マンションを建てるのに費用はいくらかかる?条件別の建築費を解説

マンションを建てるには多大な費用が必要ですが、その費用はさまざまな要素によって変動します。 この記事では、マンションを建てる際の費用を条件別に解説しながら、見過ごせない建築費以外にかかる費用、全国主要都市のマンション規制などについても触れています。

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目次

  1. 1マンションを建てるのに費用はいくらかかる?条件別の建築費を解説
  2. 2マンションを建てる費用
  3. 3マンションを建てる場合に必要な他の費用
  4. 4マンションを建てる際の注意点
  5. 5マンションを建てる際の各地域の規制
  6. 6マンションの建設費に影響するポイント
  7. 7マンションを建てる費用の抑え方
  8. 8建築費が安ければよいというわけではない?
  9. 9まとめ

マンションを建てるのに費用はいくらかかる?条件別の建築費を解説

マンションを建てるには多大な費用が必要ですが、その費用はさまざまな要素によって変動します。

この記事では、マンションを建てる際の費用を条件別に解説しながら、見過ごせない建築費以外にかかる費用、全国主要都市のマンション規制などについても触れています。

マンションをできるだけリーズナブルに建てるには、必要なものと不必要なものを見極めることも大切です。予算や希望に合わせて費用相場を計画しましょう。

マンションを建てる費用

マンションを建てる費用は、さまざまな算出方法や相場がありますが、ここでは構造別、階層別、エリア別の建築費の相場について、条件別に解説していきます。

構造別の相場

マンションを建てる費用(本体工事費)は、坪単価×延べ床面積で計算できます。そこで費用相場を考えるとき、目安となるのは「構造ごとの坪単価」です。

たとえば10階建て規模のマンションを建てる場合、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造のいずれかの躯体構造を採用するのが一般的で、建設坪単価はそれぞれ相場が異なります。

国土交通省の発表する「建築着工統計調査(2022年)」を参考に、「共同住宅」の構造別の坪単価を調べてみました。

・鉄骨造(S造):1坪あたり70~80万円  
・鉄筋コンクリート造(RC造):1坪あたり90~120万円
・鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造):1坪あたり120~140万円 

上記をもとに、100坪の土地で10階建てのマンションを建てる費用は次のようになります。

・鉄骨造:2億1,140~2億4,160万円
・鉄筋コンクリート造:2億7,180~3億6,240万円
・鉄骨鉄筋コンクリート造:3億6,240~4億2,280万円

延べ床面積:20平米×50戸=1000平米(約302坪)として想定
 

階層別の相場

マンションの階層によっても費用相場が異なり、上階層になるほど費用が高くなる傾向があります。

坪単価と建設したいマンション一棟の延べ床面積に掛けることで、マンションを建てる費用(本体工事費)をおおよそ概算することができます。

延べ床面積は=1階あたりの面積 × 階数で求められます。
ここからは階層別の相場をシミュレーションしていきましょう。

低層マンション

低層マンションは一般的に、2階から5階建て程度の高さの建物で、比較的落ち着いた住宅地や低層建築物の多い地域に建てられることが多いです。

20平米のワンルームが各階に3戸ある、3階建てのS造マンションを建てる場合の費用目安は次の通りです。

延べ床面積:20平米×9戸=180平米(約54坪)
1坪あたり70万円×54坪=3,780万円

中層マンション

中層マンションは一般的に、6階から15階程度の高さの建物で、空室リスクが低く安定した家賃収入が期待できることから人気があります。

20平米のワンルームが各階に4戸ある、5階建てのRC造マンションを建てる場合の費用目安は次の通りです。

延べ床面積:20平米×20戸=400平米(約121坪)
1坪あたり90万円×121坪=1億890万円

高層マンション

高層マンションは、一般的には31メートル(10階)を超える高さのマンションを指します。利便性の高い都市部の中心部に建てられることが多いです。

20平米のワンルームが各階に5戸ある、10階建てのSRC造マンションを建てる場合の費用目安は次の通りです。

延べ床面積:20平米×50戸=1000平米(約302坪)
1坪あたり120万円×302坪=3億6,240万円

エリア別の相場

マンションを建てる地域によっても費用相場は異なります。大都市圏や中心部に建てる場合は、費用が高くなる傾向があります。

前述の国土交通省による「住宅着工統計」資料には、骨組構造別に1平米あたりの工事費予定額が記載されています。

2022年度のデータをもとに1坪=3.30579m²として坪単価を試算し、地域別にまとめ、10階建てマンションを建てる費用はどれくらいになるのかシミュレーションしました。

