店舗付き住宅を建てる手順・費用と建築・経営の注意点を紹介

店舗付き住宅は店舗と住宅の両方の機能を持つ建物です。土地活用の方法として店舗付き住宅を活用している事例もあります。この記事では店舗付き住宅のメリット・デメリットと、店舗付き住宅を建てて経営する方法をご紹介します。

店舗付き住宅を建てる手順・費用と建築・経営の注意点を紹介のイメージ

目次

  1. 1店舗付き住宅とは
  2. 2店舗付き住宅のメリット・デメリット
  3. 3店舗付き住宅を建てるまでの手順
  4. 4店舗付き住宅を建てる費用
  5. 5店舗付き住宅の間取りのポイント
  6. 6店舗付き住宅を建てる際の注意点
  7. 7土地活用なら駐車場経営もおすすめ
  8. 8まとめ

店舗付き住宅とは

店舗付き住宅とは店舗と住宅の両方のスペースを持っている建物です。1階を店舗にして2階を住居にしたり、道路に面している側を店舗にして反対側を住居にしたりするといった方法があります。店舗付き住宅は「住みながら店舗経営ができる」「住まいの一部を店舗物件として賃貸経営できる」という特徴があります。店舗スペースと居住スペースがレイアウトの自由度があり、目的に応じた設計をすると土地活用の際にも費用対効果が上がる方法です。

店舗付き住宅のメリット・デメリット

店舗付き住宅は土地活用や資産運用の方法としてメリットもデメリットも多いので、全体像を把握して判断することが大切です。ここでは店舗付き住宅を建てて運用するメリットとデメリットをわかりやすくまとめました。

店舗付き住宅のメリット

店舗付き住宅のメリットは考え方によってさまざまです。土地活用として店舗付き住宅を建てたときのメリットとして以下の7つがあります。
 

  • 店舗の賃料の負担がない
  • 住宅ローンを利用できる
  • ビジネスモデルの自由度が高い
  • 自営業なら通勤時間がかからない
  • 建築費やローンの利息などの一部を経費にできる
  • 土地の固定資産税と都市計画税が軽減される
  • 住宅ローン減税を住宅部分には適用できる

店舗付き住宅は店舗経営をしたいときには賃料がかからず、店舗物件の賃貸経営をしたいときには住宅ローンを使えます。一括して店舗付き住宅を賃貸することもできるため、土地を生かすビジネスモデルを複数考えられるのがメリットです。

店舗付き住宅で自営業をするときには同じ建物の中に住めるので通勤時間がかかりません。自営業をするときにはローンの利息などを必要経費に計上することで所得税の軽減をすることも可能です。住みながら店舗経営できる場所が欲しいと思っているときには店舗付き住宅のメリットが大きいでしょう。

店舗付き住宅のデメリット

店舗付き住宅にはデメリットもあります。土地活用をする目的で店舗付き住宅を建てると以下のようなデメリットもあるので注意しましょう。
 

  • 店舗の需要がないと経営が難しい
  • 建築費用が高くなることが多い
  • 戸建て住宅に比べて流動性が低い
  • 店舗からの音や臭いなどが悩みになるリスクがある
  • 自営業では仕事とプライベートのメリハリを付けにくい
  • 自営業ではやめたときの出口戦略が必要になる

店舗付き住宅は店舗経営をする上での立地が良くないと収益性が低くなるのがデメリットです。自営業をするときでも賃貸するときでも大きな課題になります。自営業をやめたときに賃貸や売却をすることもできますが、ニーズが低い地域では出口戦略が問題になりがちです。
 

店舗付き住宅を建てるまでの手順

所有している土地に店舗付き住宅を建てて活用を始めるには、竣工までの流れを理解することが大切です。ここでは大きく3つのステップに分けて店舗付き住宅を建てるまでの手順を説明します。

