2024年02月09日公開
2024年02月09日更新
アパート経営の特徴と失敗しないための始め方・対策を解説
アパート経営に興味を持っていても不安が多くて始められない人もいるでしょう。不労所得を得る方法としてアパート経営はよく注目されていますが、失敗例も多いので十分な準備をして始めることが重要です。この記事ではアパート経営のメリット・デメリットと始め方のポイントをご紹介します。
目次
アパート経営のメリット
収入が安定しやすい
アパート経営は安定した収入源として運用しやすいのがメリットです。入居してもらえると数年間にわたって住み続けてくれる傾向があるからです。近年ではマイホームを買わずにずっと賃貸生活をする人も多いので、ファミリー向けのアパートなら安定経営をしやすいでしょう。
ローンを使える
アパート経営はローンを利用してレバレッジを利かせた投資ができます。不動産投資ローンやアパートローンでアパートの購入や建築にかかる費用の大半を調達できるのがメリットです。資産形成をしたいと思っている人にとって、自己資金が少なくても始められる魅力があります。
相続税の節税になる
土地活用としてアパート経営をすると節税対策になります。現金財産に比べて不動産の資産価値は2割~3割くらい低くなるため、相続のときには相続税の負担が小さくなります。また、小規模宅地等の特例によって土地を更地として持っているよりも相続税評価額を減らせるのもメリットです。アパート経営では200㎡までの土地について相続税評価額が50%に軽減されます。
参照:No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)|国税庁
固定資産税・都市計画税の節税効果がある
土地活用でアパート経営をするときには固定資産税も節税できます。土地に居住用の建物を建てると住宅用地の特例を適用できるからです。200㎡までの小規模住宅用地なら固定資産税が1/6、都市計画税が1/3になります。小規模住宅用地に該当しない場合にも固定資産税が1/3、都市計画税が2/3に軽減されます。
参照:固定資産税・都市計画税(土地・家屋) | 税金の種類 | 東京都主税局
管理会社に経営を委託できる
アパート経営では入居者や建物の管理を不動産管理会社に委託できます。入居者のクレーム対応や入居時や退去時の手続き、アパートの清掃や設備点検などを一部またはすべて任せることが可能です。アパート経営はすべての管理業務を自分でおこなおうとすると大きな負担になります。しかし、負担の大きい業務を委託すれば気軽に経営できます。
サブリースで一括借上げで運営する選択肢がある
アパートはサブリース会社に依頼して一括借り上げをしてもらうことが可能です。一括借り上げにすればアパートの部屋の空室状況によらずに一定額の家賃収入を毎月受け取ることができます。満員御礼で経営しているときに比べると収入は低くなりますが、サブリース契約が続いている限りは安定した収入を得ることが可能です。
売却できる資産が手に入る
アパート経営をするとアパートを資産として手に入れられるのがメリットです。アパートは資産価値が大きいので、現金が必要になったときにも売却して調達できます。相続したときにも子孫がお金で困ったときに売却できる貴重な資産になります。アパート本体だけでなく土地も資産になるので、地価が上がっている場合には資産形成になる可能性もあるでしょう。
生命保険の代わりにできる
ローンを利用してアパート経営をすると生命保険の代わりになります。不動産投資を目的とするローン商品では団体信用生命保険に加入することが原則になっているからです。団体信用生命保険は加入者が死亡したり、重度の障害を負ったりしたときに残債の返済を免除される保険です。生命保険とは違って保険金が支払われるわけではありませんが、財産としてアパートを手に入れられます。
アパート経営のデメリット
修繕やメンテナンスの負担がある
アパートは賃貸経営を続けるために建物や部屋の状態を維持しなければなりません。大規模修繕工事を計画したり、入退去の際に部屋のリフォームをしたりする必要があるのがデメリットです。老朽化すると維持費が高くなる傾向もあるので長期的な経営では特に注意が必要です。
空室リスクがある
空室リスクはアパート経営で資産形成をする上で大きなデメリットになります。想定している空室率で経営できれば十分な収支になる可能性が高いですが、想定外に部屋が埋まらないこともあります。入居者がいなければ家賃収入を得られないので空室対策を常に意識することが必要です。
家賃相場の変動が起こる
