2020年08月04日公開
2023年01月18日更新
駐車場運営で儲けるための基礎知識!初期費用、税金、土地購入・リスクや失敗例を徹底解説
この記事には駐車場運営で知るべき基礎知識を詰め込んでいます。固定資産税などの税金や利回り、初期費用や土地購入などの資金、失敗例やトラブル対策、儲かるポイントについても解説。土地が余っている方も、土地なしの個人で駐車場経営に関心がある方も参考にしてください。
目次
駐車場運営の基礎知識
相続などで余っている土地をそのまま放置していると固定資産税がかかり、マイナスの資産になってしまいます。プラスの資産に変えるためには、土地活用を検討したいものです。
ただし、土地活用のなかでもアパート経営やマンション経営だと初心者には難しく、まとまった資金が必要というデメリットがあります。
そこでおすすめなのが駐車場経営です。アパート経営やマンション経営に比べると初心者でも参入しやすく、初期費用が安い、ランニングコストやリスクが低いというメリットがあります。
しかし、駐車場経営で儲かる方もいれば失敗する方もいます。その違いは基礎知識の有無というケースが多いです。
儲かるためには初期費用・税金・利回りなどのお金のことや、成功例も失敗例も把握しておく必要があります。よくあるトラブルやリスク対策を踏まえたうえで、儲かる事例を参考にする方法がおすすめです。
この記事では儲かるための駐車場経営の基礎知識を網羅しています。熟読して参考にしてください。
土地なしの個人でも駐車場運営できる!
初心者でも参入しやすい駐車場経営はすでに土地を持っている方だけでなく、土地なしの個人でもはじめることができます。土地を購入したり、賃貸したりといった方法で駐車場を経営します。
立体駐車場以外なら建物を建てる必要がなく、土地だけを購入または賃貸すればいいため、アパート経営やマンション経営よりも初期費用を安く抑えることができます。
また、自宅の敷地内などの余っている土地を使う方法もあります。自宅が所有地でも借地でも、それぞれに駐車場を経営することができます。
駐車場運営と不動産投資の違い
そもそも不動産とは土地と建物のことです。そのため不動産投資のなかには駐車場経営や民泊、介護施設などの経営も含まれます。
ただし一般的に不動産投資という場合は、アパート経営・マンション経営・戸建て経営・REIT(不動産投資信託)・小口化商品・不動産私募ファンドなどのことを意味します。
このうちREIT・小口化商品・不動産私募ファンドは、不動産に投資する金融商品です。土地活用よりも資金活用のほうに重点が置かれています。
そのため土地活用に重点を置きつつ、駐車場経営と比較したい不動産投資とは、アパート経営・マンション経営・戸建て経営のことです。
具体的には、アパート・マンション・戸建てそれぞれに投資して家賃収入を得る方法です。駐車場経営の場合は基本的に建物を建てる必要はありませんが、不動産投資の場合は建物を建てる必要があります。
アパートなどを経営する不動産投資は初期費用が高い、収入を得るまでに時間がかかる、修繕費用がかかる、空室や家賃下落などのリスクが高いといったデメリットがあります。
駐車場経営の場合は建物がない分、不動産投資のデメリットを回避できる可能性が高いです。
駐車場運営のメリットとデメリット
アパート経営などの不動産投資と比較すると、駐車場経営は初心者でも参入しやすいです。メリットが多い土地活用ですが、デメリットもしっかりと押さえておく必要があります。
駐車場運営のメリット
駐車場経営のおもなメリットは次の通りです。
- 建物を立てない分、初期費用が安い
- 収入を得るまでにあまり時間がかからない
- 修繕費などのランニングコストが低い
- 狭い土地や形の悪い土地でも経営できる
- 撤退するときもあまり時間がかからない
- トラブルやリスク対策を想定しやすい
アパート経営などの場合は建物を建てて維持する分の費用やコスト、時間がかかります。駐車場経営なら基本的に建物がないので、はじめやすく辞めやすいという特徴があります。
また、不動産経営だとトラブルの種類は住居者それぞれといった面も多く、多岐にわたります。駐車場経営よりも想定外のトラブルが発生する確率が高く、リスク対策を想定しにくいというデメリットがあります。
