個人で土地を貸すなら駐車場がおすすめ!成功のコツと注意点も解説

自己で所有する土地を、駐車場として貸す方法を解説します。駐車場として貸すメリットやデメリット、成功のポイント、初期投資額、収入事例なども紹介します。その後は、具体的に土地を駐車場として貸す方法や、その際の注意点も紹介していきます。

個人で土地を貸すなら駐車場がおすすめ!成功のコツと注意点も解説のイメージ

目次

  1. 1土地を駐車場として貸す際の基礎知識
  2. 2土地を駐車場として貸すメリット・デメリット
  3. 3土地を駐車場として貸す際の成功ポイント
  4. 4土地を駐車場として貸す際の初期費用・収入事例
  5. 5土地を駐車場として貸す方法・流れ
  6. 6土地を駐車場として貸す際の注意点
  7. 7まとめ

土地を駐車場として貸す際の基礎知識

所有地が空地や遊休地になっていたら、勿体ないと思いませんか?土地は誰でも欲しい資産で、土地があればその土地の活用方法はいくらでもあります。土地活用で代表的なものは、アパートやマンションですが、初期投資が多額に掛かるので手を出しにくいです。

将来的に、所有地をどのように活用して良いか迷っている人には、とりあえず「土地を駐車場として貸す」のがおすすめです。この記事では、所有する土地を駐車場として貸す方法を徹底解説し、成功するためのポイントや注意点などについても紹介していきます。

まずは、駐車場経営について基礎的な部分を解説します。

駐車場経営とは

駐車場経営とは、所有している土地に駐車場を設置して、利用者から賃料を徴収し経営していくことです。駐車場経営は、住宅街やオフィス街、駅に近い繁華街や商店街など、駐車需要がある立地であれば基本どんな場所でも設置可能です。

また駐車場経営は、個人・法人で行うことができます。また駐車場経営の特徴は、ローリスク・ローリターン、土地転用性の良さ、周辺の状況に経営が左右されやすく競合が多いことです。更に駐車場経営には、月極駐車場とコインパーキングがあり、それぞれ特徴があります。

最後に、駐車場経営は土地所有者向けの土地活用です。理由は、収益性が低いからです。土地から購入すると、ローン返済分も固定費に入ります。それに加えて駐車場の敷地に掛かる固定資産税は、更地と同じ評価になるのです。

したがって、賃料収入から双方合わせた固定費を差し引くと、土地から購入した場合には黒字になりにくいのです。駐車場経営は土地所有者向けと言えます。
 

駐車場経営の種類

月極駐車場とは、駐車スペースを月単位で個人や法人に貸し出すことをいいます。駐車場のオーナーは、賃借人から月単位で得る賃料を収入に経営します。月極駐車場の形態は、砂利敷き青空駐車場・アスファルト敷き青空駐車場が多く、稀に都市部では機械式駐車場・タワーパーキングの形態もあります。

また月極駐車場は、住宅街やオフィス街に需要が多くあります。住宅街であれば、主にマイカーを駐車する需要、オフィス街であれば社用車を駐車する需要、商店街があれば商用車を駐車する需要となります。またマイカー需要が高い23区以外の地域、主要駅から離れた地域も需要が見込めます。

コインパーキングとは、駐車区画を時間制で利用者に貸し出しすることです。賃料は時間単位でカウントされます。コインパーキングは、主に主要駅に近い立地や、大型商業施設がある立地など、一時的な駐車需要が見込めるエリアに設置されています。

更にコインパーキングには、三井のリパークやタイムズ24など、多くの運営会社があります。また、街中にコインパーキング自体が多くあるので、馴染み深い土地活用です。尚、先述の運営会社の場合の経営方法は、土地一括借り上げ式になります。

 

駐車場の経営方式

駐車場の経営方式には、下記3種類があります。
 

  • 個人経営方式
  • 管理委託方式
  • 土地一括借り上げ方式

個人経営方式とは、駐車場の募集や契約、そして賃料の徴収や解約まで全てをオーナーが行います。この場合、不動産会社や管理会社へ管理料を払うことなく、賃借人からの賃料を100%受け取ることができるので、収入は一番多くなります。

