駐車場の管理委託の相場はいくら?不動産屋に支払う管理費の注意点

 遊休土地の活用のしかたはいろいろありますが、駐車場経営は人気のある活用方法の一つです。アパート投資やマンション投資も魅力的だけれどもリスクも高そうだ、それほど手間がかからずできそうだ、と思って駐車場経営をと考えている方も多いと思います。  しかし、経費や手数料がかさんで赤字経営になってしまったら元も子もありません。  今回は駐車場経営をした時の経費や手数料に焦点をあてて説明します。出費をどのように考えるかは駐車場経営を成功させるポイントになりますので、しっかりおさえておきましょう。

駐車場の管理委託の相場はいくら?不動産屋に支払う管理費の注意点のイメージ

目次

  1. 1駐車場経営を始めるための基礎知識
  2. 2駐車場経営を管理会社に委託すると手数料がかかる
  3. 3駐車場経営で不動産屋に手数料を支払う際の注意点
  4. 4駐車場経営で不動産屋・管理会社への手数料以外に発生する費用
  5. 5まとめ

駐車場経営を始めるための基礎知識

駐車場経営を始めるための基礎知識

駐車場経営とは、一時的な駐車のため、あるいは月極のような形で長期間他人が駐車しておくために、自分の所有土地を区画に分けて貸し出し、その対価として駐車料金や賃料を受け取る事業です。

駐車場経営のメリット・デメリット

駐車場経営のメリットは、まずは初期費用がほかの土地活用に比べて安価であることが挙げられます。舗装費用(砂利、アスファルト、コンクリートなど)、そして簡易な駐車場設備(ロックシステム、精算機など)の設置費用のみで始められるため事業開始のハードルが低いといえます。

また、車が止められるような土地であれば駐車場経営として活用できるので、建物を建てても活用できないような狭小土地や不整形地でも活用の道があります。さらに原状回復が簡易であり、借地借家法の対象外で利用者との契約解除が容易であるために、相続などが起こったときには更地にして売却し納税資金に活用することができます。

一方デメリットとしては、税制上の優遇が少ないということが挙げられます。アパート、マンション経営をするときには、賃貸用建物を建設することによる土地の相続税評価減を狙うことも多いのですが、駐車場経営にはそのようなメリットはありません。また、固定資産税についても、住宅用地の軽減税制(課税標準額が6分の1になる)が適用されません。

収益性については、初期投資が少ない分、収益性はマンション・アパート投資よりも劣ります。駐車場経営は、リスクをできるだけ少なくして土地活用を行いたいという人に向いている活用方法であるといえるでしょう。

駐車場経営の種類

駐車場経営には2つの種類があります。

1つ目は月極駐車場です。更地にコンクリート舗装をして、駐車ラインを引き、車止めブロックを設置するだけなので、開業までのスピードが速く、費用もさほど掛からずに始めることができます。1台当たりいくら、という形で賃料を設定し、賃借人から得られる毎月の賃料が収入になります。

2つ目はコインパーキングです。コインパーキング運営に必要な、精算機、ロックシステム、車止めブロックなどを設置して時間単位で利用者に貸し出します。売り上げは、利用者が時間単位で支払う駐車料金の合計です。

最近では、騒音トラブルがないロックレスシステムを設置するコインパーキングも増えています。防犯システムを併設することで、利用者にとっても安心できる設備となります。月極駐車場に比べ設備費用が余計にかかる分、初期費用が上がります。

駐車場経営の管理タイプ

実際に駐車場経営をする方法には主に3通りの方法があります。

1つ目は個人経営の方法です。利用者との契約、賃料の収受、など駐車場経営に関する事務をすべて自分で行う方法です。駐車場収入はすべて自分の収入になりますが、事務の負担は相当なものになります。また、万が一トラブルがあったときの対処方法などのノウハウを有している必要があり、すべてを個人で行うのはなかなか難しいようです。

2つ目は、土地自体を駐車場運営会社に一括賃貸し、駐車場運営会社にすべてを委託する方法です。この方法は単に土地を運営会社に賃貸してその賃料を受け取るだけですので、駐車場経営というよりは土地賃貸に近いです。運営の手間やリスクはすべて運営会社が負担しますので、安全・安心に経営ができますが、その分収入についてはそれほど多くは期待できません。

3つ目は、駐車場経営を管理会社に委託する方法です。駐車場の運営収入を受け取りつつ、契約手続き、賃料受取、トラブル処理などの事務を管理会社や不動産屋に委託するという方式です。一括貸しよりも収益性が高く、管理の手間も省けるために多くの土地所有者がこの方式で駐車場経営を行っています。
 

駐車場経営を管理会社に委託すると手数料がかかる

駐車場経営を管理会社に委託すると手数料がかかる

駐車場経営をする際に、様々な事務を管理会社に委託すると手数料が発生します。管理会社は多くの駐車場を同時に運営しているために、運営ノウハウが蓄積しており、また対応する人材も十分に確保しています。そのため、利用者との連絡も迅速にできますし、突発的なトラブルにも対応が可能です。

このようなサービスを提供するために駐車場経営を委託すると委託手数料がかかるのです。
 

駐車場経営で不動産屋や管理会社に支払う手数料の種類

月極駐車場の管理は、通常不動産屋に委託することになります。皆さんも月極駐車場を探すときは不動産屋に相談しますよね。

不動産屋に支払う手数料は契約時の仲介手数料と管理費用になります。場合によっては、賃貸募集時の広告費が上乗せされることもあります。コインパーキング事業の場合は、毎月の事務管理手数料(運営代行手数料)がかかります。
 

不動産屋・管理会社の手数料・管理費用の相場はいくら?

