2025年05月30日公開
2025年05月30日更新
ロックレス駐車場の仕組みを深掘り!実際の利用方法や注意点を解説
最近、ロック板のないロックレス駐車場が増えていますが、「不正利用されやすいのでは?」といった不安の声も聞かれます。料金の未払いが発生すれば、オーナーの損失や正規利用者への影響にもつながりかねません。 そこで本記事では、ロックレス駐車場の仕組みや従来型パーキングとの違い、実際の利用方法や注意すべきポイントなどを解説します。

目次
ロックレス駐車場の仕組みとは?
ロックレス駐車場はロック板で物理的に車両を制御するのではなく、センサー技術や画像認識システムを活用して、車両の入出庫と利用時間を自動的に管理する仕組みです。
多くは、ナンバープレート認識カメラによる仕組みを採用しています。車が入庫すると自動でナンバーが撮影され、その時点から利用時間の計測がスタートします。出庫時にはカメラでナンバーを読み取り、入庫からの滞在時間に応じて料金が算出されるという流れです。
加えて、車両が停車していることを感知するために地磁気センサーや重量センサーなどを設置している駐車場もあります。これにより、カメラでは検出できない一時停止や再入庫の判別精度を向上させています。
このような仕組みでロック板やゲートがなくても、いつどの車がどれくらい駐車したかを正確に把握できるようになっており、後払いの精算方式に対応しています。
ロックレス駐車場と従来型パーキングとの違い
ロックレス駐車場と従来型パーキングは、車両の管理方法と運営面に違いがあります。
従来型では、ロック板やゲートを使って車の出入りを制限します。利用者が料金を支払わなければ出庫できないため、物理的に車を止められます。
一方、ロックレス駐車場はナンバープレートを撮影して利用状況を記録し、精算情報と照合後に請求するため、利用者のモラルとシステムによる追跡が不可欠です。
また、運営面でも違いがあります。従来はロック板や精算装置などのコストが高く、故障対応やメンテナンスが必要です。一方、ロックレス駐車場の初期投資はカメラやセンサー、クラウド管理システムに集中するものの、可動部が少ないため故障リスクが低く、長期的に運用コストを抑えやすい特徴があります。
上記より、ロックレス駐車場はデジタルによる管理をベースとし、従来型の物理的な制御とは異なるシステムといえます。
ロックレス駐車場の利用方法
ロックレス駐車場はロック板やゲートがない分、スムーズな入出庫が可能です。ただし、利用者がロックレス駐車場の仕組みを理解し、正しく行動することが前提となります。
まずは、ロックレス駐車場の実際の入庫と出庫の流れを確認していきましょう。
主な入庫の流れ
ロックレス駐車場の主な入庫の流れは、以下のとおりです。
- 駐車場に入る
- 空いているスペースに駐車する
- 精算方法を確認しておく
まずは、車両が駐車場に入ると入り口または駐車スペース付近に設置されたナンバープレート認識カメラが車のナンバーを自動的に読み取ります。この時点で「入庫時間」の記録がスタートします。
次に、空いている場所を自由に選んで駐車します。ただし、区画ごとに時間貸しか月極かが決まっている場合もあるため、注意書きを確認しましょう。
最後に、出庫時の精算方法を看板などで確認しておくことで、スムーズに出庫ができます。
主な出庫の流れ
ロックレス駐車場の主な出庫の流れは、以下のとおりです。
- 精算機でナンバーを入力して料金を確認する
- 料金を支払う
- そのまま出庫する
まずは、出庫前に設置されている精算機で自分の車のナンバーを入力すると、入庫時間に基づいた駐車料金が表示されます。現金や電子マネー、クレジットカード、QR決済など、駐車場によってさまざまな支払い方法に対応しています。
次に、対応アプリを使えばスマートフォンから事前に精算できる場合もあります。混雑する時間帯は、アプリでの精算が便利でしょう。
精算後は物理的なゲートやロック板がないため、そのまま出庫できます。出入口にはカメラやセンサーが設置されており、再度ナンバーを読み取ることで出庫が確認されます。
ロックレス駐車場を利用する際の5つの注意点
ここからは、ロックレス駐車場を利用する際の注意点として、以下の5つを解説します。
- 出庫前に必ず支払いを確認する
- 利用時間と課金単位を確認する
- 精算機が遠い場合の対応を検討しておく
- ナンバー読み取り不備に注意する
- 出庫時にバーがないため、安全に注意して出庫する
①出庫前に必ず支払いを確認する
ロックレス駐車場はロック板やゲートが存在しないため、料金を支払わなくても車が出せてしまう点が、従来型との大きな違いです。物理的なストッパーがないため、支払い忘れのまま出庫してしまうリスクが高くなるといえるでしょう。
また、一部の利用者には「後日精算ができるから大丈夫」と誤解する方もいますが、これは不正利用とみなされ、追加料金や違約金が発生するケースもあります。
必ず出庫前に精算機での支払いを済ませたか、アプリで決済したかなどを確認してから車に乗ることを忘れないようにしましょう。
②利用時間と課金単位を確認する
ロックレス駐車場には、15分や30分ごとを課金単位に設定しているところや昼間最大・夜間最大など時間帯によって料金が変動するケースもあります。特に、観光地や繁華街の近くでは土日祝日や時間帯によって割高になってしまう場合もあるため、注意しましょう。
