駐車場経営のための土地購入を解説!選び方や費用、経費、注意点

駐車場経営はリスクが少なく、最小限のコストから始めることができる人気の高い不動産投資のひとつです。本記事では駐車場経営のための土地購入の際、気をつけておくべきことは?選び方や費用、注意点は?また予算計画、周辺ニーズ、返済計画や利回り計算について解説します。

駐車場経営のための土地購入を解説!選び方や費用、経費、注意点のイメージ

目次

  1. 1不動産の土地購入で考えるべきことは?
  2. 2駐車場経営を土地なしで!土地購入時の選び方
  3. 3駐車場経営の土地購入費用・経費
  4. 4駐車場経営の土地購入の注意点
  5. 5まとめ

不動産の土地購入で考えるべきことは?

不動産の土地購入で考えるべきことは?

通常の不動産購入(建物を建設する)と駐車場用地としての土地購入ではかなりの違いがあります。大きく分けて以下4点です。
 

  1. 通常の不動産と駐車場のニーズの違い
  2. 土地購入時にかかる費用の違い
  3. 不動産の損益分岐点の見極め方
  4. 適した土地の形状、間口、奥行

また月極駐車場にするのかコインパーキングにするのかによっても条件が変わってきます。

駐車場経営は、現在土地活用の中でも、特に人気のあるもののひとつです。何故ならリスクが少なく、かつ長期的に見ればかなりの収益性が見込めるからです。また始める際の準備期間も短くて済みます。不動産活用を考える人であれば、誰でも1度はやってみようかと検討したことがあるのではないでしょうか?

それでも実際に行動に移すとなると様々なハードルがあります。また立地条件も良く、駐車場経営に向いている土地なのにと思えるような土地が遊休地として使われず、空き地になっているケースも多いです。では何が障壁になっているのでしょうか?

実は駐車場経営のための土地購入においては、土地を選ぶコツや注意点がいっぱいあります。またそれに気づいて大きな利益を上げ成功している人もいっぱいいます。今回は、駐車場経営のための土地購入について解説していきます。また駐車場経営のための最適な土地の選び方やその費用、経費、注意点についてもご紹介します
 

駐車場経営を土地なしで!土地購入時の選び方

駐車場経営を土地なしで!土地購入時の選び方

駐車場経営のための土地購入をする際、どのようなことに気をつけたらよいでしょうか?綿密な予算計画、収益性、土地の価格相場、周辺ニーズ、そしてどのような土地が駐車場経営に向いているのか、あらかじめしっかり考えておく必要があります。それをこれからご紹介します。

駐車場経営のための予算計画をたてておく

駐車場経営を始める前には、その予算計画をしっかりたてておくことが必要です。何故なら駐車場経営自体、賃貸経営ほど収益が上がるものではなく、損益のボーダーラインをきちんと見極めておく必要があるからです。

土地を購入すれば、その土地には当然固定資産税がかかります。駐車場収入が固定資産税を上回るように、あらかじめ綿密な予算計画をたてておくことが重要です。
 

駐車場経営のための土地購入だと忘れない

賃貸経営のための土地購入と、駐車場経営のための土地購入では事情が変わってきます。賃貸経営ほど収益があがらないため、駐車場経営に向いている土地を選定し見極める必要があります。

土地の選定を見誤ると、ほぼその時点で収益性が見込めなくなってしまう可能性が高いです。駐車場経営でも確実に収益が見込める土地を選定するためには、まず土地の相場を知っておく必要があります。
 

駐車場経営で土地購入するときは相場を知っておく

駐車場経営で土地購入するうえでまず必要なのは、買いたい土地周辺の相場を知っておくことです。土地の価格相場を知れば、そのエリアで土地を探すことが妥当なのか、もっと別のエリアで探した方がいいのか、また予算の練り直しを図った方がいいのかなど、様々なプランを比較検討することが可能になります。

また相場を知っておくと買いたい土地が出てきた時に、その土地を買うことが妥当かを知るための大事な指標になります。周辺エリアの相場と比べて高すぎると感じた時は、売主と価格交渉することもあるでしょう。

土地相場の情報をあらかじめ取得しておくことは、その土地を適正価格で取得するための最初のプロセスといえます。

ひとつの土地には以下4つの価格があります。
 

  • 実勢価格
  • 公示価格
  • 路線価
  • 固定資産税評価額

「実勢価格」は実際の土地が売買される価格。「公示価格」は、国土交通省が地価公示法に基づき、毎年1月1日における標準地を選定し発表するもの。「路線価」は、国税庁が毎年1月1日を評価時点とし、道路に面する宅地の1平方メートルあたりの評価額として発表されるもの。「固定資産税評価額」は、固定資産税、都市計画税、不動産取得税、登録免許税などの基準となる価格で、各市町村によって3年ごとに更新されているもの。

