コインパーキング経営は儲かる?収入事例や利回り、月極駐車場との比較も紹介

コインパーキング経営は本当に儲かるのかをテーマに、コインパーキングの収入事例や地域ごとの利回りを解説します。また、コインパーキング経営で儲かるコツや、そもそものメリット・デメリット、経営におけるリスクも紹介していきます。これらを踏まえ理解を深めていきます。

コインパーキング経営は儲かる?収入事例や利回り、月極駐車場との比較も紹介のイメージ

目次

  1. 1コインパーキング経営とは
  2. 2コインパーキング経営のメリット・デメリット
  3. 3コインパーキング経営が儲かる理由
  4. 4コインパーキング経営の収入事例
  5. 5コインパーキング経営の利回りの確認方法
  6. 6コインパーキング経営に伴うリスク
  7. 7儲かるコインパーキング経営を目指すコツ
  8. 8まとめ

コインパーキング経営とは

土地活用として人気があるのが駐車場経営です。その駐車場経営のうち、コインパーキングは儲かると言われています。では、どのような条件が整えば、コインパーキングで高収益を出せるのでしょうか?この記事では、コインパーキング経営は本当に儲かるのか?

また、コインパーキング経営の収入事例や利回りについても解説していきます。更に、月極駐車場と比較しながら、コインパーキング経営の魅力についてたっぷりと紹介していきます。まずは、コインパーキングの基礎となります。

月極駐車場経営との違い

コインパーキングと月極駐車場の大きな違いは、利用料金が時間制若しくは月額の固定制かです。月極駐車場は、利用者と駐車区画の賃貸借契約を結び、月額賃料を徴収することになります。1台あたり月額1万円で貸し出すことで、月の賃料収入が固定されます。

仮に、100%の稼働率であれば月額賃料収入は10万円で、この金額が賃料収入の上限です。月極駐車場を借りる人は、比較的長期間利用するので賃料収入は安定しますが、ここから固定資産税などの固定費を引くので収益性は高くありません。

月極駐車場のメリットは、先々の収支が予測しやすいので経営が安定すること、初期投資は殆ど掛からずリスクが少ないこと、管理の手間が掛からないこと、駅に近いなど好立地である必要がないこと、です。反対にデメリットは、収入は固定されているので高収益は見込めないことです。駐車場経営を好立地で行うのであれば、より高収益が狙えるコインパーキングがおすすめです。

コインパーキングは、一時利用者向けに時間制にて駐車区画を貸し出します。また、一時利用者が見込める立地が必須となるので、駅に近いなどの好立地、駐車場がない店舗が多い立地、病院や役所などの近く、大型の展示場やイベント会場の近くなどが理想です。

コインパーキングは、一時利用者の利用状況により収益性が大きく変わります。沢山利用してもらえればその分賃料収入は多くなるので、高収益が狙えます。

他の土地活用との違い

他の土地活用で思いつくのが、賃貸住宅経営ではないでしょうか。賃貸住宅経営は、所有している土地にアパートやマンションなど建設し、入居者から毎月の賃料収入を得て経営していく方法です。賃貸住宅経営のメリットは、節税対策になることです。住宅用地の特例対象となるので、固定資産税の減免や、損益通算や減価償却をすると所得税や住民税の節税になることがあります。

また賃貸住宅経営は、駅の近くや市街地の中心部であることなど、好立地であれば賃貸需要が絶えることはありません。したがって、安定的に経営をすすめることができます。反対にデメリットは、建設費用が高額で工事期間に日数を要することです。つまり初期費用が多額であることと、工事期間中は無収入且つ固定費は掛かるので、赤字期間があることです。

また築年数経過毎に、建物の維持費や内装機器のメンテナンスや更新が必要となるので、定期的に費用が掛かります。そのため、収益分を全て使うことなく、将来的な修繕費用の貯蓄も必要です。更に、稼働率が高いときは良いのですが、空室が出始めて稼働率が落ちてくると、思ったように収益が上がらなかったり、入居者とのトラブル等もあるのでリスクは大きい土地活用にはなります。

 

