60坪は平米でどのくらい?広い土地の活用方法と合わせて解説!

60坪は何平米くらいあって、どのような家を建てられるかが気になっていませんか。60坪の土地を手に入れて活用したいと思っている人もいるでしょう。この記事では60坪を平米や畳に換算する方法と、60坪の土地を活用するアイデアを紹介します。

60坪は平米でどのくらい?広い土地の活用方法と合わせて解説!のイメージ

目次

  1. 160坪の広さについて
  2. 260坪にはどれくらいの大きさの家が建てられるか
  3. 360坪の土地活用方法12選
  4. 460坪の土地活用を成功させるポイント
  5. 5まとめ

60坪の広さについて

60坪は1坪の60倍です。坪は中国を中心とする東アジア圏で用いられてきた長さ・面積の単位系の尺貫法によって定められている広さの単位で、平米に換算できます。

60坪は何平米?何畳?

60坪は198.347平米、約122.4畳です。

1坪は6尺×6尺の正方形の面積で、1尺は約0.303メートルです。以下のようにして坪数と平米数を換算し、60坪が何平米かを算出できます。
 

1坪=(6×0.303)×(6×0.303)=3.305平米
60坪=198.347平米


「畳」は畳1枚の面積の単位で、江戸間、京間、中京間などの畳の種類によって厳密には違いがあります。不動産業界では「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」(不動産公正取引協議会連合会)によって「畳1枚当たりの広さは1.62平米以上」と定められています。この定義によると以下のように坪と畳数の換算ができます。
 
1坪=3.305平米=約2.04畳
60坪=198.347平米=約122.4畳

参照:不動産の表示に関する公正競争規約施行規則|不動産公正取引協議会連合会

 

60坪にはどれくらいの大きさの家が建てられるか

60坪の土地には7人家族くらいが快適に暮らせる家を建てられます。根拠となっているのは国土交通省による誘導居住面積水準です。この水準では2人以上の世帯について以下のような広さの家を建てると快適に生活できると提案しています。60坪=198.347平米を当てはめると世帯人数の目安がわかります。
 

25平米×世帯人数+25平米(都市部では15平米)
目安の世帯人数=7.3人(都市部では6.9人)


参照:
c参考資料 誘導居住面積水準(住生活基本計画(平成23年3月15日閣議決定)より抜粋)


実際には住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査」によると2022年度にフラット35を利用して土地を含む注文住宅を建てた人の平均面積は111.5平米、建売住宅を購入した人の平均面積は101.9平米でした。国土交通省の水準では3~4人家族が住むのに適した広さです。

参照:2022年度 フラット35利用者調査|住宅金融支援機構


60坪の土地には3人家族が住む家を2軒建てられるくらいの広さがあります。ただし、建築基準法等の法律によって建築制限が設けられているため、敷地を目一杯に利用して建物を建てることはできません。建ぺい率と容積率が建築制限にかかわる代表的な指標です。

建ぺい率は土地全体の面積に対して、建物が占めている面積の割合です。敷地面積が60坪で建築面積が45坪の場合には75%になります。建ぺい率は30%~80%程度の制限が地域ごとに設けられています。建ぺい率が50%であれば30坪の建築面積になるため、100平米、60畳くらいの広さの家を建てることが可能です。
 

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60坪の家では広い外構を利用できるのが魅力です。4人家族の4LDKで夫婦1台ずつの駐車場を作っても余裕があります。親戚一同が集まる場として駐車場を多めに確保して、リビングも広くするといった間取りを設計できる広さがあります。来客が多い人の場合には1台分余計に駐車場スペースを用意すると喜ばれるでしょう。駐車場スペースはフラットなので子供が遊ぶ場所としても活用できるので便利です。
 

家庭菜園・ガーデニングのできる広い庭

3LDK~4LDKくらいの家に広々とした庭を用意するアイデアもあります。庭を子供の遊び場にすることも、家庭菜園やガーデニングをするにも十分な広さです。バーベキューパーティーができる庭に設計することも可能です。建ぺい率の制限が厳しいときにも60坪の土地を有効活用して豊かな暮らしができるでしょう。中庭のプライベート空間を作るといったアイデアを盛り込んで間取りを設計することもできます。
 