この中で特に大事なのは、実際の売買価格にかかわる「実勢価格」です。実勢価格を調べるのに早い方法は、インターネットです。その次に地元の不動産会社へ行くことで、よりその土地周辺の詳細な情報を得ることができます。

それぞれの土地の適正価格は、必ずしも相場だけで判断できるようなものではありません

その土地の様々な条件によって実際には大きく異なってきます。しかし土地周辺の相場をあらかじめつかんでおくことが、その土地を適正な価格で購入するための大事な指標になります。
 

駐車場経営で土地購入する人は周辺ニーズも調査

駐車場経営で土地購入する場合、土地の周辺ニーズもしっかり調査しておく必要があります。もともと駐車場のニーズの少ない土地であれば、いかに格安で土地を購入したとしても、収益化できる見込みは薄いです。

また都心やオフィス街であっても、利用する人たちのほとんどの移動手段がバスや電車であったらどうでしょうか。思わぬ所に落とし穴が潜んでいる可能性があります。

思ったほど需要がなかったとして、価格を落とせば利用者は増えるかもしれません。しかし価格を落とせば収益性の面で問題が出てきます。後から後悔することがないように、充分にその土地の周辺ニーズを見極めておく必要があります。
 

駐車場経営の土地購入で狙いたい土地

駐車場に適した土地とは繁華街や商業地域、住宅地で駐車場の需要が多く、また敷地に面している道路の幅が充分にあり、間口が広く、車が出入りしやすいような土地です。周辺の車の通行量、どのような人達がその土地周辺を利用しているか?といった内容を、できるだけリサーチしておく事がベターです。

それに加えて、駐車場経営の収益性の確保という面からも検討する必要があります。駐車場経営の土地購入において、まず狙いたい土地は都心から少し離れていて、かつ交通の利便が良い地域です。

もうひとつが地方都市で固定資産税が低く、かつ駐車場の需要の多い地域。東京都内の良い土地は、駐車場経営には向きません。都心の駐車場の需要は確かにあります。しかし土地の相場が高く、固定資産税が高すぎて収益性がままならないのです

都心の駐車場では、赤字経営の駐車場が多いのです。何らかの理由があって、建物を建てずに駐車場にしているだけ。ほぼそう考えて良いでしょう。

しかし都心から離れて、郊外に目を向ければどうでしょうか。

埼玉、神奈川などの少し都心から離れたエリアで交通の利便の良い場所においては、損益のボーダーラインをクリアできる地域があります。そのような土地では固定資産税が安く、かつ駐車場の需要が多いため、収益性を確保することができます。

これが更に郊外へ行くと、今度は駐車場収入の方が下がってしまうため、固定資産税を上回ることができなくなってしまいます。また地方都市によっては固定資産税の低い土地もあるため、都市の中心部であっても収益が黒字化しやすい地域もあります。
 

駐車場経営の土地購入費用・経費

駐車場経営の土地購入費用・経費

駐車場経営の土地購入費用はどのように準備すれば良いでしょうか?自己資金、借り入れなど様々な方法があります。また駐車場経営の土地購入の際に発生する費用はどのようなものか、どの程度かかるのかについてご紹介します。

駐車場経営の土地購入費用の準備方法

駐車場経営の土地購入費用の準備方法には自己資金でまかなう場合もありますし、借り入れによって行う方法もありますが、中には土地を借りたいという方もあるかもしれません。

準備方法は大きく分けて以下3点です。それぞれについて解説します。
 

  • 土地購入を自己資金で行う
  • 土地購入を借り入れで行う
  • 土地を借りるという方法もある

土地購入を自己資金で行う

駐車場経営で収益を上げるためには、土地購入を自己資金で行うのがベストです。そもそも駐車場経営は賃貸経営ほどの収益性はありません。駐車場経営の土地購入を自己資金でまかなうことができれば、借入金の金利など発生しないため、利益を残すことができます。

また相続対策として、土地購入をされる方もいます。何故なら現金を土地に代えれば、相続対策になるからです。土地の場合は相続税路線価で換算されるため、払うべき相続税が現金より安くなります。

