アパート経営の初期費用はいくら?必要な費用をまとめて紹介

アパート経営は土地活用で人気がありますが、初期費用が高く手を出せない場合もあります。アパート経営ではまとまった資金を用意して、初期費用だけでなく、維持費用も支払えるように準備することが重要です。この記事ではアパート経営の初期費用や維持費用がいくらなのかを解説します。初期費用を抑える方法や注意点も紹介するので賢く土地活用を始めましょう。

アパート経営の初期費用はいくら?必要な費用をまとめて紹介のイメージ

目次

  1. 1アパート経営に必要な費用
  2. 2アパート経営の初期費用・維持費用を用意する方法
  3. 3アパート経営の初期費用・内訳
  4. 4アパート経営の維持費用・内訳
  5. 5アパート経営の初期費用を抑えるコツ
  6. 6押さえておきたいアパート経営のリスク
  7. 7初期費用が気になるなら駐車場経営がおすすめ
  8. 8まとめ

アパート経営に必要な費用

アパート経営では以下の2種類の費用がかかります。
 

  • 初期費用(イニシャルコスト)
  • 維持費用(ランニングコスト)

初期費用はアパート経営を始める時点でかかる費用で、アパートの建築費用や外構工事費用などが含まれます。維持費用はアパート経営を始めてから継続的に負担しなければならない費用です。維持管理費や修繕積立金などが維持費用に該当します。アパート経営では初期費用と維持費用の両方の詳細を理解して、必要な資金を調達してから始めることが大切です。

アパート経営の初期費用・維持費用を用意する方法

アパート経営に必要な資金は金融機関を利用して調達できます。ここでは、アパート経営の初期費用や維持費用を用意する方法を紹介します。

アパートローン

アパートローンや不動産投資ローンは、アパートの建築や購入の初期費用を工面できるローン商品です。住宅ローンと同様に物件を抵当に入れて契約します。10年から30年の長期ローンを組むことができ、フリーローンやカードローンと比較すると金利が低く抑えられています。ただし、住宅ローンよりは金利が高い場合が多いため注意が必要です。

アパートローンを組む際には、銀行や信用金庫などの金融機関が指定する保証会社を通じて融資を受けます。金融機関と保証会社の審査を経て、融資額や金利が確定します。金融機関によって融資限度額に違いはありますが、億単位の資金を調達することも可能です。

プロパーローン

プロパーローンは、金融機関が独自に提供しているローン商品で、アパートローンと同様にアパート経営などの不動産投資の目的で利用できます。アパートローンと同様に物件を抵当に入れる仕組みで、低金利のローンを組むことができます。プロパーローンがアパートローンと異なる点は、保証会社を通さずに金融機関のみで審査を行うことです。保証会社を通さないため、審査が厳しい場合もあります。

プロパーローンは、審査を受けた後に金利や融資期間、融資金額が決まります。保証会社の審査が通らない場合でも、金融機関が認めれば融資を受けることが可能です。

自己資金

アパート経営において自己資金は重要な資金源です。アパートローンやプロパーローンを利用する場合でも、自己資金ゼロで借りられることは稀です。多くの金融機関では、アパート経営の初期費用の7割から8割程度がローンで調達できる資金の上限となっており、残りの2割から3割は自己資金で用意する必要があります。

抵当に入れるアパートの立地や収益性によって融資額は異なり、フルローンが可能な場合もあります。ただし、フルローンで経営を始めると返済の負担が大きくなるため注意が必要です。少なくとも初期費用の1割から3割は自己資金で用意することが推奨されます。

アパート経営の初期費用・内訳

アパート経営では初期費用が大きく、細々とした費用も発生します。ここではアパート経営の初期費用の内訳を紹介します。

建築費用

アパート経営の初期費用で特に大きいのは建築費用です。アパートを設計して建築するには数千万円はかかります。アパートローンやプロパーローンを利用する人が多いのは、全額を自己資金で用意するのが難しいからです。

建築費用の目安は国土交通省による2023年の建築着工統計調査が参考になります。居住専用住宅ではアパートの構造によって以下のような面積単価で建築されています。

構造 免責単価(万円/平米) 坪単価(万円/坪)
木造 約20.0 約66.1
鉄骨造 約28.9 約95.4
鉄筋コンクリート造 約29.4 約97.0
※坪単価=平米単価×3.3と仮定

例えば、木造アパートで20平米(約11畳)のワンルームを8部屋用意すると、3,200万円がかかります。階段や通路、外構などの工事も必要なので、建築費だけで4,000万円程度はかかるでしょう。

