2021年09月01日公開
2024年09月30日更新
月極駐車場とは?月極の意味や駐車場の種類、探し方・選び方を解説
月極駐車場とは、月単位で契約して利用できる駐車場です。駐車場を探しているときには月極駐車場の意味や特徴、種類を知っていると役に立ちます。この記事では月極駐車場の「月極」の意味も含めてどのようなサービスなのかをまとめました。月極駐車場の探し方や選び方もご紹介します。
月極とは?意味や読み方
月極駐車場は、普段より街中でよく見かけます。月極駐車場は、屋根がない青空駐車場が多く、平置きが一般的です。駐車場経営に於いては設置コストが安いので、土地が余っていたり空き家になった実家の土地活用をしたりする際に、月極駐車場を設置するケースは多くあります。
月極駐車場は、住宅街であればマイカーを停めるスペースとして、繁華街であれば近隣店舗や医療機関の提携駐車場として、オフィス街であれば商用車の駐車スペースとして利用されます。では、月極駐車場を借りるにはどのような方法で探し、どのようなポイントがあるのでしょうか。
また、月極駐車場を借りるときに掛かる初期費用などを、項目別に紹介していきます。まずは、月極の意味や読み方など、初歩的な部分から解説していきます。
月極の意味
「月極」の意味は、一か月単位の契約ということです。よって、月極駐車場とは一か月単位で契約していく駐車場、ということになります。
月極の正しい読み方
「月極」は「つきぎめ」と読みます。多くは、当初「げっきょく」と読み間違えているケースがあるようです。「ぎめ」の読みで使われる「極」は、「きょく」と読むのが一般的であるので、「つきぎめ」という読み方は少々特殊な読み方となります。
月決ではなく月極と表記する理由
では、「月決」ではなく「月極」と表記する理由はなんでしょうか?
「極」という字は、戦前まで「きまる」「きめる」と読み、「約束する」という意味がありました。ところが、戦後になるとこの「極」という字の読み方で、「きまる」「きめる」という読み方が廃止されてしまいました。
したがって、「極」を「きめる」という意味合いで読むことは廃止されているのですが、以前の読み方の慣例がこの「月極」に関しては残ってしまっている、というのが理由になります。
では「月決」にすればよいのでは?という意見もあります。しかし、「決」という時には「決める」「決定する」という意味であり、一か月単位で契約する駐車場という意味合いとはずれてしまうのです。よって、「月極」という字がそのまま使われ続けているのです。
月極契約と定期契約の違い
月極契約は先述の通りに、一か月単位の契約で駐車スペースを確保しています。したがって、いつでも入出庫ができる形態になります。定期契約とは、駐車するスペースが確保されておらず、特定の期間内で車室が空いていれば区画の定めなく自由に駐車できる形態です。
駐車スペースが確保されていないため、月額契約よりも安く設定されることが一般的です。
月極駐車場とは
月極駐車場とは、駐車場オーナーが車を駐車したい利用者と1か月単位の使用契約を結び、車室を貸し出すことをいいます。月極駐車場は、住宅街、商店街、オフィス街、繁華街などに設置され、契約者のみ使用できる駐車場となります。
月極駐車場は、土地オーナーが管理するもの、管理会社が代理で管理するものがあります。駐車場を契約する際は、賃貸借契約書にサインをしたり、敷金礼金が必要になったりするケースがあります。最後に月極駐車場の形態は、青空駐車場が多く、砂利やアスファルト舗装がされ、車止め・敷地境界にフェンス・区画線が設置されています。
月極駐車場の種類
月極駐車場には以下の3種類があります。種類によって利用しやすさが違うので、特徴を知ったうえで選ぶのがおすすめです。
- 平面駐車場
- 立体自走式駐車場
- 機械式駐車場
ここではそれぞれの駐車場の特徴を解説します。
平面駐車場
平面駐車場とは、土地にそのまま駐車スペースを用意して利用できるようにした駐車場です。上層階のある建物を建築せずに、平面上で車の出入りや駐車ができる仕組みになっています。月極駐車場ではよく見かける種類です。更地をそのまま駐車場にした青空駐車場もありますが、砂利を敷いたり、アスファルト舗装をしたりした平面駐車場もあります。
平面駐車場はスムーズに車の出入りができるのが特徴です。立体自走式駐車場のように上下の移動をしたり、機械式駐車場のようにパレットに車をうまく載せたりする必要がありません。ただし、平面駐車場は通常建物がなく天井が設けられていないため、車は雨ざらしになるのが注意点です。建物の1階を駐車場にして天井がある月極駐車場もありますが、あまり一般的ではありません。
