駐車場経営の確定申告を徹底解説!経費の考え方、税金面のメリットやデメリットも紹介

駐車場経営を始めて利益が出れば嬉しい反面、確定申告をしなければなりません。この記事では、駐車場経営における確定申告を徹底解説しています。固定資産税は経費計上できるのか、税金面のメリット・デメリットはあるのかなど、税金面の経費計上もご紹介していきます。

駐車場経営の確定申告を徹底解説!経費の考え方、税金面のメリットやデメリットも紹介のイメージ

目次

  1. 1駐車場経営と確定申告
  2. 2駐車場経営の確定申告と経費
  3. 3駐車場経営の確定申告の方法
  4. 4まとめ

駐車場経営と確定申告

駐車場経営と確定申告

駐車場経営を始めるにあたり、確定申告はしっかり把握しておきたい要素の1つです。サラリーマンなら会社で年末調整をしてくれるので、自分で確定申告をする必要はありませんが、経営者になると自分でしなければなりません。まずは、駐車場経営で確定申告をしなければならないケースから、税制面のメリット・デメリットまでをお伝えしていきます。

確定申告とは

確定申告とは、1年間の総所得にかかる税金を算出し、国に税金額を報告する手続きのことです。慣れないと難しく感じてしまいますが、理解してしまえばそれほど難しくありません。知っていると節税対策になる内容もあるので、しっかり把握することが駐車場経営成功のコツにもなります。

所得の計算方法

確定申告をするには、まずは所得を算出しなくてはなりません。ここで気をつけたいのは「所得=駐車場収入ではない」ということです。所得とは、収入から必要経費を差し引いた、いわば儲けのようなことです。確定申告上では控除額も差し引いて計算します。つまり「所得額=収入−必要経費−控除額」という計算式になります。

確定申告の控除とは

確定申告上の控除額は、申告方法によって変わってきます。申告方法には「青色申告」と「白色申告」の2種類があり、青色申告をするには、青色申告承認申請書を提出しなければなりません。青色申告は最大で65万円を収入から控除することができます。ただし、申告の際には複式簿記による帳簿の記載などの条件を満たさないといけません。その他に、簡易簿記による帳簿での申告も可能ですが、その場合は控除額が10万円になります。

一方、白色申告は青色申告よりも簡易的な帳簿のため、控除額はありません。

駐車場経営の所得区分と事業規模

所得には10種類の区分があり、駐車場経営の場合は次の3つのどれかに該当します。

  1. 「事業所得」→駐車場管理に責任を持っている場合
  2. 「不動産所得」→土地を駐車場として貸しているだけの場合
  3. 「雑所得」→事業としてみなされない小規模の場合

雑所得は「自宅の庭先をたまに駐車場として貸している」といったような事業としてみなされない規模の場合が該当します。判断が難しいのは事業所得です。いちばんのポイントは、駐車場管理に責任を持っているかどうかです。判断基準は、防犯対策のためにカメラや人を設置しているかや、盗難や損傷があった場合に対応できるか、などになります。

このような対応を自分でしている場合は、事業所得とみなされますが、管理業務を業者に任せている場合は、不動産所得と判断されがちです。区分の判断が難しい場合は、税理士に相談することをおすすめします。

ここで、申告方法と所得区分の関係を見てみましょう。
 
  事業所得 不動産所得 雑所得
青色申告(65万円控除) 駐車台数50以上
もしくは
立体駐車場などの建築物
×
青色申告(10万円控除) ×
白色申告

このように、所得区分により可能な申告方法がわかれ、それにより控除額も変わってくるのです。

駐車場経営で確定申告が必要なケース

駐車場経営で確定申告が必要なケースはこちらです。

「副業の場合」

  • サラリーマンで会社が年末調整をしてくれ、給与以外の所得が年間で20万円以上の場合
もし副業で駐車場経営以外にも所得がある場合は、それらの所得の合計が20万円以上なら、確定申告をしなければなりません。