ゆとりのある収納スペース

収納スペースにゆとりを持たせるアイデアもあります。建ぺい率による建築制限があるので、母屋の中で収納を増やすとリビングや寝室などを狭くしなければなりません。しかし、建築基準法第二条一項で定義されている建築物に該当しなければ敷地内に設置できます。例えば、プレハブ小屋やコンテナを固定せずに設置して収納スペースにすることが可能です。季節家電などの頻繁に使わないものを収納すると母屋を広く使用できるので快適になります。

建築基準法 | e-Gov法令検索

 

60坪の土地活用方法12選

60坪の広さがあると土地活用方法は選択肢が広くなります。ここでは60坪の土地を上手に生かすための運用方法を12種類紹介します。
 

駐車場経営

駐車場経営は初期費用を抑えながら管理・運用の負担をあまりかけずに収入を得られる土地活用方法です。国土交通省の駐車場設計・施工指針に基づくと、普通自動車の駐車スペースに必要なのは6.0メートル×2.5メートルの15平米になります。坪数に換算すると4.54坪なので、60坪に13台分のスペースを確保可能です。実際には走行できるスペースを確保する必要があるので、普通車で8台~10台程度のスペースを作れます。

参照:駐車場設計・施工指針について|国土交通省



駐車場経営では完全に自己経営をすることもできますが、専門業者に管理を委託したり、一括借り上げで契約して実務を専門業者に包括的に管理や運営を任せたりすることも可能です。経営方法の選択肢が広くて土地活用の経験の有無によらずに始めやすいのが特徴です。

また、駐車場経営では月極駐車場とコインパーキングの選択肢があります。ビジネスモデルに違いがあるので、土地の立地やビジネススタイルに合わせて経営方法を決められるのがメリットです。
 

月極駐車場

月極駐車場は顧客と定期契約をして毎月賃料の支払いを受ける代わりに駐車スペースを1台分、顧客が占有して利用できる仕組みです。住宅地で駐車場がない物件に住んでいる人が利用するケースが多くなっています。60坪の土地に8台の駐車スペースを用意して月1万円で貸したら月間8万円、年間96万円の収入を見込めます。年単位の契約で安定した収入を得やすいのが月極駐車場経営の魅力です。

コインパーキング

コインパーキングは「1時間200円」といった時間貸しの駐車場経営です。ショッピング街の近くや駅周辺などで需要が高くなっています。8台の駐車場スペースを用意して1スペースあたりの1日平均売上が1,000円だったとしたら、1日8,000円、30日で24万円、年間で292万円を得られると想定できます。コインパーキング経営は需要の変動によって収入が安定しなくなるリスクがありますが、需要の高い立地なら高い収益を見込めるのがメリットです。

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賃貸アパート経営

賃貸アパート経営は土地にアパートを建てて部屋を賃貸する方法です。2階建てか3階建てくらいの小規模な集合住宅にできるので、後述の賃貸マンション経営に比べると初期補用が低く、空室リスクも抑えられるメリットがあります。

賃貸マンション経営

賃貸マンションはマンションを建設して賃貸経営をする方法です。アパートよりも頑強な建物にして階数を増やし、戸数を確保して経営します。都会の駅前の好立地で満員御礼を期待できる場合には賃貸マンションにして戸数を増やすと利回りが高くなります。

戸建て賃貸経営

戸建て賃貸経営は一戸建て住宅を建てて賃貸する方法です。60坪の土地で広くて快適な一戸建て1棟と、2~4人家族に適した一戸建て2棟で経営できます。戸建て住宅賃貸経営では戸数が少ないので収益性が低いですが、長く住んでもらえる可能性が高いのが魅力です。
 

賃貸併用住宅経営

賃貸併用住宅経営は賃貸用の住宅と自宅を兼ねる建物を建てて経営する方法です。玄関を二つ用意し、1階は自宅、2階は賃貸用といった形で独立した空間を同じ建物の中に作るのが一般的です。60坪の広さがあると2棟にして設計することもできます。多くの金融機関では賃貸併用住宅の床面積の50%以上が自宅であれば住宅ローンも利用可能です。収益性は戸建て賃貸経営よりも低くなりますが、自宅も確保できる点が優れています。

