旗竿地はデメリットだらけって本当?家を建てる魅力や土地活用方法をご紹介!

旗竿地は、周囲の土地よりも比較的安く土地を購入しやすいことで知られていますが、同時にデメリットについても話題になりやすい土地です。しかし、デメリットばかりではなく、当然ながらメリットもあります。旗竿地に家を建てるとどんな魅力があるのか、その他の土地の活用方法とともにご紹介します。

旗竿地はデメリットだらけって本当?家を建てる魅力や土地活用方法をご紹介!のイメージ

目次

  1. 1旗竿地とは
  2. 2旗竿地はデメリットが多いと言われる理由
  3. 3旗竿地にもメリットがある!
  4. 4旗竿地に家を建てる場合の注意点
  5. 5住宅を建てる以外の旗竿地の土地活用方法
  6. 6まとめ

旗竿地とは

旗竿地(はたざおち)とは、道路に接する間口が狭く路地状に伸びた先に住宅の建築が可能な敷地がある形状の土地を指します。上空から見たときに、竿についた旗のように見えることから、旗竿地と呼ばれるようになりました。
つまり、旗竿地に建っている住居は、道路から狭い路地を少し入った、奥まった場所にあるということです。旗竿地は不整形地の1つに数えられ、「敷地延長」や「路地状敷地」と呼ばれることもあります。
なぜ、旗竿地のような敷地が生まれるのか、疑問に思う方もいるでしょう。その理由の1つに、「接道義務」という建築基準法のルールが関係しています。建物を建てる際、建築基準法では、道路に2メートル以上接した敷地でなければならないというルールがあります。これが、接道義務です。この条件を満たすために、旗竿地のような形の敷地が生まれるのです。

旗竿地はデメリットが多いと言われる理由

旗竿地は、道路にしっかりと面した整形地に比べるとデメリットが気になり、「できれば旗竿地ではない場所に家を建てたい」と考える人が多いといいます。その理由について、詳しく見ていきましょう。

日当たりや風通しに不満を持ちやすい

旗竿地の場合、道路に面する部分は狭い路地状となっており、住居が建つ部分は四方が他の家・建物に囲まれやすいという特徴があります。一般的な住宅地の家では、両隣や裏手に他の建物があったとしても、住居の一面は道路に接するなどしており、日当たりや風通しが1日中遮られることはまずありません。しかし、旗竿地で四方を囲まれてしまうと、太陽が東から西へ動いても、風の向きが変わっても、周囲の建物によって遮られてしまうのです。
日当たりや風通しは、住まいの快適性を考える上でとても重要なポイントです。そのため、旗竿地という特徴を考慮せずに家を建ててしまうと、日当たりや風通しの点で不満を覚えやすくなります。
ただ、旗竿地であっても、間取りの工夫によって、日当たりや風通しは確保することが可能です。例えば、吹き抜けや中庭をつくって天井からの光を取り入れれば、日中は旗竿地でもしっかりと明るい空間になるでしょう。中庭の窓を開ければ、外の空気も入ってきます。
基礎を周囲の家よりも高くして光を取り込みやすくしたり、日光が届きやすい2階にリビングを設けたりすると、家族が一緒に過ごす空間の快適性を高めることもできます。「2階にリビングを設けるのは窮屈ではないか」と思われるかもしれませんが、勾配天井を採用することでその心配もなくなるでしょう。こうした間取りの工夫やアイデアによって、旗竿地の日当たりや風通しの問題は対処することが可能です。

周囲の家の生活音が気になりやすい



周囲が家に囲まれており、隣の家との距離が近ければ近いほど、生活音が聞こえてきやすくなります。四方を建物に囲まれた場合は、同時に4つの家・建物からの生活音が聞こえてくる可能性もあるということです。
当然ながら、自分の家の生活音が隣の家に漏れてしまうこともあります。一戸建てに住んでいるにもかかわらず、周囲から他の家の音が聞こえてくることに不満を感じることもあるでしょう。
騒音問題は、防音対策を施すことで改善できます。特に、高気密高断熱住宅はおすすめです。高気密高断熱住宅は、外気の影響を受けにくく冷暖房効率を高めてくれるという特徴があり、省エネというメリットもありながら、防音対策にも役立ちます。
また、家族が揃ってワイワイと過ごすリビングやダイニングは、敢えて2階に設けるという方法も一策です。一般的な住居ではLDKを1階におくケースが多いですが、これを2階にあげることで周囲との生活音をずらすことが可能となります。

