90坪の土地に家を建てるイメージと土地活用に使う方法を解説

90坪の広い土地があると、マイホームを建てるか土地活用をするかで迷うことがよくあります。90坪の広さがあれば、豪華な家を建てることも可能ですが、どんな家を建てられるかをイメージするのが難しい人もいるでしょう。この記事では、90坪の土地に建てる家のイメージを紹介します。また、土地活用の方法についても詳しく解説するので、どちらが良いかを検討してみてください。

90坪の土地に家を建てるイメージと土地活用に使う方法を解説のイメージ

目次

  1. 190坪の土地の広さ
  2. 290坪の土地の広さのイメージ
  3. 390坪の土地に家を建てるときの間取り例
  4. 490坪の土地に家を建てるときの注意点
  5. 590坪の土地でおすすめの土地活用7選
  6. 6土地活用なら駐車場経営がおすすめ
  7. 7まとめ

90坪の土地の広さ

90坪の土地は広大なので、魅力的なマイホームを建てることも、収益性のある土地活用も可能です。土地の広さは平米数や畳数の方がイメージしやすい人もいるでしょう。まずは90坪の広さを換算して紹介します。
 

90坪は何平米?何畳?

90坪の土地の広さは297.52平米です。1坪はおよそ3.306平米なので、【90坪×3.306平米/坪=297.52平米】として計算できます。

畳数は畳の枚数に相当する単位です。京間、中京間、江戸間、団地間といった種類があって、それぞれ畳のサイズに違いがあります。日本では不動産公正取引協議会連合会が定める「不動産表示に関する公正競争規約施行規則」の基準を用いると統一的に平米と畳の単位変換が可能です。同規則では1畳は約1.62平米以上と定められているため、90坪は【90坪×3.306平米/坪÷1.62平米/畳=183.67畳】です。

参考
公正競争規約の紹介 | 不動産公正取引協議会連合会
不動産の表示に関する公正競争規約施行規則

90坪の土地の広さのイメージ

90坪の土地は1家族が暮らす住宅を建てるには十分な広さがあり、むしろ持て余してしまう可能性があります。ここでは90坪の土地の広さがどの程度かをイメージできるように具体的に解説します。
 

テニスコートのシングル1面半

90坪の土地はテニスのシングルコートの1面半くらいの広さです。テニスコートのサイズはシングルコートでは縦 23.77ⅿ、横 8.23ⅿなので、面積は約195.63平米になります。90坪は約297.52平米なので、ちょうどテニスのシングルコートの1.5倍くらいの面積です。テニスコートをイメージすると90坪の土地の広さがわかりやすいでしょう。

参照:ルール・マナー講習会|長崎県テニス協会 審判委員会

一般的な住宅面積との比較

90坪の土地にマイホームを建てたいと思っているときには、一般的な住宅の面積と比較してみると90坪の土地の広さがわかります。90坪の土地の広さは297.52平米です。住宅金融支援機構によって毎年実施されている「フラット35利用者調査」では、2022年度に住宅ローンとして主流のフラット35を利用して注文住宅でマイホームを購入したケースの平均面積は122.8平米でした。90坪の土地は平均に比べると約2.4倍の広さがあります。

参照:2022年度 フラット35利用者調査|住宅金融支援機構

 

建ぺい率・容積率や条例による影響

実際に建築可能な面積は建ぺい率や容積率、土地の境界線からの距離などのさまざまな影響を受けます。90坪の土地を持っていても、土地の建ぺい率が50%の場合には建物を建築できるのは全体の50%だけです。建ぺい率は土地の面積に対する建物の面積の割合を示す指標です。地域によって40%~80%を目安に設定されています。容積率は土地の面積に対する建物の延床面積で、基準を満たしていないと建築ができません。

また、条例や日照権などの影響によって建築制限を受ける場合もあります。90坪あれば一般的な住宅よりも土地を広く使えますが、全面に建築できるわけではないので注意が必要です。

戸建て住宅で快適に住める人数

0坪の土地に戸建て住宅を建てると、11~14人くらいが快適に住めるマイホームにできます。国土交通省による誘導居住面積水準では、2人以上の住まいの場合に都市では20平米×世帯人数+15平米、一般の地域では25平米×世帯人数+25平米とされています。誘導居住面積水準は世帯人数ごとにライフスタイルに応じた豊かな生活を送るために求められる住宅面積の水準です。

90坪は297.52平米なので、快適に住める人数は都市部では【(297.52平米-15平米)÷20平米=14人】、一般の地域では【(297.52平米-25平米)÷25平米=11人】と計算できます。


