機械式駐車場とは?仕組みや使用方法、メリット、車両制限について解説

機械式駐車場は、都市部のマンションやビル等でよく見かけます。その機械式駐車場には多くの種類があり、仕組みや使用方法が微妙に異なっています。この記事では、機械式駐車場に関する種類や各々のメリットやデメリット、使用に関しての注意点を解説します。

機械式駐車場とは?仕組みや使用方法、メリット、車両制限について解説のイメージ

目次

  1. 1機械式駐車場とは
  2. 2機械式駐車場の種類とメリット・デメリット
  3. 3機械式駐車場を利用する際の注意点
  4. 4機械式駐車場の使用方法
  5. 5まとめ

機械式駐車場とは

機械式駐車場は、主に都市部の分譲マンションや市街地に設置されているケースが多く、限られた少ない土地に多くの駐車区画を確保できます。機械式駐車場には、車のサイズや高さ制限、駐車パレットへの入れ方や使い方が機種により異なります。

機械式駐車場の仕組みやメンテナンス方法を知ること、更新などがあった場合どの程度費用負担があるのかなど、知識を深めることは重要です。この記事では、機械式駐車場の仕組みや使用方法、メリット、車両制限について解説していきます。

機械式駐車場の種類とメリット・デメリット

ここからは、機械式駐車場の種類とそれぞれメリットとデメリットを紹介します。

2段・多段方式

まずは、簡易な形式である2段・多段方式の機械式駐車場について紹介します。

地上二段式

地上2段式は、一般宅でも見られる機械式駐車場です。地上の車室の上にパレットを設置することで、車を上下で駐車できる形態です
 

メリット ・駐車台数を2台に増やせる
・上段の車は、地上部分から離れているので悪戯や盗難に遭う心配がない
・下段の車は、上に屋根があるので紫外線などの直射日光による、車両ボディや内装の劣化が起きにくい     
デメリット ・上段の車は下段の車が出庫しないと、出庫ができない
・雨の日など天候が悪い日は、駐車操作に時間が掛かり億劫な面もある

ピット2段式

ピット2段式とは、地下部分を使い上下で駐車する機械式駐車場となるので、地上1段地下1段の駐車場となります。
 

メリット ・地上1段の車は平置きと一緒なので、機械機器の操作をする必要がない
・地下1段の車は、駐車時常に地中に隠れているので、盗難・悪戯の心配が一切ない
・地下1段の車は、紫外線・酸性雨・黄砂などの影響が一切なく、車両が傷みずらい
デメリット ・地下1段の車は、入出庫時に機械機器の操作があり時間が掛かる
・乗降時に柱を気にしたり、パレットの上を歩くので足元が不安
・パレットに隙間があるので、鍵などを落とすと取ることができない
・地下1段の車は、駐車すると荷物の出し入れはできない
・地下1段の車は、大雨の時などに浸水の可能性がある

昇降横行式

昇降横行式は、主に4段以上の機械式駐車場の場合に使われる形式です。地下と地上部分を駆使しながら、パレットが上下左右に動き、車を効率的に収納していきます。昇降横行式は、機械式の中でも多くの車が駐車できる形態になりますが、入庫できるパレットは1か所であることが多いです。

事前に空きパレットが1個あることで、パレットをパズルのように動かすことができます。
 

メリット ・地上1段以外の区画は、悪戯や盗難などの心配が一切ない
・地下に収納されると、車両ボディや内装劣化の心配があまりない
・限られた土地に多くの車を駐車できる
・入庫時間はどこに収納されても一緒
デメリット ・上段に収納されると、出庫に時間が掛かる
・他に駐車場の利用者がいると、待ち時間が余計に掛かる
・駐車場内に収納されると、荷物の出し入れはできない
・地下に収納された車は、大雨の時などに浸水する可能性がある

大型装置

機械式駐車場の中でも、規模が大きいものについて紹介します。俗にタワーパーキングと呼ばれているものです。

垂直循環方式

垂直循環方式は、車を乗せたパレットを垂直方向に循環しながら、入出庫する方式の機械式駐車場です。入出庫は、1階部分に設けられた出入り口で行うことができます。
 

メリット ・駐車場内に収納されれば、悪戯や盗難の心配は一切ない
・駐車時は屋内に収納されるので、雨風・紫外線・黄砂など飛来物の影響は一切なく、車を綺麗に保てる
デメリット ・入庫時の空きパレットの位置や、出庫時の収容されたパレットの位置によっては、入出庫に時間が掛かる
・他に利用者がいた場合、余計に時間が掛かる
・機器が大規模であり、メンテナンスなどに多額の費用が掛かる