オフィスビル経営

オフィスビル経営はオフィスビルを土地に建てて事務所や店舗としてのビジネスユーザーに賃貸する方法です。テナントを入れて賃料収入を得る仕組みで、主要駅の徒歩圏内で立地が良いと収益性が高い方法です。ただし、オフィスビルには空室リスクがあるため、立地に合わせた設計が重要になります。
 

独立テナント経営

独立テナント経営はコンビニやクリニック、便利屋などの店舗を持ちたい事業主に建物を賃貸する方法です。スケルトンとして建物を用意する方法が一般的です。取引先によっては土地をそのまま貸す契約も候補にできます。フランチャイズで店舗経営をする方法もあり、選択肢が広い方法です。
 

店舗併用住宅

店舗併用住宅は1階を店舗で2階を住宅、あるいは表通り側を店舗で裏側を住宅といった設計をして店舗としても住宅としても使う方法です。住宅部分を自宅として自営業をすることも、店舗部分を賃貸して賃料収入を得ることもできます。60坪あると駐車場も用意しやすいので、小規模な店舗経営なら便利な環境を整えられます。
 

資材置き場

60坪くらいの広さがあると資材置き場としても重宝されます。資材置き場として建築会社や土木会社に賃貸する方法です。都市開発が進んでいる地域では当面は安定した需要があるため、長期契約ができる可能性が高いのがメリットです。ただ、土地をそのまま貸すだけなので付加価値があまりありません。賃料収入が低くて利回りが上がりにくいのがデメリットです。
 

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トランクルーム経営

トランクルーム経営はモノを預かるスペースを提供する経営方法です。トランクルームの専門業者に一括借り上げで任せる方法と、設備を整えて管理業務委託をする方法がよく選ばれています。住宅街の中や駅の近く、大規模なショッピングモールの中では需要が高くて利用者を増やしやすくなりますが、オフィス街ではあまり需要が高くありません。類似の土地活用として貸しコンテナや貸倉庫もあり、立地に合わせて選ぶと収益を上げやすくなります。
 

太陽光発電

太陽光発電は太陽光発電システムを設置して太陽エネルギーによって発電し、電気を電力会社に売却する方法です。固定価格買取制度の価格が下がってきて収益性が低下しつつありますが、電力を世の中に供給できるので社会貢献になります。自治体によっては太陽光発電システムの設置の補助金を利用できるため、初期費用を抑えられる方法です。

定期借地

定期借地は土地そのものを賃貸する方法の一つです。更地の土地があればそのまま貸せるので初期費用がかからないのが特徴です。賃料は他の方法に比べると低いですが、手間をかけずにすぐに借主を探せます。定期借地権ではなく普通借地権を設定することも可能ですが、土地を別の用途で使いたいと思ったときに契約解除が難しいので定期借地をするのがおすすめです。
 

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60坪の土地活用を成功させるポイント

60坪の土地を生かすには目的を明確にして、適切な方法で活用を進めることが大切です。利益だけでなく、流動性も加味して今後の土地活用を考えましょう。ここでは特に注意した方が良い観点も含めて、60坪の土地活用を成功させるためのポイントを解説します。
 

用途地域に基づいて候補を検討する

地域によっては土地の使い方について用途地域が定められています。用途地域を確認して土地活用方法として選べる候補を絞り込むことが重要なポイントです。用途地域は都市計画法によって定められています。用途地域には低層住居専用地域、中高層住居専用地域、商業地域、工業地域などといった区分があり、土地の用途の制限を受けます。

例えば、工業専用地域になっている土地にマンションを建てたり、第一種低層住宅専用地域にオフィスビルを建てたりすることはできません。また、建物の高さや面積についても用途地域の種類によって異なります。駐車場経営や定期借地では問題になることはありませんが、建物を建てて土地活用をするときには詳細を確認することが必要です。