しかし、退去者が出たときに駐車場の募集を個人で行うので、集客力が落ち、空車が長期化する可能性があります。また、駐車場内で起こった事故、賃料未払い、賃借人同士のトラブルなどがあった場合に、全て対応をしなければなりません。また、駐車場内の草取りやゴミ拾いなど、日々のメンテナンスもオーナー自ら行うので負担が大きくなります。
 
管理委託方式とは、駐車場経営の日常業務を、管理会社に委託することです。賃借人の募集・契約・賃料回収・解約などの業務をする必要がなくなり、駐車場オーナーの負担が軽減されるのが特徴です。尚、管理委託料の相場は、賃料の5~10%程度となります。管理委託方式は、個人経営方式に比べて収入は下回りますが、複数の駐車場を所有する場合は効率が良くなるので一般的な方式になります。

一括借り上げ方式は、所有地を運営会社に賃貸し毎月地代収入を得る方式です。この場合、コインパーキング経営に必要な、初期費用の負担がないのが特徴です。また、コインパーキング開設中も、経営等に一切関与することはありません。土地オーナーは何もすることなく、毎月地代収入が安定的に入るので、副業等で行うのであればおすすめです。

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駐車場経営は暫定利用が一般的

駐車場経営の土地の利用効率は、決してよくはありません(立体駐車場の場合は除きます)。なぜなら、駐車場は基本平面のみしか活用できず、その上の空間部分は全く活用されていないからです。土地活用は、その敷地に建物を建てて、家賃収入を得るのが一番儲かります。例えば、マンションやアパートなどの集合住宅は、土地のポテンシャルを十分に活用した経営となります。

また、駐車場経営自体の特性として、気軽に始められる、初期費用安価、将来的な転用性の良さ、があります。これらを総合すると、駐車場経営は土地の暫定利用となることが一般的なのです。都心部等で古いビル等が壊されて、その跡地が駐車場になっているケースがよくありますが、まさにこれが暫定利用の最中であるのです。

古いビルを取り壊し更地にしているままでは、固定費のみの支出となり赤字となります。その土地をどのように活用するのか迷っている間は、せめて駐車場を設置して、少しでも固定費に充てておこうと考えるのが一般的なのです。また、駐車場は土地活用の良い案件があれば、比較的早く閉鎖することができるのも暫定利用になる理由です。

 

駐車場経営は活用方法に悩んでいる人に最適

先述の通りに、暫定利用が一般的な駐車場経営であるので、土地活用に悩んでいる人には最適な方法です。土地は悩んでいる間にも、固定資産税などの固定費は掛かり続けます。悩んでいる間に、固定費だけ支出するのであれば、とりあえず悩んでいる間だけでも収入が得られる駐車場経営は最適です。

駐車場経営は、初期費用安価、工事期間が短い、投資資金が即回収できる、直ぐに辞められるのが土地オーナーのメリットであるので、これは大いに活用すべきです。そして、悩みに悩んで土地活用の結論が出たら、駐車場経営から事業を転換します。

尚、事業転換時、駐車場の撤去も苦労はあまりありません。借地借家法の対象外となるので月極駐車場の場合、借地人への退去通告は退去日1か月前の通告で済みますし、コインパーキングは施設の閉鎖で済むのです。

相続した土地の活用方法に悩んでいたり、空き家になった実家の活用に悩んでいたら、駐車場は現状での最善策となることが多いのです。尚、所有している立地が23区内の駅に近い立地などであれば、信託会社に土地活用の依頼を検討してもよいでしょう。

土地を駐車場として貸すメリット・デメリット

ここからは、土地を駐車場として貸すメリット・デメリットについて解説します。メリット・デメリットを知り、駐車場経営についての理解を深めていきましょう。

土地を駐車場として貸すメリット

まずは、土地を駐車場として貸すメリットになります。

①初期投資を抑えられる

駐車場経営開始時の初期投資は、安価に抑えられます。月極駐車場は、早ければ1日で工事が完了します。工事自体も、整地(砂利かアスファルト)、フェンス・車止め・看板設置、駐車区画線の設置のみです。したがって、短期間に低コストで始められます。