「専業(個人事業主)の場合」
  • 年間所得が38万円以上の場合
  • 公的年金の受給者で受取額が年間400万円以上の方、または、年金受取額が400万円以下でも、その他の所得が20万円以上ある場合

この2点に当てはまらない場合は確定申告の義務はありませんが、専業で駐車場経営をしている場合はできるだけ確定申告はした方がよいでしょう。なぜなら、確定申告をしないと、社会的に不便な点が発生してしまうからです。確定申告をしないと、所得証明書が発行できません。国からすると、1年間何をしていたのかわからない、という状態なのです。

たとえ、課税所得がゼロだったとしても、証明書があれば、医療費控除や事業資金の借り入れなどが受けられます。公的に認められないと、いざというときに困ることが起きる可能性が高いので、専業で駐車場経営をしている方は、確定申告をすることをおすすめします。

サラリーマン・公務員の駐車場経営は確定申告不要?

サラリーマンが副業で駐車場経営をする際、会社で年末調整をしていても、給与以外の所得が20万円以上ある場合は確定申告をしなくてはなりません。では、公務員の場合はどうでしょう。そもそも副業は可能なのかでしょうか。

公務員が駐車場経営をする場合、一定基準以内なら許可を得なくても経営可能です。一定基準とは以下の通りです。

  • 駐車場台数が9台以下の機械設備のない駐車場
  • 年間収入が500万円未満

コインパーキングは機械設備があるケースがほとんどなので、月極駐車場なら問題ありません。この基準を超える場合は、自営兼業承認申請書を提出して、許可を得ないといけません。そして、公務員が副業で駐車場経営をする際も、副業の所得が20万円以上ある場合は確定申告をする必要があります。

確定申告と税金面のメリット・デメリット

駐車場経営における税金面でのメリット・デメリットはこちらです。

■メリット

  • 固定資産税を経費計上できるため、所得税が軽減される場合もある
  • 益税が利益になる
所得税は、総所得額に税率が乗じられて算出されます。固定資産税の金額は比較的高額になりがちですが、この金額を経費計上できるため、所得額を少なくすることができるケースもあります。

また、消費税は開業して2年間、または、年間収入が1,000万円未満の場合は課税されません。よって、駐車場経営をしている大多数の方は消費税はかからないと言えるでしょう。ただし、駐車場料金や、管理会社からの土地の賃貸料には消費税を含んだ金額をもらうことになります。この消費税分を「益税」といい、そのまま利益になるのです。

■デメリット
  • 固定資産税や都市計画税の軽減措置がないため、税金が高い
  • 不動産所得に該当する人が大多数のため、経費計上できる項目が少なく、節税しにくい
駐車場経営は、税金面ではあまり優遇はありませんが、メリットも存在することを頭の片隅に置いてください。

駐車場経営の確定申告と経費

駐車場経営の確定申告と経費

確定申告上の経費とは、駐車場経営にかかった費用全てではなく、経費計上できる項目のことを意味します。ここでは、経費計上できる項目や税金、所得区分や申告方法による違いなどをお伝えしていきます。

駐車場経営の経費の考え方

駐車場経営の経費の考え方として大事なのは、事業規模(所得区分)と申告方法です。事業規模は自分で選ぶことができないので経営内容によって決まりますが、申告方法はできるだけ青色申告をおすすめします。青色申告で10万円控除しかできなくても、駐車場経営において優遇されるポイントがあるからです。このようなことを踏まえて、経費計上できる項目や税金を確認していきましょう。

駐車場経営の確定申告で計上できる経費

駐車場経営の確定申告で経費計上できるのは、主に次の項目です。

  • 初期費用
  • 税金(固定資産税や都市計画税など)
  • 光熱費
  • 宣伝費
  • 管理費
  • 減価償却費
  • 損害保険費
  • 通信費
  • 消耗品や事務用品費
この他にも、駐車場経営に関わる出費は計上できます。

