2022年06月17日公開
2022年06月17日更新
コインパーキングのロック板とは?意味、ロック板がない駐車場増加の背景を紹介
コインパーキングロック板とは、どんな仕組み、またどんな問題点があるのかを解説します。更に、その問題点を解決するロック板がない駐車場についても紹介します。コインパーキングロック板の問題点やロック板がない駐車場のメリットをあげ、近年増加の背景を探っていきます。
コインパーキングのロック板とは
コインパーキングロック板とは、車室の地面に設置されている車止め機器のことです。ロック板には、車体後部右側の車輪を止める方式と、車室前方に設置する形態があります。前者は、一般的なコインパーキングでよく用います。しかし、車輪をロック板に乗り上げることで、駐車しにくいというデメリットがあり、駐車が苦手なドライバーには敬遠されてしまうことがあります。
また、後者は車輪を乗り上げる作業がなく、ドライバーには駐車しやすいのです。しかし、オーナー目線で考えると、機器が車室の前方に設置してある分、1台分の敷地を多く取る必要があります。したがって、狭小の駐車場には不向きです。
また、最近ではロック板が地面に埋まっている方式もあります。一見平置きと同じ形態で駐車できるのがメリットです。この形態は、車が駐車するとセンサーが感知し、地面に埋め込まれていたロック板がせり出してくる仕組みです。この場合、上面はゴム製であることが多く、乗降時の歩行も安全が確保されています。
従来のロック板方式は、さまざまな問題点があるため現在では先述の他に、ロック板自体がない駐車場も普及し始めているのです。
ロック板にある問題点
ここでは、ロック板にある問題点について解説します。まずは、ドライバーにとっての問題点です。
- 駐車が難しい
- ロック板が車に当たると傷が付く
- 乗降時足元にロック板があると歩きにくい
まずは、駐車が難しいことです。コインパーキングは、場内が狭いことが多く駐車自体が難しいケースがあるのですが、そこに加えてロック板に車輪を乗り上げる作業は一苦労です。誤って機器自体に乗り上げると、車に傷が付く可能性があります。また、ロック板に乗り上げる時、アクセルの踏み方の加減が難しく、運転が苦手なドライバーには負担が重たいのです。
最後に、ロック板が足元にあることで、乗降時につまずかないように、気を付けなければなりません。特に、雨が降っている日などは、傘を差しながらの乗降となるので注意します。
続いて、オーナーにとっての問題点です。
- 機器の点検や、メンテナンスが頻繁にある
- 故障が多い
- 掃除しにくい
- 不正出庫で壊されることがある
まずは、機器の点検やメンテナンスが頻繁にあることです。ロック板は、コインパーキング経営の根幹を支える機器で、故障すると売上げが落ちてしまいます。更に、故障することで利用者よりクレームが入ることがあります。よって、故障による動作不具合がないように、機器の点検や定期的な部品交換などメンテナンスが必要で費用も掛かります。
次に、ロック板があることで日常清掃がしにくいです。ゴミや落ち葉などがロック板の隙間に入り込むことも多く、故障に繋がることもあります。ロック板一台ずつ丁寧に掃除する必要があり手間が掛かるのです。
次に、点検は頻繁に行いますが常に車輪が接触する機器であるため、故障はどうしても多いことです。修理や機器の交換があれば、都度費用は掛かります。このような故障が頻繁にあると、売り上げを伸ばすことはできません。
最後に、コインパーキングの利用者に中には不正出庫する車もいます。不正に出庫する車は、上がったままのロック板を無理やり乗り越えます。したがって、ロック板が壊されてしまうことがあるのです。もちろん、コインパーキング内には防犯カメラがあるので、不正出庫が起きた際は被害届と証拠映像を警察に提出します。
ロック板がないコインパーキングの仕組み
最近では、ロック板がないコインパーキングがあります。その仕組みは、ロック板がない代わりに車室後方にカメラポールを設置し、車を感知するセンサーとナンバープレートを読み取るカメラにて管理されています。よって、車室に駐車するとセンサーが感知し、料金の課金が始まります。
このとき、車は車室内にピッタリ収まらないとセンサーやナンバープレートの読み取りができないので注意します。また、出庫時は車室ナンバーを精算機に入力し、料金精算を行います。料金精算後はおよそ3分以内に出庫します。理由は、3分以上経過すると新たな課金が始まり、気づかず出庫することで不正利用になってしまうからです。
ロック板がないコインパーキングの不正使用率
ロック板がないコインパーキングは、一見不正使用が多いように思えます。しかし、ロック板がない駐車場は、駐車時にナンバープレートが撮影され、敷地内には防犯カメラがあります。また、これらのカメラは主に300万画素の高精細システムのものが多く、夜間でも顔やナンバーをはっきり写すことができます。
よって、通常のコインパーキングよりカメラによる監視体制が厳しく、常に見られているという心理から抑止力が働きます。よって、不正使用率は低く抑えられています。
ロック板がないコインパーキングのメリット
ロック板がないコインパーキングのメリットについて解説します。まずはドライバー側からです。
- 駐車しやすい
- 車が傷つく心配がない
- つまずく心配がない
まずは、ロック板がないことで駐車しやすいです。車室の形状は、平置き式と変わらないので駐車が苦手なドライバーでも利用しやすいです。次に、ロック板がないので車が傷つく心配がありません。海外製の車高が低い車でも駐車できます。
最後に、車室にロック板がないので足元は安全です。乗降時に機器でつまずく心配はありません。
続いて、オーナー側からのメリットです。
- ロック板故障のリスクがない
- 導入費用はロック板ありとあまり変わらない
- 不正出庫が減少する
- トラブルが減る
- 駐車しやすいので、ドライバーの評判が上がる
まずは、ロック板がないので一番の悩みの種である故障のリスクがありません。故障がないので、売上げが落ちることや機器交換費用の負担はなく、収益を伸ばすことができます。次に、導入費用はロック板ありとあまり変わりがありません。
また、ロック板なしは不正出庫が減少するというデータがあり、導入費用が変わらずに不正出庫による破損がなく無駄な費用が掛かりません。次に、コインパーキングのトラブルは、「ロック板が車に接触した」、ということが多くあります。ロック板がないことで、無用なトラブルを回避できます。
最後に、駐車しやすいのでドライバーの評判が良くなります。評判が良くなればリピーターが増え、結果として稼働率が上がり収益が良くなるのです。
まとめ
ロック板は、コインパーキングにはなくてはならないものです。しかし、ロック板は不便な部分が多く、トラブルも多いので、最近ではロック板がないコインパーキングがあります。ロック板なしはドライバー・オーナー双方にメリットが多く、今後は更に普及が見込まれます。ロック板なしの駐車場を利用する際は、払い忘れがないように注意しましょう。