駐車場経営のほうがトラブルの種類は限られる傾向にあり、リスク対策を想定しやすいです。何らかの事情で駐車場経営から撤退する場合も、契約解除の事前通知は1か月前までなどと取り決めておくことができます。
駐車場運営のデメリット
駐車場経営のおもなデメリットは2つあります。
- アパート経営などの不動産投資より税金が高い
- アパート経営などの不動産投資より収入は低い
不動産にかかる税金としては固定資産税・都市計画税がありますが、どちらも住宅や住宅用地には優遇措置があり、住宅用地以外の土地には優遇措置がありません。そのため駐車場経営の場合は税金が高いです。
また、アパート経営などの場合は2階建て・3階建てと同じ面積でも効率よく土地を活用できますが、駐車場経営の場合は立体駐車場以外では縦に面積を増やすことができません。
しかも家賃より駐車場代のほうが安い傾向にあるため、不動産投資と比較すると一般的に駐車場経営は収入が低いです。ただし、儲かるコツをつかむと安定した収入を得ることができます。
駐車場運営のタイプ
大きく分けて月極駐車場とコインパーキングという2つのタイプがある駐車場経営。それぞれの特徴と違いについて解説していきます。
月極駐車場運営
月極駐車場は、契約者が1か月単位で賃料を支払う賃貸契約です。コインパーキングより初期費用が安く、手間もかかりませんが、収入はあまり多くない傾向にあります。経営形態によって下記の3種類に分類できます。
経営形態 | 駐車場経営 | 管理運営 |
自営 | 土地所有者・借主 | 土地所有者・借主 |
管理委託方式 | 土地所有者・借主 | 業者 |
一括借上げ方式 | 業者 | 業者 |
自営の場合は、駐車場経営も契約者の募集や賃料の回収といった管理運営もすべて土地所有者または土地の借主自身(以下、土地所有者)が行います。
管理委託方式の場合は業者に管理運営を委託します。土地所有者が業者に手数料を払ったうえで、駐車場の利用状況に応じた収入を得ます。土地の整備などの準備は、一般的に土地所有者自身が行います。
一括借上げ方式はサブリースとも呼ばれていて、業者に土地を貸し、駐車場経営も管理運営も行ってもらいます。土地所有者は駐車場の利用状況にかかわらず毎月一定の地代を得ます。
月極駐車場は自営・管理委託方式・一括借上げ方式という経営形態と管理運営の違いによって収入も変わります。
コインパーキングで駐車場運営
不特定多数の利用者が、利用時間に応じた料金を払うコインパーキング。月極駐車場と比較すると精算機の設置などの初期費用や料金回収などの手間がかかりますが、収入は多いという特徴があります。経営形態によって下記の2種類に分類できます。
経営形態 | 駐車場経営 | 管理運営 |
自己経営方式 | 土地所有者・借主 | 業者 |
土地賃貸方式 | 業者 | 業者 |
コインパーキングでは、契約者の募集や賃料の回収といった管理運営は業者に委託するのが一般的です。自己経営方式と土地賃貸方式で異なるのは経営形態そのものです。
自己経営方式の場合は、土地の整備や設備の設置といった準備を土地所有者自身が行います。初期の準備を業者に依頼する場合は、その費用を土地所有者が払います。さらに業者に手数料を払ったうえで、駐車場の利用状況に応じた収入を得ます。
土地賃貸方式の場合は業者に土地を貸し、初期の準備も管理運営も行ってもらいます。その代わりに駐車場の利用状況に応じた利益は業者が得ますが、土地所有者は利用状況に左右されない一定の地代を受け取ります。
駐車場運営をはじめるときのポイント
これから駐車場経営をはじめる方は儲かるための基礎知識を知っておく必要があります。
知っておきたい基礎知識とは、土地なしの個人の方は土地の見つけ方、土地購入の費用。土地の有無にかかわらず、初期費用などの資金のこと、固定資産税などの税金や利回り、成功事例・失敗事例・リスクなどです。
こうした基礎知識についてそれぞれ解説していきます。
駐車場の形やタイプを考えておく
駐車場経営には月極駐車場とコインパーキングという2つのタイプがあり、さらに経営形態によって種類が分かれています。どのタイプや種類でも、立地条件が良いことが儲かるポイントです。
とくに月極駐車場の場合は住宅街やオフィス街が適しています。コインパーキングの場合は繁華街、駅前、商業施設や病院などで駅から遠い、駐車場が不足または駐車場がない施設の近くが向いています。