 
また、コインパーキングで運営会社に土地を預ける、土地一括借り上げ式であれば初期費用は掛かりません。つまり、土地の賃貸借契約ができたら、駐車場機器の設置工事費等は一切負担する必要はありません。他の管理委託方式や自己経営であると、コインパーキングに必須な機器の購入や設置工事があるので、初期費用は数百万程度掛かります。尚、機器の購入費を抑えたい場合は、運営会社によりリース品を利用することもできます。

②安定的な収入源になる

駐車場経営は、安定的な収入源となります。月極駐車場であれば、賃借人がいる限り賃料は毎月入り続けます。尚、月極駐車場は一度賃借人がつくと、長期間借りるケースが多いので安定感は抜群です。次に、コインパーキングでも土地一括借り上げ式であれば、地代収入が毎月安定的に入り続けます。

収益性は低いのですが、固定費を賄う程度の収入であれば一旦は問題ありません。

③借地借家法の適用がなく事前通知で解約が可能

先述の通りに、駐車場経営は借地借家法の適用がなく、事前通知で解約が可能です。この点が、アパートやマンションとの大きな違いで、土地オーナーの都合で賃借人を追い出すことが容易になっています。駐車場経営では賃借人に、借地権ではなく施設利用権を提供しているのみになります。また、この点が土地の転用性を高めており、暫定利用しやすい部分でもあるのです。

④狭小地でも始められる

駐車場経営は、アパート・マンションなどが建設しにくい狭小地でもできます。したがって、このような土地の有効性は高いのです。車の駐車区画は、概ね1台当たり幅2.5m×奥行6mが必要で、駐車場経営するには2台分が駐車できる広さがあれば十分です。繁華街など好立地に土地を所有していながら、活用法に悩んでいたら駐車場経営がおすすめなのです。

⑤短時間で運営を開始できる

駐車場は、短時間で運営を開始できます。理由は、先述の通りに工期の短さです。このことにより、投資資金を直ぐに回収できるのと、家賃が無収入になる期間が短くなります。例えば、アパート等は不動産会社と契約してから着工・竣工、入居開始まで半年程度掛かります。

その間の賃料収入はもちろんなく、固定資産税などは掛かるので実質赤字です。このような赤字期間が短く、直ぐ経営開始できるのがメリットです。

土地を駐車場として貸すデメリット

ここからは、土地を駐車場として貸すデメリットについて解説します。メリットだけでなく、デメリットを理解することで駐車場経営の本質がわかります。

①賃料が低い傾向にある

同じ立地で駐車場として貸す場合と、アパートとして貸す場合では当然に賃料相場は変わってきます。このように、駐車場経営では高い賃料を望むことはできません。また、平面のみの活用となるので、土地の利用効率は悪く収益性も高くはありません。駐車場経営は典型的なローリスク・ローリターン型です。

②賃下げ要求を受けるおそれがある

月極駐車場の場合、賃借人が長期間借りてくれることは良いことですが、賃借人によっては値下げ要求されるケースがあります。また、コインパーキングで土地一括借り上げ方式の場合、地代収入となりますが、これもずっと固定されているわけではありません。

コインパーキングの稼働率が下がり収支が悪くなると、駐車場の運営会社から地代の値下げ交渉がある場合もあります。運営会社にとっては、土地を借りているコインパーキングで黒字にならなければ、事業の意味はありません。運営会社としては月々に掛かる固定費の削減を目論むのも当然で、地代の支払いは一番大きなコストカットになるのです。

③土地の利用効率が低い

駐車場経営の土地の利用効率は低くなります。平面の駐車場ではワンフロア分のみの活用となるので、アパートやマンションのように利用効率は良くないのです。

④小規模住宅用地の特例が適用されず固定資産税が上がる

最後に、駐車場は更地と同じ評価となるので、小規模住宅用地の特例が適用されず固定資産税が上がります。したがって節税対策どころか、固定資産税は跳ね上がります。特に、実家などの相続で建物があった土地に、駐車場を設置する場合は要注意です。

固定資産税は宅地があることで、軽減措置が適用されています。しかし、建物がなくなることで軽減措置がなくなるのです。建物があった時と比べて、固定資産税は約6倍、都市計画税は約3倍になります。これら固定費を払っても赤字にならないかを、事前に運営会社等に確認しておきましょう。