北海道

木造:47.1万円/坪
鉄骨造:68.4万円/坪
鉄筋コンクリート造:77.4万円/坪
鉄骨鉄筋造: 198.43万円/坪

北海道で20平米のワンルームが各階に4戸ある、5階建てのRC造マンションを建てる場合の費用目安は次の通りです。

延べ床面積:20平米×20戸=400平米(約121坪)
1坪あたり77万円×121坪=9,317万円

東京都

木造:72.5万円/坪
鉄骨造:93.6万円/坪
鉄筋コンクリート造:104.1万円/坪
鉄骨鉄筋造: 290.03万円/坪

東京で20平米のワンルームが各階に4戸ある、5階建てのRC造マンションを建てる場合の費用目安は次の通りです。

延べ床面積:20平米×20戸=400平米(約121坪)
1坪あたり104万円×121坪=1億2,584万円

愛知県

木造:56.3万円/坪
鉄骨造:78.3万円/坪
鉄筋コンクリート造:84.9万円/坪
鉄骨鉄筋造: 188.88万円/坪

愛知県で20平米のワンルームが各階に4戸ある、5階建てのRC造マンションを建てる場合の費用目安は次の通りです。

延べ床面積:20平米×20戸=400平米(約121坪)
1坪あたり84万円×121坪=1億164万円

大阪府

木造:57.5万円/坪
鉄骨造:78.3万円/坪
鉄筋コンクリート造:90.5万円/坪
鉄骨鉄筋造: 201.47万円/坪

大阪府で20平米のワンルームが各階に4戸ある、5階建てのRC造マンションを建てる場合の費用目安は次の通りです。

延べ床面積:20平米×20戸=400平米(約121坪)
1坪あたり90万円×121坪=1億890万円

福岡県

木造:48.9万円/坪
鉄骨造:67.8万円/坪
鉄筋コンクリート造:75.9万円/坪
鉄骨鉄筋造: 165.33万円/坪

福岡県で20平米のワンルームが各階に4戸ある、5階建てのRC造マンションを建てる場合の費用目安は次の通りです。

延べ床面積:20平米×20戸=400平米(約121坪)
1坪あたり75万円×121坪=9,075万円

マンションを建てる場合に必要な他の費用

マンションを建てるとなると、建築費だけでなく、さまざまな費用がかかります。

この項目では、マンションを建てる場合に必要な費用の種類を、付帯工事費、別途工事費、外構工事費、杭工事費、埋蔵文化財の調査費、諸費用の6つに分けて解説していきます。

付帯工事費

付帯工事費とは、建物の周りに必要な工事費用のことです。

たとえば、建物周辺の道路や駐車場の整備、排水管の敷設、建物周辺の緑地帯の整備などが含まれます。付帯工事費は建物に比べて金額が安いため見落としがちですが、建物と同様に重要な費用です。

別途工事費

別途工事費は、建物の構造以外に必要な工事費用のことです。

たとえば、エレベーターやエアコンの設置、電気工事や水道工事、防犯カメラの設置などが含まれます。

別途工事費は建物の構造に比べて金額が高くなる傾向があります。そのため、事前にしっかりと見積もりを取り、予算を確認することが必要です。

外構工事費

外構工事費は建物周辺の環境を整えるための費用のことです。

たとえば、庭の整備や駐車場の整備、門扉の設置などが含まれます。外構のデザインや素材によっては、高額な費用がかかる場合があります。

外構工事は、通常建物の完成後に行われることが多いため、建築費用とは別に十分な予算を確保することが必要です。

杭工事費

杭工事費は、地盤に杭を打ち込む工事費用のことです。

地盤が軟弱な場合や、建物の高さが高い場合に必要になることがあります。杭工事費は地盤によって異なるため、建築前に地盤調査を行い、費用を算出しておきましょう。

埋蔵文化財の調査費

埋蔵文化財の調査費は、敷地内に埋蔵された文化財を調査するための費用のことです。

敷地内に遺跡がある場合や、歴史的価値のある建物を建てる場合に必要になります。埋蔵文化財の調査費は、調査範囲や調査方法によって異なるため、事前に見積もりを取る必要があります。