コインパーキングの経営方式

コインパーキングの経営方式は3種類あります。
 

  • 土地一括借り上げ方式
  • 管理委託方式
  • 自己経営方式

大手コインパーキングの運営会社であるタイムズや、三井のリパークなどで採用されているのは、土地一括借り上げ方式です。この方式は、運営会社が土地オーナーの土地を借りてコインパーキングを設置し、運営します。コインパーキングに、必要な駐車機器の設置などの初期費用は掛からずに、毎月一定の地代収入を得られるのが特徴です。また、収益性は低いのですが、経営中の管理やトラブル対応等もなく、地代収入が安定しているのが特徴です。

管理委託方式は、アップルパーキングなどの運営会社で選ぶことが出来ます。この場合、コインパーキング設置の初期費用は、土地オーナーの負担となります。しかし管理委託方式は、稼働率がアップすると賃料収入が増えるので高収益も狙えます。尚、管理委託費を負担することで、面倒な日常の管理・トラブルや事故対応をする必要はありません。

最後は自己管理方式です。運営会社に頼らずにコインパーキングの設置、経営開始後の管理・メンテナンス・トラブル対応を全て行うことになります。この方式は、管理委託料を払う必要がないので管理委託方式よりも高収益を狙えます。しかし、機器のメンテナンスやトラブル時の対応など全てを行うので、土地オーナーの負担は重くリスクがあります。

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土地なしでコインパーキング経営を始める方法

土地なしでコインパーキング経営を始める方法は、土地を購入するか土地を借りることです。しかし、コインパーキングの場合は、一時利用者が見込める好立地が必須であるため、購入すると初期費用は多額となったり、借りたときの土地の賃料も高額となる可能性があります。

したがって、土地なしから始めるのであれば、より高収益が見込める管理委託方式がおすすめです。尚、土地なしからのコインパーキング経営は、初期費用が多額になることからリスクは大きく、利回りも落ちてしまうことから立地選定や需要調査を慎重に行う必要があります。

経営に失敗すると、多額の初期投資が回収できない可能性があるので、成功を収めるにはかなりハードルの高い方法です。

コインパーキング経営のメリット・デメリット

ここからは、コインパーキング経営のメリット・デメリットを解説します。まずは、メリットからです。
 

  • 他の土地活用に比べると初期費用は少ない
  • 手軽に始められる
  • 将来的な土地の転用性が高い
  • 狭小地や変形地でも始められる

まずコインパーキング経営は、他の土地活用であるアパートやマンション経営などに比べると、初期費用は少なめです。規模感にもよりますが、初期費用は概ね200万円~300万円程度で設置可能です。次に、コインパーキング自体は生活に身近なので、手軽に始められます。普段から利用していれば何となく勝手がわかるというのもあります。

次に、将来的に土地の転用がしやすく、5年後のアパートを建設予定地に一時的にコインパーキングというのが可能です。コインパーキングを辞める際は、駐車場を閉鎖してしまえばよいので楽です。最後に、狭小地や変形地でも車2台分のスペースが取れれば始めることができます。駐車区画は、幅2.5m×奥行6mがあればよいので、アパートなどが立てにくい立地でも、コインパーキングなら設置可能となるのです。


次に、コインパーキング経営のデメリットです。
 
  • 節税にはならない
  • 周辺の状況に経営が左右されやすい
  • 機器のメンテナンスや更新に費用が掛かる
  • トラブルが起きる可能性がある

まず、節税対策にはなりません。固定資産税は更地と同評価となるので固定費は多くなります。次に、周辺に競合のコインパーキングが新設されたり、周辺で利用料金の値下げがあると、稼働率や収益に影響が出てきます。次に、ロック板や精算機など機器が多く設置されているので、故障や経年劣化などで更新やメンテナンスが必要です。そのための費用が余計に掛かります。

最後に、車上荒らしやいたずらによる破損、賃料未納者によるロック板の破壊など、トラブルが起きる可能性があります。車上荒らしや盗難などは運営会社で対応できますが、破損や機器が破壊されてしまった場合、修理費用はオーナーが負担するケースが殆どです。

【比較】月極駐車場経営のメリット・デメリット

ここでは、コインパーキングとの比較として、月極駐車場経営のメリット・デメリットを紹介します。まずはメリットからです。
 

  • 初期投資がコインパーキング設置より安価に済む
  • 経営リスクは低い
  • 将来的な土地の転用性は高い
  • 好立地である必要がない

月極駐車場経営の初期投資は、土地を所有していれば、設置工事費用はあまり掛からずに安価に済みます。月極駐車場は、屋根がない青空駐車場が多く、構造物が少ないのでメンテナンス費用も掛かりません。次に、経営リスクは低く失敗しても負債は少なく済みます。最後に、将来的に土地の転用はしやすいです。

