2021年01月26日公開
2021年02月08日更新
土地活用の方法を徹底解説!種類ごとの特徴/メリット・デメリット/失敗しない選び方
相続で土地を引き継いだものの「土地活用にはいろいろな種類があってどれを選べばいいのかわからない」という方は多くいます。この記事では、土地活用の種類ごとのメリット・デメリットや節税効果、収入例などをご紹介します。土地活用に興味のある方は是非参考にしてください。
目次
土地活用とは
まずは、土地活用の基本を理解していきましょう。土地活用とは、土地を有効的に活用することにより収益を上げたり資産を増やすことですが、そこにはどのような意義があるのでしょうか?
土地活用を行う意義・必要性
土地活用を検討している方の多くはすでに土地を所有している方でしょう。特に親族から土地を相続した方は、「ただ土地を所有しているだけで良いのか?」と悩んでいる方もいるかもしれません。
土地は大きな資産であることは間違いありません。ただし持っているだけでは税金や管理費などがかかり、かえって負債となってしまうこともあるのです。土地は活用することで初めて資産を生み出してくれます。
また、駐車場不足や高齢者向け住宅の不足、空き家対策など、方法によっては社会問題に貢献することもできるため、土地活用は非常に意義のあることなのです。
土地活用のメリット・デメリット
では、土地活用にはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
■土地活用のメリット
- 利益を得ることができる
- 節税対策になる
- 地域が活性化されることにより、土地の価値が上がる
当然ですがいちばんのメリットは利益を得られることです。方法によっては不労所得を得ることも可能です。また、固定資産税や所得税などの節税対策になる方法もあります。さらに活用されていなかった土地に何かを生み出すことにより地域が活性化され、その結果、土地の価値が上がることも期待できるのです。
■土地活用のデメリット
- 事業が成功しなかった場合、マイナスになることもある
- 方法によっては時間と労力がかかることもある
事業を始めるにあたり「絶対に成功する」という保障はありません。どのような方法にせよ、しっかりリサーチし事業計画をたてることが必要になります。また、土地活用には様々な方法があり、不労所得を得られるような方法もありますが、中には時間と労力を必要とする方法もあるので、自分の生活スタイルに合った方法を選ぶことが重要になります。
土地活用を成功させるポイント
土地活用と一言で言ってもその活用方法は様々です。土地の形状や立地、オーナーの状況によっても適している方法は変わってきます。しかしどの方法にも共通して重要になるポイントはあるのです。
- 長期的な視野で事業計画をたてる
- 他の資産も含めたバランスの良い運用方法を検討する
- リサーチをしっかりし、現実的な事業計画をたてる
- 信頼できるパートナーを選ぶ
もし土地に建物を建てることで活用しようと考えている場合、子供や孫の代まで引き継ぐ事業になるでしょう。次世代にうまく引き継ぎができるよう、相続や税金、遺産分割のことも考えなくてはなりません。事業計画をたてる際には、長期的な視野で計画すると良いでしょう。
また、土地の他に預貯金や株など他の資産もある場合、バランス良く運用できるような土地活用を検討することも必要になってきます。
事業計画をたてる際には、充分なリサーチが必要です。そのリサーチ結果を元に、現実的な事業計画をたてることも重要です。希望的観測ではなく、社会情勢も含めたより現実的な計画をたてましょう。
最後に重要なことはパートナー選びです。事業を始める場合、法律や税金に関する知識、リサーチや計画作成、運営や管理などたくさんの業務を行わなければなりません。これを1人で行うのは至難の業です。
それを解消するためにパートナーが必要になってくるのですが、このパートナー選びは実はとても重要な役割を担っているのです。土地活用をサポートしてくれる会社は複数あるので、比較検討して、長期的にしっかりとしてサポートをしてくれる会社を選びましょう。
王道の土地活用5選!