立体自走式駐車場
立体自走式駐車場とは、2階建て以上の駐車用の建物を使用している立体駐車場の一種です。自走式というのは利用者が自分で運転して駐車マスに停める仕組みを指します。月極駐車場では契約で割り当てられた駐車マスに運転者が自分で移動して駐車することになります。
立体自走式駐車場は地下の高い都市部や駅前などで駐車スペースを十分に確保するために設置されるのが一般的です。1階は平面駐車場と同様ですが、上層階があるので屋根があって雨ざらしになりません。低層階であれば出入りの手間があまりかからずに済みます。しかし、高層階になると出入りに時間がかかる点に注意が必要です。
機械式駐車場
機械式駐車場とは、パレットに車を載せて機械操作によって建物内に車を収容する仕組みの駐車場です。建物を使用する立体駐車場の一種ですが、自走式駐車場とは違って利用者が自分で駐車マスに移動する必要がありません。パレットに車を載せるだけで、割り当てられたスペースに機械が車を運んで格納してくれます。
機械式駐車場には昇降横行式や昇降縦列式、タワーパーキングなどのさまざまな種類があります。立体自走式駐車場よりもスペースがいらないので、特に地価が高い地域で導入されていることが多い種類です。機械式駐車場は機械を操作して車を出す必要があるため、出入りに時間がかかります。また、パレットが狭くて載せるのに運転技術を求められる場合もあるので契約前に仕様を確認するのがおすすめです。
月極駐車場を探す手段
ここからは、月極駐車場の探し方について解説します。
①インターネットでの検索
まずは、インターネットでの検索です。検索ツールに、「希望する立地+月極駐車場」と検索ワードを打ち込めば、周辺の月極駐車場の情報が公開されています。自宅からの距離等で使いやすい立地であるかは地図上で確認し、使用料や車室のサイズや車両の制限などがあれば必ずチェックします。
②不動産屋への問い合わせ
次に、希望する立地にある地元の不動産屋に問い合わせする方法です。ここには、インターネットには公開されていない情報がある可能性があります。不動産屋を訪れることで、実は今は満車でも来月解約予定の区画があるなどの、情報を得られることがあります。
③自身で該当地域を回って探す
最後に、自身で該当地域を回って探す方法です。月極駐車場の中には、土地オーナー自身が募集や契約、管理を行っているケースがあります。この場合、不動産屋に管理委託していないので、不動産屋が情報を持っていない事やインターネット上には、一切情報が出ていないケースも珍しくありません。
このような月極駐車場の情報は、該当地域を回って探す方法しかなく、空き状況も現地にある看板の連絡先に問い合わせるしかありません。
月極駐車場を借りる際の初期費用
月極駐車場をはじめて借りる場合、賃料以外にどんなものが掛かるのか気になるところです。ここでは、月極駐車場を借りる際の初期費用について、項目別に解説していきます。
賃料
まず、賃料は一か月駐車場を借りた時に支払う金額です。これは、契約を更新する限り毎月掛かります。尚、月の途中から契約開始の場合、日割り計算になるのが一般的です。賃料は、指定の口座から引き落としになります。
保証金・敷金
保証金・敷金とは、契約期間中に賃料の滞納や駐車設備の破損がなければ、基本的に解約時に戻ってくるお金です。保証金・敷金は契約時に土地オーナーに渡す「預り金」となります。
礼金・手数料
礼金・手数料は、駐車場契約時に土地オーナーに対する謝礼金となり、「解約時」に返金はないものになります。
車庫証明代
車庫証明書の発行が必要な時に掛かる費用で、事務手数料となるので解約時の返金はありません。
更新料
月極駐車場の契約は、1~2年単位で期間が設定されているケースが多くあります。これらの期間を更新する際に掛かるのが、更新料です。一般的には、賃料の1か月相当分で設定されることや、更新料がない場合もあります。
保証委託料
保証会社加入に必要な費用が保証委託料です。保証会社は、万が一賃料を滞納した場合に、一時的に賃料を立て替えます。ただし、滞納分の支払い義務がなくなるわけではありません。また、保証会社への加入は、貸主や管理会社が加入を求める場合のみとなります。
初期費用としてかかる金額のモデルケース
ここに、初期費用としてかかる金額のモデルケースを紹介します。
(例)賃料1万円/月、敷金礼金は各々賃料の1か月分、手数料は賃料の1か月分、保証会社加入不用、の月極駐車場を1台契約する場合の初期費用は?
