マンションのオーナーの実態とは?仕組み・収入・リスクなどを解説

マンションのオーナーとして収入を得たい、資産形成や将来の相続に備えたいと考える方は少なくありません。マンション経営は、安定した家賃収入や節税効果などのメリットがある一方で、初期投資の大きさや管理の手間、空室や修繕費のリスクなども存在します。 そこで今回は、マンションのオーナーの仕組みや収入の実態、メリット・デメリット、リスクと回避策などを初心者にもわかりやすく解説します。

マンションのオーナーの実態とは?仕組み・収入・リスクなどを解説のイメージ

目次

  1. 1マンションのオーナーの仕組み
  2. 2マンションのオーナーになる方法と必要な資金
  3. 3マンションのオーナーの利回りと収益性を高めるコツ
  4. 4マンションのオーナーのメリット
  5. 5マンションのオーナーのデメリット
  6. 6マンションのオーナーに潜むリスクと回避策
  7. 7まとめ

マンションのオーナーの仕組み

マンションのオーナーの仕組みとは、所有物件を入居者に貸し出し、家賃収入を得る不動産経営の一形態です。安定収益を期待できる資産活用法として注目されており、老後の備えや相続対策にも活用されています。

経営形態には、一室を所有して貸す区分マンションや一棟をまとめて運用する方法があり、必要な資金や管理方法はそれぞれ異なります。入居者募集や契約、管理・修繕などの業務は管理会社に委託できますが、最終的な責任はオーナーにあります。

まずは、マンションのオーナーの役割や仕事内容、マンション経営とアパート経営の違いから見ていきましょう。

マンションのオーナーの役割と仕事内容

マンションのオーナーとは、物件を所有し入居者に貸し出すことで家賃収入を得る立場を指します。

主な役割は、安定した賃貸経営を行うために物件を適切に維持・管理することです。実際の業務には、入居者の募集や契約、家賃の回収、修繕対応、建物の維持管理などがあります。

ただし、これらの多くは管理会社に委託できるため、オーナーが全業務を行う必要はありませんが、最終判断や資金面の責任はオーナーにあります。マンションオーナーは「不労所得」のイメージを持たれやすいものの、実際は管理会社とのやり取りや資金計画の立案といった経営者的な役割を担っています。

マンション経営とアパート経営の違い


マンション経営とアパート経営は似た仕組みですが、構造や投資規模に違いがあります。

マンションは鉄筋コンクリート造(RC造やSRC造)が多く、耐震性や防音性に優れ、建物の寿命も長いことが特徴です。その分、購入価格や修繕費用が高くなりがちです。

一方、アパートは木造や軽量鉄骨造が一般的で、初期投資を抑えやすいメリットがあります。ただし、建物の耐用年数は短く、修繕やリフォーム頻度が増えることも多く、長期的な収益性ではマンションに劣る場合があります。

つまり、マンションのオーナーは「安定性や資産価値を重視」、アパート経営は「少額から始めやすい」という違いがあるといえるでしょう。

マンションのオーナーになる方法と必要な資金

マンションのオーナーになるためには、物件の購入から経営の準備、そして安定運営に至るまで、いくつかのステップを踏む必要があります。ただ単に物件を買うだけではなく、資金計画や管理体制の構築も重要な要素です。

