2024年06月18日公開
2024年06月18日更新
80坪の土地に建てられる家の間取りは?土地活用の方はしやすい?
80坪の土地に家を建てたい、土地活用をしたいと考えていて、どんな形で活用できるかを知りたいと思っていませんか。80坪の土地があれば魅力的な家を建てることも、収益性のある土地活用もできます。この記事では80坪の土地の購入を検討されている方のために、土地の広さについてのイメージもまとめました。80坪の土地があればさまざまな方法で活用できるので、より良い使い方をしていきましょう。
80坪の土地の広さ
80坪の土地は広くてさまざまな方法で活用できます。家の建築設計や土地活用を考えるために、まずは80坪の広さのイメージを紹介します。
80坪は何平米?何畳?
80坪の土地はメートル法にすると264.463平米です。1坪は約3.306平米なので【80坪×3.306平米/坪=264.463平米】と計算できます。駐車場として活用するときには1台分【2.5m×5.0m=12.5平米/台】が標準と考えられているので、【264.463平米/12.5平米/台=21.15台】です。
「畳」は住宅の広さの指標としてよく用いられていますが、定義は複数あります。不動産公正取引協議会連合会による「不動産表示に関する公正競争規約施行規則」によると、1畳は約1.62平米以上です。この定義で80坪の土地を畳の単位に換算すると【80坪×3.306平米/坪÷1.62平米/畳=163.26畳】です。
参照:不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則
わかりやすい80坪のイメージ
平米や畳に換算しても80坪の広い土地の活用イメージをつかめない人もいるでしょう。80坪を身近なものと照らし合わせてみるとわかりやすくなります。
例えば、テニスコートのサイズは、80坪に近い広さです。シングルコートは縦 23.77ⅿ、横 8.23ⅿで約195.63平米、ダブルスコートは縦 23.77ⅿ、横 10.97ⅿで約260.76平米です。坪数にすると、シングルスコートは約59坪、ダブルスコートは約79坪になります。80坪はダブルスのテニスコートの1面に相当する広さがあります。
参照:ルール・マナー講習2021(令和3年)TENNIS
プールも80坪の広さをイメージするのに役に立つでしょう。25mで5コースあるプールは80坪の土地の面積くらいの広さがあります。日本水泳連盟によると、一般プールのコース幅は1コースあたり2.00m~2.50mです。25mプールで5コースの場合には25m×2.00m~2.50m×5コース=250~312.5平米になります。小学校や中学校のプールくらいのサイズをイメージすると80坪の広さがわかるでしょう。
参照:公称25mプール公認チェックシート
80坪の土地に家を建てるときの間取り
80坪の土地があれば、余裕のある間取りの家を建築できます。土地の広さを生かして豊かな生活を送れる家をデザインすることが可能です。ただ、80坪の土地に目一杯に建物を建てられるわけではないので気を付けましょう。建ぺい率や容積率によって家を建てられる範囲に制限があるからです。ここでは建ぺい率と容積率の意味と、80坪の土地に建てられる家の間取りを解説します。
建ぺい率・容積率とは
建ぺい率は土地の広さに対して家の建築が可能な土地面積の割合です。【建ぺい率=建築面積÷敷地面積×100%】として計算できます。建ぺい率は用途地域によって違いがあるため、個々に確認が必要です。例えば、80坪の土地に対して建ぺい率が60%と定められているときには、建築物を建てられる面積は【80坪×60%=48坪】になります。
容積率は土地面積に建物を建てたときの延べ床面積の割合です。【容積率=延べ床面積÷敷地面積×100%】という計算式で算出できます。延べ床面積は平屋では住宅面積と同じですが、2階建てになると2階の床面積も合わせる必要があるので注意が必要です。
建ぺい率が60%、容積率が100%のときには、平屋なら建ぺい率を考えて建築設計をすれば問題ありません。しかし、2階建て以上の家では1階も2階も敷地面積に対して60%にすると、延べ床面積は合計で120%になって基準を超えてしまいます。2階建て以上にするときには容積率も考慮して家を設計することが必要です。
8LDK~10LDKくらいの間取りが可能