10,000円(初月賃料)+10,000円(敷金)+10,000円(礼金)+11,000円(手数料税込)=41,000円 |
この場合の初期費用は、41,000円となります。
月極駐車場を選ぶ際のポイント
ここからは、月極駐車場を選ぶ際のポイントについて解説します。
①駐車スペースや環境をチェックする
まずは、駐車スペースや周辺環境をチェックすることです。月極駐車場の契約前には、必ず現地の下見をしておきます。自身の所有する車が問題なく駐車できるか、周辺道路より入りやすい駐車場か、駐車場までのアクセス性(道が狭くないかなど)は良いかなどを確認します。
また、駐車場内に関しても、防犯カメラ・夜間照明の設置、砂利道・アスファルトやコンクリート舗装で、駐車時の安心感や雨天時の乗降しやすさなども変わってきます。砂利道であれば雨天時は靴に泥が付いたり、水たまりがあるので、車外と車内ともに汚れることが想定できます。
更に、駐車場の敷地自体が変形地や狭小地であったり、接面道路が坂の途中であったり、バックでしか入れないなど、敷地によっては駐車に苦労することもあります。自身にとって駐車しやすいかどうかは、現地をみないと判断できません。
②管理状況をチェックする
月極駐車場の管理状況は現地で確認して、安心して利用できるところを選ぶことが大切です。青空駐車場の場合には草が生えていて手入れができていない場合もあります。ゴミが放置されていて管理が行き届いていないと快適に利用できません。
また、月極駐車場のオーナーが自主管理をしているか、管理会社に委託しているかも確認するのがおすすめです。大手の管理会社に委託していれば、トラブルがあったときに適切に対応してくれます。自主管理の場合にはオーナー次第で、トラブル時の対応について問い合わせて確認した方が良いでしょう。副業で月極駐車場を運営している場合には、日中は連絡を取れなくて困る場合があります。
③月極駐車場までの経路を確認する
月極駐車場を契約する前に駐車場までの経路を調べて、無理なく利用できることを確認することが重要です。思っていたよりも遠くて利用しづらかった、距離は近いけれど急坂があって行き来が大変だったというケースもあります。実際に月極駐車場まで歩いて行ってみるとわかりやすいでしょう。夜になると道が暗い場合もあります。昼間だけでなく夜間に利用することも想定して経路の安全性や快適さを確認するのがおすすめです。
④車庫証明の取得の可否を確認する
月極駐車場を借りるときには、日常的に使用する車の保管場所にするのが一般的です。車の保管場所として公的に認められるためには車庫証明を取得できる条件を満たす必要があります。車庫証明は自動車の保管場所の確保等に関する法律施行令の第一条に「保管場所の要件」としてまとめられています。車庫証明を取得するための要件の概要は以下の通りです。
- 自宅やオフィスなどから2キロメートル以内の場所にある
- 道路から支障なく出入りできる
- 車の全体を収容できる広さがある
- 車の所有者が車の保管場所として使用する権利を持っている
月極駐車場を契約して車庫証明を警察署で申請するときには、保管場所使用承諾証明書の発行を受ける必要があります。月極駐車場の管理会社に相談して書類の発行が可能かを確認することが重要です。
参照:自動車の保管場所の確保等に関する法律施行令 | e-Gov 法令検索
参照:保管場所証明申請手続(窓口申請) 警視庁
⑤必要な時期に契約できるかを確認する
月極駐車場を契約するときにはいつから借りられるかを確認することが重要です。車を購入するときには納車までに駐車場を使える必要があります。引越し先の駐車場を探すときには、引越し日には使用できるようにしたいでしょう。一時的にコインパーキングに車を置いておくことも可能ですが、料金がかさんでしまいます。
