2020年10月07日公開
2020年10月07日更新
駐車場経営のための土地探しのポイントは?儲かる物件の選び方、注意点を紹介
駐車場経営に興味はあるけれど土地を持っていないから無理、と諦めていませんか?実は土地探しのポイントさえ間違えなければ、土地なしからでも成功する可能性が高いのです。この記事では、土地探しのポイントから儲かる駐車場経営の方法まで、わかりやすくご紹介していきます。
目次
駐車場経営のための土地探しの基礎知識
まずは、駐車場経営のための土地探しの基礎知識からお伝えしていきます。基礎知識を持っていると土地探しがスムーズに進むので、しっかり把握する必要があります。
①土地なしでも儲かるが工夫は必要
土地なしからの駐車場経営でも、儲けることは可能です。なぜなら、駐車場経営は他の土地活用に比べて安定性が高いためです。例えば、アパート・マンション経営などは、初期費用に多額のお金が必要になります。その後も修繕費や広告費など、経費が多くかかってきます。全室埋まれば収益は高いですが、空き部屋が多いとランニングコストが多くかかるため、収益は少なくなってしまいます。
また、賃貸物件はより新築に近い物件が好まれるため、時間の経過と共に内装をリフォームしたり、集客アップのための大がかりな費用も何年かごとにかかってきます。
一方、駐車場経営は、他の土地活用に比べ初期費用が少なく済みます。優遇がないため高くなりがちな固定資産税も年数の経過と共に低くなるため、それだけ収益も上がります。さらに、駐車場は時代による需要の変化が少ないため、長い期間、安定して利用客が見込めるという利点もあるのです。そのため、選ぶ土地次第では、土地なしからの駐車場でも設かる可能性は大いにあります。
ただし儲けるためには、工夫は必要です。どうやったら収益をあげられるか、どういった場所が駐車場として需要があるのか、しっかりリサーチされた現実的な運営計画が必要になります。
駐車場経営の表面利回りの計算シミュレーション
利回りとは、投資した金額に対して収益がどれぐらいあるかの割合を示した数値のことです。表面利回りは、収益がどれぐらいあるかを大まかに判断する上で参考になる数値で「満車時の年間駐車場収入÷土地価格×100」で計算します。それでは、例えで埼玉県の中規模の都市での表面利回りを見てみましょう。
「敷地面積50㎡・土地価格60,000円/1㎡・駐車台数3台・月極駐車料金10,000円の場合」
- 満車時の年間駐車場収入→360,000円(10,000円×3台×12カ月)
- 土地価格→3,000,000円(60,000×50㎡)
- 表面利回り→12%(360,000÷3,000,000×100)
②暫定的な土地活用と考えておく
駐車場経営を、暫定的な土地活用方法と考えている方は多いです。なぜなら、土地活用として収益が高いのはアパート・マンション経営だからです。収益は低めでも安定性のある駐車場経営から始めて、ゆくゆくはアパート・マンション経営に移行する方や、将来自分が住むために土地を買ったけれど、今すぐ住む訳ではないため駐車場経営をしている方など、駐車場経営を暫定的にとらえている方は多くいます。
③コインパーキング経営を選ぶ
駐車場経営には主に2つのタイプがあります。1つ目はコインパーキング、2つ目は月極駐車場です。土地をすでに持っている方は、立地に合わせたタイプを選ぶとよいのですが、土地なしからの駐車場経営には、コインパーキング経営をおすすめします。
理由は、月極駐車場より儲かりやすいためです。土地なしからの駐車場経営では、経費として土地費用が大きくかかっているため、より収益が大切になってきます。コインパーキングなら狭い土地でも経営が可能ですし、管理会社と一括借上げ契約を結べば、駐車場管理の手間は一切なく、毎月決まった賃料をもらうことが可能です。
このことからも、初心者の駐車場経営にはコインパーキングが適していると言えます。
④駐車場経営できる土地を把握しておく
駐車場経営で大事な要素の1つに、立地があります。立地により駐車場経営が成功するかどうかは、大きく変わってきます。そのため、駐車場経営が成功しそうな土地を把握しておく必要があります。東京都心部は駐車場の需要はありますが、土地代金がかなり高く、また、固定資産税も高い傾向があります。そのため、稼働率が100%近くになっても経費が高すぎるため、収益が上がらないケースがあるのです。
しかし、都心部から多少離れた近県などは、土地代金も固定資産税も東京都心部ほど高くなく、駐車場の需要も多いため、収益が上がりやすい傾向があります。また、郊外になればなるほど、車を持つ人の割合も高くなるので、需要もあるのです。