ここからはおすすめの土地活用方法をジャンル別にご紹介していきます。まずは、「土地活用と言えばこれ!」という王道の土地活用から見ていきましょう。
- アパート経営
- マンション経営
- 駐車場経営
- 一戸建て賃貸
- 賃貸併用住宅
①アパート経営
アパート経営は、保有している土地にアパートを建て、人に貸すことで家賃収入を得る土地活用です。
メリット |
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デメリット |
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適した土地 |
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節税効果 | 固定資産税、都市計画税の優遇措置があるため節税効果は高い |
収入例
アパート経営を行った場合の年間収入例を見ていきましょう。
敷地面積80坪・木造アパート・1DK8戸の場合
収入 | 家賃収入(満室の場合) | 9万円×8戸×12ヶ月 | 864万円 | |
支出 | 建築費(坪単価87万) | 80坪×87万円 | 6960万円 内5,000万円を25年ローン |
年間返済額 200万円 |
経費(経費率20%・税金含む) | 864万円×20% | 172万円 | ||
収支合計 | 864万円−200万円−172万円 | 492万円 |
②マンション経営
マンション経営は、アパート経営と同様に家賃収入を得る土地活用方法ですが、違うのはアパートではなくマンションを建てることです。
メリット |
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デメリット |
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適した土地 |
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節税効果 | 固定資産税、都市計画税の優遇措置があるため節税効果は高い |
収入例
マンション経営を行った場合の年間収入例を見ていきましょう。
敷地面積216坪・鉄筋コンクリート造マンション・2LDK12戸の場合
収入 | 家賃収入(満室の場合) | 12万円×12戸×12ヶ月 | 1728万円 | |
支出 | 建築費(坪単価95万) | 216坪×95万円 | 2億520万円 内1億5,000万円を25年ローン |
年間返済額 600万円 |
経費(経費率20%・税金含む) | 1,728万円×20% | 345万円 | ||
収支合計 | 1728万円−600万円−345万円 | 783万円 |
③駐車場経営
駐車場経営は、保有している土地に駐車場を設置し、利用者から駐車料金を得ることで利益をあげる土地活用です。
メリット |
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デメリット |
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適した土地 |
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節税効果 | 優遇措置がないため住宅より節税効果は少ないが、工夫次第で固定資産税や所得税の節税が可能 |
収入例
駐車場経営を行った場合の年間収入例を見ていきましょう。
100㎡コインパーキング・駐車台数6台・1時間600円・稼働率20%の場合
一括借上げ | 管理委託 | |||
駐車場収入 | 2.55万円×6台×12ヶ月 | 183.6万円 | 600円×6台×24時間×20%×30日×12ヶ月 | 622.08万円 |
管理費 | 1.8万円×12ヶ月 | 21.6万円 | 0.9万円円×12ヶ月 | 10.8万円 |
固定資産税 | 20万円 | 20万円 | ||
収支合計 | 142万円 | 591.28万円 |
上記の他に、一括借上げの場合は土地塗装費の約45万円、管理委託の場合は約200万円の初期費用がかかります。
④一戸建て賃貸経営
一戸建て賃貸経営は、アパート・マンション経営と同様に家賃収入を得る土地活用方法ですが、違うのは集合住宅ではなく一戸建ての住宅を建てることです。
メリット |
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デメリット | 契約がないと収入がゼロになる可能性もある |
適した土地 |
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節税効果 | 固定資産税、都市計画税の優遇措置があるため節税効果は高い |
収入例
一戸建て賃貸経営を行った場合の年間収入例を見ていきましょう。
敷地面積70坪・木造一戸建て賃貸・3LDK2棟の場合
収入 | 家賃収入(満室の場合) | 13万円×2棟×12ヶ月 | 312万円 | |
支出 | 建築費(坪単価80万) | 60坪×80万円 | 4,800万円 内3,500万円を25年ローン |
年間返済額 140万円 |
経費(経費率20%・税金含む) | 312万円×20% | 62.4万円 | ||
収支合計 | 312万円−140万円−62.4万円 | 109.6万円 |
⑤賃貸併用住宅
賃貸併用住宅とは名前の通り、建物内に自宅と賃貸用住宅が両方ある物件のことです。
メリット |
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デメリット |
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適した土地 |
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節税効果 | 固定資産税、都市計画税の優遇措置があるため節税効果は高い |
収入例
賃貸併用住宅経営を行った場合の年間収入例を見ていきましょう。
敷地面積100坪・木造造・自宅35坪・賃貸部分45坪(1K5戸)の場合
収入 | 家賃収入(満室の場合) | 8万円×5戸×12ヶ月 | 480万円 | |
支出 | 建築費(坪単価85万) | 80坪×85万円 | 6,800万円 内5,000万円を30年ローン |
年間返済額 168万円 |
経費(経費率20%・税金含む) | 480万円×20% | 96万円 | ||
収支合計 | 480万円−168万円−96万円 | 216万円 |
初期費用が少ない土地活用3選!