死角が生まれやすい

旗竿地は、道路から見えにくい位置に住居を建てることとなるため、死角が生まれやすく犯罪の被害に遭う可能性が高くなる恐れがあります。強化ガラスの窓やセンサー付きライトの設置、カメラ付きインターフォン、防犯砂利、ホームセキュリティへの加入などで、防犯対策をしましょう。

駐車スペースの確保に困る場合がある

旗竿地の路地部分を、駐車スペースとして活用するケースは珍しくありません。しかし、路地の幅が狭ければ、車が入らなかったり、車への出入りに困ったりして駐車場の確保が別途必要になる恐れが出てきます。
建物を建てるための接道義務では、道路に面した敷地が2メートル以上あることが条件です。しかし、2メートルでは普通車の車幅と同じくらいのサイズのため、駐車スペースとしては現実的ではありません。軽自動車の車幅は1.7メートル以下ですが、これも路地部分が狭ければ車の出し入れや乗り降りが難しいでしょう。
路地部分の幅を見て乗る車を選んだり、思いきってカーシェアリングに切り替えたりすると、駐車場の確保についての問題はクリアできます。そもそも、旗竿地のあるようなエリアは、比較的交通の便が整っているところが多いです。自家用車がなくても、日常生活に不便なく生活できるようなら、車を手放すのも選択肢の1つでしょう。

旗竿地にもメリットがある!


デメリットばかり目につきやすい旗竿地ですが、実はあまり知られていないメリットもあります。
 

整形地よりも居住面積を広くとれる可能性がある

旗竿地は、道路に面した細い路地の部分と、その先の奥まったところにある有効宅地部分があります。一方、整形地は敷地すべてが有効宅地部分です。
旗竿地と整形地が仮に同じ有効宅地部分を持っていたとしましょう。しかし、旗竿地には路地部分があるため、敷地としてはもっと広くなります。建ぺい率は、敷地面積に対して計算するため、同じ有効宅地部分であっても旗竿地の方が建ぺい率から算出される居住面積が広くなるのです。

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路地部分の活用を楽しめる

旗竿地の路地部分は単に通路として活用するのではなく、アイデア次第でさまざまな使い方・楽しみかたが可能です。道路から玄関までの距離が長いため、隠れ家のような雰囲気が出やすく、訪れる人が喜ぶようなアプローチを施したり、植物を配置してナチュラルな空間を演出したり。
ガーデニングが好きな人は、季節の花を植えても良いでしょう。路地部分に玄関を設置して長い土間を作れば、アウトドアが好きな人などに便利な空間が生まれます。玄関収納をたっぷり確保すると、お出掛け時に必要なものを収納でき家の中がスッキリするかもしれません。
このように、路地部分の活用方法は人それぞれ、個性が出やすい部分でもあります。旗竿地という特徴を生かした楽しみかたにも着目してみましょう。

車などの音が聞こえにくい

旗竿地は道路から少し距離のある、奥まった場所に家が建つため、車の走行音や騒音、排気ガスの影響が気になりにくい点もメリットです。ひっきりなしに車の走る音が聞こえてくる場所は苦手、という場合にも良いでしょう。当然ながら、通行人の目にも触れにくく、窓の外の様子が気になることもありません。
玄関を出た先が道路ではないことが、子育て家庭にとっては大きな安心感につながることもあります。注意力が未熟な子どもは、思い立って外に飛び出すことも珍しくなく、特に道路に面した家では飛び出しによる事故の不安がつきまといます。旗竿地なら、玄関から道路までに距離があり、そのぶん安心感も得やすいでしょう。

同じエリアの相場よりも安く土地が購入しやすい

旗竿地は、整形地よりも坪単価が安くなる傾向にあります。同じ金額でも、整形地より旗竿地の方が広い敷地を得やすいため、旗竿地のデメリットをあまり感じない場合にはお得感もあるでしょう。

旗竿地に家を建てる場合の注意点

旗竿地に家を建てる場合や、これから旗竿地の購入を検討する場合は、以下のポイントに注意しましょう。

道路に面している路地部分の幅をよく確認する


まず、旗竿地に家を建てる場合、原則として幅2メートル以上が道路に接していなければなりません。これを接道義務といいますが、路地状の部分の幅員も2メートル以上あることが条件です。
さらに、自家用車を保有し駐車場の確保が必要な場合は、それ以上の間口が必要となります。
車の大きさによって、必要となる間口の幅は変わってきます。普通車の場合は、間口3メートル、奥行き7メートルの確保が目安です。
旗竿地の中には、住居を建てることを見越しているものばかりでなく、単に通行のために路地が確保されているケースもあり、そもそも建物の建設には向かない場所もあるため注意しましょう。
 