アパート経営を始めるときには家賃相場を調査して、適正な家賃を設定するのが基本です。ただ、経年によって家賃相場は変動します。人気のエリアでは競合のアパートが次々に登場して家賃相場が下落することもあります。家賃を下げなければ空室を埋められない状況になる場合もあるのがデメリットです。
災害で損失を生む場合がある
自然災害や人災による損失が発生するリスクがあるのはアパート経営の懸念点です。地震でアパートが倒壊した、台風でアパートが傷ついた、放火されたといったトラブルが起こるリスクがあります。災害対策として火災保険に加入するのは基本ですが、修繕や再建築をすると家賃収入が途絶えることになります。
金利変動の影響がある
ローンを組んでアパート経営を始める場合には金利変動のリスクがあります。変動金利のローンを利用した場合には、前条のゼロ金利政策から金利上げに動いたときにローンの返済額が大きくなります。固定金利では金利変動リスクがありませんが、金利が高く設定されているので負担が大きくなるのがデメリットです。
初期費用が高い
アパート経営は初期費用が決して安くはありません。高層マンションやオフィスビルなどに比べると安いことが多いですが、アパート経営を始める時点でアパートの購入や建設に費用をかけることが必要です。数千万円~1億円程度の初期費用がかかるのが一般的です。ローンを利用すれば自己資金が少なくてもアパート経営を始められますが、ローン額が大きいと返済負担も大きくなります。
管理の負担が大きい
管理をしなければならないのはアパート経営のデメリットです。賃貸アパートの管理は入居者との契約手続き、クレームへの対応、家賃を滞納されたときの督促などの多岐にわたります。アパート自体の管理も必要で、設備の点検をしたり、共有スペースの清掃をしたりすることも必要です。管理会社に委託することもできますが、費用負担が大きくなるので収益性が低下します。
アパート経営の収支と利回りの計算方法
収支・利回りとは
初めてアパート経営をするときには収支と利回りについて区別して理解し、収益計画を立てて運営することが大切です。収支とは収入から支出を差し引いたものです。アパート経営の収入では主に家賃収入と駐車場収入があります。アパート経営の支出には管理費、修繕費、税金、保険料などが主なものです。
利回りはアパート経営の収益性の指標で、一定期間の収支を投資額で割ったものです。例えば、5,000万円で購入したアパートで1年間に250万円の収支になった場合には年利回りは5%になります。投資額にはアパートと土地の購入費用や仲介手数料、アパートの取得後に必要だったリフォーム費用や各種税金などが含まれます。
利回り3種類と計算方法
アパート経営の利回りには3種類あります。ここでは3つの利回りの特徴と計算方法を解説します。
表面利回り
表面利回りはアパートの取得に必要だった費用に対する、アパート経営によって得られる家賃収入の割合です。アパート販売の広告では表面利回りが記載されているのが一般的になっています。
表面利回り=家賃収入÷投資額 |
表面利回りはリスク要因を加味せず、収入面だけを評価している利回りです。想定家賃でアパートが満室になったときの収入額を購入金額や取得費用の合計額で割って計算します。実際にはアパート経営に経費がかかり、空室リスクもあります。年利回りで計算したときには、表面利回りの通りに利益を得られるわけではありません。
実質利回り
実質利回りは収支に基づいて計算される利回りです。家賃収入からアパート経営の必要経費を差し引いた収支のアパート取得費用に対する割合を示します。支出も考慮して利回りを計算しているため、実質利回りを計算すると利益をより正確に導き出せます。
実質利回り=(家賃収入-必要経費)÷投資額 |
実質利回りはアパート経営にかかる経費を一通り加味しているので、投資額に対してどのくらいの利益を得られるのかがわかりやすい指標です。ただ、実際にかかる経費や空室リスクはアパート経営を始めてからわかる部分もあります。
返済後利回り
返済後利回りはローンを組んでアパート経営を始めたときに、ローン返済額も経費に加味して算出した実質利回りです。広い意味での実質利回りではローン返済額も必要経費に含みますが、実際にはローンなしでアパート経営を始められるので区別される場合があります。
返済後利回り=(家賃収入-(必要経費+ローン返済額))÷投資額 |
返済後利回りはローン返済をしたときに手元に残る収益の割合です。実質利回りがプラスでも、返済後利回りがマイナスの場合には、ローン返済中は手元から現金が減っていくことになります。ローン返済を加味して利回りを考えてアパート経営の可否を判断するのが大切です。
アパート経営のよくある失敗と対策例
