駐車場投資のメリット!コインパーキング経営での収入や利回りを解説

駐車場投資のメリット・デメリット、月極駐車場やコインパーキングの収入や利回りについて解説します。また、注意点や成功に導くコツなどから、駐車場投資自体の理解を深めていきます。駐車場投資のリスクは低く気軽な商品ですが、失敗を回避するには一定の理解が必要です。

駐車場投資のメリット!コインパーキング経営での収入や利回りを解説のイメージ

目次

  1. 1駐車場投資とは
  2. 2駐車場投資の種類
  3. 3駐車場投資のメリット・デメリット
  4. 4駐車場投資の収入・利回り
  5. 5駐車場投資の注意点
  6. 6駐車場投資を成功させるコツ
  7. 7まとめ

駐車場投資とは

駐車場投資とは、手元資金を投資して駐車場を開設し、賃料収入を得ることで運用することをいいます。駐車場投資は、土地を所有しているか否かで利回りは大きく変わってきます。仮に、土地を所有していれば、初期費用は安く抑えられるので、利回りは立地と賃料収入により30%~50%となります。

土地から購入する場合は、土地代も初期費用に含まれるので利回りは4%程度取れれば御の字です。尚、土地から購入する場合は月極駐車場がおすすめです。月極駐車場は、好立地である必要がなく、交通が不便な立地で住宅街がある立地程需要があるので、土地の取得費は安価に済みます。したがって、高利回りが期待できます。

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太陽光発電投資との違い

太陽光発電は、周辺に住宅や建物が少ない田舎立地がおすすめです。太陽光発電は、周辺に太陽光を遮るものがあると発電量に影響がでてきます。したがって、周辺が田んぼ・畑・遊休地など建築物がない立地がよいです。また、晴天率も発電量に影響するので太平洋側がおすすめです。では、太陽光発電との違いを下記にあげます。
 

  • 初期費用が安価
  • 賃料収入は安定
  • 管理やメンテナンスが簡単
  • 広大な土地は必要ない
  • 台風や大雨など、天候の変化や災害に強い

まず、太陽光発電より圧倒的に初期費用が安価です。月極駐車場であれば広さにより数百万、コインパーキングは初期費用なしでできる場合もあります。太陽光発電は、大量の太陽光パネル、発電設備、送電設備など設置費用だけで数千万単位で費用が掛かります。

次に、月極駐車場の場合一度賃借人が決まれば、長期間使用するケースが多いので賃料収入は安定します。また、コインパーキングも地代収入が安定的に入ります。太陽光発電は、天候により発電量が上下するので不安定であることと、売電価格の下落で利回りは低下傾向です。

次に、管理やメンテナンスは簡単です。月極駐車場は、毎月の草むしりゴミ拾い程度で、コインパーキングの場合は、オーナーの負担はありません。更に、広大な土地は必要ありません。駐車場経営するのであれば、80坪~100坪程度の広さがあれば十分です。

最後に、台風や大雨などの天候の変化や災害には強いです。特に月極駐車場は建物がないので、被害を受けることがありません。太陽光発電は、台風で飛んできた飛来物でソーラーパネルが破損する被害が出る可能性があり、被害額も甚大になる可能性が高いです。

駐車場投資の種類

ここからは、駐車場投資の種類について解説します。駐車場投資には下記2種類があります。
 

  • 月極駐車場
  • コインパーキング

まずは、月極駐車場についてです。
貸し出し方 月極駐車場は、賃借人と賃貸契約を交わし、月毎に賃料収入を徴収します。
形態 形態は、砂利敷きかアスファルト敷きの平置きが殆どで、青空駐車場が殆どです。稀に、自走式や屋根があるガレージタイプなども見受けられます。
経営方法 自己経営の場合は、募集から契約、解約まで全ての手続きを行います。管理委託の場合は、委託料を支払う代わりに募集から契約まで等の手続きや、賃料の回収等を代行します。
その他 賃料収入は安定するが、収益性は高くありません。初期費用は安く、固定費で主に掛かるのは固定資産税です。管理やメンテナンスに手間は掛かりません。土地を整地し、区画線を引けば経営できるので、設置工事期間が短く、すぐ経営開始できるのがメリットです。