参照:参考資料 誘導居住面積水準(住生活基本計画(平成23年3月15日閣議決定)より抜粋)

駐車場の台数

90坪の土地を駐車場にしたときには、普通車を敷き詰めると19台まで停められるスペースを確保できます。国土交通省による「駐車場設計・施工指針について」のガイドラインでは、普通車の駐車ますの寸法は奥行が6.0m、幅が2.5mです。面積を計算すると【6.0×2.5=15平米】になります。90坪の土地に隈なく駐車ますを用意すれば19台程度を収容可能です。

駐車場を設計するときには車が出入りするためのスペースも確保する必要があります。約19台分というのは広さをイメージするための目安で、駐車場として運用する場合には土地の形状や接道状況も加味して設計することが必要です。

参照:駐車場設計・施工指針について|国土交通省

90坪の土地に家を建てるときの間取り例

90坪の土地にマイホームを建築するときには間取りの自由度が高いので、さまざまな考え方で設計できます。土地いっぱいに家を建てれば11LDK~14LDKくらいの間取りが可能ですが、建ぺい率や容積率も考慮することも必要です。ここでは90坪の土地を生かせる間取りの例を紹介します。

開放感のある吹き抜けのリビング

ファミリー暮らしなら、吹き抜けのリビングにして開放感のある住まいをデザインできます。2階にいくつか寝室を準備し、1階に広いリビングとキッチン、お風呂やトイレなどを用意する間取りが可能です。天窓を作ってリビングから星空観察ができるようにすることもできるでしょう。吹き抜けにすると広々とした空間でリラックスできます。自然に家族がリビングに集まってきて、親子のコミュニケーションも豊かになると期待できる設計です。

広いリビングを吹き抜けにすると2階建てにしても延床面積を小さくできます。建ぺい率が大きくて、容積率が小さい土地のときには土地を有効活用できる設計方法です。
 

収納のゆとりのある二世帯住宅

90坪の広さなら二世帯住宅を設計できます。1階と2階でそれぞれ分かれた二世帯住宅も建築できるくらいの広さがあります。それぞれの住宅スペースに収納も十分に確保して位しやすい環境を整えることが可能です。

90坪の土地の容積率が100%あれば、1階と2階で45坪ずつある二階建て住宅を設計できます。それぞれの階が約150平米あるので、各階で5人家族が住んでも快適に暮らせる広さです。長く暮らしていても収納が不足しない二世帯住宅にできます。
 

広々とした庭のある住宅

90坪あれば広々としたエクステリアを楽しめる住宅にできます。広い庭にして子供が遊んだり、ガーデニングをしたりするスペースを確保しても十分な居住スペースを確保可能です。5人家族や6人家族でも広々とした家と庭を整えられます。家庭菜園をしたり、バーベキュースペースを作ったり、庭園を造って自然豊かな住宅にしたりすることもできます。

建ぺい率が小さい土地に家を建てるときには、家を建てられるスペースが狭いのでエクステリアを充実させて有効活用するのがおすすめです。
 

1人1台の駐車場がある家

地方では車が1人1台ないと生活しづらい場合もあります。通勤も日常的な買い物も車ばないと不便な地域も日本では少なくありません。90坪の土地なら1人1台の駐車スペースを確保するのに十分な広さがあります。4人家族で4台の駐車スペースを作っても、15平米×4台=60平米です。90坪は約300平米あるので全体の20%にしかなりません。ゆとりのある駐車スペースを作って、楽に出入りできるように設計することもできます。
 

趣味の部屋を充実させた家

家族全員の趣味の部屋を用意することもできます。4人家族や5人家族なら、1人あたり2部屋程度を割り当てることが可能です。寝室と趣味の部屋という組み合わせで考えて設計すると、90坪の土地の広さを生かした住宅設計ができます。音楽の趣味を楽しむための防音室を用意したり、本棚を一面に敷き詰めた書斎を作ったりすることも可能です。趣味に集中できる部屋が欲しい人にとって納得のマイホームに仕上げられます。

90坪の土地に家を建てるときの注意点

90坪の土地は広くて納得の家を建てられる可能性が高いのは魅力です。ただ、家を建てるときには注意した方が良いポイントがあります。90坪の土地に家を建てるときに気を付けるべき点を解説します。

