2021年06月01日公開
2021年06月01日更新
駐車場投資は土地購入から始めても儲かる!土地選びのコツ、始め方も紹介
駐車場投資を、土地購入から始めても儲けられるポイントについて解説します。他に、土地を購入した方が良い人、土地の選び方やコツ、駐車場投資の始め方なども紹介します。この記事は、駐車場投資を土地がないからと諦めている人には必見です。
目次
駐車場投資とは
駐車場投資とは、投資家が手持ち資金で駐車場を開設し、賃料収入などから収益を得ることをいいます。投資と言えば、株や投資信託など金融商品が定番ですが、昨今は利回りが低く投資に見合う利益が取りにくくなってきています。
しかし、駐車場投資は立地により高利回りも期待できることから、近年注目されています。そこで今回は、駐車場投資を土地購入から始めても儲かるのか?をテーマに、土地選びのコツや駐車場投資の始め方を紹介します。
はじめに、駐車場投資の基礎的な部分を解説していきます。
駐車場投資の需要
近年、若者の車離れが指摘されていますが、統計を見ると車の保有台数は微増ですが増えています。東京など都市部は公共交通が発達しているので、車の保有率は下がっています。しかし、田舎などでは公共交通が廃止となったりで、移動手段を車に頼る地域は多いのです。
したがって、車の保有台数は減っていないので、一定の駐車需要は見込めます。特に、田舎立地は車が一人一台と生活の足になっているケースも多いのです。
駐車場投資のメリット
まず、駐車場投資のメリットは下記になります。
- 初期費用は他の投資に比べて安価に納まる
- 収入は安定しやすい
- 台風や大雨など、災害の影響を受けにくい
- 設置工事期間が短く、即資金回収しやすい
- 土地の転用がしやすい
駐車場投資は、アパート投資や太陽光発電投資に比べて、初期費用は圧倒的に安価です。したがってリスクは低く安心です。また、月極駐車場は一度利用者が決まると長期間使用するケースが多く、収益性は低いのですが収入は安定します。コインパーキングは、繁華街などの好立地で高稼働率であれば、高収益が見込めるので月極駐車場より儲かるケースが多いのです。
次に、台風などの天災の被害は、建物がないので受けにくいです。駐車場は平置きタイプが殆どであるので、大きな被害は殆どありません。次に、設置工事期間が短いので、投資後即資金回収ができます。経営開始が早いのが大きなメリットです。
最後に、駐車場は借地借家法の対象外であるので、将来的な土地の転用がしやすいです。月極駐車場であれば、解約日1か月前の通知、コインパーキングであれば施設の閉鎖で済みます。
駐車場投資のデメリット
次に、駐車場投資のデメリットは下記になります。
- 長期間空き区画になる可能性がある(月極駐車場)
- 周辺の競合により、稼働率や料金設定に影響が出る(コインパーキング)
- 違法駐車、不法投棄、不正利用などのトラブルに遭うことがある
- 節税のメリットはない
まず、長期間空き区画になることで、収益や利回りに影響が出ることがあります。特に、自己経営の場合は退去者が出た後の募集手段が乏しいので、長期化することがあります。次に、コインパーキングで管理委託方式の場合、周辺に競合ができることで、稼働率や料金相場に影響が出ることがあります。コインパーキングは、参入がしやすく競合が多いのが要注意です。
次に、駐車場経営を始めることで、トラブルに遭う可能性があります。料金滞納、料金未納、違法駐車、施設破損、接触事故などさまざまです。特に、不特定多数の利用者が対象のコインパーキングは、トラブル後の処理は一苦労です。尚、管理委託の場合でも、最終的に土地オーナーが責任を取るケースもあります。
最後に節税のメリットはありません。したがって、固定資産税などの固定費を差し引いても利益がでるかがポイントになります。尚、アスファルト舗装にすると、相続時の小規模住宅の特例が使え、200㎡までの部分が50%相続税の評価減になります。したがって、この場合は節税効果があります。
駐車場投資は土地購入から始めても儲かる!
駐車場経営は、既に土地を所有している人が土地活用で行うイメージがありますが、土地がない状態でも始めることができるのでしょうか?また、始めるからには儲けを出したいところですが、駐車場投資を土地購入から始めても、儲けを出す方法やコツはあるのでしょうか?