次に、コインパーキングについてです。
 

貸し出し方 一時利用目的の駐車区画を提供するサービスです。駐車区画に停めた時間で料金を徴収します。立地により賃料はさまざまであるが、15分~1時間単位で料金が設定されている。また、一部コインパーキングでは最大料金を設定し、お得感や使いやすさを売りにしているコインパーキングもある。
形態 平置きが殆どです。稀に、自走式で出入り口がゲート方式のところもありあります。駐車区画にロック板があるのが多いが、最近はロック板がない駐車場もあります。
経営方法 タイムズや三井のリパークなど、大手運営会社は土地一括借り上げ式になります。また、アップルパーキングでは、管理委託方式もあります。
その他 コインパーキングは、土地一括借り上げ式が一般的です。この場合駐車機器設置の初期費用は掛かりませんが、全ての立地でコインパーキングができるわけではなく、運営会社の審査があります。立地によっては、自己負担にて是正工事をすることもあるので要注意です。

コインパーキング需要の推移

近年、若者の車離れが指摘されていますが、統計を見ると保有台数は微増ではありますが増えています。東京など都市部は公共交通が発達しているので、車の保有率は下がっています。しかし、田舎などでは公共交通が廃止となり、移動手段を車に頼る地域は多いのです。

一般社団法人日本パーキングビジネス協会(JPB)の調査結果によると、コインパーキングの設置箇所数は2011年に44,600箇所でしたが、2018年にはおよそ倍の85,200箇所に増加しています。コインパーキング業界は未だ伸び続けており、運営会社各社は高収益を上げています。

業績を伸ばし続けている理由は、コインパーキングはただ車を停めるだけのスペースではなく、カーシェアの需要が増えています。タイムズなどでは、カーシェア用の車を駐車するスペースは、コインパーキング内に設置されています。車を所有する時代から、シェアする時代に変化し各社時代のニーズに対応しています。

駐車場投資のメリット・デメリット

ここからは、駐車場投資のメリット・デメリットについて解説します。メリット・デメリットを理解することで駐車場経営の善し悪しがわかり、今後の経営に役立ちます。

駐車場投資のメリット

まず、駐車場投資のメリットは下記になります。
 

  • 初期費用は安価に納まる
  • 収入は安定する
  • 台風や大雨などの災害の影響を受けにくい
  • 設置期間が短く、即資金回収しやすい
  • 土地を所有していれば、利回りが良い
  • 土地の転用がしやすい

駐車場投資は、初期費用は安価に納まります。したがってリスクは低いです。また、月極駐車場は一度賃借人が決まれば長期間使用するケースが多く、またコインパーキングでは土地一括借り上げ式の場合、地代収入となるので、収入は安定します。

次に、台風などによる被害は建物がないので受けにくいです。駐車場は平置きタイプが殆どであるので、例え天災があっても大きな被害は殆どありません。次に、設置工事期間が短いので、投資後即資金回収ができるのと、土地を所有していれば利回りはかなり高くなります。

最後に、駐車場は借地借家法の対象外であるので、将来的な土地の転用がしやすいです。月極駐車場であれば、解約1か月前の通知で退去させることができ、コインパーキングであれば施設の閉鎖で済みます。

駐車場投資のデメリット

次に、駐車場投資のデメリットは下記になります。
 

  • 長期間空き区画になる可能性がある(月極駐車場)
  • 周辺の競合により、稼働率や料金設定に影響が出る(コインパーキング)
  • 違法駐車、不法投棄、不正利用などのトラブルに遭うことがある
  • 節税のメリットはない

まず、需要により長期間空き区画になることもあり、収益や利回りに影響が出ることがあります。特に自己経営の場合は退去者が出た後の募集手段が乏しいので、長期化することもあります。次に、コインパーキングで管理委託方式の場合に、周辺に競合ができることで稼働率や料金設定に影響が出ることがあります。

管理委託の場合は、収益が稼働率や料金設定の変化で変わってきます。次に、駐車場を始めることでトラブルに巻き込まれることがあります。特に、不法投棄をされた場合はオーナーが処分費を負担することになります。

