100坪あったら何ができる?土地活用の例や確認すべき点など

土地を所有しているだけでも、固定資産税や都市計画税などの支払いが必要です。土地を上手に活用することで、土地を所有する際にかかる費用をまかなうだけでなく、プラスで利益を生み出すことも可能です。

100坪あったら何ができる?土地活用の例や確認すべき点などのイメージ

目次

  1. 1100坪あったら何ができる?土地活用の例や確認すべき点など

100坪あったら何ができる?土地活用の例や確認すべき点など

土地を所有しているだけでも、固定資産税や都市計画税などの支払いが必要です。土地を上手に活用することで、土地を所有する際にかかる費用をまかなうだけでなく、プラスで利益を生み出すことも可能です。

今回は、100坪の土地があったらどのように活用できるのか、具体例をご紹介します。100坪の広さのイメージや、建物を建てる際の確認点、立地条件によって変わる適切な活用方法なども解説するので、参考にしてください。

100坪とはどれくらいの広さか

土地や建物の広さを表す単位には「平方メートル」「畳」「坪」などがあります。1平方メートルは1辺が1mの正方形であり、1畳は畳1枚の広さを指します。1坪はおおよそ3.3平方メートルで、畳2枚分の広さです。

よって、100坪の広さは以下のように表せます。
・約3.3平方メートル×100=約330平方メートル
・約2畳分×100=約200畳

100坪の土地の形状はさまざまですが、広さの目安としては33m×10mの長方形や畳200枚分を想像してみるとよいでしょう。大きな土地であり、さまざまな活用方法が期待できます。

イメージは学校のプールほど

100坪は広い土地であることが分かりましたが、なんとなくイメージしにくいと感じることもあるでしょう。100坪をイメージする際には、小中学校などによくある25mプールを思い浮かべてみてください。

一般的な学校のプールの長さは25mで、横幅は約12.5mが目安です。そのため、学校によくあるプールの広さは以下のように求められます。
25m×約12.5m=約312.5平方メートル

100坪は約330平方メートルなので、大体同じくらいの広さであることが分かります。

100坪の土地を活用しないデメリット

土地活用しないまま放置することで、どのようなデメリットがあるのでしょうか。

固定資産税はかかり続ける

土地や家などの不動産を所有していると、市町村などの自治体から固定資産税と呼ばれる地方税が毎年課税されます。毎年1月1日時点の固定資産の所有者に対して課税されるもので、4月~6月頃に納税額が通知されるのが基本です。

標準税率は1.4%で、自治体が決めた土地の課税標準にかけて計算されます。さらに土地が存在する地域によっては都市計画税がかかることがあり、都市計画税は土地の課税標準に0.3%をかけて算出されるのが基本です。

土地を所有していると、固定資産税や都市計画税の支払いが必要になります。何もしないまま所有していると出費だけが増えてしまいますが、土地を上手に活用することで収益化が期待できます。

相続税対策ができない

土地の所有者が亡くなって残された家族が土地を相続した場合、家族が相続税を負担することになります。

相続税を算出する際は、まず土地や預金などの財産をまとめた遺産総額を計算し、そこから基礎控除額を差し引いて「課税遺産総額」を出します。課税遺産総額を法定相続人で分け、それぞれの相続税率をかけることで、相続税が算出されます。

あらかじめ相続税対策をしておくことで、家族にかかる負担を減らすことが可能です。たとえば土地を更地のまま相続する場合、相続税の優遇措置は受けられませんが、土地活用をして土地や建物の評価額を下げることができれば、相続税の負担を減らすことができます。

建物を建てる前に確認すべき都市計画法

土地活用として建物を建てる場合は、確認しておきたい決まりごとがあります。都市の健全な発展や整備のために、土地利用などに関してルールを定めている法律が「都市計画法」です。こちらでは、建ぺい率や容積率、用途地域の制限について解説します。

建ぺい率

土地に対して、建物の面積がどれくらいの割合であるかを表すものです。真上から見たときの面積で考えるため、たとえば2階建ての建物の場合、2階よりも1階の方が広ければ1階部分が建築面積とされます。

建ぺい率は「建築面積÷敷地面積×100」で算出されます。100平方メートルの土地に50平方メートルの建物を建てた場合だと、建ぺい率が50%となります。行政によって建ぺい率の上限が決められているので、上限を超えない範囲で建物を建てる必要があります。

土地いっぱいに建物を建ててしまうと、採光や通風に影響が出る可能性があるほか、都市部などの建物が密集している地域では火災発生時に隣の建物に火が燃え移りやすくなるため、このように制限されています。

所有する土地の建ぺい率を知りたい場合は、自治体に問い合わせるか、自治体によってはインターネット上に「都市計画図」が公開されていることもあるため、チェックしてみるとよいでしょう。