一時的に駐車場として収益を上げ、将来はアパート建設、戸建て分譲地として売却したりと、選択肢を持ちながら経営できます。月極駐車場は借地借家法の対象外であるので、賃借人には1か月前の退去通告で済みます。


次に、月極駐車場経営のデメリットは以下のとおりです。

 
  • トラブルが起きる可能性がある
  • 節税のメリットは殆どない
  • 収益性は高くない

車上荒らしや無断駐車の問題など、トラブルが起きる可能性があります。そのようなトラブルに、都度対処することがデメリットです。次に、節税のメリットは殆どありません。駐車場は、宅地ではなく更地評価となる為、固定資産税の軽減はありません。

最後に、収益性は決して高くはありません。土地利用効率の低さが原因です。平面駐車場の場合に、1フロア分しか土地利用が出来ないため、アパートに比べると土地の利用効率は低く、収益性は落ちます。駐車場の収益性を上げるには、駐車場の稼働率を高い水準で維持し続けることや、立体駐車場などにする方法があります。

コインパーキング経営が儲かる理由

ここでは、コインパーキングが儲かる理由について4つ紹介します。

①初期費用を抑えられる

コインパーキング経営は、他の土地活用と比べて初期費用は抑えられます。コインパーキング経営開始前には、土地のアスファルト舗装と駐車区画線の設置、駐車機器の設置工事が必要です。コインパーキングの設置に必要な機器は、ロック板、精算機、照明、防犯カメラ、駐車場告知看板、空車満車看板、フェンスなどです。

機器の購入をすると、規模感にもよりますが初期費用は200万円~300万円となります。また、初期費用を抑えたい人には、駐車機器のレンタルサービスもあります。

②手軽に開始できる

コインパーキングは、比較的手軽にできるのもポイントです。理由は、日常生活で利用することもあるので身近な存在であることと、運営会社も多くあるので選択しやすいということです。また、コインパーキングの設置工事は1週間~2週間程度となり、比較的短期間で経営開始できるのも魅力です。

③簡単に転用できる

コインパーキングは、建物を設置する必要がなく、簡単に転用できるのも魅力です。つまりコインパーキングを設置し、稼働率が低くなり儲からなくなってきたら、違う土地活用に転用もできます。将来的な選択肢を持ちつつ、コインパーキング経営ができるのです。

④狭い土地・形がいびつな土地でも行える

コインパーキングは、狭い土地・形がいびつな土地でも行うことができます。2~3台程度停められる土地の広さがあれば、経営を開始できるのが魅力です。限られた土地で、最大限のポテンシャルを発揮しやすいのがコインパーキングです。一時利用者が見込めるエリアであれば、高収益が期待できます。

コインパーキング経営の収入事例

ここからは、コインパーキングの経営の収入事例について、都心部、地方部、月極駐車場の事例をもとに解説していきます。

コインパーキング経営の収益源と賃料相場

コインパーキング経営の収益源は、利用者から得る駐車料金です。利用が多ければ収益が増えるのでわかりやすい経営方法です。尚、駐車料金は相場並みに合わせることが必要です。なぜなら利用者は、駐車料金をシビアに見ており、少しでも安い駐車場を求める傾向にあるからです。

では、その賃料の相場になりますが、地域ごとにより当然に異なります。

(表)コインパーキング賃料相場(1時間あたり)

都道府県・地域 賃料相場(1時間あたりの料金)
北海道・札幌 500円
宮城県・仙台 450円
栃木県・宇都宮 500円
新潟県・新潟 350円
埼玉県・さいたま市 300円
東京都・千代田区 900円
神奈川県・横浜 700円
愛知県・名古屋 450円
石川県・金沢 250円
大阪府・大阪 900円
兵庫県・神戸 500円
広島県・広島 500円
福岡県・博多 450円
香川県・高松 350円

全国的な平均相場は300円/時間ですが、東京や大阪などの大都市圏は高額になっているのがわかります。1時間1000円以上の設定は、都心部では珍しくありません。また、地方都市の仙台や広島や札幌などでも、平均で500円となっています。特に、繁華街に近い立地のコインパーキングは、高めに設定されています。