相続などで譲り受けた場合「土地活用はしたいけれど、初期費用をあまりかけたくない」と思う方も多いでしょう。そこで、この章では初期費用が少ない土地活用をご紹介していきます。
- 資材置き場
- トランクルーム経営
- 駐車場経営(王道の土地活用5選参照)
①資材置き場
資材置き場は、工場や建設会社などの資材を置く場所として土地を提供することで、賃料収入を得る土地活用です。
メリット |
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デメリット |
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適した土地 |
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節税効果 | 優遇措置がないため、節税効果は低い |
収入例
資材置き場を設置した場合の年間収入例を確認していきましょう。資材置き場はそれほど賃料が高くなく、月額賃料の平均は0.5~1万円ほどです。
例えば、月0.8万円で契約した場合の年間収入は「0.8万円×12ヶ月=9.6万円」になり、そこから固定資産税等を差し引いた金額が年間収入になります。初期費用はほぼかかりませんが、土地の広さや立地次第では、固定資産税の方が高くなってしまう可能性もあるので注意が必要です。
②トランクルーム経営
トランクルーム経営は、保有している土地にトランクルームを設置し、利用者からの賃料で利益を得る土地活用です。
メリット |
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デメリット |
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適した土地 |
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節税効果 | 不動産収入になるため、経費を計上でき、所得税の節税効果がある |
収入例
トランクルーム経営を、フランチャイズ契約で行った場合の年間収入例を確認していきましょう。
50坪の土地に5基(20部屋)のトランクルームを設置した場合
賃料収入(1部屋0.8万円・契約数15部屋) | 0.8万円×15台×12ヶ月 | 144万円 |
経費(管理費・固定資産税含む) | 5.4万円×12ヶ月 | 64.8万円 |
収支合計 | 79.2万円 |
上記の他に、約630万円の初期費用がかかります。
収益性が高い土地活用5選!
「土地活用を始めるならしっかり儲けをだしたい」とお考えの方におすすめの収益性が高い土地活用をご紹介していきます。
- オフィスビル経営
- 店舗経営
- アパート経営(王道の土地活用5選参照)
- マンション経営(王道の土地活用5選参照)
- 賃貸併用住宅(王道の土地活用5選参照)
①オフィスビル経営
オフィスビル経営は、保有している土地にオフィスビルを建て企業や店舗に貸し出し、その賃料で利益を得る土地活用です。
メリット |
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デメリット |
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適した土地 |
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節税効果 | 優遇措置があるため、相続税や所得税の節税効果がある |
収入例
オフィスビル経営を行った場合の年間収入を確認していきましょう。
■1部屋50坪の部屋を各階3部屋・東京都心部の10階建てオフィスビルの場合
東京都心部のオフィスビルの賃料平均を考慮し、賃料は1坪2.1万円とします。
- 2.1万円×50坪×3部屋×10フロア×12ヶ月=3億7,800万円
かなり大きな収入ですが初期費用や維持費も大きな金額のため、目先の収入だけに気を取られないように気をつけなければなりません。
②店舗経営
店舗経営とは、保有している土地に店舗を建て自分で経営をし利益を得る、もしくは、店舗を賃貸物件として貸し出し賃料収入で利益を得る土地活用です。
メリット |
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デメリット |
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適した土地 |
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節税効果 | 個人事業主として店舗経営すれば、経費を計上できるので所得税などの節税効果がある |
収入例
店舗経営を行った場合の収入例は、店舗での売上から経費(光熱費・人件費・仕入れ費・各種税金など)を差し引いた金額になります。店舗により売上は様々なので収入例をご紹介することは難しいのですが、あまり店が繁盛せず売上が伸びなかった場合は、店舗を貸し出しすることも検討しましょう。
節税対策が期待できる土地活用4選!
