2022年06月17日公開
2025年07月24日更新
フラップレス駐車場での未払いはNG!仕組みや使い方、注意点も解説
本記事では、フラップレス駐車場について解説します。フラップレスとは、「ロック板が設置されていない駐車場方式」のことです。平置き駐車場のようにスムーズに駐車できるため、誰でも利用しやすいのが特徴。 今回は、フラップレス駐車場の仕組みやメリット・デメリットを詳しく紹介し、実際の使い方や導入時のポイントなども解説します。

目次
フラップレス駐車場とは
フラップレス駐車場とは、通常のコインパーキングであれば車室ごとに設置されている、ロック板がない駐車場のことです。ロック板がない代わりに、車室後方にナンバープレートを読み取るカメラが設置されています。駐車場の管理は、車室ごとのカメラと敷地内にある防犯カメラで行っています。
フラップレス駐車場は、平置き駐車場と変わらずに駐車ができます。よって、駐車が苦手なドライバーでも気軽に利用できるのです。現在、このようなフラップレス駐車場の設置件数が、徐々に増えてきています。
このようなフラップレス駐車場は、運営コストを抑えられる点でも注目されており、導入を検討するオーナーも増えています。前提として、駐車場経営の仕組みや収益性について詳しく知りたい方は、以下の参考記事をご覧ください。

それでは、次項にて「フラップレス駐車場の仕組み」を詳しく見ていきましょう。
フラップレス駐車場の仕組み
まず、フラップレス駐車場の仕組みについて解説します。
フラップレス駐車場は、車室後方のカメラと駐車場の入り口に設置してある監視カメラにて駐車場の管理を行っています。利用方法は、通常のロック板があるコインパーキングと一緒で、空いている区画があれば自由に駐車できます。
駐車利用中は、車室後方のカメラにて車両を感知し、感知している間は料金が課金されていきます。尚、ナンバープレートが破損しているなど、ナンバーが読み取れない車は利用できません。
出庫時には、駐車した車室番号を精算機に入力し、利用時間分の料金を支払います。料金を精算したら、車室後方のカメラポールの画面に「精算済み」と表示され、出庫できるようになります。
尚、精算が済んだはずなのに「課金中」と表示されていたら、間違って他の車室分を精算した可能性があります。このままだと不正出庫扱いになるので、もう一度正しい車室番号を入力し精算します。また、ロック板がないことによるうっかりミスで「払い忘れ」がないように、注意します。
このように、利用者にとってフラップレス駐車場を使うことに、特別なことはありません。よって、フラップレス駐車場は、利用方法が変わらずロック板がないことで、メリットが多いのです。
次項にて、フラップレス駐車場の具体的なメリットを詳しく解説します。
フラップレス駐車場のメリット
フラップレス駐車場のメリットは、以下の5つです。
- 不正出庫を抑制できる
- 入庫・出庫しやすく利用を促進できる
- 事故などのトラブルが起きにくい
- フラップに関するメンテナンスが必要ない
- 掃除・雪かきを行いやすい
①不正出庫を抑制できる
フラップレス駐車場は、一見不正出庫しやすいように思えます。しかし、駐車した時点でナンバープレートがカメラで読み取られ、敷地内は防犯カメラで撮影されています。また、不正に出庫しようとすると、カメラポールから料金を支払う旨の音声が流れます。また、そもそも画像にて証拠が残ってしまっているので、違反車両と違反者が特定されやすい状況です。
尚、これらのカメラは300万画素とかなり高精細な機器となっており、夜間でもナンバープレートや人の顔が認知できるものとなっています。また、不正出庫した車はデータベースに記録され、再度駐車した場合は、カメラが車両ナンバーを元に以前不正があった車両と検知し、即座に警備会社に連絡が入ります。
このように、フラップレス駐車場は監視体制が万全であるので、心理的な抑制効果が高く、結果不正出庫を抑制できているのです。
可能性は極めて低くはなりますが、万が一でも不正出庫があった場合は、弁護士などの専門業者へ相談したうえで内容証明書を送付し、支払いの催促を行いましょう。次項にて、詳細を補足しておきます。
弁護士などの専門業者に相談する
フラップレス駐車場で不正出庫が発生した場合、オーナー側で直接対応しようとすると相手とのトラブルに発展する可能性もあります。
そのため、早期の段階で弁護士や債権回収に特化した専門業者へ相談することが重要です。監視カメラ映像やナンバープレートの記録などが残っていれば、法的根拠に基づいた請求や訴訟対応が可能です。 また、これらの専門業者は過去の事例やノウハウをもとに、より効果的な交渉手段をとることができるため、回収率も高まるでしょう。