最後に節税のメリットはありません。したがって、固定資産税などの固定費を差し引いても利益が出るかがポイントになります。尚、アスファルト舗装だと相続時の小規模住宅の特例が使え、200㎡までの部分が50%の相続税の評価減になるので、この場合は節税の効果があります。
 

駐車場投資の収入・利回り

ここからは、駐車場投資の収入・利回りについて解説します。土地を所有している場合と、土地を購入した場合で利回りは大きく変わります。

月極駐車場経営の収入・利回り

月極駐車場の収入や利回りは、立地や道路付けによってかなり差が出てきます。概ね賃料は、政令指定都市では1万円前後、東京都心部であれば、月5万円超となる場合もあります。利回りは、実質利回りで計算しますが、駐車場用の土地を所有していれば利回りは30%~50%になることがあります。

また、土地を購入した場合の実質利回りは4%程度取れていれば十分です。土地を所有し、初期費用を掛けずに低リスクで行いたい場合はおすすめです。

コインパーキング経営の収入・利回り

コインパーキング経営の収入・利回りも、月極駐車場同様で立地により差があります。特に賃料収入は、一括借り上げであれば地代収入となるので土地評価額に左右されます。また、管理委託で収益を上げる場合は、繁華街や商業施設の傍など好立地である必要があります。

利回りは、一括借り上げの場合は初期費用がないので利回りは100%です。管理委託の場合は、収益にもよりますが土地を所有していれば、50%超の利回りを上げることもできます。つまり、駐車場投資は土地所有者向けの投資商品ということもできます。

【参考】太陽光発電投資の収入・利回り

太陽光発電投資の収入は、発電した電気の売電収入です。2021年時点の売電価格はおおよそ21円/KWhとなっています。ちなみに2009年に始まった固定価格買取制度(FIT制度)が始まった頃は、48円/KWhであり、年々下落傾向にあります。尚、この制度は2022年度からは固定制度から変動制度になります。

利回りは、売電価格が落ちているものの、発電に欠かせないソーラーパネルも以前より下落しているので、利回りは8%~10%程度となっています。天候が安定し一定の発電量を確保できれば、投資商品としてはよいものです。

駐車場投資の注意点

ここからは、駐車場投資の注意点を解説します。注意点を理解することで、その土地が駐車場投資に適した立地であるかの判断材料になるでしょう。

①土地選びが難しい

駐車場経営は、周辺の環境変化に多いに影響を受けます。例えばコインパーキングに適した立地があったとしても、周辺に別のコインパーキングができれば稼働率に影響がでます。また、一時利用者が多かった近隣病院が移転してしまった、近隣の商店街の店舗が相次いで閉店した、若しくは近隣に観光施設がオープンしたなどがあると、コインパーキングの稼働率を左右し収益に影響があります。

駐車場経営は、狭小地や変形地、また初期投資を掛けずに行えるため、新規参入もしやすい投資です。土地購入時は黒字を見込んでいても、周辺環境の変化により赤字に転落する可能性もあります。駐車場に適した立地でも、周辺の状況や需要と供給の流れを予測する必要があります。したがって、駐車場経営の土地選びは難しいのです。

適した土地選びのポイント

では駐車場に適した土地選びのポイントは何でしょうか?
 

  • 周辺に更地が少ない
  • 周辺に競合となる駐車場が少ない
  • 駐車場がない店舗が多い
  • 近隣の駐車場の稼働率が高い
  • 閑静な住宅街

まず、周辺に駐車場になりそうな更地や古い家屋が少ないことです。更地が多ければ駐車場になる可能性もあります。次に、競合となる駐車場が少ないことです。競合が多ければ価格競争に巻き込まれる可能性もあります。次に、一時利用者が見込めそうな店舗や病院などがあることです。駐車場がない店舗であれば、提携駐車場となり利用者が見込めます。

また、近隣の駐車場が常に満車状態など、稼働率が高ければ潜在的な駐車需要を掘り起こすこともできます。最後に、閑静な住宅街では自宅の車庫に入らない、2台目の需要が見込めます。