また、経営形態の種類によって管理運営を自分で行うのかどうかも変わってきます。駐車場経営をはじめたい土地がすでにある場合は、立地条件から適したタイプや経営形態を選ぶ方法がおすすめです。
土地なしの個人で土地購入からはじめる場合は、希望するタイプや経営形態から適した土地を探すことも可能です。いずれにしても駐車場経営のタイプと種類についてじっくり考えておきましょう。
土地なしは駐車場運営する土地を見つける
土地なしの個人の場合は、実際に土地を見つけることが重要です。月極駐車場かコインパーキングのどちらかを想定して土地を探しはじめても、実際には手頃な場所に適した土地が見つからないケースが考えられます。
実際に購入したり借りたりすることが可能な候補地を探しつつ、駐車場経営のタイプや種類も併せて考えることが大切です。その結果、土地を見つけることができれば具体的に駐車場経営のタイプや種類を決定することができます。
税金や利回りについて学んでおく
駐車場経営の場合は住宅用地ではないので固定資産税の軽減措置はありません。また、収入に対して所得税と住民税もかかります。
こうした税金はもちろん、利回りについても学んでおく必要があります。利回りとは、投資したお金に対してどれくらいの利益が出るかという1年あたりの平均の割合のことです。
利回りには表面利回りと実質利回りの2種類があります。表面利回りは経費を差し引かないため利回りが高く、実質利回りは経費を差し引くため利回りが低いという違いがあります。
業者に委託する際、表面利回りで収入事例が提示される場合があります。ただし、実際には経費がかかるので、実質利回りに注目するようにしましょう。
成功した儲かる事例だけでなく失敗例やリスクも知る
すでに駐車場を経営している方のなかには、成功事例もあれば失敗事例もあります。儲かるためには成功事例を参考にすることが大切です。
ただし、失敗事例から学ぶこともたくさんあります。なぜ失敗したのかという原因を考慮しておくと、反面教師としてしてはいけないことがわかります。
どこにリスクがひそんでいるのかといった注目ポイントを知ると、リスクを回避することにもつながります。成功事例と失敗事例の両方をしっかり把握するようにしましょう。
土地費用や初期費用などお金のことも考えておく
アパート経営やマンション経営などの不動産投資と比べると、駐車場経営は建物がない分、初期費用が安いです。それでも月極駐車場の場合は土地の整備、コインパーキングの場合は設備の設置などの初期費用がかかります。
自営の場合と業者に委託する場合で初期費用が変わるほか、すでに土地を持っているか、これから購入したり借りたりするかの違いで土地費用がかかる場合もあります。
駐車場経営をはじめるタイミングで、どの程度の資金が必要となるかは状況に応じて異なります。十分な資金があるかどうか、事前に考えておくことが大切です。
駐車場運営をはじめる流れ
下記のような流れで駐車場経営をはじめます。
- 事前に調査・確認・計画
- 土地を探す・購入する(借りる)
- 駐車場の土地の整備・設備の設営
- 駐車場経営・管理・運営をはじめる
次の項目から具体的な流れを解説していきます。
駐車場運営をはじめる前の調査・確認・計画
駐車場経営をはじめる前のタイミングで重要なのは調査・確認・計画を徹底することです。とくに入念に調べたいのは土地の価格・駐車場の賃料または料金・ニーズの3つです。
周辺の土地の価格や駐車場賃料の相場を調査する
月極駐車場の場合は賃料、コインパーキングの場合は料金をどれくらいに設定するのか決めるために、周辺の土地の価格や実際の賃料または料金の相場をしっかり調査する必要があります。
そもそも駐車場の賃料および料金は、一般的に周辺の土地の価格に比例しているものです。価格が高い土地では駐車場の賃料や料金も高く、価格が低い土地では駐車場の賃料や料金も安いです。
多少の幅はあるはずですが、既存の駐車場は土地の価格に応じて賃料や料金を設定しているものです。そのため周辺の駐車場の相場を徹底的に調査しましょう。
周辺の相場より安い賃料や料金に設定すると、駐車場経営をはじめたばかりのときは契約や利用が集中する可能性が高いです。ただし、さらに安い賃料や料金の駐車場が新設された場合、あるいは既存の駐車場が賃料や料金を下げた場合、利用者がそちらに移ります。