このように、普段から駐車場経営に適している土地にアンテナを向けておくことが大事になってきます。
⑤状況に応じて土地の購入・借地を決める
駐車場経営を始めるにあたり、まずは土地を準備しなければなりません。準備する方法は「購入」と「借地」の2種類です。どういう目的で駐車場経営をしたいかにより、どちらが適しているか決まってきます。
資産形成を検討しているなら購入を選ぶ
今後のために資産を形成したいと思っている方や、ある程度資金に余裕のある方は、購入をおすすめします。なぜなら、今後駐車場経営をやめた場合でも、土地は更地に近い状態なので、他の土地活用にも転用しやすいためです。また、設備も大がかりなものが少ないため、土地を売る際の経費も少なく済みます。
今だけでなく、ずっと先のことも考えているのならば、土地購入をおすすめします。自分の土地であれば、ゆくゆくは子供や孫に相続することも可能です。
リスクを抑えて副収入を得たいなら借地を選ぶ
リスクを最小限にして副収入を得たい、とお考えの方は借地をおすすめします。借地のメリットは、契約が簡単に済むということ、赤字が続いた際に撤退しやすいこと、などがあげられます。反対にデメリットは、長期間経営していると借地で支払った合計金額が土地代金を超えてしまうことです。土地代金以上を支払っても、あくまでも借地なので資産形成にはなりません。
ただし、駐車場経営がうまくいかなかった場合には、借地の契約を終了すればいいので、リスクは最小限に抑えられます。まずは借地から始めて、収益があがった段階で購入するという流れを選ぶ方もいます。
駐車場経営のための土地探しのポイント
駐車場経営が成功するための土地はどんな条件が必要なのでしょうか。ここでは、土地探しのポイントを詳しくご紹介していきます。これから土地を探す方は、ご紹介するポイントに当てはまる土地を探してみてください。
①周辺に集客施設が存在すること
自分が駐車場を利用するシチュエーションを想像するとわかりやすいのですが、周辺に人が集まる施設がある場所は駐車場の需要が高いです。具体的には、駅や病院、飲食店が集まる地域や会社が多い地域などです。
こういった地域は1年を通して利用客が見込めるため、稼働率が高くなる可能性が高いです。ただし、人気の土地のため空き地がないケースが多いです。
②前面道路の交通量が多いこと
駐車場がある土地の前の道路にも注目してください。前面道路が交通量の多い道だと、車を運転している方の視界に入り、駐車場の存在を覚えてもらいやすくなります。料金がわかりやすい看板をつけると、より効果的です。
③周辺に競合の駐車場が乱立していないこと
駅の近くなど需要のある場所はコインパーキングに向いていますが、周辺に駐車場が乱立していると、競争が激しくなり、稼働率が下がる場合も考えられます。また、価格競争が起こるため、予定よりも低い料金設定をせざるを得ない場合もでてきてしまいます。ライバルが多少の数なら、相乗効果でいい結果もでるのですが、あまりにも駐車場が多く、飽和状態になっている地域は避けた方が無難です。
駐車場経営の土地探しで儲かる物件を選ぶ方法
土地なしからの駐車場経営で最も重要な、土地探し。ここでは、駐車場経営ならではの目線で土地を選ぶ方法をご紹介します。
①安く購入できる土地を選ぶ
土地なしからの駐車場経営では、なによりも安く購入できる土地を選ぶことが重要です。初期費用が安くなれば、それだけ収益も上がるためです。実は、駐車場経営ならではの安く購入できる土地にはポイントがあります。それぞれ、詳しく見ていきましょう。
市街化調整区域にある土地
いちばんの狙い目は「市街化調整区域」の土地です。市街化調整区域とは、都市計画法で定められた区域で、特別な許可を得られないと建物を建てられない土地のことです。土地活用で人気のアパート・マンション経営はできない土地の上、価格も比較的安いため、駐車場経営には向いている土地なのです。
都市計画法での土地の区分には、他に「市街化区域」があります。市街化調整区域が市街化を抑制する区域なのに対し、市街化区域は市街化を優先的に図るべき区域です。市街化を図る地域には、人が多く集まります。そして、両者は隣り合っているケースが多いです。その結果、人が多く集まる市街化区域の近くには市街化調整区域があるので、市街化調整区域には駐車場の需要もあるのです。
面積が狭い土地