減価償却費を経費計上できるケース

減価償却費とは、高額な設備などの代金を購入した年に一度に経費計上するのではなく、何年かに分割して計上することです。

使用期間が長期に渡るので、最初の年に一度に計上してしまうと、正しい所得が算出できないため、このような措置があるのです。減価償却費を計上するためには、まず対象物の「耐用年数」を調べる必要があります。耐用年数とは、対象物が何年利用できるかの目安になる期間のことで、国が年数を定めています。

対象物の価格と耐用年数によって、減価償却費がわかり、必要経費として計上できるのです。減価償却費として計上できるものは主にこちらです。

  • 塗装費
  • 看板費
  • 精算機
  • ロック板費
  • ゲート費
  • 照明費
具体的には10万円以上のものは、減価償却費として計上できます。

駐車場経営の確定申告と固定資産税

土地に対して課税されるのが固定資産税ですが、駐車場経営では軽減措置がないので、土地の面積によっては高額になるケースが多いです。しかし、固定資産税は経費計上できるので、所得額を少なくすることが可能です。固定資産税以外に経費計上できるのは、「設備に対する固定資産税(償却資産税」)「都市計画税」「消費税」「個人事業税」があります。

また、土地を購入した場合は「登録免許税」「不動産取得税」も計上可能です。

経費計上できない税金

駐車場経営ではさまざまな税金が発生しますが、全てが経費計上できる訳ではありません。下記の税金は計上できないので、注意が必要です。

  • 所得税
  • 住民税
  • 相続税
  • 贈与税
駐車場経営に関係なく個人に関わる税金と判断されるため、経費計上できないようになっています。

駐車場経営の確定申告で計上できない経費

経費計上を多くすればその分所得が少なくなるので、多くの項目を経費計上したいところですが、必要経費として認められない項目もあります。主な項目はこちらです。

  • 接待費
  • 車両費
  • 土地を借りている場合の賃貸料
  • 土地を購入した際の仲介手数料や固定資産税の精算額
細かくあげるとキリがないのですが、基本的に駐車場経営に関係なく、個人に関わる項目は計上できないと考えてください。

駐車場経営の事業規模で確定申告の計上が異なる経費

確定申告で経費計上できる項目には、駐車場経営の事業規模によって変わってくる項目もあります。ここで言う事業規模とは以下です。

  1. 所得区分が事業所得であること
  2. 不動産所得で駐車台数が50台以上あること
  3. 不動産所得で立体駐車場などの建築物があること

言い換えると65万円控除の青色申告が可能な人が経営している規模ということです。事業規模と事業規模以外の比較はこちらです。
 
  事業規模 事業規模以外
専従者給与 経費計上できる
(白色申告の場合は控除がある)
経費計上できない(控除もない)
資産損失 全額を経費計上できる 所得額内まで計上できる
貸倒損失 全額を経費計上できる 所得額内まで計上できる

専従者給与とは、家族への給与のことです。生計を共にすることや、その年の12月31日で15歳以上であることなど、一定の基準を満たせば、専従者給与として認められます。事業規模で白色申告の場合は経費計上はできませんが、配偶者は86万円、それ以外の親族は50万円まで控除が可能です。

このように事業規模と認められるか認められないかによって、経費計上できる項目や金額は変わってくるのです。事業規模と認められるかわからない場合は、税理士に相談することをおすすめします。

赤字のときの損益通算の可否

駐車場経営を始めたばかりの頃は、赤字、つまり収入よりも経費が多くかかってしまうケースもあり得ます。そのようなときに、青色申告なら損益通算ができます。損益通算とは、他の総合課税の所得と通算できることを意味します。つまり、黒字の所得がある場合は、その所得額を減らすことができるのです。これにより所得税が少なくなるので、節税対策になります。