参照:みんなで進めるまちづくりの話-国土交通省

 

建築制限に注意する

用途地域と関連して建築制限については詳細を確認してから土地活用を始めることが大切です。建ぺい率や容積率による制限だけでなく、建物の高さの制限、斜線制限、日照権を確保するための日影規制などが設けられています。地域事情や都市計画に合わせて、地方公共団体が条例を定めて、特定の区域について建築制限を設定していることもあります。地方公共団体の担当課に問い合わせたり、条例の内容を調べたりして確認しましょう。

特に用途地域になっていて低層住居専用地域にしてされていると建築物の高さの制限が大きく、実質的には2階建てまでしか建てられないことがよくあります。建物を建てて賃貸経営をしようと考えているときには注意が必要です。地域の法制を一通り確認して土地活用方法を選ぶことが重要です。
 

地域需要を調査する

土地活用では借主や利用者がいなければ利益になりません。地域需要を調査して安定した利益を得られる土地活用方法を選ぶことが成功のコツです。60坪の土地があって大きなマンションを建てても、空室が多いと利益があまり上がらなくて初期投資した資金を取り返すことが困難になります。土地の立地と地域で求められているサービスを総合的に考えて、利益を得られる方法を選び出しましょう。

 

節税対策を考える

土地活用では節税対策をすることが成功のコツです。土地には常に固定資産税と都市計画税がかかります。土地を相続するときには相続税の負担も必要です。土地活用では税金負担を減らすための方法も検討しましょう。土地にかかる固定資産税と都市計画税は住宅用地の特例を適用できる方法を選ぶと節税になります。一戸建て、アパート、マンション、併用住宅などにすると土地の評価額を減らすことが可能です。

60坪の土地なら固定資産税は1/6、都市計画税は1/3にできます。60坪を超えると固定資産税と都市計画税の節税効果は少なくなり、固定資産税は1/3、都市計画税は2/3です。60坪を超える広い土地がある場合には一部を建物にして、残りは駐車場にするといった活用をすると合理的に節税可能です。

相続税についても小規模宅地等の特例を利用すると宅地として利用されていれば節税効果があります。借地権を設定して定期借地をしている場合や、陳地経営している場合にも割合に応じた節税が可能です。相続の時期が近くなったときには相続税対策を考慮して土地活用方法を切り替えると良いでしょう。そのタイミングで土地活用方法を簡単に変えられる方法で運用するのが成功のコツです。

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初期投資額とローン金額を考慮する

土地活用をする際には不動産投資ローンや住宅ローンなどを利用すると資金効率が高くなります。初期投資額の負担を軽減できるのはローンの魅力ですが、利息が付くので資金負担はトータルでは多くなります。ローンを組んで初期投資額の大きい土地活用をした方が良いか、ローンなしで手持ちの資金で始められる方法を選んだ方が良いかは慎重に考えましょう。

60坪の広さがあると土地活用方法の候補が多いのがかえって悩みになる場合もあります。不安があるときにはローン対策も含めて、不動産コンサルタントに相談して意見を聞くことも可能です。駐車場経営やトランクルーム経営のように一括借り上げで一切の管理や運営を任せられる方法もあります。初期投資額やローン金額、運用負担などのバランスを考えて希望に合う方法を選びやすいので、土地活用で悩んだときにはコンサルティングも活用するのがおすすめです。
 

まとめ

60坪の土地はメートル法では198.347平米、尺貫法では約122.4畳の広さがあります。日本では110平米前後の戸建て住宅を建てているのが平均的で、60坪あると7人世帯くらいでも快適な住まいにできます。ただ、建築基準法や条例による制限があって建築面積が制限されることもあるので注意しましょう。60坪の土地は住まいに使用する以外にも幅広く活用できます。駐車場経営に向いている広さなので土地活用方法として考えてみましょう。
 

※本記事は可能な限り正確な情報を元に制作しておりますが、その内容の正確性や安全性を保証するものではありません。引用元・参照元によっては削除される可能性があることを予めご了承ください。また、実際の土地活用についてや、税金・相続に関しては専門家にご相談されることをおすすめいたします。

 

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