ここからは、マンションのオーナーになるまでの具体的な流れと必要な資金について解説します。

マンションのオーナーになるまでの主な流れ

マンションオーナーになるには、物件探しから契約、購入後の管理体制づくりまで、以下のステップがあります。順序を理解しておくことで、スムーズに経営を始められます。
 

  • 物件探し
  • 購入資金の確保
  • 売買契約
  • 管理会社の選定

物件探し

最初のステップは、投資目的に合ったマンションを選ぶことです。

立地条件や周辺環境、将来的な需要などを確認しながら物件を検討しましょう。賃貸需要の高いエリアであれば空室リスクを抑えられ、安定した家賃収入につながります。

また、新築か中古かによって初期費用や修繕の必要性が変わるため、ライフプランに合った物件を選ぶことが大切です。

購入資金の確保

物件が決まったら、次は資金の準備です。自己資金をどれだけ投入するかを決め、足りない分は不動産投資ローンなどの活用を検討しましょう。

ただし、金融機関によって融資条件や金利は異なるため、複数の銀行で比較することが望ましいです。頭金として物件価格の1〜2割を用意するのが一般的であり、同時に返済計画を立て、収支のシミュレーションを忘れずに行いましょう。

売買契約

購入する物件が決まったら、不動産会社を通じて売買契約を結びます。

契約時には手付金を支払い、引き渡しに向けて金融機関とのローン契約や登記手続きを進めます。また、この段階で火災保険や地震保険の加入も検討しましょう。

売買契約は法的拘束力を持つため、契約内容を十分に確認してから署名・押印することが大切です。

管理会社の選定

物件購入後は、入居者募集や家賃回収、建物の修繕などを任せられる管理会社を選びます。

信頼できる管理会社を選べば、オーナーの負担は軽減され、経営の安定にもつながります。しかし、管理会社選びを誤るとトラブルや入居率の低下につながるため、複数の会社を比較検討することが不可欠です。

マンションオーナーに必要な初期費用と維持費

マンションのオーナーになるには、物件価格に加え、以下のような諸費用がかかります。これらを事前に把握していないと、資金繰りに苦労する可能性もあるでしょう。
 

  • 仲介手数料
  • 登記費用
  • ローン事務手数料や保証料
  • 火災保険料
  • 地震保険料
  • 不動産取得税 など

上記を合計すると、物件価格の7〜10%程度が初期費用として必要になるのが一般的です。
次に、維持費として以下のようなコストが発生します。
 
  • 管理費
  • 修繕積立金
  • 固定資産税、都市計画税
  • ローン返済
  • 突発的な修繕費用 など

上記は毎年の収益を圧迫するため、利回りを計算する際には必ず経費として見込んでおく必要があります。特に、築年数が経過した物件では修繕費がかさむ傾向にあるため、余裕を持った資金計画を立てることが大切です。

マンションのオーナーの利回りと収益性を高めるコツ

マンションのオーナーとして成功するためには、家賃収入の仕組みを理解し、利回りを正しく把握した上で、収益性を高める工夫を行うことが重要です。物件を所有するだけでは十分な利益を確保できないケースもあるため、数字に基づいた経営を心がける必要があります。

家賃収入の仕組み

マンションオーナーの主な収入源は、入居者から得られる家賃です。

契約期間中は毎月一定額の家賃が支払われるため、安定収入を見込めます。しかし、空室が出ると収入はなくなり、ローン返済や維持費だけが発生するため、物件選びの段階で入居需要が高いエリアや競争力のある家賃設定ができる物件を選ぶことが不可欠です。

また、家賃以外にも共益費や礼金・更新料などの収入が見込める場合がありますが、これらは物件や地域の慣習によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

利回り


利回りとは、投資額に対する収益の割合を示す指標であり、マンション経営の収益性を判断する基準となります。
 

  • 表面利回り:年間家賃収入を物件価格で割った数値
  • 実質利回り:年間家賃収入から管理費・修繕費・固定資産税などの経費を差し引き、投資額で割った数値

現実的な収益として、実質利回りでのシミュレーションを行いましょう。実質利回りで4〜6%程度あれば安定投資とされていますが、立地や築年数によっても変動します。

また、購入前だけではなく、経営開始後も定期的にシミュレーションし直すことがおすすめです。

収益性を高めるコツ

マンションのオーナーが収益性を高めるためには、物件選びから日々の運営まで一貫した工夫が欠かせません。

重要なのは、入居需要の高い立地を選ぶことです。駅からの距離や周辺の生活環境、大学や商業施設などの有無によって入居率は変わります。さらに、周辺の賃料相場を調査し、相場に見合った家賃設定を行うことで安定した入居者の確保につながるでしょう。