資産を多くお持ちの方は、節税対策のために土地活用を検討している方も多いでしょう。この章では、節税効果が期待できる土地活用をご紹介していきます。
- シェアハウス経営
- アパート経営(王道の土地活用5選参照)
- マンション経営(王道の土地活用5選参照)
- 一戸建て賃貸(王道の土地活用5選参照)
①シェアハウス経営
シェアハウス経営とは、一戸建て賃貸と似ていますが、家の中の造りをシェアハウスにし貸し出すことで賃料収入を得る土地活用です。
メリット |
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デメリット | 住人同士のトラブルなどが起きやすい |
適した土地 | 比較的、若い人が多く集まる地域 |
節税効果 | 優遇措置があるため、固定資産税などの節税効果が高い |
収入例
シェアハウス経営を行った場合の収入例を確認していきましょう。
■140㎡の土地に1部屋6畳の部屋を8部屋設置したシェアハウスの場合
賃料は東京都内のシェアハウス賃料相場の5万円とします。
- 5万円×8部屋×12ヶ月=480万円
管理の手間・時間を抑えられる土地活用4選!
土地活用を本業で行っている方もいれば、副業で行っている方も多いでしょう。副業で行う場合は少しでも手間を少なくしたいものです。ここでは、管理の手間や時間が抑えられる土地活用をご紹介していきます。
- 太陽光発電
- 等価交換
- 土地賃貸
- 駐車場経営(王道の土地活用5選参照)
①太陽光発電
太陽光発電は、保有している土地にソーラーパネルを設置し太陽光発電をすることで、売電収入を得る土地活用です。
メリット |
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デメリット |
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適した土地 |
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節税効果 | 太陽光発電にかかった経費を計上できるため、所得税等の節税効果がある |
収入例
太陽光発電を行った場合の年間収入例を見ていきましょう。
■60坪の土地に160枚のソーラーパネルを設置・売電価格1kw20円の場合
収入は、年間約80万円、維持費はほぼかからないのでそのまま収入になります。ただし、15年に1度、パワーコンディショナー1台約20万円の交換が必要になります。
初期費用は約1500万円、太陽光発電をするためのローンは基本的にないので、現金で支払う必要があります。月の発電量にもよりますが、初期費用を回収できるまでには10~20年かかることになるでしょう。
②等価交換
等価交換とは、土地と建物を交換する土地活用です。保有している土地を不動産開発者に譲渡し建物を建ててもらい、譲渡した土地の価値に見合う建物の一部の所有権をもらう方法になります。
メリット |
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デメリット |
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適した土地 |
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節税効果 | 土地の譲渡時にかかる税金が優遇されるため、譲渡所得税や相続税に節税効果がある |
収入例
等価交換をした場合の年間収入例を確認していきましょう。
■土地の評価額3億円・土地に建設予定のマンションの評価額18億円・部屋数63部屋(9部屋×7階建)・マンションの月額賃料10万円の場合
- 土地オーナーと不動産開発者の割合は「3:18」=「7分の1:7分の6」
- 63部屋の7分の1=9部屋
- 9部屋を月1万円で貸した場合の年間収入は「1万円×9部屋×12ヶ月=108万円」
ここから管理費・維持費・各種税金を差し引いた金額が年間収入になります。
③土地賃貸
土地賃貸とは、保有している土地を貸し出すことで賃料収入を得る土地活用です。
メリット |
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デメリット |
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適した土地 |
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節税効果 | 土地の活用方法によって節税効果は変わる |
収入例
土地賃貸を行った場合の収入例を確認してみましょう。土地賃貸の相場にはバラつきがあるため、一概には言い切れません。住宅用地か駐車場用地かの違いでも賃料に差が生じてきます。自分の保有している土地の用途地域を確認し、相場を調べてから賃料を設定してみましょう。
立地次第でおすすめの土地活用4選!
