2025年03月03日公開
2025年03月03日更新
無断駐車対応で張り紙をする際のポイント5選とは?法律や罰則も解説
無断駐車は、誰もが直面する可能性のある問題です。管理する駐車場に知らない車が停まっていると、トラブルにつながりかねません。無断駐車に対応するためには、法律に則った対策が不可欠です。 本記事では、無断駐車対応における張り紙のポイント、注意すべき法律や罰則、張り紙以外の有効な対策などをわかりやすく解説します。

目次
無断駐車対応で張り紙をする際のポイント5選
無断駐車対応で張り紙をする際のポイント5選は、以下です。
- 張り紙の文言は冷静かつ明確にする
- 法律に違反しない内容を心がける
- 目立つデザインや設置位置を工夫する
- ガムテープなどの強粘着テープを使用しない
- 記録を残すため写真を撮る
1.張り紙の文言は冷静かつ明確にする
無断駐車への怒りや感情をそのまま文言にしてしまうと、相手に不快感を与えるだけでなく、名誉毀損に問われるリスクがあります。
張り紙の文言は決して感情的にせず、冷静かつ明確に記載することが重要です。具体的な記載例は、次のとおり。
- 「ここは私有地のため無断駐車はご遠慮ください。」
- 「無断駐車のため〇〇(連絡先)までご連絡ください。」
上記のような丁寧かつ具体的な表現を使用すると効果的です。
2.法律に違反しない内容を心がける
張り紙の内容が法律に違反していると、逆に自分が罰則を受ける可能性があります。
例えば、脅迫的な文言や「罰金〇〇万円を請求する」といった権限のない罰則を明記することは控えましょう。
個人の考えではなく法律に基づいた対応を取ることが、不必要なトラブルを防ぐための第一歩です。
3.目立つデザインや設置位置を工夫する
張り紙の効果を高めるためには、相手がすぐに認識できるデザインや設置場所の工夫が重要です。
例えば、車両の運転席側の窓ガラスなど、持ち主の目に入りやすい場所に張り紙を貼りましょう。また、文字は読みやすいフォントやサイズにし、赤や黄色といった目立つ色を適度に使うことで視認性も向上できます。
4.ガムテープなどの強粘着テープを使用しない
ガムテープや接着力の強いテープを使うと、車両の塗装やガラスを傷つける可能性があり、器物損壊罪などに問われるリスクがあります。
強粘着テープを使用するのではなく、張り紙をワイパーに挟むことで車両に損傷を与えるリスクを防ぐことが重要です。
5.記録を残すため写真を撮る
無断駐車対応でのトラブルが大きくなった場合に備え、無断駐車の状況を記録として残しておくことが重要です。
具体的には、張り紙を貼る前後の車両の状態やナンバープレート、張り紙の設置場所などを写真に収めておきましょう。これにより、後日問題が発生した際の証拠としても活用できます。
無断駐車の張り紙で気をつけるべき法律と罰則
無断駐車の張り紙で気を付けるべき法律と罰則は、以下です。
- 名誉毀損に該当しないように注意する
- 強要罪に該当しないように不当な要求をしない
- 器物損壊罪に該当しないように車両を傷つけない
名誉毀損に該当しないように注意する
張り紙に記載する内容が相手の名誉を毀損する表現になってしまうと、名誉毀損罪に該当する可能性があります。
例えば、「迷惑な違法駐車」や「不法占拠者」などの相手の社会的評価を低下させる文言は、リスクが高い行為です。
具体的には、「ここは私有地です。無断駐車はお控えください」などの中立的かつ簡潔な表現にすることで、トラブルを回避しやすくなります。また、相手を特定する情報(車種やナンバーなど)を記載することも避けましょう。
さらに、表現方法にも注意が必要です。強調するために大文字ばかりを使ったり、赤い文字で威圧的なデザインにしたりすることも、相手の感情を逆撫でする原因となるため控えてください。
参照:刑法第230条
強要罪に該当しないように不当な要求をしない
「〇〇円を支払え」や「車を撤去しない場合は罰金を請求する」などの不当な要求を行うと、強要罪に問われる可能性があります。
