが重要です。
また、小規模宅地等の特例を適用することで、相続税の負担を大幅に軽減できる場合があります。
参照:No.4402 贈与税がかかる場合|国税庁
譲渡所得税:土地を売却した際の税金
土地を売却すると、売却益に対して譲渡所得税が課されます。譲渡所得とは、売却価格から取得費や譲渡費用を差し引いた金額で、この所得に対して一定の税率が適用されます。
税率は、土地の所有期間によって異なり、5年以下の短期譲渡所得の税率は30%と高く、5年以上の長期譲渡所得の税率は15%と低くなります。そのため、売却のタイミングを工夫することで税負担を抑えることが可能です。
また、マイホームを売却する場合は「3,000万円特別控除」や「軽減税率の特例」などの優遇措置が利用できる可能性があります。これらの特例を活用することで、譲渡所得税の負担を大幅に軽減できるでしょう。
参照:No.3211 短期譲渡所得の税額の計算|国税庁
参照:No.3208 長期譲渡所得の税額の計算|国税庁
参照:No.3302 マイホームを売ったときの特例|国税庁
印紙税:売買契約の際にかかる税金
印紙税は、土地の売買契約の締結時に作成される契約書に対して課される税金のことです。
印紙税額の事例は、次のとおりです。
土地の購入金額 | 一括購入の場合の印紙税 |
1万円以上10万円以下 | 200円 |
10万円を超え50万円以下 | 400円 |
50万円を超え100万円以下 | 1,000円 |
100万円を超え500万円以下 2,000円 | 2,000円 |
500万円を超え1千万円以下 10,000円 | 10,000円 |
1千万円を超え5千万円以下20,000円 | 20,000円 |
5千万円を超え1億円以下60,000円 | 60,000円 |
契約書に記載された取引金額に応じて税額が決まり、売買契約書に収入印紙を貼付することで納税します。
この税金は、契約の証明を目的としたものであり、契約書を作成しない場合には発生しません。また、電子契約を利用すれば印紙税が不要となるため、取引の形態によっては税負担を抑えることも可能です。
参照:No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで|国税庁
土地にかかる税金の計算方法
土地に関する税金は、それぞれ計算方法が異なります。税額の算出方法を理解しておくことで、節税対策を講じることもできるでしょう。
本章では、固定資産税や都市計画税、不動産取得税などの税金の計算方法を解説します。
固定資産税の計算方法と税率
固定資産税は、土地や建物を所有している人が毎年支払う税金です。固定資産評価額をもとに算出され、市区町村が課税します。
固定資産税の計算式は、次のとおりです。
固定資産税=課税標準額×標準税率(1.4%) |
課税標準額は通常、固定資産評価額と同じですが、住宅用地に関しては、以下の軽減措置が適用される場合があります。
小規模住宅用地(200㎡以下) | 課税標準額が6分の1に軽減 |
一般住宅用地(200㎡超の部分) | 課税標準額が3分の1に軽減 |
固定資産評価額が1,200万円の小規模住宅用地であれば、課税標準額は200万円(1,200万円×1/6)となり、固定資産税額は28,000円(200万円×1.4%)になります。
住宅用地の特例の適用で大幅に税負担を軽減できるため、適用条件を事前に確認することが重要です。
参照:総務省|地方税制度|固定資産税
参照:国土交通省 固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置
都市計画税の計算方法と適用範囲
都市計画税は市街化区域内の土地や建物に課される税金で、固定資産税と同様に固定資産評価額から計算されます。
都市計画税の計算式は、次のとおりです。
都市計画税=課税標準額×標準税率(最大0.3%) |
都市計画税にも住宅用地の軽減措置が適用され、以下のように減額されます。
小規模住宅用地(200㎡以下) | 課税標準額が3分の1に軽減 |
一般住宅用地(200㎡超の部分) | 課税標準額が3分の2に軽減 |
市街化区域外の土地には都市計画税はかからないため、購入予定の土地がどの区域に属するのかは事前に確認しておきましょう。
参照:建設産業・不動産業:土地の保有に係る税制 - 国土交通省
不動産取得税の計算方法と軽減措置
不動産取得税は、土地や建物を取得した際に一度だけ発生する税金です。
住宅用地の不動産取得税の計算式は、次のとおりです。
不動産所得税=固定資産税評価額×3%(土地と住宅のみに適用) |
上記以外には、以下の計算式が適用されます。
不動産所得税=固定資産税評価額×4% |
さらに、以下のような税負担を軽減する特例措置が適用される場合もあります。
新築住宅を取得する場合 | 評価額から1,200万円を控除(一戸建て住宅の床面積:50㎡以上240㎡以下) |
住宅用地を取得する場合 | (1)(2)のいずれか高い方の額を土地の税額から軽減 (1)150万円×税率 (2)土地1m2当たりの価格×住宅の床面積の2倍(1戸当たり200m2を上限)×税率 |