エレベーター方式

エレベーター方式は、車を駐車するパレットを各階数ごと左右に配置します。車を収める場合は、出入口でパレットに載せ、車を目的の高さまで上げて駐車する仕組みです
 

メリット ・駐車場内に収納されれば、悪戯や盗難の心配は一切ない
・駐車時は屋内に収納されるので、雨風・紫外線・黄砂など飛来物の影響は一切なく、車を綺麗に保てる
デメリット ・入庫時の空きパレットの位置や、出庫時の収容されたパレットの位置によっては、入出庫に時間が掛かる
・他に利用者がいた場合、余計に時間が掛かる
・機器が大規模であり、メンテナンスなどに多額の費用が掛かる

機械式駐車場を利用する際の注意点

ここでは、機械式駐車場を利用する際の注意点について解説します。

マンション選びに関する注意点

都市部の分譲や賃貸マンションの駐車場は、大抵機械式駐車場が採用されています。都市部のマンションでは、総戸数分の駐車区画が用意されていることはまずありません。よって、マンション選びで敷地内駐車場が必須であれば、下記事項に注意する必要があります。

①駐車位置の決め方を把握しておく

まずは、駐車位置の決め方です。分譲マンションの場合、新築分譲であれば駐車場希望者による抽選が大半です。また、入居後に空き区画が出た場合も、希望者による抽選が一般的です。賃貸マンションの場合も、大抵抽選になります。

尚、駐車位置の決め方に関しては、駐車区画のサイズに合う車が優先となるのが一般的です。機械式駐車場には、高さ制限、重量制限、サイズ制限などがあるので、車のサイズ感にあった区画を割り当てます。
 

②サポート内容・緊急時の体制も含めてメンテナンス会社を選ぶ

機械式駐車場を安全に使用するには、定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンス会社には、定期的なメンテナンスやサポート内容が充実していて、万が一の緊急時の体制が構築されているところを選びます。点検費用を抑えたいという考えもありますが、機械式駐車場はしっかりとメンテナンスを行うことで、故障や不慮の事故を防止することができます。

③車両制限・サイズを確認しておく

先述でも触れましたが機械式駐車場には、サイズなどの制限があります。中古でマンションを購入するときに駐車場が必須の場合は、空き区画の駐車場に所有する車が入るかを、確認する必要があります

日常的な使用・災害対応に関する注意点

ここからは、機械式駐車場を日常的に使用するときの注意点や、台風や大雨など災害対応に関する注意点を紹介します。

①機械の操作による事故リスクが高い

機械式駐車場は、操作中の事故リスクが高いです。近年、機械式駐車場の事故で多いのは、小さい子供が駐車場内に入っているのに気づかずに機器操作を続けてしまい、パレットに挟まれてしまうことや、パレットの隙間から転落する事故が起きています。

機械式駐車場は、子供にとっては物珍しいもので、興味がそそられるものであることは間違いないので、機械式駐車場の操作時は、子供の行動や周辺の状況をよく確認して行う必要があります。

②ゲリラ豪雨や地震のリスクを踏まえて駐車場を選ぶ

最近日本国内では、どこでもゲリラ豪雨が起きたり、集中的な大雨による内水氾濫が起きる可能性があります。よって機械式駐車場で、地下部分に収納されたパレットは豪雨により水没のリスクがあります。もちろん、機械式駐車場のピット部分には排水用のポンプが設置されているのですが、排水容量を超える雨が侵入してきた時は十分水没の可能性はあるのです。

また、タワーパーキングについては耐震性が重要です。日本国内で地震のリスクがないところはありません。よって、タワーパーキング自体の耐震対策が講じられているかを確認しましょう。

機械式駐車場の使用方法

機械式駐車場の使用方法について紹介します。機械式駐車場には入出庫時に必ず機械操作があります。専用の鍵を操作盤に差し、自身が使用しているパレットを呼び出します。パレットが駐車できる位置に来たら、車を入庫します。パレットの入れ方ですが、機械式駐車場には車幅ギリギリの支柱があるので、ある程度パレットの収まったらドアミラーをたたみ、万が一の支柱との接触を防ぎます。

また、パレットには隙間があり足元は良くありません。よって、子供は駐車場内に入れずに安全な場所にいるのを確認してから、駐車作業を行います。また、急いでいるときなどに操作盤に差した鍵を忘れないように注意します。最後に、他に利用者がいてもあせらずゆっくりと操作や駐車をし、不慮の事故やトラブルを起こさないようにしましょう。

まとめ

機械式駐車場には、多くの種類があり各々にメリットとデメリットがあります。また、機械式駐車場にはサイズや高さ制限があるので、利用時は所有している車とパレットのサイズが合うかを確認しましょう。

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