80坪の土地に家を設計するときには8LDK~10LDKの間取りを作れます。建ぺい率と容積率によって違いはありますが、100%の容積率であれば264.463平米の延べ床面積で間取りを設計可能です。国による誘導居住面正規水準に基づくと、2人以上の世帯では一般には【25平米×世帯人数+25平米】の面積を確保します。
80坪なら264.463平米なので、9人家族までなら快適な住まいにできます。広めの間取りなら7人~8人、コンパクトな間取りにすれば10人くらいが住める家を建築可能です。
参照:誘導居住面積水準(住生活基本計画(平成23年3月15日閣議決定)より抜粋)|国土交通省
80坪の土地に建てる家のイメージ
80坪の土地があるときにはさまざまなアプローチで家のデザインができます。ここでは80坪の土地にどのような家を建てられるのかを紹介します。
老後も安心の平屋
80坪の広さがあれば平屋でも家族で暮らせるスペースを確保できます。60%の建ぺい率だったとしても48坪の建築面積があります。5人~6人の家族であれば十分な広さのある間取りで家を設計することが可能です。
平屋は階段がないので老後になって足腰が不安になっても安心して暮らせます。階が分かれていないことで家族間の接点も増えやすいのが特徴です。80坪の広さがあれば老後に親夫婦と子供夫婦と孫1人~2人といった家族構成で一緒に暮らすこともできます。
収納が豊富で快適な家
80坪の土地に家を建てて4人くらいの家族で暮らす場合には土地を持て余してしまうでしょう。しかし、家を広く作って収納を豊富にすると快適な家にできます。生活をしていると家電や家具、キッチン用品や清掃用具などを買っているうちに収納場所が不足することがあります。ファッションが好きな人はタンスやクローゼットが狭くなってきて、新しいものを買えないのが悩みになる場合もあるでしょう。
80坪の広さがあると収納を広く取れるので、ものの置き場所に困らない家にできます。使わない季節家電を置いておく倉庫を用意することも、寝室に広いウォークインクローゼットを作ってファッションの収納場所を確保することも可能です。キッチン、お風呂、トイレなどの消耗品や清掃用具などが必要な場所に収納を作って使いやすくすることもできます。80坪の広さがあれば、収納が豊富で暮らしやすい家を設計できます。
ガレージが充実した家
80坪あれば車の置き場所で困らない家にできます。ガレージを充実させても十分な間取りの家にできるからです。建ぺい率が60%なら、残りの40%の32坪に建物は建築できませんが、外構を作ることは問題ありません。駐車スペースを家族の人数分用意して、一人一台の生活をすることもできます。
普通車を1台駐車するには、国土交通省の駐車場設計・施工指針に則ると6m×2.5m=15.0平米が必要にあります。夫婦で1台ずつ普通車を持つときには、30平米あれば十分です。32坪は105.785平米なので、車を出し入れするための車路を広く取っても余裕があります。4人家族で子供も車を持つようになったとしても、60平米あれば良いので駐車場を全員分確保可能です。
参照:駐車場設計・施工指針について|国土交通省
ガーデニングや家庭菜園を楽しめる家
マイホームを建てたら庭でガーデニングや家庭菜園をしたいとイメージしている人も、80坪の土地があれば実現できます。20坪~30坪くらいの広い庭を作ってガーデニングをしたり、農作物や花を育てたりして楽しめる広さがあります。
家族が少なくて家が小さくても問題ないなら、趣味のために土地をさらに使っても問題ありません。野菜も果物も花も育てようとすると広いスペースが必要になります。新居での生活でガーデニングや家庭菜園を大切にするなら、庭を広くして十分に楽しめるようにするのも一興です。
二世帯住宅
80坪あれば完全に分離された二世帯住宅を建てられます。1階と2階を分離して、2階に子世帯が住み、1階に親世帯が住むといった設計が可能です。どちらも2階建ての間取りにして、同じ建物の中でも壁で隔てられた独立の空間に住めるように設計することもできます。
容積率が100%なら80坪の延べ床面積の家にできるので、均等に分けたとしても40坪ずつの床面積を確保できます。40坪の広さがあれば132.23平米くらいあるので、4人家族なら十分に暮らせる間取りを設計可能です。トイレやお風呂なども独立させて、親子がそれぞれの暮らしをできる家に仕上げられます。
ゲストルームのある住宅
80坪の広さがあると部屋が余るくらいに余裕があります。ゲストルームを用意して、友人や親族が遊びに来てくれたときに泊まれるようにすることも可能です。子供の夫婦が遊びに来たときに泊まれる夫婦部屋と、車を停められる駐車スペースを用意して歓待できます。