特に、自分に金銭を請求する権限がない場合は、こうした行動は法律に反するだけでなく、相手の反感も買いやすいため、要注意です。
強要罪を回避するためには、事実に基づいた張り紙の内容にし、相手に強制的な行動を求めないようにしましょう。
例えば、「ここは契約者専用駐車場のため無断駐車はお控えください」などの柔らかい言葉遣いで解決を促す内容に留めることが重要です。
参照:刑法第223条
器物損壊罪に該当しないように車両を傷つけない
張り紙を貼る際に、注意を怠ると器物損壊罪に問われるリスクがあります。
例えば、強力な接着剤やガムテープを使用して車両の塗装を剥がすことや跡が残る形で貼り付ける行為は、法律に抵触しかねません。
対応策は、張り紙をワイパーに挟むことで車両に傷を与えないことです。さらに、無断駐車の状況を写真や動画で記録しておくことで、トラブルが発展した際の証拠としても活用できます。
参照:刑法第261条
無断駐車の張り紙以外に有効な3つの対策
無断駐車の張り紙以外に有効な3つの対策は、以下です。
- 防犯カメラを設置する
- パイロンなどを利用して物理的に防ぐ
- 専門業者による駐車場管理サービスを利用する
1.防犯カメラを設置する
防犯カメラの設置は、無断駐車の抑止に非常に効果的な方法といえます。
駐車場に防犯カメラを設置することで、不正行為を事前に防ぐことが可能です。特に、「防犯カメラ作動中」や「監視中」の看板を使うことで、視覚的プレッシャーから無断駐車リスクを減少させる効果があります。
さらに、録画された映像は、トラブルが発生した際の証拠としても利用可能。近年ではスマホと連携しリアルタイムで駐車場を確認できるカメラも普及し、管理者の手間を減らすツールとして活躍しています。
2.パイロンなどを利用して物理的に防ぐ
無断駐車を防ぐためには、物理的な障壁を設けることも効果的です。
例えば、駐車場の入り口にパイロンなどを設置することで、不正な侵入を防ぐことができます。パイロンは設置や撤去が簡単で、柔軟に対応できる点が魅力です。
その他にも、チェーンやロック式の車止めを導入することで、特定の車両のみが利用できるようにすることも有効です。このような物理的な制限は無断駐車の阻止に加え、「ここは管理されている駐車場」という印象を与え、不正行為を防ぐ効果もあります。
3.専門業者による駐車場管理サービスを利用する
無断駐車が頻発する場合や自身での対応が難しい場合は、専門業者による駐車場管理サービスの利用がおすすめです。
管理業者は、無断駐車の監視やトラブル対応を代行してくれるため、管理者の負担軽減が可能です。具体的には、監視カメラの運用、定期的な巡回、不正車両への警告措置など、さまざまなサポートを提供してくれます。
管理業者を利用することで、無断駐車のリスクを軽減するだけではなく、駐車場全体の運営がスムーズに進む環境を整えることができます。
無断駐車トラブルを未然に防ぐためのコツ
無断駐車トラブルを未然に防ぐためのコツは、以下です。
- 「私有地」や「駐車禁止」の明示を徹底する
- 近隣住民や利用者への周知を徹底する
- 駐車場の巡回や監視体制を強化する
「私有地」や「駐車禁止」の明示を徹底する
無断駐車の予防で重要なことは「ここは私有地である」と明確に示すことです。
駐車場の入り口などに「私有地」や「無断駐車禁止」、「契約者専用」などの看板を設置することで、利用者に注意を促しましょう。
看板は視認性を重視し、大きな文字や目立つ色(赤や黄色など)を使用すると効果的です。また、英語や中国語なども取り入れることで外国人にも伝わりやすくなり、無断駐車を未然に防ぐ可能性が高まります。
近隣住民や利用者への周知を徹底する
無断駐車を防ぐためには、近隣住民や駐車場利用者に対して事前に周知徹底することが重要です。
特に、駐車場が住居や店舗の周辺にある場合は、近隣の人々がルールを知らずに駐車するケースも考えられます。
月極駐車場や共有スペースでは、利用者に対してルールや注意事項を書面で渡したり、定期的に説明会を開いたりすることも有効です。また、地域の掲示板や回覧板を活用し、ルールを広く知らせるのも効果的です。