加えて月々の駐車場収入も入ってくるため、相続対策目的の方からすると二重のメリットが生まれるわけです。
 

土地購入を借り入れで行う

駐車場経営の土地購入費用を、借り入れで行うのはあまりおすすめしないやり方です。借り入れによる費用が利益を圧迫します。しかも元本返済額は経費として認められていません。固定資産税、都市計画税、借入金の金利しか経費の対象として認められてはいません。

駐車場経営の土地購入費用は自己資金でまかなうか、もし借り入れをしたとしても最小の金額に抑えるべきです。
 

土地を借りるという方法もある

土地を借りて駐車場経営をするやり方もありますが、土地購入を借り入れで行う場合に加えて更に借入額が利益を圧迫するリスクがありますので、あまりおススメできません。

駐車場経営の土地購入費用の目安

駐車場経営の土地購入費用の目安はどのように見たらいいのでしょうか?これは実際にはケーズバイケースであり一概には言えません。何故なら収益性が高く見込めそうな土地とそうでない土地とではかなりの差があるからです。

しかし、駐車場経営のための土地購入であれば、通常はまず格安物件を探して購入すべきと言えます。建物を建てて賃貸収入が得られるような土地であれば、たいてい採算が合いません。しかし何らかの理由で建物を建てることのできない土地は格安で売られていることも多く、そこが狙い目です。

狙い目の物件とは具体的にはどのような物件なのか。ひとつは市街化調整区域内の土地。なぜなら市街化調整区域の土地は格安で売られている物件が多いからです。

市街化調整区域の土地は、本来開発許可という許可を得ないと建物を建てることができないのです。しかし工場や倉庫などが周辺にある物件もあり、駐車場利用が最も収益性の高い活用法となるケースがあります。

もうひとつは、市街化区域内でも建物が建たないような小さな土地です。小さく狭い土地は、活用用途が限られるため、とても格安で売られています。こういう土地に目をつけて、複数の物件を所有し、駐車場経営を行って稼いでいる業者もあります。

駅に近い立地であれば、なおさら好都合です。駐車場の需要が多く、かつ格安で手に入れることができます。極小地は駅前でも使われず放置されていることが多いですが、このような活用法があるのです。
 

駐車場経営の土地購入で発生する経費

駐車場経営の土地購入で発生する主な経費として以下の経費がかかります。
 

  • 購入時の土地取得費
  • 土地整備費
  • 解体費用(土地に建物が存在している場合)
  • 看板設置費
  • 料金精算機や監視カメラ(コインパーキングの場合)

看板設置費はお客さんを駐車場に誘導するためのもので、広告看板や料金表などがあります。更にコインパーキングにした場合は料金精算機や監視カメラなども必要になりますが、管理会社に委託する場合も多いようです。

そして土地を未舗装にするか舗装するかによっても費用は変わってきます。砂利を敷き詰める、アスファルト舗装をする、コンクリート舗装をするなどがあります。

また、駐車スペースが500㎡以上(レイアウトにもよりますが、概ね30台~40台レベル)の駐車場では駐車場法が適用されるため、届出と各種規制があります。

駐車場経営の土地購入の注意点

駐車場経営の土地購入の注意点

駐車場の土地購入時の注意点は以下4点です。それぞれについて詳しく解説します。
 

  1. 土地購入では利回りの高い土地を知っておく
  2. コインパーキングと月極の違いを知っておく
  3. 借り入れの中でも「銀行融資」は厳しい
  4. 融資の場合は返済計画と利回り計算はしっかりと

①土地購入では利回りの高い土地を知っておく

接道面積は広く間口は充分にあるのに、奥行は狭く、建物を建てるには不向きに思える土地は格安で手に入れることができるため、駐車場経営にはまさに狙い目の土地のひとつであるといえます。

また、マンションの駐車場で契約が埋まらず、駐車場が稼動していないような場合、売買の投資商品として売られることがあります。格安で手に入れることができるうえ、アスファルト舗装など駐車場としての条件は既に兼ね備えているため、初期投資も少なく抑えることができ、駐車場経営においてはうってつけです

また繁華街や商業地で駐車場の不足した地域では大変需要があり、高利回りが得られるケースがあります。

②コインパーキングと月極の違いを知っておく

月極駐車場は高い駐車場機器を導入することなく、低予算から始めることができます。毎月1ヶ月分の先払いのため、料金の未払いやトラブルも起きにくいです。また1度契約すると、継続して利用してくれる人がほとんどです。