また、埋蔵文化財の調査費用は、建物の完成前に行う必要があるため、計画段階で予算に加味することが必要です。

諸費用

諸費用は、建物を建てる上で必要なさまざまな費用のことです。建物を完成させるために欠かせない費用であるため、事前に計画し予算に加味することが必要です。

・土地の取得費用
マンションを建設する土地を購入するために必要な費用です。立地条件や土地の大きさ、地価などによって異なります。

・設計・監理費用
建築設計や工事監理などの専門家に支払う費用です。建築図面の作成や構造計算、現場の監督などが含まれます。

・建築工事費用
建物を建設するために必要な費用です。建物の規模や構造、使用する建材や設備などによって異なります。

・設備機器費用
電気・ガス・水道などの設備機器の取り付け費用です。室内のキッチンやトイレ、シャワールームなどの設備機器も含まれます。

・土地改良費用
地盤改良や浄化槽の設置など、建設にあたって必要な土地の整備費用です。

もし汚染された土壌が住居エリアとして利用される場合、住民の健康に悪影響を及ぼす恐れがあるため、適切な措置が必要です。

法律で定められた環境基準に適合するまで行われます。

・保険料
建物の保険料です。火災や地震などの災害に備えて加入します。

・登記費用
不動産登記や抵当権設定など、不動産の登記に必要な費用です。

・税金・手数料
建物を建設する際には、固定資産税や都市計画税、登記手数料などが必要になります。

マンションを建てる際の注意点

マンションを建てる際には様々な法律や規制に従う必要があります。この項目では、マンションを建てる際の注意点についてポイント別に解説していきます。

地域ごとの条例を確認する

マンションを建てる際には、地域ごとに建築基準法や都道府県、市町村などの条例に従う必要があります。

特に、建物の高さや建蔽率、騒音対策や防災対策など、地域ごとに異なる規制があるため、事前に確認することが重要です。

また、地域によっては、周辺環境や景観への配慮が求められる場合もあります。これらの条例や規制に違反すると、建物の建設や使用に制限がかかるだけでなく、罰則が科せられる場合もあるため、事前に確認することが大切です。

地域ごとにマンション規制が異なる

都市計画法においては、用途地域ごとに建築物の種類や用途が規定されていますが、マンションは「工業専用地域」を除く、すべての用途地域において共同住宅が建設可能です。

しかし、用途地域ごとに建築基準法や地方自治体の条例によって定められる「建ぺい率」や「容積率」の制限があります。

建ぺい率は、敷地面積に対する建物の面積の割合を表し、容積率は、敷地面積に対する建物の容積の割合を表します。

たとえば、住宅地域では建ぺい率は50%、容積率は200%が一般的な上限となっており、商業地域では建ぺい率が80%、容積率が600%になることがあります。

ただし、これらは一例であり、地方自治体によって異なる場合があります。

建築計画を立てる際には、適用される法令や条例に基づき、建ぺい率や容積率を考慮した上で、周辺環境や景観に配慮した建築物を建設する必要があります。

マンションを建てる際の各地域の規制

マンションを建てる際には、地域ごとの規制に従う必要があります。

この項目では、北海道、東京、名古屋、大阪、福岡の各地域でのマンション建築に関する規制について、解説していきます。

北海道の規制

札幌市では、ワンルームマンションに関する条例を制定しています。

この条例では、建築物の耐震性、防火性、衛生環境などの安全確保、建物内外の共用部分の維持管理、ゴミの処理などに関する義務を建築主や管理者に課すことで、住民の生活環境の向上を目指しています。

また、近隣住民とのトラブル発生を防ぐため、事前説明資料の作成や標識の設置などの手続きが義務付けられています。

札幌市のワンルームマンションには、建築基準法に基づく規制に加えて、市独自の基準によって自転車置き場や緑化などの設備や備品の設置が義務付けられています。

なお、北海道全般に当てはまることですが、冬季に大雪が降るためマンションへの積雪対策が必要です。

東京の規制

東京都23区の各自治体では、独自の共同住宅の規制を設けており、事前に確認が必要です。ここでは、ワンルームマンションについての条例をピックアップして紹介します。

・新宿区  地階を除く階数が3以上で、ワンルーム形式の住戸(専用面積が30平米未満の住戸)が10戸以上の共同住宅

・豊島区 中高層集合住宅建築物(地階を除く階数3以上で、かつ住戸数が15以上の共同住宅)