隣地の状況を確認してから決める

旗竿地は四方が他の人の敷地となり、建物に囲まれることも珍しくありません。四方が建物に囲まれているとは限らず、空き地や駐車場になっていることもあるでしょう。一面でも空き地や駐車場があれば、圧迫感が少ないという点で良いかと思えるかもしれませんが、その土地の所有者の意向によってはいずれ建物が建つ可能性もあります。

既に隣地に家などが建っている場合も、それが敷地ギリギリまで寄せられているのかどうかで、居心地は変わる可能性があります。実際に足を運び、隣地の状況・条件を確認してから検討されることをおすすめします。
 

旗竿地ならではの費用が発生する可能性がある

旗竿地は、同じエリアの整形地に比べると坪単価が安く設定されやすい点がメリットですが、家を建てる際は旗竿地という不便さゆえに追加料金が発生する可能性があります。せっかく土地代が節約できたとしても、家の建築費用がかさんでしまうと、かえって損をしてしまう恐れもあります。

旗竿地であることで、建築費用にどのような追加料金が発生するのか、事前に調べておきましょう。
 

住宅を建てる以外の旗竿地の土地活用方法

旗竿地は、さまざまな活用のしかたがあります。代表的な例について見てみましょう。
 

アパートや戸建ての賃貸

共同住宅に関しては、旗竿地に建てる場合厳しい制限があるところも多いですが、そのエリアの条例をクリアできるようなら建築が可能です。一般的には、共同住宅よりも戸建てが建てやすい傾向にありますが、いずれにしても狭い土地や旗竿地のような場所は賃貸物件としての土地活用に向いています。

戸建ての賃貸の場合、アパートよりも収益性は落ちますが、そのぶん競合が少なく借り主は見つけやすいというメリットがあります。一方、アパートは収益の面では戸建てより期待が持てますが、競合が多いため需要があるかどうかの見極めが重要となるでしょう。
 

ガレージハウス

ガレージハウスとは、住居の一部に車庫がある住まいのことを指します。車を大事にする人を中心に需要があり、賃貸物件の中では供給量が少ないため、旗竿地であっても車愛好家からの人気を集めやすいというメリットがあります。

ガレージハウスの建築となると、それなりに広い敷地が必要となり、道路に面する部分の間口や路地の幅員もゆとりがなければ難しいでしょう。しかし、一般的な戸建て物件を1つ建てるには広いという場合に適しています。
 

駐車場経営

旗竿地の有効な活用法として、特におすすめなものの1つが駐車場経営です。住宅街や商業地など、駐車場は人の集まる場所ならどこでも求められ、初期費用も少ないことから経営面でのリスクも少なくて済みます。

当然ながら、駐車場として使用するには車が出入りしやすいことが肝心です。旗竿地においては、道路に面する部分や路地の幅員が最低でも2.5mは必要となるでしょう。
 

駐車場経営におすすめなオーナー

以下に当てはまる人は、旗竿地を駐車場として活用することにメリットを感じやすいと考えられます。
 

  • 初期費用を抑えて旗竿地を使った事業をしたい
  • 維持費の少ない事業がしたい
  • 住居としては不向きな旗竿地を有効活用したい
  • いずれ更地にして手放す可能性がある

駐車場経営は初期投資が少なく、また元に戻しやすいため、ひとまず始めてみて活路が見いだせたら続けるという方法で行うオーナーも多いです。
 

月極駐車場とコインパーキング

駐車場経営は、月極駐車場かコインパーキングの2つの形態があります。月極駐車場は、利用者と契約をして毎月の賃料を支払ってもらう仕組みです。コンクリート・砂利・アスファルトなどで整地をして区画を決めるだけで成り立つため、初期費用が安く抑えられます。
コインパーキングは、時間単位・分単位で利用者に貸すタイプの駐車場です。利用者が集まりやすい立地なら、月極駐車場よりも収益性が高くなる可能性がありますが、精算機やロックシステムといった設備投資が必要です。

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まとめ

旗竿地は、住居の建設ではデメリットばかりが目立ちやすい場所ですが、考え方や工夫によってはメリットも感じられる土地です。長く住める家を建てるために土地を探している方は、あらかじめ旗竿地の特徴やメリット・デメリットを考慮して慎重に検討していきましょう。住居としての活用が難しい場合は、その他の方法で使ってみるのも選択肢の1つです。相続などで旗竿地を保有している方は、駐車場をはじめとしたさまざまな活用法を考えてみてはいかがでしょうか。
 

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