また、物件の魅力を維持するためには、定期的な修繕やリフォームを行い、入居者が長く住みたいと感じられる環境を整えることも大切です。さらに、管理会社と連携し、入居者からの問い合わせやトラブルに迅速に対応できる体制を整えることも、収益性を高める要因となるでしょう。

マンションのオーナーのメリット

ここからは、マンションオーナーのメリットを4つ解説します。
 

  1. 安定した家賃収入が得られる
  2. 節税効果が期待できる
  3. インフレ対策になる
  4. 将来的な売却益や相続資産としても期待できる

①安定した家賃収入が得られる

マンションのオーナーの大きな魅力は、長期的に安定した家賃収入を得られる点です。

入居者が契約期間中は毎月固定額の賃料が発生し、ローン返済や生活費、再投資の原資として活用できます。特に、立地条件が良く、需要の高いエリアであれば空室率を低く抑えやすく、経営の安定性が高まるでしょう。

株式や債券とは異なり、価格変動に左右されにくい定期的なキャッシュフローを確保できる点は、資産運用上の大きな強みといえます。

②節税効果が期待できる

マンション経営では、減価償却費やローン利息、管理費、修繕費などを経費計上できます。

これにより課税所得を減らし、所得税や住民税の負担を軽減できる可能性があります。さらに、相続時には建物の評価額が時価より低く評価されることが多く、現金資産に比べて相続税の節税効果が期待できるでしょう。

正確な節税を行うためには、税理士や不動産専門家などと連携し、最新の税制に基づいた運用を行うことが重要です。

③インフレ対策になる

不動産は、インフレ局面において価値を維持または上昇させやすい資産です。物価が上昇しても家賃も連動して上昇する傾向があり、実質的な資産価値の目減りを防ぐ効果があるといえるでしょう。

現金を保有しているだけではインフレによる購買力低下を免れませんが、マンションのオーナーとして不動産を保有していれば、家賃収入という形でインフレヘッジを実現できます。

④将来的な売却益や相続資産としても期待できる

立地や管理状態の良いマンションは、長期保有後に売却して大きなキャピタルゲイン(売却益)を得られる可能性があります。また、不動産は現金化しにくい一方で、相続資産として残すことで家族の資産形成や安定した収入源を確保する手段にもなり得るでしょう。

特に、都市部の人気エリアや再開発が進む地域の物件は将来的な価値上昇が見込めるため、長期的な資産ポートフォリオの中核としても期待できます。

マンションのオーナーのデメリット

マンションオーナーにはさまざまなメリットがありますが、以下のようなデメリットもあるので、事前に確認をしておきましょう。

 

  1. 初期投資が大きい
  2. 管理や手間が発生する
  3. 流動性が低く現金化しづらい

①初期投資が大きい

マンションのオーナーになるには、数千万円単位の資金が必要になるケースが多く、決して小さな投資ではありません。

ローンを利用して購入する場合でも、頭金や諸費用だけで数百万円単位の出費が必要となります。また、物件購入後も管理費や修繕積立金といった支出が継続するため、資金計画を綿密に立てていなければ経営が成り立たなくなるリスクがあります。

十分な自己資金がない状態で始めてしまうと、返済負担が大きく経営を圧迫してしまう可能性もある点がデメリットといえます。

②管理や手間が発生する

マンションのオーナーは、物件を所有しているだけではなく、賃貸経営者としての責任も担います。具体的には、入居者の募集や契約更新、退去時の原状回復、建物の修繕対応など、さまざまな業務が発生します。