また節税対策にはならない駐車場経営ですが、仮に駐車場がアスファルト舗装であれば、相続時に小規模宅地の特例が適用されます。土地200㎡まで相続税の評価額が50%減になるので、相続税の節税対策にはなるのです。

土地を駐車場として貸す際の成功ポイント

ここからは、土地を駐車場として貸す際の成功ポイントについて解説します。駐車場として適している立地は駐車場の種類によって異なりますが、これらは月極駐車場とコインパーキング双方に共通するポイントです。
 

  • 立地周辺の駐車場利用の需要があるか調査する
  • 駐車料金は相場並みに合わせる
  • 駐車場開設後も、周辺の競合の調査を怠らない
  • 綺麗で停めやすい駐車場にする

まず、立地周辺の駐車需要の調査です。月極駐車場の場合は、マイカー・社用車・商用車の駐車利用が多いです。そのためには、住宅街が近い、オフィス街が近い、商店街が近いなど、駐車需要がありそうな地域であるかの調査が必要です。また、近隣の月極駐車場の稼働率が高ければ、潜在的な需要が見込めることになります。

次に、駐車料金は周辺の相場並みに合わせます。駐車料金が少しでも高いと利用者には敬遠されてしまいます。利用者がいなければ稼働率が下がるので、経営は成功となりません。次に、駐車場開設後も周辺の調査を怠らず、継続して行うことです。

コインパーキングであれば、周辺に競合が新規オープンしたり、値下げ等を行う可能性があります。これにより所有するコインパーキングの稼働率が落ちることがあります。したがって、周辺を常に調査することにより、新規オープンの調査、競合の価格や稼働率調査、周辺の店舗や施設の営業状況などの情報を掴んでおきます。稼働率を左右しそうな情報により、経営方針や戦略を変えていく必要があるのです。

最後に、綺麗で停めやすい駐車場を作ることです。綺麗というのは、ゴミや雑草がないなど綺麗に整備されている駐車場のことです。また停めやすい駐車場とは、駐車場のレイアウト自体にゆとりがあったり、駐車区画を広くしたり、車路を広くとるなど誰でも停めやすい駐車場を作ることです。

また接面道路からバックでしか入れない、駐車場までのアクセスする道が狭いなどの要素があると利用者から敬遠されてしまいます。このような立地で開設する場合、利用料金を相場より下げるなどの対応が必要です。駐車場開設前には、収支的に赤字にならないかなどを運営会社に確認しておきましょう。
 

土地の売却も活用方法として有効

駐車場経営が成功すればそのまま継続して営業すればよいのですが、必ずしも成功とはならないケースや、周辺の状況により急激に収支が悪化することもあります。駐車場経営の収支が悪くなってきた場合は、柔軟に対応する必要があり、対策を早めに打つことで損失を最小限に抑えることができます。

例えば、月極駐車場を経営していたが退去者が増え、新規契約者がなかなか増えないとき、駅に近い立地であったことから月極の一部をコインパーキングにしたという事例もあります。また、駐車場経営は土地の転用もしやすいので、他の土地活用を検討するなどもします。

また最終手段としては、土地の売却も活用方法として有効です。特に、コインパーキングの用地は比較的好立地である場合が多いので、売却はしやすいです。月極駐車場にしても、住宅用地として売却も可能です。しかし、売却すると当然ながら土地を手放すことになるので、先祖から受け継いだ土地など所縁が深ければ慎重に判断すべきでしょう。

土地を駐車場として貸す際の初期費用・収入事例

ここからは、土地を駐車場として貸す際の初期費用・収入事例について解説します。月極駐車場のパターンとコインパーキングのパターンを、それぞれ紹介します。

月極駐車場の初期費用・収入事例

まずは、月極駐車場の初期費用について解説します。月極駐車場の初期費用で掛かるのは、アスファルト舗装、車止め設置、フェンスの設置、看板の設置、駐車区画線設置、照明の設置になります。下記はそれぞれのおおまかな費用になります。

(表)月極駐車場の初期費用の目安

項目 費用
アスファルト舗装 5,000円/㎡
車止め設置 6,000円/1台
駐車区画線・番号設置 5,000円/1区画
境界フェンス設置 10万円
照明設置 10万円
看板設置 5万円

 

(例)土地の広さ300㎡、駐車台数10台分の月極駐車場の設置費用はいくらか?

