パーキングチケット式の駐車場とは?使い方、メリット、注意点を解説

パーキングチケット式についての用語解説記事になります。パーキングチケット式駐車場の使い方・注意点、メリット・デメリットをドライバー、オーナー側それぞれで紹介します。最近、郊外で普及しつつあるパーキングチケット式について、理解を深めていきます。

パーキングチケット式の駐車場とは?使い方、メリット、注意点を解説のイメージ

目次

  1. 1パーキングチケット式の駐車場とは
  2. 2パーキングチケット式の駐車場の利用料金
  3. 3パーキングチケット式の駐車場にあるメリット・デメリット
  4. 4パーキングチケット式の駐車場の使い方・注意点
  5. 5パーキングチケット式の駐車場を導入すべきケース
  6. 6まとめ

パーキングチケット式の駐車場とは

コインパーキングは、一般的に利用した時間分を支払う後払い方式です。ロック板式では、入庫するとロック板がせり上がり車輪止めになり、料金を精算しないと出庫できない仕組みになっています。また、ロックレス式では、ナンバープレートを読み取るカメラや、敷地内の防犯カメラにて厳格な管理がされています。

では、パーキングチケット式とは何でしょうか?簡単にいうと料金前払い式の駐車場です。パーキングチケット式は、利用したい分だけチケットを購入し駐車するという仕組みです。都心部においてパーキングチケット式の駐車場は、以前より路上脇に設置されているケースが多く、特別に珍しいものではありません。

しかし、最近郊外では平置き駐車場タイプでの、パーキングチケット式駐車場の設置件数が増えています。その特徴は、比較的住宅街に多いのと、周辺のコインパーキングに比べて料金が割安になっているケースが多いのです。

パーキングチケット式の駐車場の利用料金

パーキングチケット式は、前払い方式になるため利用時間に応じて、料金を徴収することはできません。パーキングチケット式の駐車料金は、予め設定された利用時間と料金があります。駐車場利用者は、設定された時間・料金の中で利用したい時間に近いものを選び、チケットを購入します(都心部のパーキングチケット式では、通常60分以内と決まっています)。

例えば、パーキングチケット式の駐車場に15時間駐車する場合です。その駐車場の利用時間と料金設定が、「12時間以内500円」と「24時間以内800円」であるとします。このとき、利用料金として該当するのは「24時間以内800円」になります。つまり、想定利用時間内のパーキングチケットを購入することになります。

パーキングチケット式の駐車場にあるメリット・デメリット

ここでは、パーキングチケット式の駐車場にあるメリット・デメリットについて解説します。パーキングチケット式には、初期費用が安価に済むメリットがある一方、不正駐車があるというデメリットがあるのです。

メリット

まずは、メリットになります。
 

  • 初期費用が安価に済む
  • 設置工事が短期間で済む
  • ランニングコストが低い
  • ロック板なく駐車しやすい
  • 利用料金が相場より安い

まずは、オーナー側からのメリットになります。一つ目は、駐車場の設置コストが安価に済みます。設置する機器はチケット発券機のみです。更に、工作物も駐車場の看板、敷地境界にフェンス、車止め、砂利敷きが多いので駐車区画のロープくらいです。

次に、設置するものが少なく舗装も砂利が多いので、工事は短期間で済みます。よって、経営開始までが早いのもメリットです。更に、設置してある機器がチケット発券機のみであるので、点検やメンテナンスする機器が少なく、ランニングコストも低いです。

続いて、利用者側からのメリットです。一つ目は、平置き駐車場と変わらないので駐車しやすいことです。また、コインパーキングのように利用時間で料金が変わると、料金を気にしてしまうことがありますが、パーキングチケット式は定額であるので安心です。

二つ目は、料金が相場より安くなることです。オーナーの初期費用が安くランニングコストが掛からない駐車場であるので、その分の費用を料金に還元しています。長時間駐車が多い、住宅街のコインパーキングに適しています。