デメリットは収入の上限が低く、1度空きが出てしまうとその間の収入が減少してしまうこと。また違法駐車、不法投棄などのトラブルにも悩まされることがあります。

コインパーキングは立地条件が良ければ良いほど収入にも直結し、月極駐車場の数倍の利益があがることもあります。また狭小地、変形地であっても月極ほど不人気になることはありません。

デメリットは駐車場機器を導入しなくてはいけないため、初期費用がかかること。近隣にコインパーキングが多いと価格競争がおこる可能性もあるので、常に近隣の動向に気をつけておく必要があります。

③借り入れの中でも「銀行融資」は厳しい

駐車場経営の土地購入において銀行からの融資は極めて難しいです。理由として賃貸経営とは違い、駐車場経営で利益をあげることが難しいためです。

まれに賃貸経営で充分な実績をあげているオーナーであれば、銀行からの信用も厚いため、融資がおりるようなケースもあります。しかし一般的に考えて、駐車場経営の土地購入だけで銀行からの融資を求めても厳しいのが現状です。

④融資の場合は返済計画と利回り計算はしっかりと

銀行からの融資によって駐車場経営をする場合は、返済計画をしっかりと考えておく必要があります。自己資金で駐車場経営をする場合と違って、損益のボーダーラインがシビアになります。

借入金の金利と税金、元本返済額が大きくのしかかってくる中、手堅く利益を出していかなくてはならないため、返済計画をきちんと練った上で駐車場経営を確実なものにしていく必要があります。

また収益最大化に向けて、いかに利回りを運用していくかも大事なポイントです。利回りには「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があります。計算式は以下です。
 

  • 表面利回り(%)=年間収入÷(土地費用+初期費用)×100
  • 実質利回り(%)=(年間収入-経費)÷(土地費用+初期費用)×100

「実質利回り」を計算することで、初期費用がいつ回収できるかも分かります。それによって初期の予算をもう少し削るかと言ったことも検討することができます。収益最大化に向けたバランスの良い計画を立てるために利回り計算をすることは重要になります。
 

駐車場経営の初期費用

駐車場経営の初期費用において、一番大きなウェイトを占めるのが土地整備にかかる費用です。未舗装で砂利を使用すればコストは安く済みますが、ほとんどの利用者はきちんと舗装された駐車場を好みます。そのためほとんどの駐車場はアスファルト舗装か、コンクリート舗装が多いです。

他に以下のような費用も初期費用に含まれます。
 

  • 車止め
  • ライン引き
  • 駐車場番号表記
  • 道の縁石切り下げ
  • 看板や照明など

またコインパーキングでは、満空表示灯、料金精算機、ロック板、防犯カメラ、遠隔システム、各種決済端末等の費用もかかります。コインパーキングを長く運営していくうえでは、更にコールセンター費用、24時間緊急対応の警備出動費などトラブル発生時にも費用がかかります。

これらは手間も時間もかかるので、コインパーキング運営を運営会社に任せているケースが多いのはその為です。
 

まとめ

まとめ

駐車場経営を目的とした土地購入において、必要な観点を以下にまとめます。これら観点を意識してしっかり検討することが必要です。

通常の不動産購入と駐車場用地との違い

  • 通常の不動産と駐車場のニーズの違い
  • 土地購入時にかかる費用の違い
  • 不動産の損益分岐点の見極め方
  • 適した土地の形状、間口、奥行

駐車場経営の土地購入費用の準備方法
  • 土地購入を自己資金で行う
  • 土地購入を借り入れで行う
  • 土地を借りるという方法もある

駐車場経営の土地購入で発生する経費
  • 購入時の土地取得費
  • 土地整備費
  • 解体費用(土地に建物が存在している場合)
  • 看板設置費
  • 料金精算機や監視カメラ(コインパーキングの場合)

駐車場経営の土地購入の注意点
  • 土地購入では利回りの高い土地を知っておく
  • コインパーキングと月極の違いを知っておく
  • 借り入れの中でも「銀行融資」は厳しい
  • 融資の場合は返済計画と利回り計算はしっかりと

「表面利回り」と「実質利回り」の計算式
  • 表面利回り(%)=年間収入÷(土地費用+初期費用)×100
  • 実質利回り(%)=(年間収入-経費)÷(土地費用+初期費用)×100

駐車場経営の初期費用
  • 車止め
  • ライン引き
  • 駐車場番号表記
  • 道の縁石切り下げ
  • 看板や照明など

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