アスファルト舗装費 5,000(円)×300(㎡)=1,500,000(円)
車止め設置費用 6,000(円)×10(台)=60,000(円)
駐車区画線・番号設置 5,000(円)×10(台)=50,000(円)

初期費用は、1,500,000+60,000+50,000+100,000+100,000+50,000=1,860,000(円)

全てを合計すると初期費用は、186万円です。

次に、月極駐車場の収入事例です。上記と同様に10台収容の月極駐車場で、賃料15,000円とすると年間収入は幾らになるのか?尚、稼働率は100%と70%で想定します。

稼働率100%の場合 15,000(円)×10(台)×12(か月)×100%=1,800,000(円)
稼働率70%の場合 15,000(円)×10(台)×12(か月)×70%=1,260,000(円)

駐車場には入退去があるので、稼働率が100%というのはあまり想定しないほうがよいでしょう。稼働率70%位の数字で収支を見込むと、より堅実な経営ができます。

 

時間貸し駐車場の初期費用・収入事例

次に、コインパーキングの初期費用と・収入事例を紹介します。コインパーキングは、土地の一括借り上げ式が殆どで、この場合初期費用は基本掛かりません。稀に、道路と駐車場との段差解消工事などが、土地オーナーの負担となる場合もあります。

収入事例になりますが、土地一括借り上げ方式の場合、事前に設定された地代収入が毎月入ります。月30万円の地代であれば、年間で360万円の収入となります。地代は、固定資産税評価額を基に設定されることが殆どです。

固定費を支払っても、黒字になるような地代設定となるように契約時にしっかりと確認します。


 

土地を駐車場として貸す方法・流れ

ここでは、土地を駐車場として貸す方法・流れについて紹介します。

①運営会社への相談

駐車場経営を始めるには、まず駐車場経営をサポートしてくれる運営会社への相談をします。月極駐車場かコインパーキングにするか迷っているのであれば、まずはどちらも手掛けている大手運営会社に相談するのがよいでしょう。

三井のリパークやタイムズは、月極駐車場も行っています。土地のオーナーは、立地の情報や広さ等を伝え、駐車場の専門家にアドバイスを仰ぎます。土地の特性や需要の見込みなど、シミュレーションを行ってもらい、どちらがあっているのか提案してもらいましょう。

月極駐車場かコインパーキング、どちらかで決まったら、具体的な駐車場レイアウトの提案や今後の契約から着工までの流れなど、一通り説明を受けます。また、同時に運営会社により提案内容が変わる可能性があるので、相談は複数社に行いましょう。

コインパーキングで土地一括借り上げ式であれば、経営に参加することはありません。しかし、経営開始後のトラブル発生時に運営会社の対応次第では、最終的に土地オーナーが責任を取る可能性もでてきます。運営会社の選択には、ネームバリューでの安心感で決めてもよいのですが、他にも運営方針、管理ノウハウ、トラブル時の対応なども聞き、総合的に運営会社は選択していきます。

運営会社への相談は、運営会社の能力を見極めることも兼ねています。運営会社への相談はじっくりと行い、慎重に選んでいきましょう。
 

②市場調査・賃料の決定

運営会社の候補が幾つか決まったら、次は市場調査です。市場調査は、駐車場運営会社が実施します。この調査能力が、駐車場経営成功のカギを握るので大変重要なのです。運営会社の市場調査が終わったら、賃料の提案です。

賃料提案は、立地周辺の賃料相場、周辺との立地比較による賃料の優劣、需要が見込める施設・店舗があるかなど、調査結果を総合したものとなります。調査結果と周辺相場をもとに月額の賃料や、時間貸しの賃料提案を行います。時間貸しの場合は、最大料金などで周辺と差別化することもあります。

尚、土地一括借り上げの場合、運営会社は地代の提案をします。このとき、運営会社の事情で戦略的に駐車場を設置しておきたいエリアもあります。仮に、このエリアに土地が該当している場合、高い地代を提示してくることもあります。したがって、賃料提案は複数社から受けるべきなのです。

次に、土地の形状によっては、各社で駐車場のレイアウトが異なることがあります。駐車台数が異なれば収益性にも大きく影響します。少しでも高収益を得るための、ベストなレイアウトも複数社から提案を受けるべきです。