駐車場の巡回や監視体制を強化する
駐車場の巡回や監視体制を整えることも、無断駐車を未然に防ぐ有効な手段です。
定期的に駐車場を巡回するだけでも、不正行為の抑止力が働きます。特に、特定の時間帯に無断駐車が多発する場合は、その時間に重点的に監視を行うと効果的です。
また、防犯カメラなどの監視体制を強化することで、管理者の負担を軽減しつつ、24時間体制での見守りを実現できます。
無断駐車問題で困った時の相談先
無断駐車問題で困った時は、以下に相談をしましょう。
- 管理会社
- 警察
- 弁護士
管理会社
マンションの駐車場などでは、管理会社に相談をするのが一般的です。
管理会社は駐車場の管理やトラブル対応を専門的に行っているため、以下のような対応をしてくれます。
- 無断駐車車両への警告措置
- 駐車場の利用状況の確認や記録の提供
- トラブルが深刻化した場合の専門家の紹介など
日頃から管理会社との連絡を密にしておくことで、問題が発生した際にスムーズに対応を進められます。
警察
無断駐車が悪質で解決が困難な場合は、警察に相談することも選択肢の一つです。
特に、緊急性が高い場合やトラブルがエスカレートしている場合には警察に通報することで、安全に問題を解決できます。
以下のような場合は、警察への相談を検討しましょう。
- 道路交通法違反に該当する場合(公道に面している駐車スペースなど)
- 駐車車両が道路を塞ぎ交通に支障をきたしている場合
- 違法行為が絡んでいる場合(脅迫や暴力行為)など
私有地では警察が注意喚起や仲裁を行うこともありますが、根本的な解決に至らないことが多いため、他の方法との併用がおすすめです。
弁護士
無断駐車問題が解決しない場合や法的措置が必要な場合は、弁護士への相談も検討しましょう。
弁護士に依頼する具体的な内容は、以下です。
- 無断駐車車両の所有者に対する正式な警告書の送付
- 損害賠償請求のサポート
- 駐車トラブルが裁判に発展した場合の代理人業務など
弁護士を通じた正式な警告や対応は、相手に対して強いプレッシャーを与えるため、問題解決が迅速に進む可能性もあります。
無断駐車対応での張り紙の取り扱いに注意し駐車場経営を始めよう
駐車場経営では、無断駐車への対応が重要なポイントの一つです。
経営を始める前に、無断駐車が発生した場合の対応や法律的な注意点を把握しておきましょう。
例えば、無断駐車に張り紙を行う場合、名誉毀損や器物損壊に該当しないように、冷静かつ事実に基づいた内容にする必要があります。また、強粘着テープを使用して車両を傷つけることがないよう、取り扱いには細心の注意を払いましょう。
また、防犯カメラや物理的な侵入防止策を講じることで、無断駐車を未然に防ぐことができます。
駐車場経営を始める際は、無断駐車問題への対策を整備しつつ、市場動向や需要を考慮することが成功の鍵です。適切な準備と運営体制で、トラブルの少ない安定した経営を目指しましょう。
まとめ
無断駐車対応で張り紙をする際は、以下のポイントを押さえましょう。
- 張り紙の文言は冷静かつ明確にする
- 法律に違反しない内容を心がける
- 目立つデザインや設置位置を工夫する
- ガムテープなどの強粘着テープを使用しない
- 記録を残すため写真を撮る
特に、名誉毀損や強要罪、器物損壊罪に該当しないよう冷静かつ事実に基づいた内容にする必要があります。また、防犯カメラの設置や物理的な侵入防止策を取り入れることで、未然にトラブルを防ぐことも重要です。
駐車場経営をお考えの方は、無断駐車問題への適切な対応を徹底し、競合状況や地域の需要を踏まえた運営を進めることが重要です。
※本記事は可能な限り正確な情報を元に制作しておりますが、その内容の正確性や安全性を保証するものではありません。引用元・参照元によっては削除される可能性があることを予めご了承ください。また、実際の土地活用についてや、税金・相続等に関しては専門家にご相談されることをおすすめいたします。