東京や大阪など賃料設定が高い方が儲かりそうですが、当然に競合が多かったり固定資産税などの固定費も高額になります。したがって、立地選定や需要調査などを十分に行わなければ、失敗する確率も高くなるのです。

【都心部】コインパーキング経営の収入事例

では、都心部でコインパーキング経営を始めた場合の収入事例を紹介します。

(例)立地・・東京都内の駐車場、広さ・・200㎡、駐車区画・・10台 
   賃料・・1000円/1時間、稼働率・・50%、管理委託費用・・賃料収入の5% 

賃料収入=1000(円)×10(台)×24(時間)×365(日)×50%=43,800,000円
管理委託費用=43,800,000(万円)×5%=2,190,000円
収入=43,800,000円ー2,190,000=41,610,000円

ここから実際は、固定資産税などの固定費が差し引かれますが、稼働率を50%で見込むと概ね上記の金額が収入として見込めます。

【地方部】コインパーキング経営の収入事例

次に、地方部でコインパーキング経営を始めた場合の収入事例を紹介します。

(例)立地・・栃木県の駐車場、広さ・・200㎡、駐車区画・・10台 
   賃料・・500円/1時間、稼働率・・50%、管理委託費用・・賃料収入の5% 

賃料収入=500(円)×10(台)×24(時間)×365(日)×50%=21,900,000円
管理委託費用=21,900,000(万円)×5%=1,095,000円
収入=21,900,000ー1,095,000=20,805,000円

ここから実際は、固定資産税などの固定費が差し引かれますが、都市部より土地評価が低い為、固定費は安くなります。尚、地方で稼働率50%は少々高めに設定していますが、好立地であれば十分可能性があり、概ね上記の金額が収益としては見込めます。

【比較】月極駐車場経営の収入事例

比較として、月極駐車場の収入事例を紹介します。

(例)立地・・東京都内の駐車場、広さ・・200㎡、駐車区画・・10台 
   賃料・・30,000円/月、稼働率・・80%、管理委託費用・・自己経営のためなしとする

賃料収入=30,000(円)×10(台)×12(か月)×80%=2,880,000円

コインパーキング同様に、賃料収入から固定費を差し引くことになりますが、そもそもの賃料収入がコインパーキングと比べると全然違います。月極駐車場の収入事例と比較すると、コインパーキングが儲かりやすいのがわかります。
 

コインパーキング経営の利回りの確認方法

ここでは、コインパーキング経営で気になる利回りの確認方法について解説します。

表面利回りを調べる

利回りとは、初期費用に対して年間収入の割合を示す数字で、利回りが高いほど初期費用を回収する期間が短くなります。したがって、不動産投資を行う上では一番気にする数字です。利回りは、2種類あり表面利回りと実質利回りがあります。

表面利回りとは、固定費等を年間収入から差し引かずに算出した数字です。例えば、初期投資1000万円で年間100万円の収入があれば、表面利回りは10%になります。コインパーキング経営の利回りは、土地を所有しているか否かで大きく変わってきます。

土地を所有している場合の表面利回り=年間収入÷初期費用×100
土地を所有していない場合の表面利回り=年間収入÷(土地購入価格+初期費用)×100

土地を所有し初期投資300万円で、年間収入が1000万円であれば利回りはとんでもなく高くなります。しかし、土地を所有せず購入した場合、利回りは全く違うものになります。立地にもよりますが、表面利回りで5%~10%程度取れれば、表面利回りとしては御の字でしょう。

実質利回りで詳しく検討する

実質利回りは、年間収入から固定資産税や経営に掛かった、必要経費を差し引いた数字を使用します。実質利回りの方が、手元にいくら残っているかがわかるので、不動産投資の場合は一般的にはこちらで考えます。コインパーキング経営においての実質利回りは、土地購入からの場合、3%~7%程度取れればよい方です。

土地を所有している場合の実質利回り=(年間収入ー必要経費)÷初期投資×100
土地を所有していない場合の実質利回り=(年間収入ー必要経費)÷(初期投資+土地購入費用)×100

コインパーキング経営の初期費用

コインパーキング開設にあたり掛かる初期費用について解説します。初期費用として掛かるものは主に下記になります。
 

項目 金額目安
アスファルト舗装費 5,000円/㎡
区画線引き 6,000円/1台
ロック板設置 100,000円/1台
空車満車看板、駐車場告知看板 100,000円
精算機 500,000円
照明 200,000円
車止め 6,000円/1台