②これから田舎で始めるのは難しい

次に、これから田舎で始めるのは難しいです。理由は人口減少と車保有者の減少です。田舎は、一般的に自宅に2台以上入るカーポートがあり、そこから余剰した車の駐車スペースで月極を借りるケースがあります。しかし、若者は成人すると田舎を出ていく傾向があり、深刻な人口減少問題があります。

人口が減れば車に乗る人も減るので、駐車需要も下がります。したがって、田舎での駐車場需要を今後見込むのは難しいという結論になります。田舎であれば別の投資商品がよいでしょう。

③土地購入から始めるのは難しい

最後に、土地購入から始めるのは難しいという点です。駐車場投資は一般的にあまり儲かりません。土地購入をすると初期投資費用が掛かり、資金回収に時間が掛かります。また、固定資産税は住宅用地ではないので高く、先述の通りに土地選びも難しいです。

したがって、駐車場投資は土地所有者向けの土地活用といってもよいでしょう。

駐車場投資を成功させるコツ

ここでは、駐車場投資を成功させるコツを3つほど紹介します。キーワードは、リスクの想定、実質利回りで計算、周辺の相場を調べる、です。

①リスクも想定して収益予測を行う

駐車場投資は、経営が始まれば毎月賃料収入を得ることができますが、良いことばかりではありません。当然に、経営中に起こりえるリスクも想定します。例えば、駐車場であれば常に稼働率が100%であるとは限りません。収入や収益を高く見積もってしまったことで、思うように稼げないと考えてしまうこともあります。

例えば、10台収容の月極駐車場があり、月額賃料15,000円であった場合です。稼働率を100%で見積もると、月額での収入は150,000円となりますが、稼働率を少なめに70%で見積もると、月額の収入は105,000円となります。

このように収入を少なく見積もることが重要で、この状態で固定費などを差し引いても黒字になるかを見極めるのが成功のコツです。他にもコインパーキングの場合は、稼働率を少なく見積もること以外に、機器の故障や更新などの費用なども掛かるので、予備費等も蓄えておく必要があります。

②表面ではなく実質利回りで計算する

リスクを想定して収益予測を立てた後は、利回りについてです。利回りとは、初期投資に対して年間の収益の割合を表した数字になります。当然に利回りが高い方が資金回収は短くなるのですが、この利回りを表面利回りではなく、収益から経費等を差し引いて計算する実質利回りで計算します。実質利回りは下記の計算式で求めます。

実質利回り=(年間収入-諸経費)÷総投資額×100

利回り計算には表面利回りもありますが、諸経費を差し引かないので実際幾ら儲かったかがわかりにくいです。したがって、諸経費を差し引いて計算する実質利回りで計算するのが賢明です。

 

③周辺エリアの相場をこまめに調べる

最後に、周辺エリアの相場はこまめに調査します。駐車場開設時に調査し料金設定を決めるのは当然なのですが、駐車場開設後にも調査はこまめに行います。理由は、周辺の状況は常に変化があります。例えば、近隣に駐車場が新設されれば、稼働率に影響が出るかもしれません。

また、いつの間にか周辺駐車場が値下げを敢行していて、それに気づかずに経営していたら、稼働率は落ちてしまいます。更に、駐車場は設置工事期間が短いので、いつの間にか駐車場ができていた、という事態も十分あります。

したがって、常に周辺の駐車場の設置状況や相場観は掴んでおく必要があるのです。

まとめ

近年、銀行に預金していても超低金利、金融資産の利回りも低いことから駐車場投資が注目されています。しかし、駐車場投資に向いている人は、既に土地を所有している人です。理由は、駐車場投資を土地購入から始める際にまず土地選びが難しく、土地を購入すると、利回りが急激に下がってしますからです。

また土地が比較的多くある田舎立地では、今後の人口減と自動車需要の低下により難しいということです。したがって、駐車場投資は土地を所有している場合におすすめです。しかし、駐車場投資は闇雲に行うものではありません。駐車場経営のリスクを考慮したり、実質利回りで堅実な収支計画を想定したり、駐車場経営を始めるにあたり、周辺調査をこまめに行ったりすることが必要です。

駐車場経営は成功すれば、金融資産に投資するよりもはるかに高い利回りを期待できるので、土地を所有していて駐車場投資に興味があれば、一度検討してみてはいかがでしょうか。

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