ただし、土地を取得した日から一定の期間内に、その土地に住宅が新築されているなどの要件を満たすことが必要です。
参照:総務省|地方税制度|不動産取得税
相続税の計算方法
相続税は、被相続人(故人)の財産を相続した際に発生する税金で、基礎控除を超えた部分に対して課税されます。
相続税の計算式は、次のとおりです。
相続税額=(課税遺産総額-基礎控除額)×税率 ※基礎控除額=3,000万円+(600万円×法定相続人の数) |
法定相続人が3人の場合、基礎控除額は4,800万円(3,000万円 + 600万円×3)となり、この金額を超えた分に対して相続税がかかります。
税率は法定相続分に応じた取得金額によって異なりますため、国税庁のホームページなどでご確認ください。
参照:相続税のあらまし|国税庁
贈与税の計算方法
贈与税は「年間110万円」を超える贈与に対して課される税金で、相続税よりも税率が高いのが特徴です。
贈与税の計算式は、次のとおりです。
贈与税額=(贈与額-基礎控除110万円)×税率-控除額 |
ただし、兄弟間や夫婦間、親から子への贈与で子が未成年者の場合と祖父から孫、父から子への贈与で控除額が変わる場合があるため、注意しましょう。
具体例として、500万円の贈与を受けた(親から子)場合、贈与税額は以下のように計算されます。
(500万円-基礎控除110万円)×税率20%-控除額25万円=53万円 |
相続時精算課税制度を利用すれば、2,500万円までの贈与が非課税となるため、計画的な贈与を検討することが重要です。
参照:No.4408 贈与税の計算と税率(暦年課税)|国税庁
参照:No.4103 相続時精算課税の選択|国税庁
譲渡所得税の計算方法
譲渡所得税は、土地を売却した際の利益(譲渡所得)に対して課される税金であり、計算式は以下のとおりです。
・課税譲渡所得金額=収入金額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額 ・譲渡所得税額=課税譲渡所得金額×税率 |
ただし、税率は譲渡した年の1月1日現在で所有期間が5年を超える場合(長期譲渡所得)の15%と5年以下(短期譲渡所得)の30%と異なるため、注意しましょう。
参照:No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)|国税庁
土地にかかる税金を節税する4つの方法
土地を所有・売却・相続する際には、さまざまな税金が発生します。しかし、適用できる特例や控除を活用することで、税負担を軽減できます。
本章では、固定資産税・都市計画税・譲渡所得税・相続税・贈与税に関する代表的な節税方法を紹介します。
小規模住宅用地の特例を活用する
土地を所有していると、毎年固定資産税と都市計画税が発生しますが、住宅用地には税負担を軽減する小規模住宅用地の特例が適用されます。
この特例では、200㎡以下の住宅用地の課税標準額が固定資産税は6分の1、都市計画税は3分の1に軽減されます。200㎡を超える部分についても一定の軽減措置が適用されるため、土地の用途によっては税額を大幅に抑えられます。
ただし、住宅が取り壊されて更地になった場合や長期間空き家になっている場合は適用されなくなるため、活用方法を事前に検討することが重要です。
参照:固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置|国土交通省
特例控除を活用して譲渡所得税を抑える
土地を売却すると譲渡所得税が発生しますが、マイホームを売った場合の3,000万円の特別控除を適用すれば、譲渡所得から最大3,000万円を差し引くことができます。
控除を受けるためには、売却する土地が自宅の敷地であることや住まなくなってから3年以内に売却することなどの条件を満たす必要があります。また、所有期間が10年以上の場合、税率が軽減される特例もあります。
適用条件を満たしているかを事前に確認し、活用できる特例を上手に組み合わせることで、譲渡所得税を抑えることが可能です。
参照:No.3302 マイホームを売ったときの特例|国税庁
相続税の評価額を下げる方法を検討する
相続税は、相続した財産の評価額から計算されるため、土地の評価額を下げる工夫をすることで税負担を軽減できます。
代表的な方法の一つが、小規模宅地等の特例の活用です。これは、相続した土地が被相続人の自宅や事業用地であった場合、評価額を最大80%減額できる制度です。適用を受けるには、一定期間その土地を保有・居住することなどの条件を満たす必要があります。
また、貸付用の土地として活用することも有効です。第三者に貸し出すことで土地の評価額を下げることができるため、賃貸経営を検討するのも一つの選択肢です。
相続税の負担を抑えるためには適用できる制度を事前に確認し、計画的に対策を立てることが重要です。
参照:No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)|国税庁
生前贈与を活用して相続税対策を行う