デメリット

次に、デメリットです。
 

  • 料金体系を細かく設定できない
  • 不正駐車が多い
  • 利用実態を把握しにくい
  • 短時間利用者には割高になることも

まず、センサー類の設置がなく利用料金を正確に測ることができません。よって、「1回駐車24時間まで700円」などシンプルな料金設定しかできず、料金体系を細かく設定することは不可能です。また、長時間駐車が対象であるため、一日の中の車室の回転率は悪くなります。よって、1車室あたりの売り上げは通常のコインパーキングより少ないため、多くの売上げを見込むことは難しいのです。


次に、ロック板での車止めやナンバープレートをカメラで撮影しているわけではないので、不正駐車しやすいです。不正駐車防止には、防犯カメラ、巡回の強化が必要になります。尚、郊外では自宅敷地の一部をパーキングチケット式に転用しているケースがあります。この場合は、巡回管理しやすく不正駐車はみつけやすいです。

次に、従来のコインパーキングでは、精算機に1台当たりの利用時間や時間帯での利用台数がデータ化されています。よって、利用時間毎の稼働率やピーク時の稼働率などがわかるため、データ分析し料金体系の見直しをすることができます。仮に、近隣に新しいコインパーキングができ、明らかに稼働率が落ちているときは、料金を下げるなどの対策ができます。

しかし、パーキングチケット式では、チケット購入日時はわかりますが、車の駐車時間や、時間帯ごとの駐車台数、ピーク時の駐車台数などはわかりません。よって、データ分析ができずに駐車場経営の戦略を立てにくいことがあります。

最後に、パーキングチケット式は定額料金制になるので、短時間利用者には割高になることもあります。利用時間が定額制であるので、長時間利用者向きになります。

パーキングチケット式の駐車場の使い方・注意点

ここでは、パーキングチケット式の駐車場の使い方・注意点を紹介します。まずは、使い方です。
 

  1. 空いている駐車区画に駐車する
  2. 利用時間に応じたパーキングチケットを購入する
  3. 購入したチケットをダッシュボードの見えるところに置く
  4. 利用時間内までに出庫する

まず、注意点は購入したパーキングチケットをダッシュボードに置くのを忘れると、駐車違反になることです。パーキングチケット式では、このルールが一番大事なところです。また、購入した時間を過ぎてしまうと時間外になり駐車違反です。必ず利用時間内に出庫しなければなりません

パーキングチケット式の駐車場を導入すべきケース

ここでは、パーキングチケット式の駐車場を導入すべき3つのケースについて紹介します。

①多くの売上を期待できない

パーキングチケット式は、多くの売上を期待できない立地に向いています。つまり、利用者が少なく回転率があまりよくない立地です。例えば、住宅街にある駐車場です。

このような立地で売上は多くを望めないため、初期費用にもコストカットが必要です。よって、パーキングチケット式のような、初期費用を大幅に抑えられる形態が好まれます。

②短期間での営業を計画している

次に、短期間での営業を計画している場合です。当該の敷地は5年後にアパートを建設する予定があるものの、建設までの期間は固定資産税などの固定費が掛かり、収支は赤字になります。よって、毎月掛かる固定費分を賄うために駐車場営業を行うのです。

また、短期間での営業の為、初期投資をあまり掛けたくはありません。パーキングチケット式であれば、初期費用が安く、設置工事期間が短いので即営業開始できるメリットがあります。

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③短時間での利用客が少ない

最後に、短時間での利用客や駐車場の出入りが少ない立地です。パーキングチケット式は、長時間利用者の需要が多い立地に向いています。例えば、住宅街や郊外の駅の傍です。住宅街では、実家に車で来た親戚が駐車する需要、郊外の駅であれば「パークアンドライド」の需要が期待できます。

パークアンドライドとは、自宅から最寄り駅まで車で移動し駐車したあと、公共交通機関を利用し目的地まで移動する方法です。パークアンドライドであれば必然的に長時間利用になります。

 

まとめ

パーキングチケット式は、利用者にとっては料金が割安、且つ平置きであることから、駐車のしやすさがあります。一方、オーナー側からすると初期費用が掛からないことや、管理自体の手間が掛からないなどのメリットがあります。しかし、不正駐車されやすいことや高収益を上げることはできない、というデメリットもあります。

ドライバーは、パーキングチケット式のルールを守り常識ある利用、オーナーは導入するにあたりデメリット部分も理解しながら導入を検討しなけらばなりません。

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