2021年09月01日公開
2021年09月01日更新
事前精算機とは?駐車場用語の意味、自動で開く仕組み、注意点も紹介
大規模な駐車場には、事前精算機が設置されていることがあります。この記事では、事前精算機の役割や利用することによるメリットを解説します。また、事前精算機利用時の注意点や、事前精算機の仕組みなど、関連する知識なども紹介します。
事前精算機とは
事前精算機とは、出口の精算機とは別に設置されているものです。主に、大型の自走式立体駐車場においては、エレベーター室や駐車場に通じる渡り廊下等に設置されています。駐車場利用者が事前精算機を使うと、出口での精算手続きを簡略化できスムーズに出庫できます。
事前精算機は大きく2種類あります。一つ目は、入庫時に駐車券が発行される駐車場です。出庫時に事前精算機に駐車券を入れると、その時点までの利用時間に対する料金が表示されます。料金を精算するとその駐車券は一旦手元に戻されます。その後、出庫時に出口の精算機にその駐車券を投入すると、駐車バーが上がり出庫できる仕組みになっています。
もう一つは、車両ナンバー読み取り型の駐車場です。入庫時に車両ナンバーを読み取り、出庫時に事前精算機で精算すると、出口ではその車両は精算済みであると機械が認識しているため、出口での操作は何もなく駐車バーが上がる仕組みの駐車場です。尚、この方式でも駐車券は必要ですが、出庫時に駐車券の投入がないことが先述の方式との違いです。
尚、事前精算機利用後の出庫には、時間制限があります。時間制限が何分後であるかは、駐車場により異なりますが概ね30分以内の設定となっています。
事前精算機の種類
事前精算機には、さまざまな種類があります。スタンダードなものは、硬貨と1,000円紙幣のみで精算ができる機種です。ここに、5,000円や10,000円の高額紙幣も対応できる機能や、交通系ICカードでも精算できるオプションを追加できます。
また、機種によっては釣銭の補充機会を軽減できる循環型や、料金等が表示されるディスプレイが大型で見やすいものなどがあります。
事前精算機のメリット
事前精算機のメリットを挙げていきます。
- 出口での精算手続きがなく、スムーズに出庫できる
- 出口の渋滞防止
- 利用時間が余計にカウントされる心配がない
まずは、出口での精算手続きがなくなることでスムーズに出庫出来ます。このような大型の駐車場でネックになるのは、出口での精算です。車の運転が苦手な人にとっては、精算機に車を近づけるのもおぼつかない様子のことがあります。また、車に乗りながら精算機で料金を支払う行為が、意外と時間が掛かります。
更に、万が一小銭や紙幣がなかったり、駐車券をなくしていることが精算時に発覚してしまえば、精算手続きができずに後続車に迷惑が掛かることもあります。よって、事前精算機を利用することは、利用者のあらゆるネックを解消してくれるのです。
次に、出口での精算がないので渋滞を防止できます。仮に出庫する際に、出口が渋滞していたらドライバーはイライラするでしょう。また、事前精算機がなければ渋滞に費やした時間もカウントされてしまうのです。
事前精算機の仕組み
ここでは、車両認証型の駐車場で事前精算機を使った場合の仕組みについて解説します。
ゲートが自動で開く理由
このような駐車場には、車両ナンバーを読み取るカメラ、駐車場の管理サーバー、駐車ゲートで構成されています。入庫時に利用者が駐車券を受け取りますが、このときに車両ナンバーが読み取られ、瞬時に管理サーバーに登録されます。
その後、出庫時に事前精算機を利用すると、管理サーバーに精算済みであることが登録されます。したがって、精算済みであるナンバーと、出口から出庫時に読み取ったナンバーを管理サーバーで照合し、精算済みであれば駐車バーが上がる仕組みになっています。
尚、車両ナンバーに汚れがあったり、曲がっているなどして読み取れない場合、精算済みの駐車券を出口の精算機に投入することで出庫できます。
車番認識システムの駐車場以外での活用方法
ここでは車番認識システムが、駐車場以外で活用されている実用例を挙げていきます。
- Nシステム
- オービス
Nシステムは、警視庁が主に犯罪捜査の為に設置している、自動車ナンバー読み取り装置です。主に、高速道路や幹線道路など全国の道路に約1,500箇所設置され、そのデータは警視庁に保管されています。Nシステムは、通過した車両のナンバーや運転者の顔を撮影しています。
もう一つが、オービスです。オービスは、スピード違反を取り締まる機器で、こちらも高速道路や幹線道路に設置されています。オービスは速度違反者が通過すると、ナンバーと運転者の顔を撮影します。
これらの他にナンバー読み取りシステムは、道路の交通調査用として使用されています。新規道路整備の効果検証として使われ、他の道路に転換した交通量の割合や所要時間など基礎データ収集に活用されています。
事前精算機を使用する際の注意点
ここでは、事前精算機を使用した際の注意点について、3つほど紹介していきます。
事前精算後に時間経過したときの対応
事前精算機を利用した後は、出庫に時間制限があります。何分後までに出庫すればよいのかは、駐車場により設定が異なりますが、仮にこの時間制限を超えてしまった場合はどうなるのでしょうか?
時間制限を超えてしまった場合、超過した時間分の駐車料金が出口の精算機で表示されるので、所定の料金を支払うことになります。よって、事前精算機を利用した後は、素早く出庫する必要があります。
ナンバープレートを読み取らないときの対応
ナンバープレートが折れて曲がっていたり、汚れているなどしている場合、車両ナンバーが読み取れないこともあります。このような時は、精算済みの駐車券を出口の精算機に投入することで出庫できます。
ご当地ナンバープレートに対応していない可能性
ご当地ナンバープレートは、地域・観光振興の目的から、全国的に知名度が高い地名をナンバープレートに使用しているものです。2006年から導入されており、代表的なのは「富士山」ナンバー等です。このようなご当地ナンバーには、図柄が入りのものがあります。
一部、駐車場ではこのようなご当地ナンバーに対応していない可能性もあるので注意が必要です。
まとめ
事前精算機は、駐車場利用者には便利なシステムです。特に、運転に不慣れな人にとっては、出庫時に出口で精算することがないので安心して利用できます。また、出口の渋滞対策にもなることから、積極的な利用をおすすめします。