それに対し、白色申告の場合や所得区分が雑所得の場合は、駐車場経営の所得はゼロということになり、損益通算はできません。
 

駐車場経営の確定申告の方法

駐車場経営の確定申告の方法

ここでは、初めて確定申告をする方でも迷わないように、確定申告に必要な書類の説明から作成の流れまで、わかりやすく説明していきます。

駐車場経営の確定申告の必要書類

確定申告をする際には、さまざまな書類の提出が必要になります。申告書などの記入する書類は次の章で説明するので、まずは、主な添付書類をご案内します。

  • 通帳
  • 経費計上した項目の領収書
  • 請求書
  • 銀行振り込み控え
  • 固定資産税領収書
  • 保険料領収書・証券
  • 管理費の領収書
  • 月極の場合、借りている人の氏名や駐車場月額、期間がわかるもの
  • 土地を賃貸で借りている場合の関連書類一式
  • 土地を購入した場合の関連書類一式
  • その他、必要経費のわかるもの

また、青色申告(65万円控除)では、複式簿記による帳簿と貸借対照表と損益計算書が必要です。白色申告では、単式簿記による帳簿が必要になります。確定申告の際に急に用意するのは大変なので、帳簿や領収書などは、普段からまとめておくことをおすすめします。

駐車場経営の確定申告書の選び方

書類が用意できたら、確定申告書を入手します。駐車場経営の確定申告には「確定申告書B」を使用します。この他に必要な書類はこちらです。
 

  青色申告 白色申告
事業所得 一般用の青色申告決算書 一般用の収支内訳書
不動産所得 不動産用の青色申告決算書 不動産用の収支内訳書
雑所得 - 一般用の収支内訳書

申告方法と所得区分により、必要な書類が変わってくるので、間違えないように注意が必要です。

駐車場経営の確定申告書作成の流れ

書類が整ったら確定申告書を作成します。青色申告の場合、まずは「青色申告決算書」を記入します。

  1. 1ページ目に、収入・経費・控除前の所得額・控除額・駐車場経営の所得額などを記入します
  2. 2ページ目に、主に月ごとの内訳を記入します
  3. 3ページ目に、減価償却に関して記入します
  4. 4ページ目に、賃借対照表を記入します

白色申告の場合、まずは「収支内訳書」を記入します。
  1. 第一表の表面に、収入の内訳・合計額・経費・「収入−経費」の金額を記入します
  2. 裏面に、減価償却費を記入します
  3. 第二表の表面に、所得の内訳・控除額を記入します

最後に「確定申告書B」を記入します。
  1. 青色申告決算書もしくは収支内訳書を元に、確定申告書Bに必要項目を転記する
  2. 他の所得があれば、合算する
  3. 控除額を差し引き、最終的な所得額を算出する
  4. 所得税を算出する

以上が、確定申告書作成の流れになります。

駐車場経営の確定申告を青色申告で行う方法

駐車場経営で確定申告をするには、いろいろと優遇がある青色申告がおすすめです。ただし、青色申告をするには、申告をする年の3月15日までに青色申告承認申請書を提出する必要があります。年度の途中から駐車場経営を始めた場合は、開業してから2ヶ月以内に提出しなくてはなりません。期限を過ぎた場合は、その年は白色申告しかできず、翌年まで待たなければならないので、早目に提出することをおすすめします。

 

まとめ

まとめ

本記事では駐車場経営の確定申告や、経費の考え方について解説しました。以下本記事で触れた内容をまとめましたので駐車場経営に興味があり、税金や経費、確定申告について知りたい方は参考にしてください。
 

  • 確定申告上の所得とは「収入−経費−控除額」
  • 青色申告は65万円もしくは10万円まで収入から控除できる
  • 駐車場経営の所得区分は「事業所得」「不動産所得」「雑所得」にどれかに該当する
  • 固定資産税は経費計上可能
  • 事業規模によって、経費計上できる項目が変わる
  • 駐車場経営の確定申告には「確定申告書B」を使う

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