ゲストルームがあると遠方に住んでいる友人にも気軽に来てもらえます。今後の交友関係や家族関係を豊かにするのに役立つ住宅設計方法の一つです。広い庭でバーベキューなどを楽しめるようにすると、さらに多くの人が集まってくれるでしょう。
80坪の土地活用方法おすすめ9選
80坪の土地は自宅を建てて住むだけでなく、経営に使って利益を得る目的で運用することもできます。広い土地を持て余してしまうよりも土地活用にして利益を出した方が良いとも考えられるでしょう。80坪もあると土地活用の選択肢がたくさんあります。ここではおすすめの土地活用方法を紹介します。
駐車場経営
駐車場経営は80坪の土地をさまざまな形で活用できるおすすめの方法です。駐車場経営にはコインパーキング経営と月極駐車場経営があります。80坪くらいの広さがあると、一方だけおこなうことも、両方ともおこなうことも可能です。
車室の広さは上述のように普通車で15平米が基準なので、4.54坪あれば1台分の十分な車室を確保できます。およそ20台分の駐車スペースを確保して経営可能です。実際には車路も必要なので10台くらいになる場合もあります。それでも多くの台数を収容できるので、好立地なら収益性の高い経営ができます。
駐車場経営は初期費用が小さく、管理委託や一括借り上げで経営することもできる方法です。撤退して更地に戻すのも容易なので、家を建てるまでの一時的な土地活用にも適しています。
定期借地
定期借地は土地を更地の状態でそのまま貸して賃貸経営をする方法です。定期借地権を設定して、一定期間の契約で土地を貸します。事業用定期借地権を設定する方法が土地活用でよく用いられています。事業用定期借地権は10年間~50年間で期間を設定して賃貸借契約を交わすことが可能です。50年以上を契約期間とする一般定期借地権に比べて短期間の契約ができます。
定期借地による土地活用は初期費用がかからないのが魅力です。広くて好立地の土地なら高い賃料で契約できる可能性があります。80坪あれば店舗やオフィスを設計しやすいので、事業用として契約できる事業者を見つけやすいでしょう。
アパート・マンション経営
アパートやマンションの経営は建物を建設して部屋の賃貸経営をする土地活用です。80坪あれば1フロアに2部屋~4部屋くらい用意できるので、戸数を増やして経営できます。アパートやマンションの経営は容積率が大きくて部屋の数と広さを確保しやすい土地の活用に適しています。また、住宅街や駅近などのニーズがある立地なら空室リスクが低くなるので経営しやすいでしょう。
アパートやマンションは初期費用が大きいですが、ローンを組んで建設することが可能です。長期ローンを組んで返済をしながら経営し、まずはローンの完済を目指します。完済したら建物は自分の所有物になり、ローンの返済もなくなるので家賃収入による利益も大きくなります。
賃貸併用住宅経営
賃貸併用住宅は自宅と賃貸用の部屋を一つの建物にして、賃貸経営による利益を得る方法です。1階は賃貸用、2階は自宅用といった形で独立した空間を設計するのが一般的です。二世帯住宅から転用して賃貸併用住宅経営をする場合もあります。
賃貸併用住宅は80坪もの土地があっても持て余してしまうときに効果的な活用方法です。むやみに広い自宅にするよりも、一部を賃貸住宅にして経営した方が収入源になるので良いと考えられます。賃貸併用住宅では入居者と同じ建物に住むので、お互いの生活リズムが違うとストレスになるリスクがあります。しかし、入居者を選ぶ時点で確認を取ったり、防音性のある設計をしたりすることでトラブルのリスクを下げることが可能です。
戸建て住宅経営
戸建て住宅経営は住宅を建てて賃貸する方法です。80坪の面積があると大所帯向けの戸建て住宅を経営することも可能ですが、ニーズが低い地域では入居者を見つけられないリスクがあります。3人~5人家族を想定して、2戸~3戸の分譲住宅を建てて経営すると入居者を集めやすいでしょう。
戸建て住宅経営では1戸のみの経営をすると空室リスクが高い問題がありますが、2戸以上の経営ならリスクを下げられます。将来的には自分が住む予定で家を建てて、定期借家契約で一定期間だけ賃貸する土地活用も可能です。
オフィスビル経営
オフィスビル経営は事務所として利用できるビルを建設して賃貸する方法です。ビジネス街や駅周辺などのビジネス目的での利用が活発なエリアの土地なら入居者を集めやすいメリットがあります。