・北区  階数3階以上で専用床面積35平方メートル未満の住戸数が15戸以上の集合建築物

・港区  住戸専用面積37平方メートル未満の住戸が7以上

このほかにも規制が細かく決められています。

名古屋の規制

名古屋市では「建築基準条例」が設けられています。

この条例では、共同住宅型集合建築物に関する設備や備品の維持、照明、防犯、駐車場やゴミ収集などについて規定しており、市民の安全と快適な生活を維持するために規制していることが含まれています。

特に気をつけたいことが自動車駐車場の設置で、用途地域に応じた敷地面積の確保が必要です。

具体的には、
・住居系用途地域:住戸に対して10分の7
・商業系用途地域:住戸に対して10分の4
・工業系用途地域:住戸に対して10分の5

の敷地面積の確保が必要です。

また、駐車台数1台につき幅約2.3m、奥行き約5mを確保し、自動車を安全に駐車させ出入りさせることができるように設計することが望ましいとされています。

大阪の規制

大阪市では「ワンルーム形式集合建築物に関する指導要綱」が定められています。

ワンルーム形式の住戸には面積が35平米以下、ファミリー型住戸なら35平米以上と設定されています。

大阪市の場合、特に管理に関して厳しく規制が設けられているので、事前に大阪市役所に確認することが必要です。

たとえば、住戸数が30戸以上の場合は管理人が駐在しなければならず、管理人の名前や住所などの表示板を、建築物の出入り口の見やすい場所に設置しなければなりません。

自転車やバイクには登録証を貼付し、道路に放置されていないか適宜チェックする必要もあります。

福岡の規制

福岡市では、中高層の建物の建設に際して建築紛争を未然に防ぐために「福岡市建築紛争の予防と調整に関する条例」を制定しています。

高さが10メートルを超える中高層建築物や、住戸の数が5以上あるワンルーム形式集合建築物などの建築物について、建築主等に標識の設置や事前説明の義務を課しています。

また、住戸の数が10以上の特定集合住宅には、自動車保管場所の設置が必要です。これらの規制は、建築紛争の予防や調整に努めるために設けられたものです。

事前説明資料の表紙も定められているため、近隣住民に対して説明資料に添付して使用するように求められています。

マンションの建設費に影響するポイント

マンションの建設費は構造や階層、地域による規制の影響などのさまざまな要因によって変わります。マンションを建てる土地や環境、マンションの設計なども建設費にかかわる重要な要素です。ここではマンションの建設費に影響するポイントを紹介します。
 

地盤の良さ

10階建て以上のマンションの建設のときには地盤が重要です。一般的には、事前に地盤調査をして地盤強化の必要性を確認してから建設計画を立てます。地盤が良好な場合には杭工事のときに浅い杭打ちで済みますが、地盤が安定していないときには深く杭を打ち込むことが必要です。支持層として適している地盤の調査が難航したり、深く杭を打ち込む必要が生じたりすると杭工事費が高くなります。

15階建てマンションくらいになるとさらに地盤の安定性が重要です。高層マンションを建てるときには地盤によって建築費が変わる可能性があるので、建築費を抑えるには地盤が安定している土地を選びましょう。土地活用のときには地盤調査の結果を受けて、マンションの階数を決めたり、他の土地活用方法を検討したりすることが大切です。
 

周辺環境

土地の周辺環境によってマンションの建設費が変わる場合があります。マンションの建設では近隣の住民に説明をして、工事中の騒音や振動、車両の出入りや駐車などについて理解を得て進めることが大切です。マンションの建設工事は周辺の生活環境に影響があるので重要な事前準備です。

建設を業者に依頼するときには事前説明も任せるのが一般的で、説明の費用も建設費に含まれています。近隣に音や振動を気にする店舗や、大きな集合住宅があって理解を得ることが難しいと想定される場合には建設費が高くなる可能性があります。

また、マンションの建設工事を施工する際に工事車両を駐車するスペースを確保できない、隣接している建物からの距離を取って施工することが難しいといった状況もあり得ます。重機による作業ができない周辺環境の場合には作業工数が増えるため、建設費が高くなります。
 

間取り設計

間取りの設計によってマンションの建設費が変わります。ワンルームマンションと4LDKのマンションでは、同じ土地に同じ階数で建設したとしても費用が違います。一般的には戸数を増やすほどマンションの建設費が高くなるので注意しましょう。戸数が増えると壁や扉が多くなり、水道やガスの配管もしなければならないからです。住宅設備も各戸に準備しなければならないため、建築費が高くなります。