手順1. 問い合わせ・プランニング・業者の選定

まずはハウスメーカーや工務店などの店舗付き住宅を設計・建築できる住宅業者を選ぶことが必要です。候補を決めて問い合わせをおこない、どのような店舗付き住宅にしたいのかを伝えます。土地の現地調査も受けて、住宅業者からプランの詳しい提案を受けます。複数の業者に問い合わせて提案しても構いません。そして、提案内容を吟味して納得できる業者を選定します。概算費用の見積もりも依頼して、予算に合うことも確認します。
 

手順2. 詳細設計・契約

依頼先の業者が決まったら詳細設計に進みます。店舗の仕様や住宅・店舗の間取りについて詳しく打ち合わせをします。特に店舗については必要な内装や外装、設備などに関する打ち合わせが必要です。店舗付き住宅の詳細を決めて住宅業者に具体的な設計を依頼します。

この段階では店舗付き住宅のコンセプトを決めるだけでなく、図面を引いて正確な建物設計をします。基本設計から実施設計に移ったという意識を持ち、詳細をしっかりと詰めて依頼内容を確定することが重要です。設計図が完成した時点で、建設費用と建設期間の見積もりも提示を受けて、工事請負契約書を締結します。
 

手順3. 施工・引き渡し

工事請負契約をしたら契約書に従って店舗付き住宅の建築が進められていきます。流れとしては土地の地盤調査と改良住宅から始まり、基礎工事をして店舗付き住宅の建物本体を作り上げます。建物本体の躯体ができたら内装と外装の工事を順次進めていき、設計図通りの店舗付き住宅に仕上げるというのが一般的な流れです。

店舗付き住宅では設備の工事や什器の設置も住宅業者に依頼する場合が多いので、水道やガス管などの工事や、店舗経営に必要な設備の導入もおこないます。庭や駐輪場などの外構工事も終えて完成したら引き渡しを受けます。
 

店舗付き住宅を建てる費用

店舗付き住宅の建築費用はレイアウトやデザインによって大きく変わります。店舗付き住宅を建てる費用には設備要件もかかわるため、業種による違いもあります。飲食店とクリニックでは必要とされる換気設備もデザインも異なることはイメージできるでしょう。

店舗付き住宅による土地活用をするときには、ハウスメーカー、工務店、建築会社などの住宅関連会社に問い合わせて見積もりを取ることが重要です。具体的な店舗設計や住宅空間のイメージを作って相談すると、店舗付き住宅の費用感を提示してくれます。土地活用の場合で店舗付き住宅を考えているときには予算に応じた相談も可能です。まずは住宅業者に問い合わせをして、どのような土地活用をしたいかを相談しましょう。
 

店舗付き住宅の間取りのポイント

店舗付き住宅は間取りの設計が重要です。店舗付き住宅には大きく分けると店舗兼用住宅と店舗併用住宅があります。店舗兼用住宅は住まいが店舗を兼ねる設計で、店舗部分と住居部分がつながっています。店舗併用住宅は建物を住まいと店舗の両方の目的で使用するというイメージです。一般的には店舗部分と居住部分を切り分けている店舗付き住宅を店舗併用住宅と呼びます。

 

店舗兼用住宅

店舗兼用住宅は店舗付き住宅を建てて自営業をしたいときによく選ばれています。住居部分と店舗がつながっていて行き来しやすいため、顧客が来店したときにリビングから店頭に出て接客するといった使い方をしやすい設計です。しかし、店舗兼用住宅は仕事とプライベートを切り分けにくい間取りなのがデメリットです。

店舗併用住宅

店舗併用住宅は店舗と住居が空間的に切り分けられているので、自営業の場合にはメリハリのある店舗経営をしやすい性質があります。店舗物件の賃貸経営をしたいときにも、自宅と店舗に隔たりがあって自分も借主もストレスが小さくなるのがメリットです。店舗付き住宅の間取りでは賃貸経営をするときに店舗併用住宅は汎用性が高い魅力があります。

店舗付き住宅を建てる際の注意点

店舗付き住宅を建てて土地活用をするときには注意点があります。店舗付き住宅は店舗も住宅も自分で使う、賃貸するという選択肢があるのはメリットです。ただ、店舗付き住宅で失敗するリスクもあります。ここでは土地活用で店舗付き住宅を建てる際の注意点を解説します。
 