 

例えば、200㎡の土地に10台収容のコインパーキング設置の初期投資費用は、下記になります。

アスファルト舗装費用 5,000円×200=100,000円
区画線引き 6,000円×10=60,000円
ロック板設置 100,000円×10=1,000,000円
車止め 6,000円×10=60,000円

全ての費用を足すと、202万円となります。このほかに防犯カメラの設置費用や、接面道路との段差解消工事、敷地境界へのフェンスの設置等が入ると、概ね250万円~300万円が初期費用となります

コインパーキング経営のランニングコスト

コインパーキング経営のランニングコストで掛かるのは、管理費です。管理費は、管理を委託した運営会社に払う費用です。管理委託することで、定期巡回、清掃、機器メンテナンス、料金回収、トラブル対応を委託することができ、オーナーの負担が軽減されます。尚、管理委託費用の目安は、概ね賃料収入の5%程度が目安になります。

コインパーキング経営の税金

コインパーキング経営で掛かる税金は、下記のとおりです。
 

  • 固定資産税、都市計画税
  • 所得税
  • 住民税

最初に、固定資産税、都市計画税は所有している不動産に年に1回課税される税金です。その算出式は下記になります。
「固定資産税=固定資産税評価額×1.4%」

尚、住宅を解体しコインパーキングに転用した場合、住宅用地の特例がなくなるので固定資産税が約6倍になるので要注意です。次に、所得税と住民税は賃料収入に対して掛かる税金です。これらの税金は不動産所得として毎年確定申告します。

利回りの相場

利回りの相場は、立地により変わってきます。主な地域の表面利回りの相場は下記の通りです。

(表)主な地域の表面利回りの相場

立地 表面利回りの相場
東京都新宿区 5.2%
埼玉県さいたま市 5.3%
千葉県千葉市 12.4%
神奈川県川崎市 7.0%
愛知県名古屋市 15.3%
大阪府大阪市 11.7%

上記表のとおりに、東京都新宿区や埼玉県さいたま市など商業地域でコインパーキングを設置すると、表面利回りは5%程度となります。これは、初期費用で掛かる土地の購入費が高いためです。反対に地方都市の中でも、3大都市圏で最も地価が低い名古屋では、15%程度と利回りは高くなります。

したがって、人口が多い都市圏で駐車場経営をする場合、名古屋は利回りが高いので他の都市に比べて、より儲かりやすいと言えるでしょう。

コインパーキング経営に伴うリスク

駐車場経営にも必ずリスクがあります。そのリスクも理解しつつ事前に対策を講じておくことが、重要になります。ここからは、コインパーキング経営に伴うリスクについて解説していきます。

①立地に関するリスク

コインパーキング経営は、周辺の状況に大きく左右されやすいと言われています。例えば、こんな事例です。
 

  • コインパーキングを設営したときにはなかった競合が、周辺に次々にオープンし稼働率が下がった
  • 近隣にあった行政機関が、他の地域に移転してしまい稼働率が下がった
  • 近くの野球場でプロ野球の試合がある日は、稼働率が高くなる

このような事例があると経営に大きく影響します。周辺に新規オープンが続いた場合は、時間料金や最大料金の値下げで対応するケースもあります。次に、近隣にあった行政機関が移転すると、周辺の利用者自体が減ってしまう可能性があります。稼働率が低いままでは、経営への影響は甚大であるので月極駐車場など、他の活用方法も模索してもよいでしょう。

最後に、野球の試合などがある日に稼働率が上がる場合は、特定日のみ利用料金を値上げするなどし、より多く収益を上げる方法もあります。このように、コインパーキングは周辺の状況に柔軟に対応しなければなりません。

②事故や盗難のリスク

コインパーキング内では、車同士の接触事故や車上荒らしなどが起きるリスクがあります。このようなトラブルに迅速に対応できるように、防犯カメラでの監視と録画、また即警備会社や警察が対応できるように、運営会社に管理委託をしておきます。

一般的に接触事故の場合、当事者同士の話し合いになりますが、事故やトラブルの内容によっては駐車場オーナーの不備を理由に、責任を問われるケースもあります。事前に事故が起きにくいような駐車場のレイアウト作りや、夜間照明の強化などの対策をしておきましょう。