間取りはマンションの配管や配線の工事費用にも影響します。水道やガス、電気などの配管は長くなるほど費用が高くなるからです。各部屋の間取りを丁寧に設計して無駄をなくすことが建設費を抑えることにつながります。

 

部屋の設備

部屋の設備を充実させるほど建設費が高くなります。高価な住宅設備を各戸に導入すると、戸数に比例して費用がかかるからです。10階建てマンションのように高層階がある場合には設備の搬入のために追加費用がかかる場合もあります。システムキッチンや床暖房などの人気の設備を導入すると集客力が上がりますが、建築費の負担は大きくなるので注意が必要です。

部屋については内装によって費用が変わる点にも気を付けましょう。10階建て以上のマンションでは居住スペースが広いので、壁紙や床材の単価がわずかに違うだけでトータルでの費用が変わります。
 

デザイン

マンションのデザインは建設費に影響する要素です。10階建てマンション以上の規模では、戸数が多いので万人に受け入れられるデザインにすることが重要です。デザイナーズマンションにして美しく仕上げようとすると、デザイン費用が追加でかかるだけでなく、入居者募集で苦労する可能性があります。デザインの好みが合う人しか入居者の候補にならないからです。

また、デザインに凝って費用をかけると、賃料に上乗せしなければ利益を上げることが難しいでしょう。高価な建材を使用しなければならず、建設費がイメージしていたよりも高くなる可能性もあります。マンション経営ではデザインにこだわり過ぎないことが大切です。
 

共用設備の内容

マンションの共用設備によって建設費は変わります。例えば、10階建てマンションの場合にはエレベーターの設置は必須です。ただし、エレベーターの基数によって建設費が変動します。居住者の快適さを考えると基数を増やすことが望ましいですが、基数が多くなるほど初期費用が高くなります。また、エレベーターで面積を使った分だけ戸数を減らすか、部屋を狭くすることも必要です。電気代や点検費用によるランニングコストもかかります。

共用設備として駐車場を用意するマンションが多いですが、駐車場の設計によって費用が変動します。平面駐車場ならアスファルト舗装をするくらいで済むので費用を抑えられます。しかし、立体駐車場や機械式駐車場にすると別途で建設費や設備費が必要です。土地の広さや想定しているマンションの居住者層に合わせて、コストパフォーマンスの高い設計をすることが大切です。
 

依頼先の建設会社

マンションにかかる建設費は建設会社ごとに異なります。多くの建設会社では基本となるプランをいくつか用意しています。どのくらいの費用感でマンションを建設できるのかを確認できるので、プランの候補を複数の会社で紹介してもらって比較しましょう。

ほとんど同じ仕様のマンションでも依頼先の建設会社によって建設費は違うので、見積もりを取って確認することがおすすめです。15階建てマンションくらいになると対応できる建設会社は限られるため、多数の会社を比べるよりも2社~3社を目安にして見積もりを比較するのが合理的です。
 

マンションを建てる費用の抑え方

ここまで解説してきたように、マンションを建てるためには莫大な費用がかかります。ここからは、少しでも安く建てる方法について紹介します。

シンプルな内装にする

マンションを建てる際に内装にこだわりすぎると、おのずと費用が高くなる傾向があります。

内装に必要なものは最低限に抑え、シンプルなデザインにすることで、費用を抑えることができます。

内装に必要な素材や設備については、安価なものを選ぶことで費用を抑えることができます。ただし、耐久性や品質に問題がある場合があるため注意が必要です。

節税対策をする

マンションを建てる際の費用の節税対策として、以下の方法があります。

・減価償却費の計上
建物の価値を徐々に償却していくことで、年間の所得を減らし、節税効果を得ることができます。

・資産の分散化
複数のマンションを所有することで、リスクを分散化し、安定した収益を得ることができます。また、物件ごとに損益通算ができ、節税効果を得ることもできます。