人が集まる市街化区域は、土地の価格も高めなのですが、例外も存在します。それが、面積が狭い土地です。駐車場にした場合の目安は、台数が1~2台分の敷地面積の土地です。このような狭い土地は住宅を建てることもできない上に、他の用途にも使用しづらいため、非常に安く買うことができるのです。
人が集まる地域なら、駐車台数が1台しかなくても収益があげられます。同様に変わった形の土地も狙い目です。
②駐車場経営に適した土地を選ぶ
安いだけでなく、駐車場経営に適した土地を選ぶことも重要です。では、駐車場経営に適している土地とはどんな土地なのでしょうか。
郊外の土地
土地価格や固定資産税、都市計画税のことを考慮すると、都心部より郊外の土地を選ぶことをおすすめします。土地なしからの駐車場経営は、土地ありの方に比べ初期費用が大きいです。そのため、収益をあげなければ赤字になってしまいます。都心部は土地価格はもちろん、ランニングコストである税金が多くかかってきます。税金に負けない収益をあげるためには、土地価格、税金、共に都心部より安い、郊外の土地が適しています。
郊外と言っても人が少ない地域だと、そもそもの駐車場収入が少なくなってしまうため、中規模の地方都市がおすすめです。中規模の地方都市は駅前は充実していますが、駅から離れるとそこまで施設が充実していない地域が多いため、車で駅前まで行く方も多く存在するのです。
駅近辺の土地
当然ですが、駅近の土地は駐車場経営に適しています。しかし、価格や空きスペースのことを考えて、駅近の土地を諦めている方も多いのではないでしょうか。そこでおすすめしたいのが、駅のメインではない方の出口付近の土地です。同様に、駅からは近いけれど、1本細い通りに入った土地など、地元の人なら知っているような土地が狙い目です。
なぜなら、駅のメイン出口に比べると、土地価格が大きく下がるためです。実際に足を運んでみると現状がよく把握できるので、リサーチしてみることをおすすめします。
細い道に面した土地
実は、裏通りのような細い道に面した土地も駐車場経営には適しています。なぜなら、表通りに比べ、裏通りは固定資産税が安くなるためです。利用客にしたら、表通りでも裏通りでもそんなに大差はないため、裏通りのような細い道の方が収益はあがるのです。人が集まる施設の近くで、裏通りにある土地が狙い目です。
間口が広い土地
間口とは、土地の正面の幅のことです。間口が広い土地は狭い土地に比べ、駐車台数が多くとれます。同じ敷地面積の場合、駐車台数が多い方が収益も多くなるので、間口が広い土地はおすすめです。また、間口が広い方が駐車台数を横並びに設定できるので、利用者も駐車しやすくなります。そのため、集客アップにもつながるのです。
③希望の土地が見つかったら査定サイトで相場を見る
希望の土地が見つかったらすぐにでも購入をしたいところですが、土地の相場を知るために査定サイトで調べることが必要です。土地の相場を知っていれば、暫定の土地費用も把握できる上、管理している不動産会社と金額交渉もできます。土地の相場を知らないで、言われたままの金額を信じてしまうと、損をしてしまう可能性もあるので、まずは自分で相場を調べましょう。
査定サイトは複数あり、どこも無料で対応してくれます。
駐車場経営の土地探しをするときの注意点
土地を購入する際には、2つの注意点があります。土地を購入した後に後悔しないよう、土地探しに関わる注意点をお伝えしていきます。
①初期費用は全額自己資金で支払う
駐車場経営は土地活用の中では「ローリスク、ローリターン」と言われており、リスクは低いけれど、収益も他の土地活用に比べたら低いです。元々、土地を持っている方はそれでも問題ないかもしれませんが、土地を借入金で用意した方は、毎月返済をしていくため、さらに収益は低くなります。さらに毎年かかる固定資産税で、多額の税金を支払わなければなりません。
こういった状況は収益より経費が高くなってしまう状況を作りやすく、赤字経営になる可能性が高いのです。そのため、土地費用を含む初期費用は、全額自己資金で支払うのが理想的です。全額が厳しい場合でもできるだけ借入金の割合を少なくし、短期間で返済できるように計画をたてることをおすすめします。
全額自己資金で支払うメリットは他にもあり、その1つが節税対策になる、ということです。子供などへの相続をする場合に現金だと金額そのものが相続評価額になります。しかし、土地であれば相続税路線価が相続評価額になり、時価の80%相当が目安になります。
つまり、500万円の土地の場合、現金だとそのまま500万円が相続評価額ですが、土地の場合は400万円が相続評価額になるので、相続税の節税にもなるのです。