容積率

土地に対して、建物の延べ床面積の割合がどれほどかを表すものです。たとえば3階建ての建物であれば、各階の面積を足した合計の面積で計算されます。

容積率は「延べ床面積÷敷地面積×100」で算出されます。100平方メートルの土地に、1階が50平方メートル、2階が30平方メートルの延べ床面積80平方メートルの建物を立てた場合、容積率は80%となります。

建ぺい率と同じく、行政によって容積率が制限されているので、上限を超えない範囲の建物を建てる必要があります。容積率を制限することで居住環境を保護し、上下水道や公園、道路などの公共施設とのバランスを保ちます。

建ぺい率と同様に、市役所などの都市計画課に問い合わせるか、インターネット上で公開された「都市計画図」をチェックすることで、該当の土地の容積率が分かります。

用途地域の制限と種類

都市計画区域や準都市計画区域では、それぞれで用途地域が指定されています。用途地域を制限することで、計画的な市街地の形成を行います。

都市計画法では13種類の用途地域が設定されており、住居系・商業系・工業系に大きく分けられます。それぞれの建ぺい率と容積率は以下のとおりです。

活用方法の具体例

すでに土地を持っている場合、土地の購入資金をかけずにさまざまな土地活用ができますが、活用方法にはどのようなものがあるのでしょうか。11の具体例をご紹介します。

アパート・マンション経営

所有する土地にアパートやマンションを建築して、賃貸しすることで賃料収入を得る方法です。木造や鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄筋鉄骨コンクリート造などの建物を建築します。

鉄筋コンクリート造や鉄筋鉄骨コンクリート造は頑丈なため、災害リスクを抑えられる点や、建物自体の耐用年数が長いことから長期的に収入を得られるなどのメリットがあります。ただし、木造などと比べると建築費はかさみます。

建物本体の建築に加えて、地盤改良工事やライフラインの整備も必要です。共用部の清掃やエレベーターの定期点検、破損箇所のチェックや修繕、家賃回収といった日々のメンテナンスや、管理についても考える必要があります。

アパート・マンション経営では、いかに空室をなくし、家賃収入を安定させるかが大切です。地域の特性に合わせたターゲットの設定や、ターゲットのニーズの把握をしましょう。

戸建住宅賃貸

所有する土地に戸建住宅を建てて賃貸しすることで、賃料収入を得る方法です。アパートやマンションよりも建設費用を抑えられるため、利回りがよいといわれています。

アパートやマンションは駅近などの立地条件が求められる傾向にありますが、戸建は子育て世帯などから好まれやすく、駅から少し離れた場所や閑静な住宅街であっても借り手を見つけやすいでしょう。

入居期間が長くなりやすく、子どもの足音や生活音などによるトラブルが起こりにくいのも魅力といえます。

ただし1世帯からの賃料収入となると、借り手が見つからない場合は賃料収入がなくなってしまうリスクがある点には注意しましょう。

賃貸併用住宅

ひとつの建物に自宅として使う部分と、賃貸する部分がある住宅を賃貸併用住宅といいます。自宅として使う部分を確保し、なおかつ余分なスペースを有効活用できる方法です。

賃貸する部分には、アパートやマンション、戸建などの住宅のほか、店舗やオフィスなども含まれます。賃料収入でローンの一部もしくはすべてを返済することも可能で、ローンの返済負担を減らせるのが魅力です。

ただし賃貸部分があるため、通常の戸建住宅と比べると建築にかかる費用がかさみます。賃貸部分の入居者が見つからない場合は賃料収入が減り、ローン返済にあてるはずの収入を得られない可能性もあるため、所有する地域のニーズをしっかりと調査する必要があります。

オフィス・店舗経営

所有する土地に建てた建物を貸オフィスや貸店舗として貸し出し、賃料収入を得る方法です。オフィスや店舗として貸し出す場合は、賃貸住宅と比べると入居期間が長い傾向にある点や、内装や設備にかける費用が少なくて済む点などがメリットとして挙げられます。

オフィスや店舗として貸し出す場合は、交通の便のよさが大切です。借り手から見ると、オフィスであれば客先を効率的に訪問できるなどのメリットがあり、店舗であれば顧客が来店しやすいなどのメリットがあります。

一般的には賃貸住宅よりも需要が少ないため、空室のリスクが懸念されます。また、景気の悪化によって需要が減るなどの心配もあります。反対に景気がよいときは、事業拡大などによる需要の増加が期待できます。