参照:建築着工統計調査 建築物着工統計 年次 2023年 | ファイル | 統計データを探す | 政府統計の総合窓口

ローンの事務手数料・保証料

アパートローンやプロパーローンを利用する際には、事務手数料や保証料、印紙代などの支払いが必要です。これらの費用は、ローンの契約金額や金融機関によって異なります。目安として、アパートの建築費の約10%程度がかかると考えて、自己資金を用意しておくことが重要です。

登記費用

アパート経営を始める際には、登記費用がかかります。建築したアパートの所有権保存登記が必要です。ローンを組む場合には、抵当権設定登記も必要になります。登記の手続きは自分で行うこともできますが、司法書士に依頼すると司法書士報酬の支払いが発生します。アパート経営にかかる登記費用の目安は、20万円から50万円です。

税金

アパートを建築すると、不動産取得税がかかります。契約時には印紙税の負担もあるため、アパート経営を始める時点で税金を納める必要があります。不動産取得税は、建築したアパートの固定資産税評価額の4%が標準税率ですが、令和9年3月31日までは軽減税率で3%が適用されます。不動産取得税は都道府県が管轄する地方税であり、納付書に基づいて納めます。

ローンなどの契約書にかかる印紙税は、契約金額によって異なります。例えば、4,000万円のアパートローンを契約した場合、印紙税は通常2万円ですが、軽減税率が認められているため半額の1万円になります。

参照:総務省|地方税制度|不動産取得税
参照:印紙税の手引|国税庁
参照:不動産売買契約書の印紙税の軽減措置|国税庁

保険料

アパート経営では、トラブル対策として保険に加入することが一般的です。火災保険や地震保険により、自然災害や人災に備えます。また、施設賠償責任保険に加入することで、アパートの欠陥が原因で他人に損害を与えた場合の賠償費用を補償する対策も重要です。さらに、入居者が孤独死した場合に対応できるように、孤独死保険に加入しておくことも検討すべきです。

保険の種類や内容、アパートの規模によって金額は異なりますが、初期費用として数十万円程度を見込んでおくのが良いでしょう。

アパート経営の維持費用・内訳

アパート経営は初期費用だけでなく維持費用もかかるので資金の準備が必要です。ここではアパート経営で必要な維持費用の内容を紹介します。

維持管理費

アパート経営には維持管理費がかかります。具体的には、入居者募集、家賃の徴収、共用設備の点検、共用部分の清掃、退去時のリフォーム、入居者や近隣からのクレーム対応など、さまざまな管理業務が求められます。アパート経営は自主管理も可能ですが、管理会社に委託したり、一括借り上げ方式で契約したりして専門会社に管理業務を任せることが一般的です。家賃収入の約5%程度を維持管理費として見込んでおく必要があります。

水道光熱費

アパートの経営には水道光熱費がかかります。各部屋の水道光熱費は借主が支払いますが、共用部分の照明や消防設備などの電気代はオーナーが負担します。清掃のために必要になった電気代や水道代などもオーナーの支払いです。アパートの維持に必要な水道光熱費は共益費として家賃とは別に借主から徴収できます。ただし、空室が多くなると共益費では工面できなくなる場合もあるので注意しましょう。

修繕費

修繕費はアパートを維持するために欠かせません。退居があったときに壁紙や床などのリフォームをする軽微な修繕もありますが、アパート本体を維持するために定期的に実施する大規模修繕工事もあります。外壁塗装や屋根塗装などの塗装工事や、耐震性の点検と補強工事などのさまざまな工事が該当します。修繕費は一度に大きな金額が出ていくため、計画的に積み立てておくことが大切です。

税金

アパート経営では初期費用とは異なる税金の負担があります。アパートは固定資産の家屋に該当するので、固定資産評価額に応じて固定資産税と都市計画税を納める義務があります。また、アパートを建てた土地や、アパートで使用している償却資産も固定資産税の対象です。課税標準額の1.4%の税率で固定資産税を納めるのが原則です。ただし、アパートを建てると住宅用地の特例によって土地の固定資産税は軽減されます。

また、アパート経営による所得は所得税の課税対象です。不動産所得は総合課税に該当するため、副業でアパート経営をする場合には給与所得や事業所得と合わせて税額を計算する必要があります。

参照:総務省|地方税制度|固定資産税
参照:No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得)|国税庁

保険料

アパート経営において、建物の火災保険料や地震保険料などの費用がかかります。費用は1万円から10万円ほどです。火災保険の契約期間は最短1年から最長10年まで選択可能であり、まとめて保険料を支払ったほうが、費用を節約することができます。