特に、繰り返し不正を行っている悪質な利用者に対しては、毅然とした対応が求められるため、専門家の力を借りることはトラブルの再発防止にも繋がります。
内容証明書を送付する
不正出庫の料金未払いがあった場合は、内容証明郵便を活用することで相手に対して正式な請求意思を明確に伝えることができます。
内容証明書は「いつ・誰が・どのような内容を送付したか」を証明する公的文書であり、裁判の証拠として活用できます。例えば、料金の支払い期限や金額、支払わない場合の法的手続き方針などを記載することで、相手側の誠実な対応を促す効果が期待できるでしょう。
内容証明の送付後は、電話や口頭でのやり取りは避け、書面での記録を残すようにすると安心です。
②入車・出車しやすく利用を促進できる
フラップレス駐車場一番のメリットは、ロック板が車室にないことです。ロック板がないことで、車輪をロック板内に乗り上げる必要がなく、駐車しやすくなっています。また、乗降時にも足元にロック板がないので、つまずくこともなく安全に利用できます。
よって、フラップレス駐車場は更なるコインパーキングの利用促進に繋がります。
③事故などのトラブルが起きにくい
フラップレス駐車場は従来のロック板式に比べて構造がシンプルで、物理的な障害物がないため、事故やトラブルのリスクを大幅に減らせます。
例えば、車両のバンパーがロック板に接触して破損する事故やタイヤが板の境目に引っかかって走行不能になるなどのトラブルが発生しにくくなるでしょう。
また、利用者が乗り降りする際も足元に段差がないため、小さなお子さまや高齢者がつまずく心配が少なく、安全性が高い点も魅力です。さらに、雨天時や雪の日でも足元が滑りにくく、快適な駐車環境を実現できます。
これらの安全性の向上は利用者の信頼感につながり、リピーター獲得や駐車場の稼働率向上にも繋がるでしょう。
④フラップに関するメンテナンスが必要ない
コインパーキングでもっとも消耗頻度が高く、故障しやすいのがロック板です。更に、ロック板は料金未払いでの不正出庫にて壊されることも多々あり、メンテナンスや機器の更新費にお金と手間が掛かるのです。
このロック板がないことで、故障のリスクがなくなり、機器更新の費用が掛からなくなり、故障による料金収入の減少リスクがなくなります。よって、フラップレス駐車場はオーナーにとってもメリットが多いのです。
⑤掃除・雪かきを行いやすい
最後に、掃除や雪かきがしやすいことです。通常ロック板があるコインパーキングで掃除を行う場合、ロック板が地面に設置されているため、落ち葉やゴミなどがロック板の隙間に入ることがあります。このようなゴミは、ほうきなどで取りづらく掃除しにくいのです。
また、大雪の時の雪かきもロック板がない分、断然しやすいです。更に、地面にロック板がないので足元を気にせずに掃除ができるのもメリットです。
他にも、出庫時にロック板が下がっていることを確認しなくてよいことや、車両が傷つく心配がない、などがあります。高級外車のなかには、車高が低い車もあり、コインパーキングに駐車できないこともあるのですが、フラップレスなら車両に接触するロック板がなく安心です。
フラップレス駐車場のデメリット
数多くのメリットがあるフラップレス駐車場ですが、デメリットもあります。ここでは、フラップレス駐車場のデメリットを挙げていきます。
- 管理費用が若干高い
- 認知度が低い
まず、フラップレス駐車場は敷地内の防犯カメラの他に、車室ごとにカメラが設置されているため、管理コストが通常のロック板があるコインパーキングより、若干高くなっています。尚、設置コストに関しては、ロック板の代わりにカメラが設置されているので、あまり差はありません。
また、フラップレス駐車場自体の認知度が低いことです。ロック板がないことでコインパーキングではなく、月極駐車場なのではと勘違いするケースもあります。認知性が高まれば機器自体の設置台数も増え、設置コストや管理コストが安くなることも考えられます。
フラップレス式は、管理費用が若干高く認知性は現状低いのですが、その後のロック板の故障やメンテンナンスの手間などを考慮すると、オーナーとしてはフラップレス駐車場の方が経営しやすいと言えます。
フラップレス駐車場の使い方・流れ
ここでは、フラップレス駐車場の使い方・流れについて紹介します。
入庫方法・流れ
まずは入庫方法と流れです。
- 駐車場の敷地内に入り、空いている車室に駐車する
- 入庫が完了すると、カメラが駐車を感知し料金の課金が始まります
- 駐車完了となるので、車は動かさないようする