駐車場経営

月極駐車場やコインパーキングといった駐車場をつくり、駐車料金を収入として得る方法です。駐車できる環境を整える必要はありますが、建物などを建てる必要がなく、狭い土地でも活用可能であり、初期費用を抑えつつ土地活用を始められます。

月極駐車場の場合は利用者と1か月単位で契約するので、利用者が見つかると安定的に収入を得られるでしょう。コインパーキングは時間単位で貸し出す方法です。

ただしアパートやマンション経営などと比べると収益を上げにくいことから、固定資産税や管理費などの支出とのバランスをよく考える必要があります。立地によっては利益率が悪くなることもあるため、周辺の競合調査や需要調査もしっかりと行いましょう。

コインランドリー経営

備え付けの洗濯機や乾燥機を置いてセルフサービス形式で利用してもらい、機器の利用料などで収入を得る方法です。コインランドリーは、布団やカーテンなどの大物の洗濯や、一度に大量の洗濯物を洗いたいなどのニーズに応えられるサービスのひとつです。

基本的にはセルフサービスであり、常駐スタッフ雇用のための人件費をかけずに経営できます。定期的な清掃のためにアルバイトスタッフを雇用する場合も、月々の人件費を抑えながら経営できるでしょう。

建物を建てて必要な設備を自分で用意する方法もありますが、フランチャイズに加盟してサポートを受けながら経営したり、土地を業者に貸したりする方法もあります。

コインランドリー経営は専門的な資格がなくても始められるので、参入障壁が低く、周辺に競合店舗が出店しやすい面もあります。顧客獲得のために差別化するなど、工夫が必要です。

トランクルーム経営

自宅や事務所にスペースが足りない人などに向けて、収納スペースとしてトランクルームを貸し、使用料を受け取る活用方法です。季節外の衣類や布団類、使用頻度の低いものなどを収納するスペースを提供します。

人が住むわけではないため、水回り設備などを整える必要がなく、初期費用を抑えられます。住宅を建てられないような小さな土地でも経営できるうえ、日当たりや騒音なども気にしなくてよいでしょう。

所有する土地にトランクルームをつくり、運営や管理をほかの業者に委託する方法もあります。パートナー企業と連携してアドバイスやサポートを受けたり、トランクルーム経営をする企業に土地を貸したりする方法を選ぶことも可能です。

地域によってはトランクルームの供給量が多い状態になっているため、利用者を見つけにくいこともあります。市場調査をしっかりと行い、利益が見込めるかを確認する必要があります。

高齢者介護施設経営

広い土地を所有しているなら、介護施設の経営も選択肢のひとつとして挙げられます。日本では高齢者が増え続けており、高齢者向けの介護施設は需要が高まっています。需要が高まっているため、安定した経営や収益の確保を目指せます。

賃貸住宅を経営する場合、駅からの距離や周辺施設などの立地条件が収益や集客に影響を与えやすいですが、介護施設であれば、立地が多少悪くても利用者が不便さを感じることは少ないでしょう。賃貸住宅を経営しにくい立地でも、介護施設の経営は始めやすいといえます。

所有する土地に自ら建物を建てて事業者に貸し出す方法や、事業者に土地を貸して地代を受け取る方法などがあります。自分で建設する場合、施設の種類によっては補助金の利用が可能で、高額になる建設費の負担を減らせることが期待できます。

太陽光発電施設

所有する土地に、太陽光のエネルギーを利用して発電する設備であるソーラーパネルを設置し、発電した電気を電力会社に買い取ってもらうことで収入を得る方法です。固定価格買取制度によって安定的に収益を確保しやすく、収益の見通しが立てやすいでしょう。

落ち葉や鳥のフンの清掃、除草作業などは必要ですが、少ない労力で経営できるのが特徴です。アパート経営のように空室のリスクもなく、郊外の土地でも始めやすいでしょう。

周囲に建物がなくて日当たりがよい土地や、近くに電柱がある土地、周囲に木々が少なくてパネルをきれいに保てる土地などにおすすめです。また、初期費用の回収や収益を上げることを考えると、長期的な運用が必要です。

借地にする

住宅やオフィス、駐車場、トランクルーム経営など土地の活用方法は多岐にわたるため、どれを選べばよいか悩むこともあるでしょう。そんなときは、借地として土地を貸す方法もあります。

建物を建てるなどの初期費用がかからないため、初期費用が回収できないなどのリスクを心配せずに土地活用を始められます。ただし、得られる収益は低くなってしまう点には注意しましょう。

ひと口に借地といってもさまざまな種類があり、普通借地と定期借地に大きく分けられます。普通借地の場合は契約が長期間になりやすく、土地を借りた人が建物を建てるケースが多くあります。