最後にご紹介するのは、立地次第ではおすすめの少し面白い土地活用です。
①コインランドリー経営
コインランドリー経営は、保有している土地にコインランドリーを設置し、その売上で利益を得る土地活用です。
メリット |
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デメリット |
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適した土地 |
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節税効果 | 経費を計上できるため、所得税等の節税効果がある |
収入例
コインランドリー経営を行った場合の収入例を確認していきましょう。
■1回の料金相場700円・1日の平均利用人数18人の場合
- 700円×18人×365日=459.9万円
②民泊経営
民泊経営とは、保有しているマンションの1室や一戸建ての1部屋を短期宿泊用に貸し出すことで、宿泊料を利益にする土地活用です。
メリット |
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デメリット |
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適した土地 |
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節税効果 | 建物が減価償却の対象になるため、所得税の節税効果がある |
収入例
民泊経営を行った場合の年間収入例を確認してみましょう。
■1泊0.8万円・稼働率70%の場合
- 0.8万円×365日×70%=204.4万円
③老人ホーム経営
老人ホーム経営とは、保有している土地に老人ホームを建て、その運営で利益をあげていく土地活用です。
メリット |
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デメリット |
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適した土地 |
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節税効果 | 相続税や所得税の節税効果がある |
収入例
老人ホーム経営を行った場合の年間収入例を確認していきましょう。
■入居費用月額9万円・40人収容の老人ホームの場合
- 9万円×40人×12ヶ月=4,320万円
④サービス付き高齢者向け住宅経営
サービス付き高齢者向け住宅経営とは、保有している土地に介護の必要がない高齢者向けの住宅を建て運営することにより、利益をあげる土地活用です。
メリット |
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デメリット |
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適した土地 |
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節税効果 | 相続税や所得税の節税効果がある |
収入例
サービス付き高齢者向け住宅経営を行った場合の年間収入例を確認していきましょう。
■入居費用月額12万円・50人収容のサービス付き高齢者向け住宅の場合
- 12万円×50人×12ヶ月=7,200万円
土地活用の失敗しない選び方
ここまでたくさんの土地活用をご紹介してきましたが、何を基準に選んだらいいのでしょうか?土地活用の種類を選ぶ際には重要なポイントがいくつか存在します。ここでは、失敗しない選び方をご紹介していきます。
①土地の性質に応じて選ぶ
1つ目は、土地の性質に応じて選ぶことです。土地活用の特徴でご紹介してきた通り、それぞれの土地活用には適した土地があります。土地の性質を活かして初めて土地活用は成功するのです。
まずは、自分が保有している土地の環境・形状・面積などを改めて確認してみてください。周辺環境など現地でしかわからないこともあるので実際に足を運んでみると、より現状が理解できます。そして、その土地の需要を見極めることが重要です。土地のニーズをつかめれば、そのニーズに合った土地活用を選ぶだけです。
②重視するポイントを決める
2つ目は、重視するポイントを決めることです。ここまでご紹介してきた方法だけでもかなりの土地活用があります。その中から自分に合った方法を見つけるためには、重視するポイントに優先順位をつけることです。
項目は主に「収益性が高い」「初期費用が少ない」「安定性がある」「節税効果が高い」「管理の手間が少ない」などがあります。下記に一覧でまとめたので、是非参考にしてください。
収益性が高い |
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初期費用が少ない |
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安定性がある |
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節税効果が高い |
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管理の手間が少ない |
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この他に社会貢献したいという目的なら「老人ホーム経営」や「サービス付き高齢者向け住宅経営」もおすすめです。