③賃料未払い・不正駐車のリスク

コインパーキングは無人経営のため、利用者の中には、賃料の未払いなど不正駐車のリスクもあります。防犯カメラもありますが、不正駐車の車両は一度逃げられてしまうと、捕まるケースはなかなかありません。このような場合、当然に賃料収入はなくなりますし、ロック板を乗り越えて壊されてしまえば修理代も負担せざる得ません。

したがって、日常的に掛かる固定費以外に余計な出費が掛かる可能性もあるので、事前に修理費用を備えておく必要があります。

④競合参入のリスク

先述の通りに、コインパーキングは比較的参入がしやすい業態であるので、競合参入リスクがあります。市街地で古い建物が壊されて、コインパーキングになるケースはよくあります。

全てを予見することは難しいのですが、コインパーキング開設前には周辺のコインパーキングの数や稼働率、またコインパーキングになりそうな更地があるかなど、調査しておきましょう。

⑤災害のリスク

コインパーキングは、青空駐車場のケースが多いので大雨や地震などによる、災害に遭うリスクは当然にあります。コインパーキングは、敷地内に機器が多いので災害により機器が損傷する可能性は十分に考えられます。このような災害に備えて、保険などに加入しておきましょう。

儲かるコインパーキング経営を目指すコツ

コインパーキング経営するなら誰でも儲けたいと思うでしょう。コインパーキングにも儲かるコツが幾つかあるのです。ここでは、儲かるコインパーキング経営を目指すコツを紹介していきます。

①立地条件の相性を徹底的に調べる

コインパーキング経営は、先述の通りに立地周辺の状況に大きく左右されます。したがって、立地条件の相性を徹底的に調べることが大事です。まず、一時利用者が大きく見込める店舗、行政機関、病院などの施設、イベント会場などがあるかです。次に、周辺の既存コインパーキングの状況です。そもそもコインパーキングが供給過剰のエリアではないか、稼働率はどのように推移しているか、です。

最後に、車の交通量が多く見込める道路であるかです。交通量がある道路に面していれば、コインパーキングが認知されやすく利用者が見込めます。反対に、幹線道路に面していなければ、コインパーキングにアクセスしやすい立地であるか、自身で検証するのもよいでしょう。

つまり、上記のような調査を行うことで潜在的な駐車需要があるかを確認します。例えば、近隣に商店街があり駐車場を持たない店舗が多ければ、提携駐車場として稼働率が上がることが想定されます。また、周辺のコインパーキングの稼働率が高ければ、更なる駐車需要が見込めることになります。

②競合の動向をこまめに窺う

コインパーキング経営開始前に、周辺の競合調査を行うは当然なのですが、開設後も競合の動向をこまめに調査することも必要です。理由は、コインパーキングの利用者にとって駐車料金は、そのコインパーキングで停めようとするきっかけで一番強い要素だからです。

したがって、コインパーキングの利用料金は、周辺相場に合わせるのがセオリーになるのですが、稀に競合が利用料金を値下げするケースもあるのです。同じような立地で利用料金が安いコインパーキングであれば、安いところを利用する人は多くなるでしょう。

このように、周辺が値下げしたという情報を知らずに経営を続けていると、いつのまにか稼働率が下がり経営状況が悪化してしまいます。したがって、周辺の状況変化は常に掴んでいられるように、周辺の競合調査はマメに行うことが重要です。

また、このような競合が値下げしてきた場合に、単純に値下げで追随すると、自身のコインパーキングの経営に大きな影響が出てしまいます。収益を下げずに利用者を掴む方法としては、利用料金の見せ方を工夫する方法もあります。

例えば、これまで1時間600円の利用料金であったのを、15分150円、若しくは30分300円に設定します。周辺に銀行やスーパーなど長時間駐車することがないような店舗が多い場合は、このような料金設定の方が利用者にとってお得感を感じやすいのです。

また、周辺に病院や診療所など長時間駐車が想定される施設が多い場合は、最大料金を設定しお得感を演出します。「1時間500円、一日最大料金1500円」であれば3時間以上停める場合にはお得になります。

このように、周辺の店舗や施設の状況に合わせて料金設定を柔軟に変えることも、コインパーキング経営には必要です。市街地で店舗は比較的、開店閉店が多いので街の状況は常に変わります。コインパーキング経営で周辺調査は大変重要なことなので、時間を割いてオーナー自ら街を調査してもよいでしょう。