建ぺい率や容積率によっては希望の家を建てられない

90坪の広さがあっても建ぺい率や容積率が小さいと希望の家を建てられません。例えば、建ぺい率が40%しかなかったら、建物を建てられる土地の広さは36坪、約120平米だけです。容積率が小さいと2階建てにしたときに2階の床面積を十分に確保できない場合があります。90坪の土地があれば豪邸を建てられる可能性もありますが、法的な規制によって建てられないこともあるので注意が必要です。

十分に土地を生かせないと税金の負担が大きくなる

90坪あると家を建てる自由度があるのは魅力です。ただ、土地の広さを十分に生かせないと、税金の負担が大きくなります。土地の固定資産税評価額は路線価と土地の面積によって決まるのが一般的です。路線価法は土地が面している道に価格が付けられているのが特徴です。同じ道に面している土地なら、面積が半分になれば固定資産税評価額も半分になります。

90坪の土地があっても45坪しか家を建てるのに使わず、他のスペースは無駄になっているといったケースもあります。土地が余ってしまうときには有効活用しましょう。分筆して不要な土地を売却することもできますが、余剰の土地を生かして収益化することも可能です。
 

自宅の建築だけにこだわらない

90坪の広い土地があると優雅に過ごせる自宅にしたいと考えるのももっともなことです。ただ、自宅を建築することだけにこだわらずに、土地を最大限に生かしましょう。広い土地には大きな家を建てなければならないと思いがちです。しかし、90坪の土地のうち60坪に自宅を建てて、30坪はコインパーキングにするといった使い方もできます。

4人家族くらいの場合には90坪もあると土地が広すぎて持て余してしまう場合もあります。むやみに自宅を大きくしようとすると、家の建築費用もかさんでしまいます。納得の自宅を設計して建築し、余った土地は活用するのもおすすめです。
 

90坪の土地でおすすめの土地活用7選

90坪の広い土地を活用するなら収益の大きさや始めやすさなどを比較して、より良い方法を選ぶのがおすすめです。ここでは90坪の土地の活用に適している方法を紹介します。

賃貸アパート・マンション経営

90坪の土地があればアパートやマンションを建てて賃貸経営をして大きな収益を目指すことができます。集合住宅は土地面積あたりの戸数を多くできるため、家賃収入を増やしやすいのが特徴です。建ぺい率や容積率によって90坪の土地に用意できる建物の規模は違いますが、30平米くらいの1Rマンションなら建ぺい率60%(建築面積54坪・約180平米)の土地でワンフロアに6戸の部屋を設けられます。

アパートやマンションの設計では戸数を多くし過ぎると空室が増えるリスクがあるので、周辺エリアの賃貸物件の需要を調査して戸数を決めることが重要です。規模が大きいほど初期投資やランニングコストも大きくなるため、資金との兼ね合いも考えて適切な規模を選ぶことが成功につながります。
 

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賃貸併用住宅経営

90坪の土地では広々とした一戸建て住宅の経営もできますが、賃貸併用住宅にして自分も住む家にするのも選択肢の一つです。自分も住みたいけれど広すぎて持て余してしまう場合には賃貸併用住宅がおすすめです。

賃貸併用住宅では1階を賃貸して2階に自分が住むのが一般的な方法です。90坪あれば建ぺい率が60%でも54坪(約180平米)あるので、フラット35を利用して一戸建てを建てた人たちの平均(122.8平米)よりもゆとりのある家を設計できます。

賃貸併用住宅は借主と同じ家に一緒に住むので生活音などの配慮が必要です。相性が良い入居者を見つけられれば長く住んでもらえるため、安定した収入源になります。
 

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オフィスビル経営

オフィスビルは事務所やテナントを収容して幅広く事業用の物件として経営できます。90坪あれば、建ぺい率60%の場合で180平米のフロアを用意できるので、中小企業のオフィスとして使えるくらいの広さがあります。小規模事業者向けにフロアに仕切りをして分けることも可能です。

オフィスビルは都心部で駅に近いと需要が高く、賃料相場も高いので収益性が上がります。賃貸のときに事業者側が希望する形で工事をしてオフィスを整えるため、建築時には箱を作るだけのスケルトン設計で構いません。規模の割に建築費用を抑えやすくて利回りを上げやすいのがメリットです。
 

賃店舗経営

貸店舗経営は住宅地の近くや商業区域といった立地にある土地の活用に向いています。90坪あればスーパーや家電量販店などのさまざまな需要に応えられるため、独立店舗の新規設置による事業拡大・エリア拡大を目指す大手企業をターゲットにできる可能性があります。大通りに面している土地ならロードサイド店舗として注目されるでしょう。