店舗付き住宅を建てられるかを確認する

土地によっては店舗付き住宅を建てられない場合があるので、まず確認を取りましょう。用途地域が設置されているエリアでは建てられない場合があります。第一種住居地域などの居住用の区域や、商業地域に指定されている区域では店舗付き住宅を建てられます。ただし、第一種低層住居専用地域などの一部の用途地域については制限が設けられている場合があるので注意が必要です。

工業専用地域の場合には住宅も店舗も建築が認められていないため、店舗付き住宅を建てられません。用途地域の種類によっては建物の設計について制限が大きいこともあるので注意しましょう。


参照:
用途地域|みんなで進めるまちづくりの話-国土交通省
用途地域による建築物の用途制限の概要|東京都都市整備局
 

店舗としての立地の良さを検討する

店舗付き住宅は店舗経営のしやすさを重視して、好立地の土地かどうかを検討することが重要です。店舗経営をするのに適していない立地の場合には店舗付き住宅を建てても店舗経営がうまくいかないリスクが高くなります。

集客力がある駅前の立地なら飲食店、スーパー、クリニックなどのさまざまな業種で店舗経営がうまくいく可能性が高いでしょう。しかし、駅からも住宅街からも離れている立地では店舗に顧客が集まらないリスクがあります。自営業をするときにも、店舗物件の賃貸経営をするときにも課題になるので、立地の良し悪しを評価することは大切です。
 

賃貸経営ではテナントのニーズを調査する

店舗付き住宅で店舗部分の賃貸経営をするならテナントのニーズを調査しましょう。ニーズがない場所で賃貸経営をしても契約を手に入れられません。周辺の店舗による影響もニーズに影響します。近くに人気のスーパーやショッピングモールがあると、食品などの販売店向けの物件では賃貸経営が難しいでしょう。ニーズを調べて借主が見つかりやすい店舗設計をすることが重要です。

店舗デザインを優先する

店舗付き住宅を建てるときには店舗デザインのしやすさを重視しましょう。店舗デザインは集客力に大きな影響があるからです。レイアウトの自由度が低い設計にすると、自営業も賃貸経営も失敗するリスクがあります。基本的には柱をなくし、店内は自由にレイアウトを決められるようにしましょう。天井を高めにして広い空間にしたり、出入り口を広くしたりして顧客から好印象を持たれる店舗にすることが大切です。

用途に合う動線設計をする

店舗付き住宅は店舗兼用住宅として自営業するのか、店舗併用住宅にして自営業又は店舗部分の賃貸経営をするのかを明確にしてから建てましょう。用途に合う動線設計ができていないと経営が困難になります。

自営業の効率化を考えるときには店舗兼用住宅にして、居住部分と店舗部分の行き来をしやすくするメリットが大きいのは確かです。しかし、自営業をやめて店舗を賃貸したいと思ったときにはトラブルになります。自分の住んでいるスペースと店舗に隔たりがなく、プライベート空間を確保しにくくなるからです。借主からもセキュリティ面で不安に思われる場合があります。

店舗兼用住宅と店舗併用住宅の相互転換は難しいので、どちらにするかを決めて動線設計をすることが大切です。居住部分と店舗部分の動線を切り分けると汎用性が高くなります。店舗の出入口と住居の玄関を別にするだけでも、店舗付き住宅としての使い道が広くなります。
 

水回りのトラブル対策を考慮する

店舗付き住宅では水回りでトラブルが起こらないように注意しましょう。店舗併用住宅では水回りを切り分けないと賃貸経営をすることは困難です。しかし、店舗兼用住宅の場合には自宅用に使用するキッチンやトイレを、店舗と共通にすることも可能です。

キッチン、トイレ、洗面所といった水回りの場所を増やすと、水道やガスの配管が必要になるので店舗付き住宅の建築費用が高くなります。建築費用を抑えるには住居と店舗で共用にするのも方法の一つです。しかし、水回りを共有にするとトラブルが起こるリスクがあります。家族がトイレを使っていてお客が使えない状況になると不満を持たれるでしょう。お客がトイレを塞いでいて家族が使えないというトラブルも発生する可能性があります。
 