数分の違いで予想以上の金額になるといった事態を避けるためにも、駐車前に看板や案内板を確認し、料金体系や最大料金の有無、課金単位などを把握しておくことがおすすめです。
③精算機が遠い場合の対応を検討しておく
ロックレス駐車場では広い敷地に対して精算機の設置台数が少ない場合があり、駐車位置から精算機まで距離があると不便に感じる場合もあるでしょう。特に、雨の日や荷物が多いときは移動が負担になる可能性もあります。
このような状況に備えて、対応している駐車場ではスマートフォンアプリを事前にインストールしておくことがおすすめです。アプリからナンバーを入力するだけで事前精算が可能な場合もあり、車に戻る前に支払いを済ませておけるため、スムーズな出庫が可能です。
④ナンバー読み取り不備に注意する
ロックレス駐車場では、入出庫の記録をナンバープレート認識カメラで行っています。そのため、ナンバーが正しく読み取れなければ、入庫記録が取れないことや精算機にナンバーが表示されないなどのトラブルにつながる可能性があります。
ナンバープレートに汚れや雪が付着していたり、ナンバーフレームやカバーがあったりすると、認識ミスが起きる可能性があるため、利用前にナンバーを確認しておきましょう。
また、仮ナンバーや地方の特殊ナンバーなどの一部のプレートは読み取り精度が下がる場合があるため、現地の注意書きも確認しておくと安心です。
⑤出庫時にバーがないため、安全に注意して出庫する
ロックレス駐車場にはゲートやバーがないため、精算後はそのまま車を出庫できます。一見すると手間がなくスムーズに感じられますが、出庫の際にゲートがないことで徐行や停止などの動作がなくなり、周囲への注意が散漫になる可能性もあるでしょう。
特に、周囲の見通しが悪い場所や子ども・歩行者が多い地域では、ゆっくりと出庫して安全確認を怠らないことが大切です。
また、他の車両もゲートの存在を前提に行動していない可能性があるため、事故防止のためにも慎重な運転を心がけてください。
ロックレス駐車場の仕組みに関するよくあるQA
ここからは、ロックレス駐車場の仕組みに関するよくある質問に回答します。
ロックレス駐車場のナンバー読み取りの精度は?
現在のロックレス駐車場では、高精度なナンバープレート認識カメラが導入されており、走行車両でも約99%の認識精度を実現しているといわれています。
ただし、ナンバーに汚れが付着していたり、ナンバーフレームがカメラの視認範囲を遮っていたりする場合には、読み取りエラーが発生する可能性もあるため、ナンバーの状態管理は利用者自身の配慮も必要といえます。
また、仮ナンバーやご当地ナンバーなどの特殊デザインのプレートは読み取りが難しいこともあるため、注意しましょう。
現金支払いはできる?
ロックレス駐車場でも、多くの施設で現金支払いに対応した精算機が設置されています。クレジットカードや電子マネー、QRコード決済などキャッシュレス化が進んでいる一方で、現金を希望する利用者のニーズに応えるため、現金対応は主流の一つといえるでしょう。
ただし、近年新しくオープンしたロックレス駐車場の中には「完全キャッシュレス専用」の場所も増えてきており、精算機を設置せずにアプリでの事前決済やWeb決済のみ対応しているタイプもあります。
駐車場によって異なるため、現金で支払いたい場合は事前に状況を確認しておきましょう。
ゲートがないロックレス駐車場でどうやって未払いを防いでいるの?
ロックレス駐車場では物理的なゲートやロック装置がないため、一見すると「料金を支払わずに出られてしまうのでは?」と不安に感じる方もいるかもしれません。しかし、近年のシステムではカメラと管理システムを連携させることで、不正利用にも対応しています。
具体的にはナンバー認識カメラで入出庫の記録を残し、そのデータをリアルタイムで管理できます。未精算のまま出庫した車両については、後日郵送による請求や警告文の送付、悪質な場合は法的措置がとられるケースもあります。
また、駐車場によっては未払い車両が次回入庫した際に再精算を求められるなど、システム的にブロックされる仕組みを取り入れているところもあります。物理的な抑止力がなくても、データ管理と警告・追跡の仕組みによって未払い防止が成り立っているのが、ロックレス駐車場の特徴といえるでしょう。
まとめ
ロックレス駐車場はロック板やゲートを設けずに駐車管理を行う、新しい形のコインパーキングです。スムーズな入出庫や非接触での精算などの多くのメリットがある一方で、利用者のモラルや仕組みの理解が前提となるため、運用には注意が必要です。
特に、ナンバー認識精度や未払い防止策などの技術的な仕組みを正しく理解しておくことで、トラブルを未然に防ぐことができます。また、課金単位の確認や安全な出庫方法といった基本的なポイントを押さえることも、安心して利用するための重要なステップでしょう。
ロックレス駐車場は、今後ますます普及が進むと予想されます。導入を検討されている方は本記事を参考にロックレス駐車場のシステムの仕組みを理解し、正しく安全に活用できる準備を進めていきましょう。
本記事が運営者にとっても利用者にとっても、トラブルの少ない快適な駐車場経営を実現する第一歩につながれば幸いです。
※本記事は可能な限り正確な情報を元に制作しておりますが、その内容の正確性や安全性を保証するものではありません。引用元・参照元によっては削除される可能性があることを予めご了承ください。また、実際の土地活用についてや、税金・相続等に関しては専門家にご相談されることをおすすめいたします。