駐車場経営における手数料や管理料は不動産屋や委託会社によって様々です。

まず、月極駐車場の場合、契約時の仲介手数料は賃料の1か月分です。広告費が上乗せされるときには、さらに1か月分が徴収される場合があります。管理費用は立地などによっても異なりますが、新規募集、賃料督促業務、場内清掃、草刈、敷金精算、車庫証明発行などを代行して賃料総額の5%から10%がかかります。管理メニューについては、事前に不動産屋に確認する必要があります。

コインパーキングの場合には、駐車場の台数によって変わりますが、おおよそ収入の5%から10%が管理費用となります。
 

駐車場経営で不動産屋に手数料を支払う際の注意点

駐車場経営で不動産屋に手数料を支払う際の注意点

駐車場経営をするうえで、コストを抑えたいのは皆さん同じだと思います。しかし、コストが最も安い不動産屋・管理会社を優先して選んでもいいのでしょうか。思わぬトラブルを防止するためにも、次の項目は事前にチェックしておくべきです。

①手数料額が安すぎる管理会社に気を付ける

駐車場経営には一定の事務が発生し、人員的なコストもかかります。それにも関わらず、手数料が賃料相場より安すぎる会社は、過剰なコスト削減の結果、早晩サービスの低下を招きます。一定の手数料額は事業収支に織り込んで、きちんとしたサービスを提供してもらうようにすべきです。

②丁寧なコミュニケーションのできる不動産屋・管理会社を選ぶ

駐車場経営で発生するトラブルの多くは、利用者とのコミュニケーション不足によって発生します。迅速・丁寧な対応ができれば、ほとんどのトラブルは未然に防ぐことができるはずです。駐車場管理を始めるときには、不動産屋・管理会社の担当者のコミュニケーションがしっかりしているか、人員的にも迅速な対応がとれる体制が整っているかを確認しておきましょう。
 

③一括貸しの場合には賃料と稼働状況をチェック

運営委託をすべて任せて一定の賃料を受け取る方式は、収入の増減がないために安心です。しかし、それであっても募集賃料や時間単位の料金は適正か、そしてきちんと稼働しているかというのはチェックすべきです。

管理会社も運営が赤字のままでは、いつか運営委託を解除する方法を探ってきます。また、運営会社の経営にも悪影響を及ぼします。あまりにも稼働していない場合には、管理会社に相談したほうが良いと思います。

駐車場経営で不動産屋・管理会社への手数料以外に発生する費用

駐車場経営で不動産屋・管理会社への手数料以外に発生する費用

駐車場経営をしていくうえで、ランニングコストとしての手数料以外にも発生する費用があります。初期費用と維持費用です。

駐車場経営の初期費用

初期費用については、月極駐車場とコインパーキングとでは違いがあります。

月極駐車場で最低限必要な初期費用は舗装費用、ライン引き費用、歩道から駐車場に入るときに縁石などがある場合にはそれを除去、あるいは削ったりする費用などスムーズに駐車場に入るための工事費用が必要になります。

詳細については別記事でも紹介しておりますので、是非こちらも合わせてお読みください。
駐車場経営の特徴と儲かるコツは?|費用や収入を詳しく紹介
https://ieul.jp/column/articles/459/
 

コインパーキングについては、初期費用については管理会社が全額負担するケースと自費で負担するケースがあります。管理会社が全額負担する場合は、月々の管理費用に負担額が上乗せされているケースがほとんどです。

自費で負担するケースには、ロックシステム、精算機が必要になってきます。費用としては100万円程度を見込んでおけばよいと思います。
 

駐車場経営の維持費用・税金

ほかには駐車場を維持管理する費用があります。アスファルトの割れの補修、ラインが消えたときに引き直すなどです。防犯カメラなどを設置している場合には一定期間で交換する必要もあります。

また、これは土地活用前と同様ですが、固定資産税・都市計画税がかかってきます。住宅を取り壊して駐車場を経営する場合などは、土地が住宅用地ではなくなるために住宅用地の軽減措置が受けられなくなり、固定資産税が上がるため、事前の収支計算に盛り込んでおくことを要します。
 

まとめ

まとめ

駐車場経営は、管理を不動産屋や管理会社に委託することによって、誰でも簡単に始めることができる土地活用です。初期費用も安価で始められるために、リスクが少ない活用方法として人気があります。

一方で、管理費用をはじめとしたいろいろなコストがかかりますので、あらかじめ事業収支に織り込んで、安定した駐車場経営を目指しましょう。不動産会社、管理会社と連携をとって運営していくことが成功の鍵となります。
 

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