アパート経営では失敗の前例に倣って、万全の対策を講じることが大切です。ここではアパート経営でよくある失敗と対処方法を解説します。
失敗例1. 入居者が集まらなかった
アパート経営を始めて入居者の募集をしても申し込みがなく、収益を得られないのは大きな失敗例です。ニーズが低い賃貸アパートでは空室ばかりになって失敗するリスクがあります。入居者が集まらないのは物件自体に魅力がないのが原因なので対策が必要です。
【対策】賃貸アパートの需要を確認する
入居者を獲得できるかどうかを事前に調査することがまず重要です。賃貸アパートの需要がある地域なのか、立地条件は悪くないかといった点を確認してから経営を始めましょう。駅や商業施設に近い、学校やオフィス街が近くにあるといった要件を満たしていると集客力があります。
【対策】ニーズに合うアパートを設計する
アパートが地域ニーズに合っていないのが原因で失敗する事例は多いので気を付けましょう。一人暮らし向けのワンルームにはニーズがあっても、家族暮らしでは賃貸アパートを利用する人があまりいないという場合もあります。また、住宅設備が地域で求められている水準に合っていないのが原因のこともあるので、ニーズに合わせた設計をしましょう。
【対策】競合調査をして適切な家賃設定をする
家賃が高くて入居者が集まらないこともよくあります。アパート経営では想定家賃に基づいて資金計画を立てるのが基本です。競合調査をして家賃相場を把握し、速やかに入居者を集められる金額を導き出しましょう。家賃と共益費や管理費用との合計額で物件を選ぶ人が多いので、競合と比較するときには注意が必要です。
失敗例2. 長く住んでもらえない状況が続いた
入居者が見つかって契約できても、すぐに退去されてしまう失敗例があります。アパート経営では入居者の出入りが多いと賃貸管理の負担やリフォーム費用が大きくなるので経営継続が難しくなりがちです。長く住んでもらえないときには住環境に原因があります。
【対策】入居者審査を徹底する
長く住んでもらえるようにするには入居者審査が重要です。ある入居者のマナーが悪いために、他の入居者がストレスを感じて退去するというケースがよくあります。騒音やゴミ捨て場の使い方などでトラブルを起こすリスクがある人は審査を通さないようにしましょう。
【対策】管理を見直す
管理が行き届いていないために退去される場合もあります。自分で入居者や建物の管理を徹底しておこなおうとしても、隅々まで手が回らないことがあります。清掃が雑で共有部分が汚い、水回りのトラブルがあって問い合わせてもすぐに対応してくれないといった状況を改善するために管理業務を委託すると良いでしょう。
【対策】建物や設備のメンテナンスをする
契約前は良さそうなアパートだと思ったけれど、住んでみたら満足できなかったという退去のパターンがあります。建物や設備の状態が悪く、イメージしていたような生活ができないと引っ越したいと思うのはもっともなことです。建物の共有部分や各部屋の住宅設備のメンテナンスをするのが効果的な対策です。
失敗例3. ローンの返済ができずに断念した
アパート経営が最終的に失敗する原因は赤字経営です。アパートの購入や建築のときに契約したローンの返済ができなくなり、物件を手放さざるを得なくなると大きな失敗です。アパート経営は不労所得が手に入ると聞いて、計画的にローンを組まなかったときに多い失敗なので注意しましょう。
【対策】無理のない資金計画で始める
アパート経営の資金計画をきちんと立ててから始めるのが有効な対策です。ローンの毎月の返済額や返済期間を考慮して、利回りに対して無理がないことを確認しましょう。また、想定通りに利回りが上がらなかったときの対策として予備費を自己資金として用意することが大切です。
【対策】実質利回りをシミュレーションする
実質利回りを考慮していなかったために失敗していることは多いので気を付けましょう。中古アパートを購入して経営するときには、不動産会社の出している広告を見て購入の判断をするのが一般的です。広告には表面利回りが記載されていることが多いので、経費については考慮されていません。実質利回りをシミュレーションして、余裕を持って経営できるアパートを選びましょう。
【対策】一括借り上げを検討する(サブリース)
一括借り上げの契約をしてアパート経営をする方法もあります。ローン計画を立てた時点で毎月いくらの収益があれば返済できるかがわかるでしょう。一括借り上げで空室の有無によらずに一定金額の利益を得られるようにするとローンの返済で困りません。ローンを完済してからは賃料が利益になるので、長期的な視野でアパート経営をするならおすすめの方法です。
アパート経営に関する税金について