もちろん相場を調べずに高い賃料や料金に設定してしまうと、はじめから儲からない可能性が高まります。相場より高すぎず安すぎない適正価格を見極めることが大切です。
また、駐車場の賃料や料金の相場は随時変わるものなので、こまめにチェックするようにしましょう。
駐車場運営して儲かるかニーズも調査する
駐車場経営で儲かるかについては、ニーズがあるかどうかにかかっています。ニーズの有無は、駐車場が慢性的に不足しているかを調べることによってわかります。
月極駐車場が適している場所は住宅街やオフィス街、すでに月極駐車場があるところの周辺です。
住宅街の場合は戸建てよりマンションやアパートのほうが駐車場不足に陥っている可能性は高いです。オフィス街の場合は自動車通勤をしている個人のほか、駐車場を必要としている会社もあります。
いずれも月極駐車場がすでにある場所は実際に利用者がいるということです。さらに利用を検討している方がいる可能性があるため、既存の月極駐車場の周辺もおすすめです。
コインパーキングの場合は繁華街・駅前・商業施設・病院の周辺が適しています。そもそも駐車場がない店舗や駅、施設はニーズが高いです。
またコインパーキングは月極駐車場より稼働率が高いため、すでにコインパーキングがある場所は避けたほうが無難です。コインパーキングの密集地だと価格競争が起きやすいというデメリットがあります。
駐車場運営をする土地を選ぶ・購入する
土地なしの個人で駐車場経営を検討している方は、事前の調査・確認・計画を十分したら土地を選ぶ・購入するという段階に進みます。
さらに余っている土地を活かす方法で駐車場経営を考えている方も含め、土地の整備や設備の設営などの資金を準備します。こうした駐車場経営の具体的な準備について解説していきます。
土地や駐車場設備に必要な資金を準備する
事前の調査・確認・計画の段階で駐車場経営のタイプや種類を把握し、そのなかからどれを選ぶかを決めることができました。
続いて行うことは、土地なしの個人の場合、それぞれのタイプや種類に応じた土地を選んで購入するか、借りるかのどちらかです。そのためには土地費用が必要です。すでに土地を持っている方の場合、土地費用は必要ありません。
また、月極駐車場のうち一括借上げ方式ではなく自営・自己経営方式を選ぶ場合は土地の整備、コインパーキングのうち土地賃貸方式ではなく自己経営方式という経営形態を選ぶ場合はさらに設備の設置といった初期費用が必要です。
さまざまな状況に応じて必要な土地費用・初期費用は異なります。こうした資金の準備方法は自己資金または融資などです。
初期費用や土地なしの土地購入費用などを計画
土地費用や初期費用を自己資金でまかなえるかどうか、計画を立てることも大切です。
駐車場経営はアパート経営などの不動産投資に比べると、収入を得るまでの期間が短くて済みます。それでも状況に応じて収入を得るまでにかかる金額は異なるため、全額を自己資金で調達して本当に無理がないかどうか検討します。
融資を受けるのであれば、銀行なども詳しくチェックしておきましょう。
土地なしが駐車場運営する土地を選ぶポイント
土地なしの個人の場合は、どのような土地を選ぶかによって儲かるかどうかが変わってくる可能性があります。そのため慎重に土地を選ぶ必要があります。
駐車場経営の場合はアパート経営などの不動産投資と違って、基本的に建物を建てる必要がありません。そのため建物を建てるにしては狭い土地、形が悪くて建物を立てにくい土地でもかまいません。
土地の面積や形よりも重視したいのが、駐車場の需要があるかどうかです。月極駐車場の場合に適しているのは住宅街・オフィス街・すでに月極駐車場があるところです。そのなかでも戸建てが密集している地域よりは駐車場がない、または不足しているマンションやアパートの近くが適しています。
オフィス街でも敷地内に駐車場がある会社が多いところや、ほとんどの方が電車通勤で自動車通勤の方がほぼいないエリアではニーズが少ないです。
また、コインパーキングの激戦区ではすでにコインパーキングが飽和状態の可能性が高いです。駐車場がないか不足している店舗・駅・施設を利用する方の動線を見極めることがポイントです。