③周辺エリアの相場に合わせて料金設定を行う

先述の通りに、コインパーキングでの料金設定は重要な要素になります。したがって、周辺エリアの相場に合わせて料金設定を行うことが重要になります。料金の設定方法ですが、相場並みに合わせることがセオリーです。しかし、周辺のコインパーキングに比べて立地や駐車場へのアクセスや、駐車区画への停めやすさなどに優れていれば、周辺相場より高くすることも経営戦略上はありです。

反対に、周辺コインパーキングより立地が劣っているケースでは、料金を相場より安くするなどし、利用者を確保する方法があります。例えば、立地が住宅街で幹線道路からアクセスしにくい、道路沿いではあるが歩道を跨いでバックでしか入れず駐車しにくい、敷地が狭く停めにくいなどの要素があった場合です。

利用にとって駐車料金の安さは最大の魅力であるので、幹線道路からの認知性が高まれば上記のような立地でも十分勝機はあります。

④精算機の駐車履歴データを利用する

コインパーキング経営は、利用者の実態に合わせて料金設定を行い、稼働率を上げることが重要になります。正直、周辺の利用実態はコインパーキング開設してみないと、わからない部分も多いのです。このような利用実態を掴めるデータが、精算機に記録されいる駐車履歴です。

この駐車履歴データを活用することで、利用者の実態を掴むことができ、利用者の実態に合わせて料金設定ができます。駐車履歴には、駐車料金、利用時間帯、利用した曜日などさまざまなデータを確認できます。

このデータを分析することで、コインパーキング利用者の特徴や傾向を掴むことができ、その利用者が一番お得で利用しやすい、駐車料金を設定することができます。




 

⑤複数社を吟味して依頼する運営会社を選ぶ

最後に、コインパーキング経営を成功させるコツは、複数社を吟味して依頼する運営会社を選ぶことです。コインパーキングの運営会社は、日本全国に多く存在します。まずは、インターネット等で情報収集し、自身の経営方針に近い運営会社があったら積極的にコンタクトを取りましょう。

コンタクト取りやすい方法としては、コインパーキング開設のための見積もりを取ることです。見積もりを複数社に出してもらうことで、見積もり金額の善し悪しや、管理・運営方法の善し悪しがわかります。見積もり金額に関しては安い方が魅力的ではあるのですが、先々の長期的な経営を考慮するとそこだけで決めるのは危険です。

なぜなら、コインパーキング経営の成功は、運営会社の管理能力や経営サポート能力に左右されるからです。仮に、見積もりが一番安い運営会社にしたら、管理が悪くトラブル時も対処できなかった、などの事例もあります。

したがって、見積もり金額以外でも管理の方針、運営の考え方、サポートする範囲、トラブル時の対応方法など細かく担当者に確認します。さまざま担当者からの話を聞いた結果、総合的に運営を任せられる会社を選ぶようにしましょう。

まとめ

ここまで、コインパーキング経営は本当に儲かるのか?をテーマに、収入事例や利回りについて解説してきました。更に、コインパーキングが儲かる理由や、儲けを出すコツなども紹介しました。コインパーキング経営成功への根幹は、立地と需要があるかです。

どんなに綺麗で停めやすいコインパーキングを開設したとしても、利用者がいなければ経営は成功しません。立地がよさそうに見えても、周辺に競合が多かったり駐車需要が少なければ、成功しません。したがって、コインパーキングは参入がしやすい業態ではあるのですが、成功を収めるにはさまざまハードルがあるということです。

世間的に駐車場経営は、「楽そう、簡単にできそう」というイメージを持たれがちですが、いざ始めてみると、とても難しいものなんだと感じるオーナーも多いようです。どんな分野でも同じですが、経営が成功すれば儲かりますし、失敗すれば負債だけが残ります。

コインパーキング経営は、他の土地活用に比べて初期費用が安くリスクは低いのですが、数百万と多額の資金が必要になるのは事実です。また、経営を開始すれば駐車場内の事故やトラブルが起きる可能性があります。これらの対応は管理会社に委託できるとは言え、最後に責任を取らされるのは土地オーナーです。

したがって、気軽に参入しやすいコインパーキング経営ですが、経営を開始するからにはそれなりの心構えと、どんなことが起きても動じない覚悟も必要なのです。コインパーキング経営に成功すれば、間違いなく儲かりますが、儲かることを考えつつも、さまざまなリスクをあるということも理解して始めなけらばなりません。

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