③収益性は長期的視点で検討する
3つ目は、収益性は長期的視野で検討することです。土地活用を始めたらすぐにでも収益を多くあげたい気もちはわかりますが、土地活用は長期に渡って行う事業が多くあります。
事業を始めた年は、初期費用が多くかかるため、不安になる方も多いでしょう。中には少しでも初期費用を節約しようと対策を練る方もいるかもしれません。しかし、初期費用を安くするためにグレードの低い素材を使うのはあまりおすすめできません。
この先10年、20年と事業を続ける予定なら尚更、質の良い物を使いましょう。短期的に見た場合、一見節約になるかもしれませんが、長期的に見ると修繕に費用がかかり、かえってコストが多くかかってしまうためです。
また、収支計画も初年度が予定通りにいかなかったとしても、翌年から徐々に安定してくる場合もあります。事業計画をたてる際には、長期的に収益を上げることを目的に計画をたてることをおすすめします。
④自身の状況に応じて経営タイプを選ぶ
4つ目は、自身の状況に応じて経営タイプを選ぶことです。土地活用の種類によっては自分一人で経営を行うのが厳しい内容のものもあり、その場合は通常、パートナー会社と契約を結ぶことになります。
契約の内容には全てパートナー会社に任せて不労所得を得る方法や、管理業務のみ任せて運営は自分で行う方法などがあります。パートナー会社に任せる業務が多いほど支払う管理費は高くなるので、管理費の節約のため、できるだけ自分で経営を行いたいと思うのは当然ですが、それだけの理由で決めてはいけません。
なぜなら、管理業務は想像以上に時間と労力を使うからです。特に副業で土地活用を始める方は慎重に検討するべきポイントです。管理業務を怠ると、利用客が減り収益も減ってしまうだけでなく、収益を生み出す建物や店舗の寿命も縮めてしまう恐れもあるのです。そのようなことになるのなら、多少管理費を多く支払ってでもプロに任せた方が効率の良い土地活用ができるでしょう。
以上のことを踏まえて、自身の状況に応じて経営タイプを選ぶことが重要になってくるのです。
⑤所有する土地の用途地域・建ぺい率・容積率を調べる
今、保有している土地の用途地域を知っていますか?実は土地には利用できる用途が決まっているため、自由に自分の建てたいものを建てられる訳ではないのです。
保有している土地で土地活用を始めようと思ったときは、第一に用途地域を調べましょう。同時に、建ぺい率や容積率も調べておくと、今後の役に立つのでおすすめです。
土地活用を始めるまでの手順
土地活用は思い立ってすぐに始められる訳ではありません。充分なリサーチと綿密な計画が必要になります。始める種類によって多少の違いはありますが、この章では、土地活用を始めるまでの手順をご紹介していきます。
①専門業者に相談する
まずは、専門業者に相談をするところから始めます。「この土地活用がしたい」と決まっていない場合でも問題ありません。専門業者は土地活用のプロなので、保有している土地に合わせた方法を提案してくれるからです。
相談する前に確認しておくことは、土地の情報です。最低限、住所と広さは把握しておきましょう。また、相談するのは1社ではなく複数の会社に相談をすると比較できるため、より自分の希望に合った会社を見つけやすくなります。
②市場調査・活用計画の設計を行ってもらう
希望の土地活用が決まったら、専門会社が市場調査や事業計画をたててくれます。基本的には、その結果を見て相談しながら具体的な費用や収益予測、経営タイプなどを決めていきます。事業計画は非常に重要なものなので、わからないことは積極的に相談をし納得いくプランをたてましょう。
③融資を受ける
初期費用が自己資金で足りない場合は、融資の相談をしに金融機関に出向きます。うまく融資が受けられるように、金融機関に行く前には専門会社と打ち合わせをしましょう。事業に関連する安い金利のローンが組める場合もあるので、下調べも重要になります。
④施工契約を締結する
無事に融資を受けることができたら、建築会社などと施工契約を締結します。土地活用の種類によっては複数の業者と契約を結ぶこともあるので、スムーズに手続きできるよう準備をしておきましょう。
⑤必要機材の導入・建築を開始する
契約を締結したら、いよいよ工事や建築が開始されます。なにもなかった土地に建物や機材が入っていくことを目の当たりし、土地活用を始める実感が湧いてくる頃です。工事や建築にかかる時間は土地活用の種類によって大きく異なりますが、工事が終わればすぐに事業開始できるので、この間は宣伝活動に力を入れることをおすすめします。
⑥顧客集め・届出や申請を行う
宣伝活動と同時進行で、必要な届出や申請を済ませておくことも重要です。後からトラブルにならないよう、しっかり確認しながら進めましょう。
この時代に必須の宣伝ツールは、インターネットです。どの土地活用を行うにしてもインターネットへの掲載は行った方が集客率が上がるでしょう。その他、チラシや看板広告などもおすすめです。
まとめ
今回は、様々な土地活用について深堀りしてきました。最後に重要なポイントを再確認しておきましょう。
- 土地活用のメリットは、利益をあげられることや節税対策になることだけでなく、社会貢献に役立つこともある
- 成功させるには、事前リサーチと現実的な事業計画が必要
- 収益性や初期費用の安さ、節税効果の高さなど、重視するポイントを決めると選びやすい
- アパートやマンション経営などの賃貸住宅経営は、収益性や節税効果などが高く、人気の土地活用
上記の内容を参考にして、是非、自分に合った土地活用を始めてください。