月極駐車場のうち管理委託方式と一括借上げ方式の場合は不動産会社、コインパーキングの場合はコインパーキング運営会社に管理運営を委託するのが一般的です。不動産会社で土地を探す際に、駐車場のニーズについて相談する方法もおすすめです。
駐車場の建設と駐車場運営スタート
立体駐車場以外の駐車場経営の場合は建物を建てる必要がありませんが、土地の整備は必要です。さらにコインパーキングの場合は精算機などの設備を設置します。
事前に入念な調査・確認・計画をし、土地なしの個人の場合は土地を購入するか借りるなどで用地を確保します。
駐車場のレイアウトは儲かる駐車場も参考にする
狭い土地や形が悪い土地でも駐車場経営は成り立ちますが、事故が起きないように自動車や人が通りやすいレイアウトにすることが大切です。
月極駐車場でもコインパーキングでも、利用しやすいことが儲かる駐車場になるポイントです。利用者の目線で周辺の道路からの動線を確認してみたり、実際に駐車してみたりといったシミュレーションを繰り返すと細かい点に気づきやすいです。
また、実際に利益を上げている駐車場はどのようになっているのか、レイアウトを参考にする方法もおすすめです。
駐車場運営スタート後の注意点
駐車場の経営がはじまったあとも注意すべきことはあります。とくに重要なのは利回り・トラブルとリスク対策・失敗例から学ぶこと・税金・確定申告の有無です。こうした駐車場経営をはじめてからの注意点について解説していきます。
駐車場運営の利回りを知っておこう
利回りとは「投資したお金に対する利益の割合」のことで、一般的に年利回りという1年単位の利益の割合を意味します。経費を差し引かない「表面利回り」と経費を差し引く「実質利回り」があり、計算式は次の通りです。
- 表面利回り(%)=年間収入÷(土地費用+初期費用)×100
- 実質利回り(%)=(年間収入-経費)÷(土地費用+初期費用)×100
注目すべきなのは実質利回りのほうです。駐車場経営の場合、平均的な実質利回りは約4%です。ただし、土地を購入したり借りたりせず、すでに持っている土地を駐車場にした場合は実質利回りが50%以上などと格段に高くなります。
月極駐車場の1台あたりの賃料は5,000~1万円、1~3万円、5万円程度、コインパーキングの1時間あたりの料金は100~1,200円程度と土地の価格に比例して目安に幅があります。
コインパーキングの稼働率の目安も40~70%と立地条件によって違いがあります。これらの目安を参考にして実質利回りの予測を立て、実際の結果と照らし合わせることで儲かるコツをつかみやすくなります。
駐車場運営のトラブルやリスク対策をしておく
駐車場を経営しているときに発生しやすいトラブルは次の通りです。
- 賃料の滞納・料金の未精算
- 無断駐車・盗難
- 事故
- ゴミ・騒音などのクレーム
なかには月極駐車場の賃料を滞納するほか、コインパーキングの料金を払わないまま不正出庫する利用者もいます。月極駐車場の場合は賃料を前払いにしたり、連帯保証人を立てたりといった契約時の取り決めでリスク対策ができます。
コインパーキングでは料金の勘違いがよくあります。とくに最大料金などの表示に但し書きがある場合は、見落としていたから払わないといったクレームにつながりやすいです。看板の料金表示をわかりやすくする努力が必要です。
また、コインパーキングの不正出庫の場合は、料金の請求書を内容証明郵便で送る、弁護士に相談するといったかたちで対処します。こうした対処が大変なので、管理運営はコインパーキング運営会社に任せるのが一般的です。
無断駐車や盗難、事故、ゴミや騒音などの対処も大変ですが、以下のようなリスク対策が有効です。
- 予め防犯カメラを設置する
- 自動車・人・壁などにぶつからないよう通りやすいレイアウトにする
- きれいにそうじする
- 近隣住民の方たちに配慮する
駐車場経営は自然災害による被害を受けにくいという特徴があります。それでも事故や盗難などのトラブルが発生する可能性もあります。リスク対策を入念に行うほか、必要な保険に入る方法もあります。
こうした管理運営が大変な場合は自営を避け、不動産会社やコインパーキング運営会社に相談しながら委託するようにしましょう。
駐車場運営の失敗例を知っておく
おもな駐車場経営の失敗例は次の通りです。
- ニーズの調査不足
- 賃料や料金が相場とかけ離れていた