②売却時に買い手が見つかりにくい
購入する土地によっては、売却時に買い手が見つからないリスクも理解しておかなければなりません。もちろん、ある程度の広さがあり人が集まるような地域なら、売却しても買い手は見つかるでしょう。しかし、購入した土地が極端に狭い土地や変形地などの駐車場経営にしか向かないような土地の場合は、売却したいと思ってもすぐに買い手が見つからない可能性もあるのです。
特に、長期間駐車場経営をするつもりではない方は、売却時のことも考慮して、土地選びをする必要もでてきます。
駐車場経営を土地探しから始めて儲けるためのコツ
駐車場経営をするからには、たくさん儲けをだしたいものです。ここでは、コインパーキングと月極駐車場のそれぞれで儲けるコツをご紹介していきます。
また、こちらの記事では、土地なしからの儲け方のコツを詳しく説明してますので、ぜひ参考にしてください。
コインパーキング経営で儲けるコツ
前提として、コインパーキング経営をするには設備などの初期費用が必要になるため、ある程度資金に余裕がある方におすすめです。コインパーキング経営を成功させるコツは、なによりも稼働率を上げることです。稼働率が高ければ月極駐車場より収益は高いですが、稼働率が低いと安定性もないため、赤字になってしまう可能性が高いのです。
稼働率を上げるには以下のポイントを意識してみましょう。
- 多少土地価格が高くても、集客が見込めそうな土地を選ぶ
- キャッシュレス決済の導入など、利用客が増えそうなサービスをする
- インターネットを活用して、宣伝をする
月極駐車場経営で儲けるコツ
月極駐車場経営はコインパーキングに比べ、初期費用が少なくて済みます。また、契約者が見つかれば収入も安定するため、自己資金が少ない方やできるだけリスクを避けたい方におすすめです。月極駐車場経営を成功させるコツは2点あり、契約台数と経費の節約です。
1つ目の契約台数ですが、月極駐車場は月ごとの契約になるため、契約台数を100%にするのが第一の目的になります。空きがあるといくら経費を節約しても収益にはなりません。
2つ目は経費の節約です。月極駐車場は契約率が100%になった場合、それ以上の収益をあげるためには経費を少なくするしか方法がないためです。月極駐車場の場合は、集客や管理を不動産会社に任せる場合も多いのですが、仲介手数料などで意外と多くの金額を取られることもあります。パートナー会社を決める際には、不動産会社だけでなく駐車場管理会社も視野にいれ、どちらがより収益を得られそうか検討してから決めることも重要です。
駐車場経営を土地探しから始める手順
では、実際に土地探しから駐車場経営を始めるまではどんな流れなのでしょうか。簡単にお伝えすると下記の流れです。それぞれ詳しく見ていきましょう。
- 土地を探す
- パートナー会社を選ぶ
- 工事開始
- 駐車場オープン
- 土地を探す
その点、詳しい地域だと駐車場が足りないエリアや、細い道なども把握しやすいので、駐車場経営に適した土地を探しやすくなります。
- パートナー会社を選ぶ
- 工事開始
- 駐車場オープン
駐車場経営を土地探しから始めるときの費用
駐車場経営は他の土地活用に比べ、初期費用は少なく済むのが特徴です。では、実際にはどんな費用がかかってくるのでしょう。
「初期費用」
- 土地購入費
- 塗装費
- ライン引き費
- 車止め費
- 精算機費(コインパーキング)
- 看板費(コインパーキング)
- ロック板・ゲート費(コインパーキング)
- 照明費(コインパーキング)
- 防犯カメラ費(コインパーキング)
「ランニングコスト」
- 管理費
- 固定資産税
- 都市計画税
- 所得税
駐車場経営の初期費用に関しては、こちらの記事で詳しく説明しているので、ぜひ参考にしてください。
まとめ
駐車場経営を成功させるには、なにより立地が重要ということはご理解いただけたでしょうか。立地がよければ稼働率アップにつながりますし、稼働率がよければ収益が多くなります。土地なしからの駐車場経営を検討している方は、下記のポイントを考慮して、理想の土地を見つけてみましょう。
- 土地探しのポイントは「人が集まる」「交通量が多い」「駐車場が乱立していない」の3点
- 儲かる物件の狙い目は、少し都心部から離れた郊外の安い土地
- 安い土地を見つけるには「市街化調整区域」や「狭い土地」がおすすめ
- 希望の物件が見つかったら、まずは査定サイトで相場を知ることが大事
- 収益をあげるために、土地購入費用は全額自己資金で支払うのが理想的