借入金の返済

アパートローンやプロパーローンを利用している場合には借入金を毎月返済します。資金に余力ができて繰り上げ返済をする場合や、ローンの金利対策のために借り換えをする場合には手数料の負担がかかります。修繕や空室対策などで資金が必要になったときにはローンを組んで、現状のアパートローンと合わせることも可能です。しかし、返済負担が大きくなるので、返済プランを立ててから借りることが大切です。

アパート経営の初期費用を抑えるコツ

アパート経営は初期費用が数千万円以上かかるのが難点です。初期費用が大きいとローンの金額も膨らみ、返済に苦労することになります。しかし、工夫をすればアパート経営の初期費用を削減可能です。ここではできるだけ初期費用を抑えてアパート経営を始めるコツを紹介します。

アパートの規模を小さくする


アパートの初期費用も維持費用も規模が小さいほど安くなります。アパート経営に用意できる資金に合わせて規模を調整しましょう。建築費は延床面積に概ね比例してかかり、費用をかけて建築したアパートは固定資産税評価額も高くなります。土地活用でアパート経営をするときには、土地を最大限に使ってアパートを建てたいと思いがちです。しかし、資金状況に合わせて建てた方が初期費用も経営負担も減らせます。

アパートの規模を小さくして余剰の土地ができた場合には、他の方法で土地活用をする方法もあります。アパートの駐車場を設けて、余っている部分は月極駐車場やコインパーキングとして別途経営するといった賢い方法も注目されています。
 

間取りをシンプルにする


アパート経営の初期費用として大きい建築費を抑えるには間取りをシンプルにすることが重要です。複雑な間取りにすると資材の費用が高くなるからです。長方形のワンルームと比較すると、複雑にレイアウトされた1LDKの方が同じ床面積でも費用がかかります。壁が一枚多くなるだけで費用が上がるので、できるだけシンプルにデザインするのがおすすめです。

また、部屋の間取りだけでなく、アパート全体のレイアウトもシンプルにすると余計な費用がかかりません。規則的に部屋を配置して、水道やガスなどの配管もしやすいレイアウトにしましょう。外観もシンプルにデザインすると費用を抑えられるので、一般に納得されるさりげないデザインに仕上げるのも重要なポイントです。

設備費用を抑える

設備が充実しているアパートは人気がある場合もありますが、初期費用としては負担が大きいので注意が必要です。例えば、システムキッチンを導入すると付加価値になるので集客力が高くなります。しかし、一人暮らし用の部屋の場合にはシステムキッチンがあってもあまりメリットを感じない人もいます。必ずしも設備が充実していれば空室対策になるとは考えず、借主のターゲットを考えて適切な水準の設備を整えることが大切です。

相見積もりをして建築する

アパートを建築して経営する場合には、複数の建築会社の見積もりを比較して決めると初期費用を抑えられます。同じ条件でアパートの建築を依頼しても、会社によって料金が違うからです。相見積もりをすると建築相場もわかるので価格交渉もしやすくなります。

相見積もりをするときには信頼性のある建築会社を選び、打ち合わせをして丁寧な対応を受けられるところを候補にするのがおすすめです。見積もりの不明点があったときには問い合わせて確認し、同じ条件で揃えて複数社で比較しましょう。

中古アパートを購入する

土地活用でアパート経営をするときには建築が必要ですが、不動産投資ならアパートを土地ごと購入して経営する方法もあります。土地を買ってアパートを新築するよりも、中古アパートを購入する方が初期費用を抑えられます。中古アパートは建物自体が劣化していたり、設備が古くて入れ替えが必要だったりする場合がありますが、リフォーム費用も含めてリーズナブルな物件が見つかったら購入を検討してみましょう。

押さえておきたいアパート経営のリスク

アパート経営は成功すれば大きな安定収入を得られる可能性があるのが魅力です。ただ、アパート経営にはリスクも多いので、あらかじめ理解したうえで始めましょう。ここではアパート経営を検討するときに押さえておきたいリスクを解説します。

初期費用の負担が大きい

アパート経営は初期費用の負担が大きいため、自己資金を十分に用意する必要があります。資金が不足していたためにアパート経営が破綻するリスクがあるので注意しましょう。

ただし、初期費用だけ気にしていると、運転資金の不足によって経営が難しくなる場合もあります。維持費用の負担を減らすために自己管理でアパート経営をしたために、管理負担が大きくて断念する場合もあります。アパート経営では初期費用を無理なく用意できることを前提として、維持費用にも不安がないかを確認してから始めるのがおすすめです。