駐車場投資の表面利回り
表面利回りとは、初期投資額に対する年間収入金額の割合になります。例えば、初期投資(土地購入+駐車場設置費用)が3,000万円で、年間300万円の収入があれば、表面利回りは10%となります。この利回りが高いほど、初期投資の回収が早くなり、この場合は10年で初期投資額が回収できる計算になります。
しかし、この年間収入から、実際は固定資産税・管理費・機器メンテナンス費など必要経費が掛かり、これらの分を差し引く必要があります。必要経費を差し引いて、実際に手元に残る金額で算出したのが、この次の実質利回りです。
駐車場投資の実質利回り
駐車投資の実質利回りは、下記のように算出します。
実質利回り=(家賃収入ー必要経費)÷(土地購入費+駐車場設置費用)×100
(例)家賃収入300万円、必要経費100万円、土地購入費2900万円、駐車場設置費用100万円の場合の実質利回りはいくらか?
(3,000,000円ー1,000,000円)÷(29,000,000円+1,000,000円)=2,000,000÷30,000,000×100=約6.6%
この場合の実質利回りは、6.6%と計算できます。
駐車場投資で土地を購入すべき人
駐車場投資で土地を購入すべき人は、手持ち資金に余裕があり、将来的に資産形成まで考えている人です。更地の土地を購入すれば、駐車場としての用途以外にアパートやトランクルームなど、さまざまな土地活用に転用も可能です。
土地さえあれば、駐車場投資以外でも多くの選択肢を持つことができます。また、土地は次世代に相続もでき、また現金で相続するよりも節税となるのでお得です。
土地なしから駐車場経営する場合には、購入か借地にするかの選択があります。手元資金や投資の目的、先々のことも考えてどちらが良いか判断していきましょう。
駐車場投資で借地を選ぶべき人
駐車場投資で借地を選ぶべき人は、初期投資を抑えたい人、ローン等の借り入れを減らしリスク低減したい人におすすめです。仮に、土地を購入するとなると、ローンの審査や契約など時間が掛かる場合がありますが、借地であれば貸主と賃貸借契約を結ぶだけになるので、スムーズに駐車場を開設することができます。
借地にするメリットは、駐車場経営で失敗しそうな時や赤字になった場合に、負債を最小限に抑えることができます。反対に借地にするデメリットは、長期間賃料を払い続けることで、購入した時の金額を超えてしまうことや、賃料は掛け捨てになるので資産形成にはならないということです。
駐車場投資を土地購入から始めて儲けるためのポイント
ここからは、駐車場投資を土地購入から始めて儲けるためのポイントについて、解説します。
コインパーキング投資で儲けるためのポイント
コインパーキングで駐車場経営を始める時は、土地購入費用以外に、精算機やロック板などコインパーキングに必要な機器の購入や設置なども必要になり、初期費用も掛かります。これらの初期費用を回収するためには、利回りを上げることしかありません。利回りを上げるには、コインパーキングの稼働率を上げるしかありません。
コインパーキングは、競合の状況や周辺の店舗や施設の営業状況で、稼働率が大きく左右されるので、安定性を保つのは難しいです。安定した稼働率を維持するには、さまざまな対策が必要になります。ここでは、コインパーキング投資で儲けるためのポイントを3つ紹介します。
①Webを活用して集客する
まずは、Webを活用して集客することです。インターネットに情報を掲載することで、利用者にコインパーキングの存在が認知され、利用につながります。したがって、「コインパーキング、エリア名」等の検索でヒットするように、SEO対策などをするのもよいでしょう。
更に、web上に空車情報や料金情報など、コインパーキングに関する情報があれば、利用しやすくなります。
②利便性の高いサービスを導入する
次に、利便性の高いサービスを導入することです。周辺にコインパーキングの競合が多い場合、このような利便性の高いサービスで、他競合との差別化も必要です。例えば、料金精算を現金だけでなくクレジットカードや電子マネーで決済できる、利用ポイントがつくようなサービスを導入する、などです。
また他には、最大料金を導入したり、料金をカウントする時間の区切りを変えてみたりと、利用状況や周辺の施設・店舗の状況に合わせて柔軟に変えていくのもよいでしょう。
③立地条件の良い土地を購入する
最後に、立地条件の良い土地を購入することです。立地が良いとは、コインパーキングを利用する一時利用者が多いところです。例えば、下記のような立地が理想です。
- 近隣に区役所など、行政機関の施設がある