以上、ここまで述べた内容は駐車場経営で収益を上げる最も重要なポイントです。
 

③賃貸借契約の締結

運営会社が決まれば、土地の賃貸借契約を結びます。土地をまるごと貸すので、土地オーナーは経営に介入しない形態です。賃貸借契約で注意したい点は、解約の予告月数です。駐車場経営は、暫定的な経営であるケースが多いので土地の転用性を高めるには、予告月数は短い方がよいのです。

例えば、急遽所有地が高値で売却できる話があった場合に、解約ができるのが3か月も先であれば、せっかくの機会を逃すこともあるのです。土地を所有していれば、他の土地活用の話などが舞い込むこともあります。

もともと、転用性の良さで駐車場での暫定利用をしているので、話の内容が良ければ進めたいのです。したがって、土地オーナーがタイムリーに動くには、解約の予告月数が短い方がよいのです。賃貸借契約時は解約の予告月数は必ず確認しましょう。

尚、管理委託形式等の場合、運営会社と管理委託契約を結びます。こちらは、運営会社が経営のサポートをする契約形態になります。

④着工

運営会社との契約が完了すれば、所有地に駐車場を設置します。コインパーキングであれば、必要な駐車機器の設置工事となります。土地のアスファルト舗装から始まり、ロック板や精算機の設置、最後に敷地境界にフェンスや駐車区画線などを設置すれば完成です。工期は、3日~1週間程度です。

⑤駐車場運営の開始

工事が完了したら、いよいよ駐車場運営開始です。新規の駐車場であるので、周辺への周知も必要です。敷地周辺にのぼりを設置したり、電柱看板などを設置して新規オープンをアピールする方法もあります。運営が開始となると、次月より賃料収入が入ります。

 

土地を駐車場として貸す際の注意点

ここからは、土地を駐車場として貸す際の注意点を解説します。

①空き地を貸す場合も適度な手入れは必要

駐車場として空き地を活用するのであれば、放置するわけにはいきません。空き地を貸す場合も適度な手入れは必要になります。では、どのような手入れが必要でしょうか?
 

  • 草刈り
  • 整備、巡回
  • ゴミ拾い
  • 整地
  • 除雪

まずは、草刈りです。空き地の場合は砂利敷きの場合が多いので、雑草等の草刈りが必要です。特に、春先から夏にかけては雑草が良く伸びる時期であるので、定期的に行います。駐車区画が雑草伸び放題であったら、車を停める気になりません。

次に、整備や定期的な巡回です。整備とは区画番号を記した看板や、駐車区画ロープなどの設置です。これは駐車区画等を明確にし、利用者同士のトラブルを防止します。また定期的な巡回を行うことで、放置車両などの異常事態や施設の破損などに素早く気づくことができます。

更に、定期巡回することでゴミ拾いも行うことができ、綺麗な駐車場を保つことができます。次に整地です。車が出入りするうちに、駐車場内にはデコボコができてしまいます。雨の日に雨水が溜まったりしないように、砂利などを敷くことも必要です。

最後に、雪が降った日の除雪です。土地オーナーが除雪を行うことで利用者も安心して、駐車場を利用できます。つまり、総じて利用者が使いやすい駐車場であることが必要です。

②賃貸借契約書で借地借家法の適用がないことを明示する

次に、賃貸借契約書で借地借家法の適用がないことを明示することです。駐車場として土地を貸す場合は借地借家法の対象ではないので、契約期間が満了すると賃貸借契約は終了し、賃借人は土地を明け渡すことになります。また、賃借人が更新を要求しても、土地オーナーは拒むことができます。

また、1か月前の通知で賃借人を退去させることもできる旨も、賃貸借契約時に伝えておく必要があります。

まとめ

駐車場経営は暫定利用が一般的であるので、土地活用に悩んでいる人に最適です。また、駐車場経営は初期投資が安価であり、誰でも参入しやすい分野であるので、手軽に始められます。

また、駐車場経営には成功するポイントや注意点などもあり、経営開始前には十分に理解しておく必要があります。特に、駐車場は土地の転用性が高いことがポイントであるので、転用性が損なわれないような契約を運営会社と結ぶことも重要です

 

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