駐車場のレイアウトを検討する

店舗付き住宅を建てるときには駐車場のレイアウトに注意しましょう。お客用や従業員用の駐車場と住宅用の駐車場を用意するときには、併用にするか切り分けるかが課題になります。

住宅用の駐車場は住居スペースの玄関の近くに独立して設置し、店舗用の駐車場は店舗の出入口に近いところにスペースを確保すると便利です。共用にすると自分が外出して戻ってきたときに駐車スペースが埋まっていて停められなくなるリスクもあります。共有の方が土地を有効活用して駐車可能な台数を確保しやすいメリットもあるので比較検討しましょう。
 

ローン条件を満たすように設計する

店舗付き住宅でローンを利用するときにはローン条件に注意が必要です。住宅ローンを使用するときには居住用部分について床面積の制限などが設けられている場合があります。例えば、フラット35の住宅ローンを利用するには、店舗付き住宅などの併用住宅では住宅部分が非住宅部分以上の床面積を占めることが必要です。住宅の床面積にも70平方メートル以上という制限があります。

ローンは条件を満たさなければ借りられないので、あらかじめ条件を確認してから資金計画を立てましょう。


参照:新築住宅の技術基準の概要:長期固定金利住宅ローン 【フラット35】

 

収益計画を立てて設計する

店舗付き住宅を建てるときには収益計画を綿密に考えることが重要です。店舗経営または賃貸経営による収益を予測して、投資回収をできるようにしましょう。店舗付き住宅の建築費用をローンでまかなうときには、ローンの利息も加味する必要があります。収益計画は店舗付き住宅の店舗設計によって変わる場合があります。どのような店舗にすると収益性を上げられるかも吟味して設計することが大切です。

出口戦略を考える

土地活用として店舗付き住宅を建てるときには出口戦略が必要です。店舗付き住宅は売れにくい傾向があります。一戸建ての居住用住宅とは違い、住むだけでなく店舗経営もしたいと思う人や、店舗物件の賃貸経営もしたいと考える人しか買主にならないからです。最後には店舗付き住宅を売ってお金にするという出口戦略にはリスクがあります。解体して更地にして売る、別の土地活用を始めるといった方向性も考えておくことが重要です。
 

土地活用なら駐車場経営もおすすめ

店舗付き住宅は店舗経営に向いている立地の土地なら収益性の高い運用ができる可能性があります。ただ、建築に費用がかかるだけでなく、出口戦略にも不安がある方法です。土地活用をするときには駐車場経営も検討してみましょう。

駐車場経営には月極駐車場とコインパーキングがあります。店舗の需要が高い地域ならコインパーキング経営をすると、店舗と契約してスムーズに利用してもらえる仕組みを整えられます。住宅地やオフィス街では月極駐車場のニーズが高いので、長期契約で安定した収入を得られる可能性もあるでしょう。駐車場経営は初期投資の負担が小さくて始めやすい土地活用方法です。店舗付き住宅が良いか迷ったときには駐車場経営も比較してみてください。
 

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まとめ

店舗付き住宅は店舗と居住空間を兼ね備えている住宅で、自営業でも店舗物件の賃貸経営でもできる魅力があります。店舗の需要がある好立地の土地で、賃貸経営による収入を得られる自宅を手に入れたいというときには適しています。ただ、店舗付き住宅は建築費用が高く、設計の負担も大きいので注意が必要です。土地活用が主な目的なら駐車場経営は初期費用の負担が少なくて始めやすい方法としておすすめです。店舗付き住宅と合わせて検討しましょう。
 

※本記事は可能な限り正確な情報を元に制作しておりますが、その内容の正確性や安全性を保証するものではありません。引用元・参照元によっては削除される可能性があることを予めご了承ください。また、実際の土地活用についてや、税金・相続に関しては専門家にご相談されることをおすすめいたします。
 

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