- 駐車場がない店舗が多く集まるところ(商店街など)
- 近隣に病院や診療所がある
- 近隣に大規模なイベント会場がある
- 駅に近い
- 繁華街の中心地
上記のような立地は、当然に土地購入費は高額となりますが、コインパーキングは立地が全てです。立地が良くなければ、高稼働率・高収益は見込めません。仮に、土地の購入費を抑えられた立地であったとしても、稼働率が高くなければ負債が残るだけです。
したがって、コインパーキング経営で土地購入から始める場合は、初期投資が高くなるリスクはありますが、好立地で取得することがおすすめです。
月極駐車場投資で儲けるためのポイント
月極駐車場は、鉄道の駅から遠い立地や地方都市や田舎立地など、公共交通が発達していない立地で需要があります。したがって、コインパーキングのように必ずしも好立地である必要はありません。この部分はコインパーキングとは正反対です。
このような特性から、月極駐車場は好立地に土地を購入する必要はありません。また、月極駐車場は一度利用者決まれば、長期間使用するケースが多いので賃料収入自体は安定します。また、駐車台数にキャパシティがあるので、月の収入に上限があります。
ここから、月極駐車場投資で儲けるためのポイントを2つ紹介していきます。キーワードは契約率の向上と、初期費用を抑える低コスト化です。
①定期的な利用者が見込める土地を購入する
まず、定期的な利用者が見込める土地を購入することです。例えば、定期的な利用者がいる立地は、住宅街やオフィス街です。住宅街であれば、車庫に入らない2台目以降の駐車スペースの需要、オフィス街であれば社用車の駐車スペースとしての需要があります。
商店街などの店舗が多い所であれば、荷物運搬用のトラックなどの駐車需要が見込めます。月極駐車場は、一時利用ではなく、日常的に駐車する需要のために設置します。駅から遠い住宅街であれば、土地購入費は安く需要が見込めるので、月極駐車場設置には合致しています。
②運営会社に管理業務を委託する
二つ目は、運営会社に管理委託することです。管理会社に管理委託することで、慣れない駐車場経営を円滑に運営してもらえます。特に、賃借人の募集を個人で行うのは大変です。ホームページを制作し、問い合わせ等に対応するのは素人では簡単にはできないことです。
駐車場を高稼働率で維持し続けるには、退去者が出た場合に直ぐ賃借人を募集できること、また駐車場自体の管理・運営能力が重要です。管理委託することで、賃借人の募集や契約、日常の清掃や集金、クレーム処理まで、面倒なことは全て委託できます。副業として駐車場経営を行う際には、管理に時間をかけることは難しいので、管理費を支払ってでも運営業者に委託するのがおすすめです。
ちなみに、管理委託料は月の収入の5%~10%程度が目安です。自己経営に比べると余計な費用が掛かることになりますが、土地オーナーにとって管理委託はメリットが大きいのです。
駐車場投資を土地購入から始める方法・流れ
ここからは、駐車場投資を土地購入から始める方法・流れについて解説していきます。
①土地を購入する
土地なしから駐車場投資を始めるには、まず駐車場用の土地を購入します。土地の相談は、近所の不動産屋さんに行くとよいでしょう。また、事前にインターネットで土地情報を調べるのもおすすめです。不動産屋さんで土地を幾つか紹介してもらったら、必ず現地調査を行います。
現地調査には、駐車場の運営会社など専門家に同行してもらい、アドバイスをもらいながら土地の候補を絞っていくのもよいです。現地調査では、土地の形や接面道路の広さや駐車場への入りやすさ、周辺に需要が見込めそうな施設などがあるかです。
尚、土地は更地で売られている場合だけでなく、古家など建物有の場合もあります。このような時は、建物の解体や土地の整地費用も別に掛かるので注意が必要です。
土地選びのコツ
土地選びのコツは、土地鑑がある立地がおすすめです。土地鑑とは、一定の範囲の地域の地理や、地形や道路の構造、街並みなどについての知識が、自身が居住若しくは訪れた経験により身についていることをいいます。つまり、知っている場所であれば探しやすく、地域の特性を理解しているので、細かいニーズの想定がしやすいのです。
仮に、全く知らないところで土地を探しても、その立地の善し悪しなど検討がつきません。まずは、知っている土地で効率よく探すことがおすすめです。
②運営会社を吟味して選ぶ
駐車場経営が成功するか否かは、経営をサポートしてくれる運営会社により変わってきます。したがって、運営会社選びは慎重に行います。まず、どこにしてよいか見当がつかない場合は、複数社に見積もりを依頼しコンタクトを取ることがおすすめです。