- 税金・稼働率・利回りなどの確認不足
- 業者とのやりとりに問題があった
- トラブルが発生した
需要がないところで駐車場経営をはじめても、利用者は集まりません。ニーズの調査は徹底して行いましょう。また、せっかく需要があるところでも、賃料や料金が相場より高すぎると利用者に敬遠されてしまいます。
逆に賃料や料金が安すぎると、利用者が殺到するのは一時的です。そのうち価格競争が生まれ、利用者はほかの駐車場に移ります。変動しやすい相場を常にチェックし、適正価格を見極めることが大切です。
賃料や料金と駐車場の台数だけに注目してざっくりと収入を予測していると、思ったより少ないという結果になってしまいます。土地費用・初期費用・経費も含め、税金・稼働率・利回りなどをしっかり把握しましょう。
自営以外の場合は業者と契約します。その際に契約書を熟読し、わからないことは質問しておくことも大切です。とくにトラブルが発生したときに業者がどのような対応をしてくれるのかなどを事前に確認しておけば、失敗を未然に防げる可能性が高まります。
事故や盗難などのトラブルが発生すると、利用者離れにつながります。そもそもトラブルが発生しないよう事前にリスク対策を十分に行うことがポイントです。
さらに万が一トラブルが発生した場合の対処方法も想定しておきましょう。対処がスムーズであれば、利用者の信頼を回復することにつながります。こうした失敗例を知ることで、同じ轍を踏まないように気をつけることができます。
固定資産税など駐車場運営の税金種類
駐車場経営に関係がある税金は次の通りです。
税金 | 課税対象 | 税率 |
相続税 | 土地・建物 | 10~55% |
固定資産税 | 土地・建物 | 1.4% |
都市計画税 | 土地・建物 | 最高0.3% |
償却資産税 | 構築物・設備 | 1.4% |
所得税 | 所得 | 5~45% |
住民税 | 所得 | 10% |
個人事業税 | 所得 | 5% |
消費税 | 売上 | 10% |
それぞれの内容について解説していきます。
相続税
駐車場にする土地を相続した場合は相続税がかかります。
固定資産税・都市計画税
固定資産税と都市計画税はセットで納付します。都市計画税の対象は市街化区域のみです。市街化区域以外ではかかりません。
固定資産税は住宅用地の場合、200㎡以下の小規模なら課税標準額が1/6、200㎡を超えると課税標準額が1/3になるという特例の軽減措置がありますが、住宅用地以外は対象ではありません。
償却資産税
固定資産税の一種ですが、構築物や設備などが課税対象で、償却資産税という通称で呼ばれています。アスファルトなどの舗装路面・看板・門扉・塀・フェンス・外灯などの構築物、精算機などの設備に対してかかります。
土地が対象の固定資産税を含む確定申告や所得税・住民税の申告とは別に、償却資産税の申告をする必要があるので注意が必要です。
所得税・住民税・消費税
駐車場経営以外の収入と同じように、それぞれ所得や売上に対してかかります。
個人事業税
10台以上の駐車場の場合にかかります。
駐車場運営で確定申告が必要なケース
以下のケースでは確定申告が必要となります。
- 駐車場経営専業の場合
- 駐車場経営などの副業の所得が合計20万円を超えた場合
- 2か所以上の給与収入がある場合
まとめ
駐車場経営の基礎知識を網羅しました。儲かるポイントはニーズを見極めることです。
- 住宅街・オフィス街:月極駐車場
- 繁華街、店舗・駅・施設周辺:コインパーキング
土地なしの個人でも駐車場経営は可能ですが、適した土地を選ぶことが大切です。アパート経営やマンション経営といった不動産投資とは、基本的に建物を建てないという点が大きく異なります。
そのため初期費用が安い、はじめやすく辞めやすいなどのメリットがあるものの、不動産投資ほど大きな利益は見込めません。ただし、堅実に儲けたい方におすすめの土地活用です。
成功例を参考にしてレイアウトを考えるほか、失敗例から学んでトラブルなどのリスク対策を行うこと、事前に調査・確認・計画をしっかり行うことが重要です。
自営のほか、不動産会社やコインパーキング運営会社に管理運営を委託する方法もあります。固定資産税などの税金・利回り・稼働率などをしっかり把握し、儲かる駐車場経営をはじめましょう。