入庫時は、ロック板があるコインパーキングと比べて、特に変わりはありません。尚、駐車区画内に停めないとカメラが感知できないことがあるので、駐車区画をはみ出さず且つ車止めまでしっかりと後退します。
出庫方法・流れ
次に、出庫方法と流れです。
- 駐車した車室番号を精算機に入力し、駐車料金を支払う
- カメラポールに「精算済み」と表記されていることを確認する
- 車は2分~3分程度で出庫する
注意するのは出庫時です。まず、「払い忘れ」です。フラップレスは料金を精算しなくても出庫ができてしまいます。こうなると不正出庫になってしまうので、気づいた時点で駐車場に戻り管理会社に急いで連絡します。また、精算後は速やかに出庫します。規定時間以上停車していると、新たなに料金が課金され、気づかずに出庫すると不正出庫になり要注意です。
フラップレス駐車場を導入する際のポイント
フラップレス駐車場導入のポイントは、従来のロック板があるコインパーキングを不自由と感じている人がいるエリアに設置することです。例えば、富裕層が多く来そうなお店や病院、レストランなどが近くにあるコインパーキングです。
富裕層が乗車する車は、高級外車が多くその中には車高が低い車や、車自体に傷が付きそうなコインパーキングを敬遠する傾向があります。このようなエリアに、フラップレス駐車場を設置できれば稼働率が見込めます。
また、間口が狭い駐車場や駐車自体がしにくい駐車場です。ただでさえ駐車しにくいのに、更にロック板があることで利用を敬遠してしまいます。フラップレス駐車場であれば、ロック板を気にする必要がないので、幾分楽な気持ちで駐車できます。
フラップレス駐車場の未払いに関するよくある質問
フラップレス駐車場ではロック板がないため、支払いの意識が薄れやすく、「うっかり未払い」に繋がるケースもあります。
ここでは、よくある支払い方法や未払い時の対応などの質問に回答します。
フラップレス駐車場の支払い方法は?
フラップレス駐車場では、車室にロック板がないため、駐車料金は入庫・出庫時にナンバープレートを読み取るシステムで管理されています。
支払い方法は現地の精算機での現金払いが主流ですが、最近では交通系ICカード、クレジットカード、QRコード決済、スマホアプリ連携などのキャッシュレス決済にも対応している駐車場が増えています。
駐車場によっては事前精算機が設置されており、出庫前の清算が必要な場合もあるため、案内表示を見逃さないようにしましょう。
フラップレス駐車場で未払いをするとどうなりますか?
フラップレス駐車場では、ナンバープレートがカメラで自動的に記録されているため、未払いがあった場合はその情報がデータとして残ります。
不正出庫と判断された場合、警備会社への通知や後日運営会社から請求書が郵送されることがあります。 また、悪質なケースと判断された場合には、法的手続きを取られる可能性もあり、弁護士から内容証明郵便が届くこともあるでしょう。
さらに、未払い車両としてブラックリストに登録され、今後同系列の駐車場の利用を制限されるケースもあるため、注意が必要です。
フラップレス駐車場で未払いをしてしまった場合の対応方法は?
万が一、うっかり支払いを忘れて出庫してしまった場合は、できるだけ早く該当の駐車場を運営している会社へ連絡しましょう。
防犯カメラやナンバー読み取りの記録が残っているため、日時と車両ナンバーを伝えることで、後日精算が可能なケースがほとんどです。 誠意をもって早期に対応すれば、トラブルや追加料金の発生を回避できる可能性も高くなります。
連絡先は現地の看板や精算機付近に記載されていることが多いので、出庫後に気づいた場合も慌てずに確認・対応することが大切です。
まとめ
フラップレス駐車場は、従来のロック板式と比べて利便性や安全性、防犯性などに優れた駐車場方式です。
まだまだ設置件数は多くありませんが、利用者の認知が進めば今後さらに普及していく可能性が高いといえるでしょう。ロック板がないことでスムーズに駐車できる反面、認知度の低さや管理費用が若干高くなる点には、注意が必要です。
駐車場経営を始める際には、こうしたフラップレス方式も含めて検討することで、土地活用の幅が広がります。利用者にとっても使いやすい駐車場を提供することで、安定した収益が見込める可能性もあるでしょう。
※本記事は可能な限り正確な情報を元に制作しておりますが、その内容の正確性や安全性を保証するものではありません。引用元・参照元によっては削除される可能性があることを予めご了承ください。また、実際の土地活用についてや、税金・相続等に関しては専門家にご相談されることをおすすめいたします。