尚、運営会社は管理委託費用の金額だけで決めてはいけません。つまり、コスト重視であれば管理委託費用が一番安い運営会社にしそうですが、このようなやり方だと失敗する可能性があります。運営会社を決める前には、運営会社の担当者に会い、実際の経営時の委託業務内容、管理・運営方針、クレームやトラブル時の対処法、などを聞いておきます。
運営会社に、駐車場管理のノウハウがしっかりとあるか、またサポート体制は万全かなどを確認します。納得がいけば、管理委託費用が適正であるかを最終確認し、運営会社を最終決定します。これが運営会社を決める大まかな流れです。
③駐車場の着工・竣工
管理・運営会社が決まれば、いよいよ駐車場の設置工事が始まります。月極駐車場の場合には、砂利やコンクリートで土地を舗装、フェンスや車止めの設置などと工事は比較的簡単です。したがって、工事は早ければ1日で終了します。
コインパーキングの場合には、ロック板・精算機・照明設備などの機材の設置工事や電気系統の整備等もあるため、工事期間は概ね1週間程になります。駐車場設置工事は、比較的短期間で完了するため、月極駐車場の場合は工事開始前から、利用者は募っておくのがよいでしょう。
コインパーキングの場合は、土地の取得時からコインパーキングオープンの告知をしておくとよいでしょう。駐車場工事が竣工したら、いよいよオープンです。
④駐車場経営の開始
駐車場がオープンすると、経営開始です。経営が開始となると、巡回・集金・清掃・トラブル対応など基本的な業務は、全て運営会社が行うので土地オーナーの出番は殆どありません。しかし、土地オーナー自らも所有している駐車場に出向くことも大事です。
巡回等を自らもすることで、一定時間の利用状況や敷地内の異変にいち早く気づくこともできます。また、他に競合があれば自ら調査し、運営会社に対策を提案するのもありです。
また、駐車場経営は長期間に渡り行っていくもので、開業当初は稼働率が思った以上に上がらないこともありますが、一時的なことに一喜一憂せずに、冷静な気持ちで経営に挑むことが大切です。焦らずじっくりと経営することが、土地オーナーには必要で、このときに相談できるのが運営会社になります。
運営会社には、周辺の利用状況やデータなどを収集してもらい、駐車場の経営計画や、現状の対処方法、対処したことによる収支予測など、しっかりと戦略を立ててもらいましょう。このときの運営会社の対応力や運営力や提案力が、今後の駐車場経営の成否を左右します。
駐車場投資にかかる費用
ここからは、駐車場投資にかかる費用について解説していきます。駐車場投資の費用は、大きく初期費用と維持費用に分けることができます。
初期費用
駐車場投資を土地なしから始める場合の、初期費用で掛かるものは主に下記になります。
(表)初期費用一覧
駐車場の種類 | 項目 |
共通で掛かる初期費用 | ・土地の購入費 ・建物の解体費と整地費用(古家付の土地を購入した場合) ・不動産会社に支払う仲介手数料 |
月極駐車場設置で掛かる初期費用 | ・アスファルト舗装費 ・車止め設置費 ・駐車区画線設置費 ・看板設置費 ・境界フェンス設置費 |
コインパーキング設置で掛かる初期費用 | ・精算機設置費用 ・ロック板設置費用 ・アスファルト舗装費 ・防犯カメラ設置費 ・LED照明設置費 ・空車満車看板設置費 ・境界フェンス設置費 |
駐車場投資の初期費用は、土地の購入代金で大きく変わってきます。月極駐車場の場合は、繁華街・駅近などの好立地ではなく、駅から遠い住宅街や交通が不便な地域に需要があります。したがって、土地の評価が低い地域となり、土地購入費はコインパーキング設置時より安価におさまることが殆どです。
しかし、古家付の土地を購入した場合は、解体費と土地の整地代も掛かります。更に、解体は建物の種類によって費用が大きく変わるので要注意です。例えば、木造の家屋の解体と鉄筋コンクリート造りの建物解体では、費用は全く違ってきます。解体を依頼する場合は、事前に見積もりをとっておきましょう。
また、月極駐車場の設置工事自体は、工事自体が少なく安価で、工期も短めです。初期費用が掛かっても工期が短い分、即資金回収できるのが月極駐車場投資のメリットです。尚、10台程度の月極駐車場投資の初期費用は、建物解体なしで100万円程度見積もっておけばよいでしょう。
次に、コインパーキングの場合は、駐車機器の購入費と設置工事があります。10台程度のコインパーキング設置のための駐車機器購入費用と設置工事費は、概ね300万円程度になります。また、土地の購入となりますが、コインパーキングの場合は一時利用者を見込める土地が必要であるため、比較的好立地となる場合が多いです。