アパート経営をするときには税金について理解が必要です。経営時にかかる代表的な税金の概要を紹介します。
所得税・住民税
所得税はアパート経営によって家賃収入により所得が発生したときに納める国税です。課税所得に対してかかる地方税の住民税も納付する必要があります。アパート経営によって得る家賃収入等による所得は不動産所得で総合課税です。給与所得などの総合課税の対象になる所得がある場合には、所得の合計額に基づいて税額を算出します。住民税についても所得の総額に対して課される税金です。
ただし、アパート経営の不動産所得は家賃や共益費などによる収入の全額が課税対象になるわけではありません。アパート経営にかかった賃貸管理費用、設備点検費用、修繕費などの必要経費を収入から差し引き、所得控除を適用して課税所得を計算します。
その後、他の所得と合計した金額に基づき、税率と税額控除を加味して所得税を算出します。不動産所得は給与所得などと損益通算をすることができるため、赤字だったときには所得税を減らすことが可能です。
参照:
所得税のしくみ|国税庁
総務省|地方税制度|個人住民税
固定資産税・都市計画税
固定資産税はアパート経営をしていると常にかかる地方税です。土地とアパートの固定資産税評価額に対して1.4%を標準税率として税金がかかります。アパート経営では住宅用地の特例を適用できるため、土地の固定資産税評価額は小規模住宅用地に該当すれば6分の1、一般住宅用地であれば3分の1になります。
都市計画税は市街化区域内の土地や家屋に対してかかる地方税です。制限税率が固定資産税評価額に対して0.3%と定められていて、自治体によって税率が異なっています。固定資産税も都市計画税も1月1日時点の不動産の所有者が納税するのが原則です。
参照:
総務省|地方税制度|固定資産税の概要
総務省|地方税制度|都市計画税
不動産取得税・登録免許税・印紙税
アパート経営を始めるにあたって土地やアパートを手に入れたときには税金がかかります。不動産取得税は不動産を取得したときに取得額に対して標準税率本則4%、軽減税率3%の税率でかかる地方税です。取得した不動産を登記するには登録免許税がかかります。土地やアパートを購入したときには不動産売買契約にかかる印紙税も納めることが必要です。登録免許税や印紙税についても不動産の売買では軽減税率を適用できる場合があります。
参照:
総務省|地方税制度|不動産取得税
No.7191 登録免許税の税額表|国税庁
不動産売買契約書の印紙税の軽減措置|国税庁
印紙税の手引|国税庁
消費税
消費税は商品やサービスの取引のときに課される国税です。アパート経営の事業者になると消費税を支払うことも納めることもあります。アパート経営では家賃収入については非課税取引と見なされるため、家賃については消費税がかかりません。しかし、アパートに駐車場を設けて、部屋とは別に駐車場だけ貸した場合には賃料に対して消費税がかかります。
また、アパートを建築するときには建築業者に消費税の支払いが必要になります。アパートの部屋をリフォームしたり、不動産会社に賃貸管理を委託したりしたときにも消費税がかかります。このような消費税の課税対象になる取引では軽減税率の対象にならないため、一律で10%の消費税を負担することが必要です。
参照:消費税のしくみ|国税庁
アパート経営の始め方|事前準備
アパート経営は事前準備をして入居者募集を始めることが大切です。初めて不動産を経営するときにはわからないことばかりで心配かもしれません。しかし、6つの準備を手順に沿って済ませればきっと成功できます。ここではアパート経営の始め方の基本を解説します。
アパート経営について理解する
まずはアパート経営で何ができるのか、どのような仕組みなのかを理解しましょう。不動産投資や土地活用の方法にはアパート経営以外にもオフィスビル経営、戸建て賃貸経営、駐車場経営などのさまざまな選択肢があります。上述のメリット・デメリットをよく読んで理解し、アパート経営を始めるのが本当に良いのかどうかを考えましょう。
アパート経営を始めるときにはアパートを選んで購入したり、デザインして建設したりすることになります。アパート経営は不労所得を得られると言われていますが、実際には不動産仲介業者と媒介契約を結んだり、入居者のクレーム対応をしたり、建物の修繕をしたりすることが必要です。アパート経営における収入と支出の概要も把握して全体像を理解します。
目的と目標を定める
アパート経営の概要がわかったら具体的に目的と目標を決めましょう。不労所得を手に入れたい、老後の収入源にしたい、相続税を節税したいといった目的を考えることから始めて、アパート経営が手段として適しているかを検討します。そして、「60歳までに毎年200万円の安定収益を得られるようにする」「10年後までに3,600万円の利益を出す」といった具体的な目標を定めましょう。