管理会社に委託することは可能ですが、委託料がかかることに加え、最終的な判断はオーナー自身が行わな
ければなりません。

そのため、完全な不労所得とは言い切れず、経営者として一定の関与が求められるのが実情です。

③流動性が低く現金化しづらい

不動産は株式や債券のようにすぐに売却できる資産ではありません。売却を検討しても、買い手が見つかるまでに時間がかかり、急な資金需要に対応できないことがあります。

さらに、市場環境や立地条件によっては希望価格で売却できない場合も多く、資産価値が想定より下がる可能性も否定はできません。

こうした流動性の低さは、マンションオーナー特有のデメリットといえるでしょう。

マンションのオーナーに潜むリスクと回避策

マンションのオーナーには、安定収入や資産形成などのメリットがある一方で、長期的な経営を続けるなかで避けられないリスクも存在します。具体的には、以下のようなリスクを理解し、適切な対策を講じておくことが安定した経営を実現するための鍵といえるでしょう。
 

  • 空室リスク
  • 賃料下落リスク
  • 修繕費・管理費の増加リスク

空室リスク

マンション経営で大きなリスクの一つが空室です。入居者がいなければ家賃収入が得られず、ローン返済や管理費だけがオーナーの負担となります。

特に、立地条件が悪い物件や築年数の古い物件では空室率が高くなる傾向があるでしょう。回避策としては、入居需要の高いエリアで物件を選ぶことです。加えて、定期的なリフォームや人気設備(オートロック・Wi-Fi無料など)の導入によって競争力を維持し、入居率を高める工夫が必要です。

賃料下落リスク

経年劣化や周辺の競合物件の増加によって、家賃を下げざるを得ない状況に直面することがあります。賃料が下がれば利回りも低下し、経営全体の収益性に影響を及ぼしかねません。

回避策としては、購入前に長期的な賃料相場を確認し、需要が安定しているエリアを選ぶことが重要です。また、入居者の満足度を高める管理体制を整えることで長期入居につなげ、安易な家賃値下げを避ける工夫も効果的でしょう。

修繕費・管理費の増加リスク

マンションは築年数が経つごとに修繕やメンテナンスの必要性が増し、修繕積立金や管理費が上昇する傾向にあります。大規模修繕が重なると一度に多額の費用が発生する可能性もあり、オーナーの資金計画を圧迫しかねません。

回避策としては、物件購入時に長期修繕計画を立案し、修繕積立金が適正に積み立てられているかどうかをチェックすることが欠かせません。さらに、自己資金の一部を修繕予備費として確保しておくことで、突発的な出費にも対応しやすくなるでしょう。

まとめ

マンションのオーナーは、物件を所有し入居者に貸し出すことで家賃収入を得られる魅力的な資産運用方法の一つです。安定した収益や節税効果、インフレ対策、さらには将来的な売却益や相続資産としての価値も期待でき、長期的な資産形成の手段として注目されています。

一方で、初期投資が大きいことや管理の手間、流動性の低さといったデメリットもあり、さらに空室や賃料下落、修繕費の増加といったリスクが伴います。こうした課題に対しては、立地や物件の見極め、適切な家賃設定、管理会社との連携、長期的な修繕計画などを通じて事前に対策を講じておくことが重要です。

マンションオーナーとして成功するためには、メリットとリスクの両面を理解し、資金計画や経営方針を固めたうえで取り組むことが欠かせません。正しい知識と準備を行うことで、マンション経営は安定収入と将来の資産形成を両立できる有効な選択肢となるでしょう。

マンションオーナーになることは、資産形成の有力な選択肢ですが、 土地の活用方法は他にも多様な可能性があります。 たとえば、初期費用を抑えて始められる駐車場経営も注目されています。 ご興味のある方はこちらをご覧ください。

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※本記事は可能な限り正確な情報を元に制作しておりますが、その内容の正確性や安全性を保証するものではありません。引用元・参照元によっては削除される可能性があることを予めご了承ください。また、実際の土地活用についてや、税金・相続等に関しては専門家にご相談されることをおすすめいたします。

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