一方で定期借地は、決められた期間に限って土地を貸します。「将来的には家を建てて住みたい」など、土地を利用したいと考える場合にも選びやすいでしょう。事業用の目的に限定された事業用定期借地、一般定期借地、建物譲渡特約付借地などの種類があります。

土地売却

土地活用が難しい土地を所有している場合などは、売却する方法もあります。土地を所有していると、毎年の固定資産税の支払いや管理が必要ですが、売却してしまえばこれらの負担をなくせます。

売却時には現金が手に入るため、得たお金で株式購入などの投資や、必要なものの購入資金にあてることも可能です。相続のときにも分けやすいでしょう。

ただし土地の売却時には、一定の費用や税金の負担が発生する点や、相続税の節税効果がなくなる点などには注意が必要です。また、土地活用による収益を得るチャンスを手放してしまうことにもなります。売却か土地活用か、立地条件や状況などをよく考えて検討しましょう。

適切な活用方法は立地次第

土地活用の方法を検討する際は、立地条件も踏まえる必要があります。立地別におすすめの活用方法を見ていきましょう。

駅前の土地の場合

利便性がよく集客力も高い駅前の土地は、立地条件がよいため、さまざまな活用方法から選択できます。

アパートやマンションなどを建設して、利便性のよい住居として活用するのもおすすめです。駅近の物件は人気な傾向にあるため、継続的に収益を得られる可能性があります。

利便性が高い駅前の土地は、貸オフィスや貸店舗の経営にも向いています。オフィスであれば通勤の便がよく、客先を効率的に訪問できるなどのメリットがあり、店舗であれば顧客が来店しやすいでしょう。

建物の建設など初期費用を抑えたい場合は、借地や駐車場としての活用も検討してみてはいかがでしょうか。

住宅地の土地の場合

住宅が立ち並ぶ土地であれば、戸建住宅賃貸や賃貸併用住宅、アパートやマンション経営がおすすめです。ファミリー層が多いのか、単身世帯が多いのかなど、住宅地にどんな人が住んでいるかを調査し、ニーズに合った住宅を経営します。

住宅地では「アパートやマンションに駐車スペースがない」「自宅の駐車場に1台分しか駐車できない」といったケースが想定されます。住宅地では駐車場が不足しがちなため、駐車場の経営も検討してみるとよいでしょう。

コンビニ経営やスーパーなどのテナント経営、コインランドリー経営なども活用方法として挙げられます。周辺の競合調査や市場調査をする必要はありますが、近くの住民にリピーターになってもらうことで継続的に収益を得られるでしょう。

郊外の土地の場合

都市周辺の地域を郊外と呼びますが、郊外だからこそ向いている土地活用の方法があります。

コンビニやスーパーなどの施設や、ショッピングモールなどの経営はおすすめです。所有する土地の需要を調査して、ニーズに合った店舗を運営する必要がありますが、経営戦略がうまくいけば多くの収益を得られるでしょう。

また、医療施設や福祉施設の経営にも向いています。安定した収益性が見込める点や、社会貢献ができるなどのメリットがあります。

公共交通機関が利用しやすいなど、アクセスのよさも考慮する必要があります。大通りに面していると目立ちやすく、利用者が見込まれるでしょう。

トランクルームは車での利用者が多いため、郊外での経営と相性がよいといえます。比較的少額の初期費用で始められ、日当たりが悪い土地などでも始めやすいでしょう。

地方の土地の場合

都市部と異なり、地方にある土地は活用しにくいと考え、放置しているケースもあるでしょう。都市部と比べると土地活用が難しい傾向にありますが、地方に向いている活用方法もあります。

まず、広い土地を利用して太陽光発電施設を経営する方法が挙げられます。太陽光発電であれば集客する必要がなく、アクセスしにくい地方でも始めやすいでしょう。どこの土地で経営しても初期費用や電気の買取価格は変わらないため、地価の安いところの方が始めやすいといえます。

介護施設の経営にも向いています。賃貸住宅やオフィスなどは立地が悪いと経営しにくいものの、介護施設であれば立地が多少悪くても利用者が不便さを感じにくいでしょう。

まとめ

100坪の土地は約330平方メートルであり、約200畳もの広さがあります。小学校や中学校にあるプールの広さをイメージすると、分かりやすいでしょう。

土地を所有している場合、固定資産税の支払いや土地の管理などの負担が発生します。土地活用することで、土地の所有にかかる費用をまかなえて、収益を上げられる可能性があります。

アパートやマンション、戸建賃貸、賃貸併用住宅、オフィスや店舗経営、コインランドリー、駐車場経営などさまざまな土地活用の方法がありますが、駅近や郊外など立地によって適切な活用方法が変わってきます。活用方法に悩む場合は、土地活用の専門家に相談してみてはいかがでしょうか。

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