修繕費の積み立てが求められる

アパートは長期的に維持管理しなければローンを返済して利益を得られません。アパート経営の失敗として、修繕費を見落としていたというケースがあります。管理費は家賃収入から工面できる場合が多いですが、大規模修繕工事が必要になったときの修繕費を用意できずに経営が破綻するリスクがあります。何年後におよそいくら修繕費が必要なのかをアパート経営を始める時点で見積もり、計画的に資金を積み立てておくことが重要です。

空室リスクがある

アパート経営の収益性を考えるときには空室リスクの考慮が必要です。満室を前提として収益計画を立てたとしても、実際には空室ができて家賃収入が少なくなる時期がある場合がほとんどです。空室が増えるとアパートローンの返済すら難しくなる可能性があります。空室対策として家賃を下げるとローンの返済計画が崩れてしまうので、余裕のある計画を立ててローンを組むことが大切です。

需要の変動がある

アパートは需要が変動するため、建築した当初は満室になっても数年後には空室ばかりになるリスクがあります。競合のアパートが登場したり、アパートが古くなって需要が低迷したりするなど、さまざまな要因で入居者が減ります。空室対策が需要に合っていないと、さらに入居者が減って苦労する場合もあるので気を付けましょう。地域的に需要が低下するとアパート経営の継続をあきらめざるを得ない場合もあります。

事故物件になるリスクがある

アパートの賃貸経営をしていると事故物件になって、新しい入居者を見つけるのが困難になるリスクがあります。孤独死や自殺、事件の発生などのさまざまな理由で事故物件として知られるようになり、入居者が割けるようになる可能性があります。家賃の調整などの入居者にとってメリットがある対応をしないと空室ばかりになるでしょう。事故物件になるとアパートを売ることも難しくなるため、万が一のときの保険に加入するなどの対応が求められます。

災害リスクがある

アパート経営には災害リスクが付きまといます。大地震で倒壊した、入居者や隣の建物での家事で炎上した、台風や洪水が起きたといった自然災害によってアパート経営を続けられなくなる可能性があります。火災保険や地震保険などに加入して、災害があっても損失を押さえられるように対策することが重要です。日本は災害大国と呼ばれる国なので、巨額の資金を投下してアパートを建てたときには十分な内容の保険に加入することが大切です。

初期費用が気になるなら駐車場経営がおすすめ

アパート経営は初期費用が数千万円にも上るため、リスクが高いことがデメリットです。ローンを組めることはメリットですが、返済ができなくなるとアパートを手放すリスクもあります。土地活用では、安全性を重視して初期費用の少ない方法を検討するのがおすすめです。

初期費用が気になる場合、土地を駐車場として経営する方法があります。月極駐車場にして長期的な収益源にしたり、コインパーキングにして時間貸しによる利益を得たりする方法があります。土地の整備は多少の初期費用がかかりますが、駐車場業者と契約し、一括借り上げ方式で初期費用を抑えることも可能です。

自前で整備して駐車場経営をする場合でも、アパートの建築のように莫大な費用はかかりません。土地の広さや経営方法によって異なりますが、100万円程度から駐車場経営を始めることができます。初期費用を抑えて土地活用をする場合は、まずは駐車場から検討してみましょう。

駐車場経営を始めてみよう
駐車場経営を始めるべきか迷っている方に対して、駐車場経営のメリットや注意点、運営会社の選び方...

まとめ

アパート経営では初期費用として大きな建築費がかかります。経営を始めた後も維持費用がかかるので、計画的に自己資金を用意し、必要に応じてローンを組んで始めることが重要です。初期費用が大きい代わりに家賃収入で大きな利益を上げられる可能性がありますが、災害などによるリスクもあります。ローンを組むときには返済でトラブルが起こらないように計画的な運用をするのが成功のコツです。
土地活用では初期費用が小さい方法を選ぶと安心です。駐車場経営は初期費用が小さい土地活用方法なので、アパート経営では不安があるなら月極駐車場やコインパーキングで経営を始めましょう。

※本記事は可能な限り正確な情報を元に制作しておりますが、その内容の正確性や安全性を保証するものではありません。引用元・参照元によっては削除される可能性があることを予めご了承ください。また、実際の土地活用についてや、税金・相続等に関しては専門家にご相談されることをおすすめいたします。

関連するまとめ

Banner pc

人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ
Banner pc