月極駐車場は申し込んでから契約までに時間がかかるので注意が必要です。審査が完了して契約書を交わすまでに2週間くらいかかることもあります。計画的に月極駐車場を探して契約手続きを始めることが大切です。
⑥契約期間の制限があるかを問い合わせる
月極駐車場は契約期間に制限が設けられている場合があります。延長する分には特に問題ないことが多いですが、最低契約期間が定められていることがあるので注意しましょう。数ヶ月で解約したいと考えている場合は、あらかじめ管理会社に連絡して契約期間のルールを確認するのがおすすめです。
また、月極駐車場の利用を始めてから車の出入りが難しい、遠くて使いづらい、料金が高いといった点に気付き、他の駐車場に変更したくなる場合もあります。そのため、契約期間がない月極駐車場を選んだ方が安心です。
⑦契約前に現地で駐車を試す
土地オーナーに許可を取り実際に駐車させてもらうことが大事です。実際に運転してみると、駐車はしやすいが出入り口が狭く切り返しが必要であるとか、新たな事実が発覚することもあります。
⑧相場と比較して安い駐車場を選ぶ
安い月極駐車場を選んで契約すると節約になります。月極駐車場の料金は地域によって相場が違うので、借りたい地域にある駐車場の料金を調べてみましょう。ただし、青空駐車場か機械式駐車場か、大通り沿いか路地裏か、駅から近いか遠いかなどといった違いによって相場が異なるので注意が必要です。できるだけ同じ条件で複数の月極駐車場の料金を調べて比較すると安くて納得できる月極駐車場を選び出せます。
月極駐車場の契約の流れ
月極駐車場を利用するには申し込みをして契約を締結する手続きを進める必要があります。ここでは月極駐車場の契約の一般的な流れや必要書類を紹介します。
月極駐車場の管理会社に連絡して見積もりを取る
まずは月極駐車場の候補を見つけて管理会社に連絡をします。引越しで賃貸物件も探しているときには、不動産会社に月極駐車場を紹介してもらうことも可能です。管理会社から月極駐車場の契約内容の詳細について説明を受けて見積もりを取得します。
必要書類を用意して申し込む
見積もりの金額や条件に納得したら必要書類を用意して申し込みます。申込書類に必要事項を記入し、以下の必要書類を添えて手続きをするのが一般的です。
- 本人確認書類(運転免許証)
- 車検証の写し
- 印鑑証明書
- 会社謄本(法人の場合)
月極駐車場の申し込み時点で捺印が求められることが多いので印鑑も用意しておきましょう。月極駐車場の契約では支払い能力があるかどうかを判断する審査があるので、申し込みをしたら連絡があるまで待ちます。
審査が通ったら契約書にサインする
月極駐車場の審査結果の連絡があって申し込みが受理されたら、契約書の締結をします。契約内容を確認して契約書にサインをすれば契約完了です。契約内容はこの時点でもう一度見直して、問題がないことを確認しましょう。利用条件と合わせて契約期間、更新時期、更新料、賃料の支払い方法や支払日などを確認してからサインするのがおすすめです。
初期費用を支払う
最後に初期費用の支払いをします。賃料の他に敷金・保証金、礼金、車庫証明の発行料金などがかかる場合があります。保証会社に加入する場合には保証料の支払いも必要です。初期費用の支払い方法は管理会社によって異なります。銀行振込やクレジットカードなどの指定の方法で支払いをしましょう。初期費用の支払いを管理会社が確認したら、契約開始日から月極駐車場を利用できます。
まとめ
一言で月極駐車場と言っても土地により、その形状はさまざまです。駐車場によっては、駐車できる車の制限があります。駐車場へのアクセスのしやすさ、駐車しやすさなどは千差万別です。月極駐車場は、立地と賃料のみで決めずに、必ず現地確認を行うことをおすすめします。