事務所衛生基準規則によると、一部の例外を除いて、常時働いている労働者1人について10㎥以上の気積を用意する義務があります。天井の高さを2mとすると5㎡(約1.4坪)が最小スペースです。ザイマックス総研による「1人あたりオフィス面積調査」では出社している1人あたりのオフィス面積は5坪程度になっています。
80坪の土地で60坪のフロア面積を取れたとすると、ワンフロアで10人~30人程度を収容可能です。中小企業の利用する賃貸オフィスとして需要があるので、入居者を見つけやすいでしょう。
参照:
事務所衛生基準規則 | e-Gov法令検索
1人あたりオフィス面積調査(2023年) | ザイマックス総研の研究調査
貸店舗・テナント経営
貸店舗・テナント経営は店舗物件を建築して賃貸する方法です。住宅街の近くや繁華街の中、駅前などの立地なら集客力があるので店舗物件として人気があると考えられるでしょう。80坪の広い土地では駐車場のある独立店舗もテナントビルも経営できます。
独立店舗とテナントビルのどちらを経営するかは重要なポイントです。立地とニーズに合わせて選ぶと契約先を見つけやすくなります。スーパーやドラッグストアが少なくて地域住民から求められている場合には、独立店舗の物件を用意するのが効果的です。駅前のようにさまざまな分野の小店舗の利用者が集まる立地では、テナントビルにしてコンビニやクリニックなどをテナントにすると入居者を獲得しやすいでしょう。
トランクルーム経営
トランクルーム経営は荷物を預けるためのスペースを提供して対価を得る経営方法です。個人からも法人からもニーズがあります。住宅街やオフィス街の中であれば契約を取りやすいので安定した経営ができるでしょう。
80坪の土地があると広いスペースを確保できるのでニーズが高い立地なら収入を上げやすいことがメリットです。駐車場のあるトランクルームを経営できるので、家具や家電、大量の書類などの保管先としても活用してもらえます。
トランクルームは収益性ではマンションやオフィスビルに比べると低いですが、管理の負担が小さいので経営しやすい方法です。コンテナでトランクルームを用意すれば設置も撤去もしやすいでしょう。
貸し倉庫経営
貸し倉庫経営は主に企業を顧客として商品在庫や物流拠点としてのスペースを提供する賃貸事業です。倉庫を建設してセキュリティ対策をする必要があるため、初期コストはかかります。しかし、契約を取れれば継続的に利用してもらえる可能性が高く、安定経営を続けやすい方法です。
貸し倉庫経営は都心部などの好立地でなくても問題はなく、郊外で他の土地活用ではニーズがないときでも収益化が可能です。工場が近くにあると在庫や原料の保管場所として倉庫のニーズがあります。80坪くらいの広さがあればさまざまな業種の企業をターゲットにして貸し倉庫経営をすることが可能です。
土地活用なら駐車場経営を検討しよう
80坪の土地を手に入れたときには駐車場経営を検討しましょう。土地活用方法として柔軟性が高い方法だからです。80坪の土地に自宅を建てたいと思って設計をしていると、広すぎてうまく使い切れない場合もあります。余ってしまう土地の使い道で困ったときにも、駐車場経営に活用できます。
15平米くらいのスペースがあれば車一台分の駐車場にできます。ガーデニングなどの趣味がなくて、広い庭はいらないという場合には、建物を建てられない土地が無駄になってしまうでしょう。余ったスペースに駐車場を作って経営すれば有効活用になります。土地を自宅と駐車場経営に分けて計画的に使えば、駐車場経営による利益を得ながら私生活も充実させることができます。
まとめ
80坪の土地には豊かな生活を送れる家を建てられます。広々とした間取りの家に十分な収納も用意して、快適に住める家に仕上げられるでしょう。ただし、80坪の広い土地の全面を家の建築に使えるわけではありません。建物を建てられる範囲は建ぺい率と容積率によって制限されています。広い土地を有効に活用するには、自宅にせずに経営に利用するのもおすすめです。80坪の広さがあると土地活用の選択肢も広くなります。
駐車場経営は始めやすい土地活用なのでおすすめです。土地を自宅と駐車場経営に分けて活用することもできます。駐車場経営は狭い土地でも有効活用できる方法です。80坪の広い土地に家を建てるときにも、駐車スペースを確保して駐車場の経営を検討してみましょう。
※本記事は可能な限り正確な情報を元に制作しておりますが、その内容の正確性や安全性を保証するものではありません。引用元・参照元によっては削除される可能性があることを予めご了承ください。また、実際の土地活用についてや、税金・相続等に関しては専門家にご相談されることをおすすめいたします。