アパート経営にはリスクがあるので、目標通りの利益を出せない場合もあります。難しいと思った時点で早めに撤退する勇気も必要です。目標を具体的に立てておくと、厳しいと感じたときにすぐに出口戦略を考えられるようになります。
詳細な経営知識を付ける
目標を決めたらアパート経営について詳細な知識を付けましょう。不動産に関連する知識は不可欠で、民法や建築基準法、宅地建物取引業法などについて基本的な内容は押さえておくと役に立ちます。不動産取引や不動産所得、固定資産税や消費税などに関する税の理解も必要です。
不動産会社や管理会社を選ぶための知識や、経営におけるマーケティングの方法についてのノウハウもあると有利になります。不動産会社や管理会社はアパート経営をサポートしてくれるので、困ったときには相談するのもおすすめです。
地域とターゲットを選ぶ
アパート経営を始めるときにはアパートを購入するか、建設する必要があります。地域によって賃貸アパートのニーズが異なるので、どこで誰をターゲットにして経営するのかを決めましょう。ターゲットによって必要な間取りや設備、希望する家賃相場や立地条件などが異なります。ファミリー層、新社会人、学生、シニア層などの大枠でターゲットを選び、ニーズのある設計のアパートを用意することが大切です。
地域とターゲットを選ぶときには周辺の賃貸アパートの空室状況や家賃相場を確認しましょう。大学が多くて学生からのニーズが高い地域でも、アパートが供給過多になっていると新規参入することは容易ではありません。家賃相場が低くて収益を出すのが難しい場合もあるので十分に調査してから地域とターゲットを確定しましょう。
管理方法を決める
アパート経営では入居者管理と建物管理が必要になります。十分な知識を付けた時点で管理方法を決めましょう。アパート管理の方法は自己管理、業務委託、一括借り上げの3種類が一般的に用いられています。
自己管理は入居者対応や建物の清掃などの一連の管理業務を経営者が自らおこなう方法です。しかし、管理負担が大きいので管理業務の大半を業務委託してアパート経営をしていることが多くなっています。
一括借り上げはアパートを業者に貸してサブリース契約をする方法で、空室リスクによる収支の変動を抑える目的で選ばれている管理の仕方です。どの方法も一長一短なのでアパート経営の目的と目標に立ち返って自分に合う方法を選びましょう。
収支計画・資金計画を立てる
収支計画や資金計画はアパート経営を始める時点で具体的に立てることが必要です。アパート経営では家賃収入によって利益を生み出すことを目指します。アパートローンの計画から始まり、初期費用、維持費用、予測収入などを加味して収支計画を作成しましょう。アパートの仕様や立地、築年数などによって収益には大きな差が生まれます。家賃収入が高くても管理費や修繕費の負担が大きくて赤字経営になるリスクもあるので、具体的に試算することが大切です。
土地活用なら駐車場経営もおすすめ
アパート経営は土地活用の方法としてよく注目されています。安定した経営ができるようになれば不労所得を得られるのはメリットです。ただ、空室リスクや家賃変動リスクなどのさまざまなリスクがあります。失敗しない土地活用の方法を考えているなら駐車場経営がおすすめです。
駐車場経営は土地があれば初期費用をほとんどかけずに始められます。土地が狭くても1台分の駐車スペースを確保できれば経営できます。月極駐車場で定期契約による安定利益を得ることも、コインパーキングで利用量に応じた収益の獲得を目指すことも可能です。アパート経営と同様に運営や管理を委託して経営できます。不労所得を手に入れる方法として駐車場経営を考えてみてください。
まとめ
アパート経営は入居者を安定的に確保できれば利回りが高い土地活用方法になります。実際には空室リスクがあるため、想定していたほどの収益を上げられずに失敗している人もいるので注意しましょう。アパート経営は初期投資額が大きいので手を出しにくいと思う人も多いでしょう。
土地活用をするなら駐車場経営も安定した収入を得られる方法の一つです。専門の駐車場運営会社に委託すれば更地からすぐに経営を始められるので検討してみましょう。
※本記事は可能な限り正確な情報を元に制作しておりますが、その内容の正確性や安全性を保証するものではありません。引用元・参照元によっては削除される可能性があることを予めご了承ください。また、実際の土地活用についてや、税金・相続に関しては専門家にご相談されることをおすすめいたします。