できれば土地の購入費は抑えたいところですが、コインパーキングは不特定多数の利用者に、利便性を提供する必要があります。そのため、立地が悪いと稼働率は上がりません。仮に、立地が悪いと利用料金を相場より下げる必要があり、収益が下がってしまうことから利回りが悪くなります。したがって、コインパーキングの初期費用は、月極駐車場より多額に掛かるケースが多いです。
まとめると、月極駐車場投資はローリスク・ローリターン、コインパーキングはハイリスク・ハイリターンであると理解しておきましょう。
維持費用
駐車場投資に掛かる維持費用は、下記の通りです。
(表)維持費用一覧
駐車場の種類 | 項目 |
共通で掛かる維持費用 | ・管理委託費 ・固定資産税 ・都市計画税 |
月極駐車場で掛かる維持費用 | ・新規契約時の不動産会社に払う手数料 |
コインパーキングで掛かる維持費用 | ・駐車機器のメンテナンス費 ・駐車機器の更新費 ・駐車機器の修理費用 |
まず、月極駐車場・コインパーキングに共通で掛かるものは管理委託費、土地を所有するので固定資産税と都市計画税が掛かります。管理委託費は、概ね賃料収入の5%~10%程度が一般的です。尚、管理委託をすると、料金の徴収、駐車場の巡回と清掃、トラブルや事故対応になります。また、コインパーキングの場合は、駐車機器の定期メンテナンスなどが入ります。
次に、固定資産税や都市計画税は土地所有者に、1年に一度請求されます。更地評価となるので、住宅用地の特例はなく、税額は高くなるので注意です。
月極駐車場のみに掛かる維持費用は、新しく賃借人と契約する際に不動産会社に支払う手数料です。退去者が出た場合に、素早く新しい利用者を募ることが稼働率を下げない秘訣です。そのため、賃借人の募集は不動産会社や管理会社に委託するので、契約時には手数料が発生します。
コインパーキングのみに掛かる維持費用は、設備機器のメンテナンス費や機器更新費などです。また、事故やいたずらにより機器が破損した場合の、修理代もあります。
上記表に記載以外のもので維持費用になるのは、火災保険などの保険料やトラブル発生時の対処費用もあります。月極駐車場の場合は、不正駐車車両が放置されるケースや、不法投棄されるケースもあり、その撤去費用などもあります。
駐車場投資を土地購入から始める際の注意点
ここでは、駐車場投資を土地購入から始める際の注意点を2つ解説します。
①初期費用は全額自己資金で賄う
駐車場経営はもともと、余った土地や遊休地の土地活用で行われることが多く、土地なしから始めるケースはそう多くはありません。また、月極駐車場の場合は利益が固定されているため、高収益を期待することができず、固定資産税などの固定費を支払うと薄利であることが多いのです。
したがって、初期費用は極力全額自己資金で賄う方がよいでしょう。特に月極駐車場の場合は自己資金で賄える範囲で、初期投資を行うほうがよいです。また、コインパーキングで管理委託方式等の場合、高収益を期待できるため、ローンで資金調達しても良いと思いますが、収益自体不安定な要素もあるので、あまりローンの割合を多くすることはおすすめできません。
コインパーキングの用地は、土地代が高額となる傾向があります。資金調達でのローン利用は、無理のない範囲で借り入れをすることが重要で、自己資金を半分以上入れ極力リスクを低減することをおすすめします。
②将来的に売却できないおそれがある
月極駐車場用地は、交通便の悪い立地に土地を購入するため、将来的に売却できないリスクがあります。土地の購入費を抑えられる立地は、需要があまりないということも言えます。したがって、このようなリスクも理解しつつ、駐車場投資をすすめなければなりません。
まとめ
駐車場投資は、土地なしの状態からも始めることができます。但し、一般的に掛かる駐車場設置費用などの他に、土地の取得費が掛かります。土地がある場合の利回りは、初期費用が少ないためとんでもなく高くなりますが、土地なしの場合の利回りは良くて5%前後です。
したがって、駐車場投資での土地取得費は、ローンは使わずに全額自己資金で賄うのがポイントです。特に、月極駐車場の資金調達でローンを使うと、利息とローンを組む時の手数料等で、赤字になる可能性が高いのです。駐車場投資は、ローンを使わずに身の丈にあった費用の範囲で行っていきましょう。
最後に駐車場投資は、セオリーや注意点を理解せずに始めてしまうと、失敗するリスクが増大します。駐車場投資を始める前は、専門家への相談や資金整理などを行い、且つ駐車場投資の知識や理解を十分深めてから、行うことをおすすめします。