生前に土地を贈与することで相続財産を減らし、相続税の負担を軽減できます。毎年110万円までの贈与であれば贈与税がかからないため、長期間にわたって少しずつ贈与することで効果的な節税ができます。
また、相続時精算課税制度を活用すれば2,500万円までの贈与が非課税になり、相続時にまとめて精算する仕組みを利用できます。さらに、婚姻期間が20年以上の配偶者への贈与なら、2,000万円までが非課税になる特例などもあります。
生前贈与の計画を立て、無理のない範囲で資産を分配することでスムーズな相続対策を行いましょう。
参照:No.4103 相続時精算課税の選択|国税庁
参照:No.4455 配偶者控除の対象となる居住用不動産の範囲|国税庁
参照:No.4452 夫婦の間で居住用の不動産を贈与したときの配偶者控除|国税庁
土地の税金を支払う際の注意点
土地にかかる税金は、種類ごとに納付期限や手続きが異なります。支払いを怠ると延滞金が発生したり、誤った税額を納めたりしてしまうリスクがあるため、事前に確認しておくことが重要です。
ここからは、税金を支払う際に注意すべきポイントを解説します。
支払い期限を守らないと延滞金が発生する
土地にかかる税金には納付期限が定められており、期限を過ぎると延滞金が発生します。
例えば、固定資産税や都市計画税は年4回の分割払いが可能ですが、期日までに支払わないと延滞税が加算されます。また、不動産取得税や相続税、譲渡所得税などの一括納付が必要な税金も期限を過ぎると延滞金の対象になります。
支払いを滞納すると延滞金が日ごとに加算され、最悪の場合は財産の差し押さえが行われる可能性もあります。納付期限を事前に把握し、計画的に支払うことが大切です。
参照:No.9205 延滞税について|国税庁
納税通知書の内容を確認し、誤りがあれば修正を申請する
固定資産税や不動産取得税は自治体が算出した評価額から決定されますが、評価額の誤りや軽減措置の適用漏れが発生する場合があります。そのため、納税通知書が届いたら、土地の評価額や税額、適用される特例の有無を確認しましょう。
特に、小規模住宅用地の特例が適用されているか、あるいは相続後の名義変更が正しく反映されているかなどが重要です。誤りがあれば、自治体の税務課に申請することで修正できる可能性があります。
放置をしてしまうと余分な税負担がかかるため、内容を確認しておくことが大切です。
相続や売却時の税金負担を事前に把握しておく
土地を相続・売却する際には、相続税や譲渡所得税が発生します。思わぬ税負担を避けるために事前に税額を試算し、軽減措置の適用可否を確認しておくことが重要です。
相続時には小規模宅地等の特例を活用すれば、評価額を最大80%減額できます。売却時には、所有期間によって譲渡所得税の税率が異なるため、タイミングを工夫することで節税が可能です。また、3,000万円特別控除を利用すれば、譲渡益も抑えられるでしょう。
事前に税金のシミュレーションを行い、最適な対策を検討することが大切です。
参照:No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)|国税庁
土地の活用には「駐車場経営」がおすすめ
土地を所有していると活用方法に悩むことも多いですが、手軽に始められる方法として駐車場経営が挙げられます。市街地や住宅街では駐車場の需要が高く、安定収益が見込めるため、土地活用の選択肢として有力といえます。
駐車場経営には、月極駐車場とコインパーキングの2種類があります。月極駐車場は長期契約が基本で収入が安定しやすく、コインパーキングは短期間でも高い収益を狙えるメリットがあります。立地や周辺環境に応じて適した運営方法を選ぶことが重要です。
また、駐車場は建物を建てる必要がないため、初期費用が比較的少なく、固定資産税の負担も抑えられるケースがあります。さらに、将来的に別の用途へ転用しやすい点も魅力の一つです。
余った土地があり、手間をかけずに収益化を図りたい方は、駐車場経営を選択肢の一つにしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
土地を所有している場合、どのように活用するかによって税負担や収益が大きく変わります。適切に税金を管理するためには、固定資産税や相続税、譲渡所得税などの仕組みを理解し、必要に応じて軽減措置を活用することが重要です。
税負担を抑えるためには、小規模住宅用地の特例や特例控除を活用し、相続時の評価額を下げる方法を検討することが効果的です。また、生前贈与を活用することで、相続税の対策を進められます。
さらに、土地を有効的に活用しながら安定収入を得る手段として、駐車場経営もおすすめです。初期費用が少なく、管理の負担も比較的軽いため、手軽に始めることが可能です。
本記事を参考に税金対策と土地の活用方法を理解し、自分にとって最適な方法を検討してみてください。
※本記事は可能な限り正確な情報を元に制作しておりますが、その内容の正確性や安全性を保証するものではありません。引用元・参照元によっては削除される可能性があることを予めご了承ください。また、実際の土地活用についてや、税金・相続等に関しては専門家にご相談されることをおすすめいたします。