・特別控除の活用
所得税や住民税などの税金において、特別な控除があります。これらを活用することで、節税効果を得ることができます。

ただし、最適な節税方法は個人の状況や投資の種類によって異なります。自己判断せず、専門家に相談することで効果的な節税につながるでしょう。

専門家に相談する

マンションを建てる際には、さまざまな専門家のアドバイスを受けることが重要です。

建築士は、建物のデザインや構造などを専門的に扱うため、建物の性能や耐久性、美観性を高めることができます。

不動産コンサルタントは、土地の取得から売却までのプロセスをサポートするため、投資家にとって収益性の高い物件を見つけることができます。

また、土地や建物に関する法律的な問題を解決するためには、弁護士のアドバイスも必要です。さらに、財務面に関するアドバイスが必要な場合には、税理士やFPの専門知識を活用することも重要です。

建設中の安全面にも配慮しなければならず、建築現場監督や施工業者による管理は欠かせません。

建物完成後は、物件管理会社や管理人によって、定期的な点検やメンテナンス、入居者対応などを行うことができます。

これらの専門家たちが協力し合い、マンションの建設から運営までを支援することで、投資家や入居者の満足度を高め、収益性の高いマンションを実現することができます。

相見積もりを取る

複数の業者から見積もりを取ることは、マンション建設において重要なポイントのひとつです。

まず、価格を比較できるため、適正な価格を見積もることができ、結果的に無駄なコストを抑えることができます。また、業者の信頼性や技術力などを見極め、自分に合った業者やハウスメーカーを選択することができます。

複数の業者が競合することで、価格や条件の面で交渉する余地がある場合があるため、より有利な条件を得ることができます。

適正価格を見極める

マンションを建てる際に、適正価格を見極めることで、費用を抑えることができます。適正価格を見極めるためには、市場価格や業界の相場などについて調べ、適正価格を把握することが必要です。

また、見積もりを取る際には、費用の内訳を確認し、不必要な費用や高額な費用がないかをチェックすることも重要です。

適正価格を見極めることで、ムダな費用を省きコストを抑えることができます。

建築費が安ければよいというわけではない?

マンションを建てる場合、建築費がもっとも大きな負担となるため、費用をできるだけ下げようと考える人が多いです。

しかし、建築費が安いからと言って、かならずしも良いマンションが建てられるとは限りません。その理由について解説していきます。

建物性能が高いため

安い建築費でマンションを建てると、建物の性能が低くなってしまう場合があります。

たとえば、断熱性能が低く、冬場は暖房が効かず、夏場は冷房が効きにくいマンションが建てられる可能性があります。また、地震に弱く、耐震性能が低いマンションが建てられる可能性もあります。

これらの問題は、住民の生活に悪影響を与えるだけでなく、将来的に大きな修繕費用がかかることにもつながります。そのため、建物の性能を考慮して、安い建築費で建物を建てることは避けるべきです。

家賃が高めでも需要があるため

マンションを建てる際には、住民の需要を把握することが大切です。

たとえば、交通の便が良く、商業施設や学校が近くにある場所にマンションを建てると、家賃が高めでも需要があることがあります。

そのため、需要がある場所にマンションを建てることで、将来的な安定収益を見込むことができます。

高層建築が可能なため

建築費が高くなる要因として、高層建築に必要な建築基準や法規に適合するための費用があります。

しかし、高層建築が可能な場所にマンションを建てることで、限られた敷地面積でも多くの住宅を提供でき、将来的に高い収益を見込むことができます。

そのため、高層建築が可能な場所であれば、建築費が高くなっても建てることが有益である場合があります。

安定した経営を続けられるため

建築費が安くても、管理費や修繕費が高額になると、将来的に経営が悪化する可能性があります。そのため、建物の性能や需要を考慮し、長期的に安定した経営を続けられるようにすることが大切です。

建築費が高くても、住民のニーズに合わせたマンションを建てることで、将来的に安定した経営を続けることができます。

また、修繕費用や管理費用の予算も計画的に立てることで、経営を安定させることができます。

まとめ

マンションを建てる費用は、地域や建設のスケールによって異なりますが、通常は高額になります。建設用地、建設業者、建築材料、労働者の賃金などをはじめ、実際に建てた後にも税金や諸費用など多くの費用がかかります。

建てた後のマンションの収益性を維持するために、適切なマンション管理や定期的な改修やリニューアルも必要です。

これらを総合的に含め、十分な予算を確保してマンションを建てる費用を算出していきましょう。

※本記事は可能な限り正確な情報を元に制作しておりますが、その内容の正確性や安全性を保証するものではありません。引用元・参照元によっては削除される可能性があることを予めご了承ください。また、実際の土地活用についてや、税金・相続等に関しては専門家にご相談されることをおすすめいたします。
 

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