貸店舗経営ではスケルトンで建物を建てて賃貸できるので建築費用を抑えられます。また、事業用定期借地権の契約で、建物の建築から事業者に任せて土地だけ貸すことも可能です。定期借地権の場合には地代収入が低くなりますが、初期費用を抑えられるので始めやすいのが魅力です。
 

施設の賃貸経営

施設の賃貸経営は、医療施設、高齢者施設、保育園などに使用できる建物を建築し、医療法人や福祉法人などに賃貸する方法です。少子高齢化が進み、共働き世帯が増えている現代社会では、これらの施設の需要が高まっています。施設を増やすことを検討している法人だけでなく、医師などが独立して施設経営をしたいと考えている場合もあります。住宅街や駅近くなどの需要がある立地に90坪程度の土地があれば、需要が見込めるでしょう。

施設は事業用定期借地権を設定し、建築から事業者に任せることも可能です。一般的には収益性は高くありませんが、地域の医療、福祉、保育に貢献することで、地域を豊かにする方法です。
 

駐車場経営

駐車場経営は、土地に駐車スペースを用意して賃貸経営や時間貸し経営を行う方法です。コインパーキングや月極駐車場が典型的で、立地に合わせて経営方法を検討できます。コインパーキングは、商店街や駅などの駐車場がない施設の近くで一時利用する人から需要があるサービスです。月極駐車場は、マンションやアパートなどに住んでいて駐車場がない場合や、事業者が事業用車を駐車する場所を探している場合によく利用されています。

90坪の土地には普通車なら最大19台の収容が可能ですが、実際には通路を確保する必要があるため、15~17台くらいが目安です。月極駐車場で月額1万円の契約にすると、月15~17万円くらいの収入を得られます。収益性が高いわけではありませんが、更地からアスファルト舗装などの最低限の工事でスムーズに土地活用を開始できるメリットがあります。

コインパーキングでは、一括借り上げに対応している専門業者もあり、初期費用をかけずに土地を活用可能です。駐車場経営は管理委託もできるため、土地活用で悩みになりがちな管理負担の程度を自由に調整できるのも魅力です。初めての土地活用でも駐車場経営は挑戦しやすいので人気があります。

参照:駐車場設計・施工指針について|国土交通省

 

貸し倉庫経営

貸し倉庫は物流業者やメーカーが商品を保管するためのスペースを貸す方法です。交通の要衝や地方の郊外にある工場の近くなどで需要があります。住宅やオフィス、駐車場などの他の需要がない立地の土地でも収益化できる可能性がある方法です。

貸し倉庫経営は倉庫を建設して丸ごと一社に貸すことも、倉庫内を切り分けて複数の会社に貸すこともできます。複数社に貸す場合には他社との干渉がないようにセキュリティ対策をする必要があるので初期コストが高くなります。倉庫として90坪は決して広大というわけではなく、大手企業なら丸ごと賃貸できる可能性があります。立地の都合で土地活用方法で悩んだときには貸し倉庫経営も検討してみましょう。
 

土地活用なら駐車場経営がおすすめ

90坪の土地を活用するなら駐車場経営から始めるのがおすすめです。駐車場経営は少額投資から開始可能で、一括借り上げによって管理を完全にプロに任せることもできます。速やかに経営を始めて土地活用の経験を積める方法です。将来的には広い土地にマンションやオフィスビルを建てて大きな収入源にしたいという人にとって、速やかに経営のノウハウを溜められるのがメリットです。

駐車場経営なら撤退もしやすいので、資金ができたらマイホームを建てたいと思っている人にも向いています。いつかは自宅を建てたいと思っている人には税金などの対策にも土地の管理対策にもなるので駐車場経営がおすすめです。

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まとめ

0坪の土地には広々とした一戸建て住宅を建てられます。二世帯住宅でも余裕があるくらいの広さがあるので、1家族の住まいでは土地を持て余してしまう場合もあります。90坪の土地を持っているなら土地活用も考えましょう。マイホームを建てて余った土地を活用することも可能です。

駐車場は広さによる影響を受けずに土地を活用できるメリットがあります。一時的に駐車場として経営して、資金ができた時点でマイホームを建てることも可能です。90坪の土地を活用する方法として考えてみましょう。
 

※本記事は可能な限り正確な情報を元に制作しておりますが、その内容の正確性や安全性を保証するものではありません。引用元・参照元によっては削除される可能性があることを予めご了承ください。また、実際の土地活用についてや、税金・相続等に関しては専門家にご相談されることをおすすめいたします。

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